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第十話 誰かこの暴君を殴ってくれ!
18※
しおりを挟む(いや? 三初も、嫌なのか? それは、なにが、なんで)
「あひっ…ぁっ…っあ、っ嫌だ、嫌ぁ……っ」
言葉の意味を考える回路は、ズチュッ、と直腸の突き当たりを不意を打って抉られ、焼き切られる。
頭がおかしくなりそうだ。
俺、本当に変になる。本当にだめ。いや、嘘。もうとっくに頭がおかしくなっていた。
「本当に、っだ、あっ、そこにいるっ…ダメになるっ…あっ、嫌だ…っぁ、嫌ぁ…っ」
腰に力を入れて達することを我慢し、腿の肉を抉るように抱き込む。
内側から襲いくる電流のような快感が嫌だ。一番弱い粘膜からもたらされる失禁してしまいそうな瘙痒感が嫌だ。
喉を震わせて狂ったように頭を振り、奥深く貫く肉棒を締め付けて、弾けそうな絶頂から逃れようと喘ぐ。
それでも追いかける限界は目と鼻の先で、ギュッと目を閉じて呻くしかない。
「ひっ、イク、嫌、も、ぉ願い、見ねぇで…っはっ、恥ずかし、い、ぁっ…っ」
「くく、恥ずかしいんですか? そうですねぇ。ベッドびしょびしょにして、泣いちゃいますもんね」
「ぁひ、ぎ、っ…っうっ、うぅ、見ねぇで…っみ、見るなよぉ……っ」
嘲笑と愛撫とケダモノじみたセックスに溺れて、ひんひんと鼻を鳴らした。
「頼むから、俺が出るとこ、見ねぇで、ぇ」
また、出てしまう。俺の見られたくないところなんて、三初は絶対に全部見る。
だって俺は三初のものだ。もう、泣いても笑っても逃げられない。
「出る、出るよ、も、出る、っ」
「はっ……ビクビクしてる、すげ……両方、イきそうですね?」
「ぁあ、ぁ、出る、漏れる、うぅ…っ」
ニマ、と笑う三初がトントンと前立腺をつつき、親指で蓋をしながら擦る鈴口を柔くあやした。
ゾクン、ゾクン、と背筋が粟立ち、尿道を上り詰めるものを抑え込めなくなり、目を見開いて震えながら呻く。
指の動きが早くなるにつれ、か細い矯正が乱れ、横隔膜が痙攣を起こす。
「も、しぬ、っしぬっし、ヒッ…──アッ……ッ…ッッ……!」
「っと、っ」
一際大きな快感の波に攫われ白んだ意識の中、プシッ、と淫液が吹き上がった。
その瞬間、三初は抱えていた足を離した俺の手の代わりに、足ごと俺の腰を掴んでギュッ、と抱き寄せる。
おかげで俺の足は落ちることなく、目の奥がチカチカと瞬き、俺はグタリと脱力した。
「はっ……うわ……」
「ひっ……ぁっ……はっ……」
抱き寄せられ、激しく脈打つ互いの鼓動と張りつく肌が心地良い。
快感の波間に身を委ね、気持ちいい、と恍惚とした多幸感に沈んだ。
絶頂を迎えてピク、ピク、と痙攣する肢体を抱きながら、中の三初がグリュ、と動いて、ユサ、ユサ、と軽く揺すられる。
「ん…へ……」
それを何度か繰り返されているのを遠くで感じていると、俺をおいつめていたモノが達する脈動を感じた。
ぼんやりと受け止める。
腹筋の上に熱い水たまりを作った陰茎の先から、チャパ、と雫が零れた。
肌を伝って、シーツを濡らす。漏らしてないのに漏らしたみたいで、恥ずかしい。
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