誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第八話 シスターワンコとなりゆきブラザーズ

34※

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「さ、触んなって言ってんだ、ろぉ……! アホか、ふっ…く、ぁ……っ」
「じゃあ動いてくださいよ。ヤり方は知ってるんだから、ね」
「う、っせ、はぁ……んっ、あっ……」

 ね、と視線を流され、カァ、と頬に朱が走る。どうすれば気持ちいいのかは、もう知っていた。

 言うとおりにするのは癪だが、そうしたいのも事実。悪態を吐くことしかできない。

「ぁ、は……っ」

 苦労して呑み込んだものをズズ、と肉を振り切りながら腰を上げて引き抜ける寸前まで抜き、再度根元までズブ、と呑み込む。

 自分だけで動くなら、こうしないと全部を感じることができない。

 埋め込む時は内臓を押し上げるように、思い切り打ち付ける。

「あッ…はぁ……ッ」

 大きな動きで抽挿を繰り返すと、グラグラと揺れていたスイッチがバチン、と入った気がした。

 膝立ちのまま何度もただ上下に跳ねてベッドを軋ませ、ひたすらに体を突き上げる。

 体力を使うしそう激しくはできないが、奥の奥まで抉られるたびに陰嚢から蜜が分泌され、内側から押し出されるように溢れた。

 俺の動きと共に揺れる先端から滴った先走りは、ポタ、ポタ、と三初の服を汚す。

 まあ、後で、洗濯。
 今は、どうでもいい、だろ?

「先輩、中抉れんの、気持ちいい?」
「は…っあっ……ん、イイ、っ…く、熱い、三初の……っ」
「まだ熱あるからね。でも、先輩の中のがもっと熱いと思いますけど……ん」
「熱い、の、イイっ……」
「そ? なら、一人でシていいですが、ちゃんと遊んでください」
「くぅ…ん、く……っ」

 自分のものを好き勝手に使って浸る俺を見ながら、三初は腿に触れさせていた手を離し、シーツに落とした。

 けれど俺は、三初に触られていないことに気が付かない。

 濡れそぼった屹立に手を添えて、前と後ろの両方に刺激を与え始める。

 大胆だった動きを小刻みに変化させ、内壁を思うようにうねらせて、快楽の波間を一人で揺れるのだ。

 三初をオモチャにしている、というのはあながち間違いではないと思う。

「あ、ぁっ……! イイ……っ! ひ…っ、く……んッ…んっ…ん……っ」

 次第に夢中になって喘ぎながら、腰を振った。

 普段はもっと趣向を凝らして全身を嬲られて犯されるが、今はただシンプルな官能だけが支配している。

 汗ばむ肌がぶつかって響く鈍った破裂音と、粘膜が擦れ合うグチュ、という水音が混ざり合い、自分の嬌声と共に耳からも煽られた。

(はっ……イ、く…あ、…っ)

 言葉もなくひたすらに快感を追いかけて、背繰り上がった絶頂感が解放を求める。

 堪えきれずに片腕を三初の首に回して抱き着き、首筋に甘噛みを繰り返す。

 痕をつける余裕がないので、手っ取り早く噛みついてしまったのだ。

「はは、噛んでんの?」
「んっ…ふっ…っぁ……み、はじめ、っ……」
「んー……?」
「も、俺イキそ、だか……っ、イク、イキてっ……かける、はっ……っ」

 掠れたか細い声を絞り出し、縋り付いた。

 思い切りイキたくてストロークを小刻みで強くし、反りかえりが前立腺をゴリゴリと擦るように尻を振って昂らせていく。

 ゴシゴシと一心不乱に手を動かし、その動きに合わせて指先で真っ赤な先端の粘膜を絞った。腹筋がヒクン、と痙攣し始める。

(ダメだ、イク、これで、もう……っ!)

「じゃあ、我慢しましょっか」
「っふ、っ、くひっ……!?」

 けれどもうイク、と強く思った瞬間──屹立の根元を強く握られ絶頂をせき止められてしまい、俺は切れ切れの悲鳴を上げてギュッと身を丸めた。

「やっ…はっ……あっな、んで…だ、はっ……」

 思わずしがみついていた三初の背中を、強く握る。

 もう少しでイケたのに、どうしてここにきて止めるのか。
 あんまりだ。乱れた呼吸の中になんで、という言葉が混じる。



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