誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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閑話 嫉妬×監禁×自堕落=最低カレシ

13(side三初)※

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 ──月曜日。

 三連休を用いた嫉妬ブースト込みのウキウキ監禁生活は、気がつけば最終日を迎えてしまっていた。

 最後ということもあったので、セルクルを使い一人分のショートケーキを作ってみたり。

 これは一応、今までの鞭の分の飴だ。

 初日はひたすら厳しくいたぶった。
 嫉妬由来の苛立ちと、他人の下心をその程度と言う御割のデリカシーのなさに、過激な気分になっていたからでもある。

 しかしその翌日はそうでもない。
 引きずらない気まぐれな質なのだ。

 思う存分大義名分の元楽しむことにしたので、打って変わって道具を使ったプレイを施してやった。

 初日に厳しくされ、ひたすら反抗し、二日目に過ぎた快感で追い込まれ、疲弊する。

 最後は昨日だ。
 あれから宣言通り、自堕落で非生産的ななんの捻りもないただのセックスを行い、グズグズドロドロのダメ人間に仕上げてやった。

 射精を制限もされず延々とベッドで抱かれ、全身が気持ちいい淫靡な時間。

 三初が休憩を挟む間はオモチャに委ね、時に精力剤を飲ませながら、それはもう延々とだ。

 御割と違い自由に室内を彷徨く三初は他にやることもあるので、それをこなしていたが、御割は違う。

 首輪のリードで拘束され、食事、排泄、入浴、睡眠以外は全部セックス。

 おかげで今日の御割はそれを引きずり、ベッドに拘束されたままリードが伸びるめいいっぱいまで、三初に寄り添ってくるようになった。

 三日間、他の誰の存在ともかかわらせていないのだ。

 眠っている間に目隠しをはずして顔を綺麗にしてやっていたとはいえ、視界も奪った。

 三初にくっつきたがるのは、当然かもしれない。

 たった一度のオイタの代償としては高くついたが、これは未来のオイタごとなくすための愛情表現だった。

「はっ…ぁ……っあ……」

 日が落ちた浅い夜。ベッドルームにて甘えたな御割の体を犯す。

 昨日と違い今日は夜まで性的な触れ合いを行わなかったため、本日初めての交わりである。

 同じベッドで起きて、三食を共にし、ペットと戯れ、テレビを見て、少し凝ったオヤツ作りをしてみたり。

 御割の希望通り〝普通の恋人らしい休日の過ごし方〟を叶えてやった結果だ。

 だからシメとして、ケーキを食べさせてやりながら、甘ったるいつまらないセックスをしてやっている。

 御割が口元につけたクリームを指先ですくって舐め取り、おもしろくなさすぎて笑った。

「食べるの下手くそだなぁ」
「ん……っぁ、…ぁ……もっと、ほしい……」
「いいですよ。あーんして」

 ベッドに仰向けで脚を開いて横になっている御割が、素直にパカリと口を開ける。

 両手首を一纏めに拘束されているので、ケーキは三初が手ずから与えているのだ。

 あぁつまらない。つまらない。いたぶるでもないこんな行為、楽しくない。

 なのに満足感から笑みが消えないのは、相手がこの人だからに決まっている。

 つまらないのに、口角が下がらないのだ。

 つまり、天邪鬼な自分の言葉の解読方法は、しょっぱい言葉の全てを逆に受け取るだけでいい。

 それじゃあ結局、自分は御割とただ過ごすだけの日が、楽しくて仕方がないということだろう。



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