誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
上 下
191 / 454
第五話 冬暴君とあれやそれ

60※

しおりを挟む


 拘束具によって尻を高くあげなければうつ伏せになれないために、熱く太いそれが自分の中を我が物顔で出入りしている様子まで、よく見える。

 体液と潤滑油に濡れた四肢が熱を帯び、羞恥でおかしくなりそうだ。

 頭では理解していつもこの行為を受け入れているが、まざまざと見せつけられると僅かに残った理性が燃え上がる。

 俺の気質をわかっていてわざわざこうしているのだろう。
 自分を抱いている男が性悪過ぎて、呆れる以上にオーマイガッと嘆いた。


「やめ、っふ、っ、見っ……見たくねぇっ、三初……っ」

「どうして見たくないんですか? 先輩自覚ないかもだけど、恥ずかしいとすっげー締まるんですよね。ってことは好きなんでしょ? こういうプレイ」

「ぅあっ、あっ好きじゃない、嫌だ、好きじゃないっ……!」

「また嘘吐いた。折れねぇの、底抜けの意地っ張りだな……っふ」

「頼む……っあ、っ……終わって、もう許してくれ……っんっぃぐ……っ」


 強く掴まれすぎた皮膚に、親指の爪が刺さって痛い。
 髪が引っ張られて頭皮が引きつる。

 ごりゅ、ぐぷ、と直腸の壁をなぞりながら押し込まれるたびに胃がせりあがり嘔気が襲うというのに、骨がぶつかり合うような乱暴な突き上げがそれを助長して腹が苦しく、目の奥に熱が集まった。

 濃厚すぎて息もできない。
 男としての矜恃ごと組み敷くセックスなんてもうシたくない。


「好きじゃなくて嫌だって言いますけど、あんだけ出したのにまだ勃ってんのは、なんでですかねぇ」

「っ、し、知らない、してねぇっ、はぁ……っぁぁ……っ」

「知らなくはないでしょうが。自分の体なんですから。先輩のコレがどうして勃ってるのか教えてくださいよ、ほら」

「ゔぁッ、あッ……!」


 角度やテンポを変えて責め立てながら俺を舌先三寸でからかう三初。
 嫌だと首を振ると尻をバチンッ! と強く叩かれ、破裂音と痛みが俺を刹那縮こまらせた。


「いッ……痛、ッ……ぐッ」

「あんたも好きですねぇ、痛いこと。俺がこうするのなんかわかってるくせに、くくく、流石ドマゾの御割先輩」

「クソ、あッ、ヒッ」

「あーらら……ケツ真っ赤、痛そう。でもエロくていいな」


 必死に否定の声をあげたが、バチンッ、バチンッと何度も肌を叩かれる一瞬の痛みと絶妙に連動して挿しこまれ、絡んでしまう。

 鏡の中の三初が悪魔のような含み笑いを浮かべるのが見え、真っ赤に染まる自分の尻が哀れに震えていた。

 大人の男が本気で何度も打つと、考えるよりずっと張り裂けそうに痛い。充血した肌がヒリヒリと痺れている。

 それでもやめてくれない。

 同じところを何度となく打ち、丸裸にならざるを得ないように容赦なく追い詰められて、僅かに残っていた理性がバキ、バキと割れていく。


「ぁいッ、痛ぇ、ッ痛、ぁ……ッも、言うからや、やめ……ッ」

「だぁから言わないとやめませんって。やめてじゃなくて、言って? なんで、先輩は、勃起してるんですか」

「っひ……な、中でっ感じてる、んだ、よ……っ入ってるから、勃ってるだけ、でっ……恥ずかしいのは違う、嫌だ……っ好きじゃない……っ!」


 ただ抱かれて気持ちいいだけの生理現象で羞恥心に興奮しているわけじゃない、と訴え、もう終わらせてくれと胸の中で祈った。

 こんなことを言うのも嫌だ。こんな姿を見せられるのも嫌だ。
 ──俺は恥ずかしいことなんか好きじゃねぇ……ッ!


「偉い偉い、上手に言えました。でももうちょっと素直になれるでしょ? 恥ずかしいの、嫌? 本当に? こんなに腰振って自分で擦りつけてんのに?」

「っン……っ本当、ん、っな……あっ、やめろ、もう嫌だ、三初もう、三初ぇ……っ」

「ふ……ったまんねー顔してんのに見たくないとか、もったいない」

「んぁっ……あっ……ああ……っ」


 ワガママな子どもを相手取るような笑みを浮かべる三初は、俺の必死の訴えを無視して犯し続ける。

 控えめの威力で繰り返し尻を叩かれて、感覚がなくなり始めた。

 充血した襞がローションと腸液を泡立て結合部から滲み、背筋をツツ、と伝ってゾクゾクと産毛が震える。汗や唾液が顎や首筋を流れて全身ぐしょぐしょだ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

優等生の弟に引きこもりのダメ兄の俺が毎日レイプされている

匿名希望ショタ
BL
優等生の弟に引きこもりのダメ兄が毎日レイプされる。 いじめで引きこもりになってしまった兄は義父の海外出張により弟とマンションで二人暮しを始めることになる。中学1年生から3年外に触れてなかった兄は外の変化に驚きつつも弟との二人暮しが平和に進んでいく...はずだった。

倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ
ファンタジー
 謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。  二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。  更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。  それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。  異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。  しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。  国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。  果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。  現在隔日更新中。  ※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。

【完結】悪役令嬢のお兄様と付き合います。【続編あります】

ビーバー父さん
BL
気づいた時には乙女ゲームの中だった。 ゲームのキャラでもなく、何の役でもない僕が舞踏会で女装してた事から始まった。 悪役令嬢の一助にはなったかな?と思ってたけど、そのお兄様にロックオンされちゃった? ドタバタな僕たちをよろしくお願いします!

異世界マフィアの悪役次男に転生したので生き残りに励んでいたら、何故か最強の主人公達に溺愛されてしまった件

上総啓
BL
病弱なため若くして死んでしまったルカは、気付くと異世界マフィアを題材とした人気小説の悪役、ルカ・ベルナルディに転生していた。 ルカは受け主人公の弟で、序盤で殺されてしまう予定の小物な悪役。せっかく生まれ変わったのにすぐに死んでしまうなんて理不尽だ!と憤ったルカは、生存のために早速行動を開始する。 その結果ルカは、小説では最悪の仲だった兄への媚売りに成功しすぎてしまい、兄を立派なブラコンに成長させてしまった。 受け要素を全て排して攻めっぽくなってしまった兄は、本来恋人になるはずの攻め主人公を『弟を狙う不届きもの』として目の敵にするように。 更には兄に惚れるはずの攻め主人公も、兄ではなくルカに執着するようになり──? 冷酷無情なマフィア攻め×ポンコツショタ受け 怖がりなポンコツショタがマフィアのヤバい人達からの総愛されと執着に気付かず、クールを演じて生き残りに励む話。

【完結】十回目の人生でまた貴方を好きになる

秋良
BL
≪8/30≫番外編(短編)更新 イリエス・デシャルムは人生を繰り返している。 23歳の誕生日を迎えてからひと月後に命を落としたはずなのに、次に目覚めると必ず14歳の誕生日へと戻っている。何度死のうと、どうやって命を絶たれようとも、必ず人生は戻ってしまう。それを幾度も幾度も繰り返して、ついに10回目となった。理由はわからない。原因もわからない。 死んでは戻り、また人生を繰り返す。オメガとして家族に虐げられ、ひどい折檻を受けるあの日々を……。 イリエスには想い人がいた。 〈一度目〉の人生で一目で心を奪われたクラヴリー公爵家の次男、ディオン・クラヴリーだ。 自分の家族と違って、優しく明るく穏やかに接してくれるディオンに、イリエスはすっかり恋をしてしまった。 けれど、イリエスは人生を繰り返している。だから何度となく繰り返す人生のなかで彼のことは諦めた。諦めないとやっていけなかった。 だから、彼のことはただ遠くで想っていられれば、それでよかった。 彼の幸せを、彼の知らぬところで想い続けていれば、ただそれだけでよかったのだ。 しかし、運命は残酷だ。 〈10回目〉の人生を迎えたイリエスの不可思議な運命の歯車は、イリエスの想いに逆らうように、ついに回り始めた——。 【CP】 スパダリ系美形の公爵家次男α(16-2x歳)×家族に虐げられている不憫な侯爵家次男Ω(14-2x歳) 【注意・その他】 ・サブタイトルに * =R18シーンあり(軽め含む) ・サブタイトルに # =残酷描写あり ・オメガバースで、独自解釈、独自設定を含みます。 ・男性妊娠の概念を含みますが、登場人物は妊娠しません。 ・いわゆる「死に戻り」ネタなので、受けの死に関する描写があります。 ・受けの自慰シーンがあります。 ・受けが攻め以外に性的暴行を受けるシーンがあります。 ・攻めと受けのR18シーンまではやや遠めです。 ・受けがとても不憫な目に遭い続けますが最後はハッピーエンドです。 ・本編:約26万字、全63話 + 番外編 ・ムーンライトノベルスさんにも投稿しています。

吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ

月輪林檎
SF
 VRMMORPG『One and only world』。通称ワンオン。唯一無二の世界と称されたこのゲームは、ステータスが隠れた完全スキル制となっている。発表当時から期待が寄せられ、βテストを経て、さらに熱が高まっていた。  βテストの応募に落ち、販売当日にも買えず、お預けを食らっていた結城白(ゆうきしろ)は、姉の結城火蓮(ゆうきかれん)からソフトを貰い、一ヶ月遅れでログインした。ハクと名付けたアバターを設定し、初期武器を剣にして、ランダムで一つ貰えるスキルを楽しみにしていた。  そんなハクが手に入れたのは、不人気スキルの【吸血】だった。有用な一面もあるが、通常のプレイヤーには我慢出来なかったデメリットがあった。だが、ハクは、そのデメリットを受け止めた上で、このスキルを使う事を選ぶ。  吸血少女が織りなすのんびり気ままなVRMMOライフ。

何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は

だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。 私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。 そのまま卒業と思いきや…? 「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑) 全10話+エピローグとなります。

俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。 第四騎士団に所属している女性騎士モニカは団長のカリッドより呼び出され、任務を言い渡される。それは「カリッドの恋人のフリをして欲しい」という任務。モニカが「新手のパワハラですか」と尋ねると「断じて違う」と言い張るカリッド。特殊任務の一つであるため、特別報酬も出すとカリッドは言う。特別報酬の魔導弓に釣られたモニカはそのカリッドの恋人役を引き受けるのだが、カリッドは恋人(役)と称して、あんなことやこんなことに手を出してくる――というお話。 ※本能赴くままにノープランで書いたギャグえろお話です。

処理中です...