誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第五話 冬暴君とあれやそれ

54※

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「あっ……、あぁ……ぁ、あっ……」


 片方の手ははしたない肉茎をいたぶるまま、三初は体を寄せて、胸の突起をその気にさせる。

 固く尖り始めた乳頭をカリカリと歯でしごかれるだけで、断続的な淡い嬌声が漏れた。

 恐怖と反抗心で少し萎んでいた射精感がすぐにまたムクムクと湧き上がり、無意識に手を動かそうとしたせいで、背中とシーツの間でカシャンと鎖が鳴った。

 ──イキたい、イキたい、早く……っ!

 背筋を這い上がり脳を痺れさせる快楽が、思考回路を蕩けさせる。

 クチャクチャと粘ついたローションを得て滑りを増す手淫と共に、敏感に調教された乳首を愛撫され、行き場を求めた快感の熱が下腹部から肉棒の先を目指し、沸騰するのがわかった。

 しかし素直な体の反応に対して、根元のリングが尿道を塞ぐせいで、出すことができない。


「ッ、ん…ふ……ッふぁんうぇ、いひふぁ、ぁぁ……ッ」


 俺は泣き出しそうな息を吐きながら、首を振った。

 ビクビクと全身が痙攣し絶頂を迎えようと暴れているが、ちっともとごった熱が解放されないのだ。

 身悶える俺を弄ぶ三初の舌は、ヌルリと滑ってへそのあたりにたどり着き、くぼみにキスをしてから、続いて哀れな肉棒を戒めるリングに絡みついた。

 チュウ、とリングにもキスをされ、全てがさらけ出された俺の足の間で、三初のあたら整った顔がニンマリと笑い唇を舐める。


「ふふぁ、っあ、ぅ」

「出せないでしょ? いじわるじゃないですよ。我慢したほうがいっぱいキモチイイから、してんの。俺はね、先輩をとびきり気持ちよくしてあげたいんです。愛ですよ、愛」

「──んあっ……!」


 そう言った三初の指が一息に二本、なんの前触れもなくグチュッ! と窄まりを割り開いて、根元まで突きこまれた。

 わずかな痛みと異物感と共に狭い肉筒へと侵入され、俺は首を仰け反らせてギュゥゥ……ッ、と指を食いしめてしまう。

 たっぷりと追加されたローションのおかげで、ヌジュヌジュと嫌な音をたてながらも、俺の体はさほど抵抗なく三初の指を受け入れる。
 けれど元々そういう器官ではない場所なため、当然内部はとても狭く、窮屈だ。


「ふッ…はん……っ、あ、っ……」


 それでも俺の体は、中に異物を挿れられたら奥を開いて呑み込むように躾けられていた。
 意思とは反して柔らかく収縮し、三初の指を肉穴の深くへと誘うように、うねりを帯びて蠕動する。


「あらら。お待ちかねだったかね……先輩の中、めちゃくちゃ悦んでますよ」

「ンく、ぅ……んッ、ンッ」


 誰のせいでこんな体になったのかわかっているくせに、意地の悪いクソ野郎め。

 わざとらしいセリフと共にクスリと笑われ、俺は汗ばむ肌を揺すった。

 悔しいが、確かに俺は指を二本挿れられただけで、腹の中がキュウキュウと期待に疼いてしまう。

 だからこそ、解放できないまま襞を擦り、掻き回されるとすれば、気が狂いそうなほどの拷問に等しい。

 口枷のせいでやたらに分泌される唾液を、ゴクリと飲み込む。
 逃げ出そうともがくこともできず、視線で抵抗することしかできない。

 まるでまな板の鯉だ。
 いや、手足を縛られボイルされるカニかもしれない。どっちにしろ哀れな猫のエサには違いない。




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