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第六話 敗北せよ悪魔ども!
42※
しおりを挟む「九蔵が唇で擦るから、ルージュが取れてしまったよ」
「ん、っ……ふうぃ……っ」
「でも、私はちょこっと安心した」
ニューイは親指で目尻をなで囁く。
赤く上気した頬に金の髪とルビーの瞳が混じり、眉を困らせてキューンと鳴く表情は、隠しきれない色香を漂わせ汗ばむ。
「紅をさしたキミに、凄くドキドキしていたのだ。とても、セクシーで」
ニヘ、と人前でマヌケをしてしまい笑って誤魔化す少年のような顔をしたニューイの言葉に、九蔵はきゅうきゅうと胸を高鳴らせた。
前のニューイも後ろのニューイも、結局は優しく愛してくれているのだ。なら九蔵はどうしたって、好きになるのだ。
「はっ……ん……! ぅ、ふ……っ!」
喉へ真っ直ぐに押し込まれる怒張の窒息感。悪くない。むしろ好き。
まさか自分にフェラで感じる性癖があったとは。頭を抱えてムシになりたい。
そんな九蔵の中を、悪魔のモノが丁寧に犯す。絡みつく肉襞を振り切って退き、抜ける寸前で突き当りまで押し込まれる。
余すところなく全てをズリズリと摩擦され、陰茎の裏側から快楽を押し出される感覚。
ジーンズを膝に引っ掛けた中途半端な腿は汗ばむ。伝うローションにすら戦慄くほど敏感だ。
痛いくらい勃起した肉棒は濃厚な先走りを漏らし、射精を求めてヒクヒクとヒクつく。
近い絶頂にビクビクと痙攣し始める九蔵の喉は、慣れたモノが塞ぎ、舌や食道の入り口を犯す。
前から後ろから。
とめどなく襲う肉悦の波が止まない。
「ンっ……! ぅンっ……! ン……っ!」
(やべえ、気持ちい……イキたい……このままイキたい……早く……っ)
でないとこれ以上は、おかしくなりそうだった。イキたい。思いっきりイキたい。
ニューイに抱かれながらニューイに奉仕をして、残念ながらバカみたいに気持ちいい。だから、お願い。
九蔵は喉と尻を同時にズプズプと抉られながら思いっきりイキたくてイキたくて、それしか考えられなくなってしまった。
そういうコンテンツで見る言葉は比喩表現だと思っていたのに、ニューイに抱かれると九蔵はいつも〝おかしくなる〟と本気で感じる。
しかも全然おかしくしてほしい。重症だ。死にたい。手遅れだ。もういろいろ限界で──狂ってしまいそう。
「九蔵……っ」
『九蔵……っ』
「──ンッ……ンン……ッ!」
九蔵が腹の中を穿たれながら懸命に奉仕を続ける中、二人のニューイが同時に九蔵の中へドクッ、と欲を吐き出した。
九蔵の背が弓なりにのけ反る。
同時に奥へ突き刺されたので、串刺しにされたのかと思った。
突然口の中へ射精されて驚き、ギュゥ……ッ、と後ろを強く締め付けると、中の怒張を深く感じてしまい尻から全身へ快感の波紋が広がる。
(これ、ヤべ……イ、ク……)
「ぅっ……っふぅ…ぅ……っ」
筋肉をゾクゾクと粟立たせながら、九蔵は腫れあがった屹立からビュク、ビュクン、と白濁液をシーツに迸らせた。
待ちに待った絶頂。
気持ちいい。頭がぼんやりと淫蕩する。
喉に肉棒を当てられ食道へ直接精を注がれたのは初めてだ。
熱く粘ついて、ゴクンと飲み込むと喉の動きで絞ってしまい、独特の異物感がある。
悪魔のモノに注がれたのも初めてだ。
うねるせいで奥まで届くのに、量が多くて長いような気がする。
ニューイは悪魔なので人間の姿でももともとそうだったが、届く箇所が違うだけでいつもよりずっと下腹部が重くなる気がする。
「ン……ぅ……」
体内に滞留していくニューイの熱を感じながら達すると、手足の先が縮こまり、骨の浮いた固い身体が悦に入ってトロけた。
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