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第六話 敗北せよ悪魔ども!

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 九蔵はうつ伏せに倒れ込むようにつんのめり尻を上げたまま、たまらず目の前のニューイに縋りつく。

 するとニコニコと笑顔の人間ニューイは九蔵の髪を優しくなで、ルビーの瞳で〝続きをしよう?〟と語りかけた。

 九蔵はしぶしぶと、人間ニューイのモノに両手を添えて愛撫する。


「うぅむ、そんなに驚くとは思わなかったぞ。大したことじゃないのだよ? どちらも私なのだから、九蔵の体をよく知っている」

「あ、それは……んっ……」

「一生懸命私のを舐める九蔵は、かわいらしくていやらしいのだ」

『だから私もかわいがりたい』

「体が足りなかったのだよ」

『やめて欲しくなかったからね』

「ふ…ぅ……」


 二人揃ってフフフと照れくさそうに笑う声を聞き、九蔵はガックリと呆れつつ、文句を言うのは諦めることにした。

 言うのは勝手だが、器用なだけで本来恋人いない歴イコール年齢だった九蔵の若葉マークを思い出してほしいものだ。

 恥ずかしく気持ちよすぎるドロドロのセックスが、いつもと同じこと。

 だが、それを二人同時に?
 断じていつも通りじゃない。

 それにほとんど骨の悪魔ニューイにブツがあるとすると、体格に合わせてそれなりにワイルドなサイズである可能性が高いじゃないか。


「んっ……ん……」

(深いし、二本でもうキツいですし……)


 だって指でこんなに苦しい。
 背丈がゆうに二メートル以上ある悪魔ニューイの手は、異形のもの。

 手首は細いが手のひらが広く、滑らかな皮に覆われたドラゴンの手のように節くれだち、人間よりもまだ長い。

 自分の尻からグチュグチュと粘着質な音が聞こえ、ニューイの指や自分の指じゃ届かない箇所まで引っ掻いた。


「ぅ、っ……ふ……うっ……」


 九蔵は快感に打ち震える。
 当然手前のしこりもなすり潰され、襞をまんべんなく丁寧に丁寧にかわいがられるのだ。たまらない。

 ピクン、ピク、と跳ねる尻。腰が縮こまるが、逃げられない。いつの間にか勃起したモノが、足の間で先走りを滲ませる。


『ふふ、かわいい九蔵。もう一本挿れるぞ』

「っは……っ……ぁ」

「九蔵、寂しいよ。こっちの私も忘れないでおくれ」

「ンふ、っ……」


 具合を見ながら三本に増える悪魔の指に翻弄され気が反れてしまうと、口の中のニューイが喉奥を軽く小突いた。

 ゴフ、とむせると心配そうに頬をなでられる。
 大丈夫。顎は疲れるが苦しくはないし、やめようとは思わない。

 どちらもニューイだ。
 意識も感覚もなにもかも共有している、本物のニューイが二人いるだけだ。……いやどんな状況だ。脳内ツッコミが捗るじゃないか。

 なんとかあふれ出る蜜を啜りゴクンと飲み込むと、中を愛撫していた手が襞を振りほどき引き抜かれる。


「んあっ……!」


 突然の刺激に、九蔵は思わずしゃぶっていたモノから唇を離した。

 指が引き抜かれたということは、十分拡がったソコへ次に侵入するモノは、悪魔ニューイのモノだ。緊張でうぅぅ、と唸る。


「はっ、マジ、かっ……」

『失念していた……悪魔サイズのゴムがないのでこのままするしかない……』

「それはいいけど……っ」

(そちらのサイズ感はどんな具合ですかね……!)


 プライオリティマックス案件。
 悪魔サイズのブツは、いかほどなものでしょうか。

 戦慄する九蔵をしり目に、悪魔ニューイは困ったように嘆きながら割れ目の奥へヌル、ヌルと冷たい怒張を擦りつけた。

 悪魔のブツは、脈動していながら冷たいらしい。新感覚過ぎる。

 九蔵が視線で必死に目の前の人間ニューイに尋ねると、人間ニューイは自分の淫液と唾液、ルージュの混ざった九蔵の唇を嬉しそうに親指でなぞり、得意げに笑う。


「ふふん、一応私たちも考えて悪魔と人間とで分担したのだ」

『ふふん、そうなのだ』

「ぶ、分担?」

『悪魔の私の性器は、とてもじゃないが九蔵の小さい口には入らないだろう? 人間のカタチじゃないからね』

「んッ……!?」

「だけど九蔵の中は柔軟だ。うまくやるので破れたりしない。安全である」

『うむ、安全である』


 ちょっと待て。──人間のカタチじゃないなんて聞いていないぞ!

 ニューイたちのドヤッとした声に、九蔵は口角をヒクヒクと引きつらせ、死相の浮かんだ笑みを返した。




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