311 / 319
甘話 ハルとデート。
03(side春木)※
しおりを挟む──そんな夜からどれほども月日が経過した、ある夜。
「んっ……ふ……」
焼き殺されたいと願ったまま泣いた自分と同じベッドで、俺は恋人となった咲の上に乗り、咲の耳をしゃぶりながら突かれていた。
おっと。
もちろん都合のいい夢じゃねーぞ?
紛れもなく咲は俺の恋人で、俺が好きすぎて耳たぶがふやけそうになってるのに抵抗しない最高の彼氏なのだ。
ベッドヘッドに背を預けて座る咲に、密着する。ぴちゃぴちゃと水音に濡れる耳たぶ。ベロッベロ。
「ぁ……っん、ん……」
俺が腰を揺らすたび、張りついたお互いの皮膚がへばりついてはちぎれて、ベト、ベト、と粘っこいが鳴る。
ローションたっぷりのゴムを着けた咲の怒張と腸液をまとう襞がこすれ、結合部からはブチュ、と泡が溢れた。
今日は月曜日。
狂うほど愛しているのに俺以外の恋人が四人もいるクズ彼氏を、俺だけが独占できる至福の日である。
この世で俺ほど月曜日を楽しみにしている大人はそういないだろう。
確実に、俺が総理大臣になったら全曜日を月曜日にする。
でもそうすっとアイツらに会えねーってんで咲が死ぬかもだから、総理大臣にゃあならねーけど。
俺の心臓は、それほどに咲だ。
「ハル、なに考えてんの?」
「んぁ……っ」
そんなことを考えていると、俺の耳責めに付き合っていた咲が耳の穴に突っ込んでいた舌を引き抜き、軟骨を甘噛みしながらナイショ話をけしかけるように誘ってきた。
おうおう。
かわいい声出しやがって。
俺がお前のカラダだけに集中してねぇって判断したわけ?
でも嫉妬、じゃねぇんだよな。
悩み事とか魔が差したりとか、なんらか思考にノイズが混じってる場合を考えて把握しときたいだけっぽい。ほら、アンテナいっぱい俺ら固定だ。
「ハル?」
「ッゔ、ンは、起きてるって、よ」
ちゅ~っと耳たぶを吸ってニヤケていると、持ち上げたケツを落とし、奥をエグって催促された。
心配? でもねー。
聞こえてないのかもしれないと思ったんだろうよ。聞こえてないといけないから、呼びかけてる。
「けど、なに考えてんのって、俺もう聞いたじゃん」
「あっ……んふ……」
俺の返事が欲しいんだろう。
咲はそういうやつだ。俺に恋してる咲はマージでかわいいんだわ。
「なにって、咲のことしか、考えてねぇ、けど?」
「ん」
咲の匂いを肺いっぱいに吸い込んで、勢いよくフッ! と咲の耳腔に吹きかけた。
全ての感度が悪い咲は、驚くこともくすぐったがることもない。
ノーマルに会話しながら尻をすくい上げて俺の体を軽く持ち上げ、揺りかごを揺らすようにスローペースであやす。
「咲は、ん、ぁっ……なに考えてんだ、ふっ……ぁっ……」
「ん? 俺? 俺は、ハルがしゃぶってる俺の耳が美味いといいなぁ、って考えてんよ」
「ぁあ…ぁ……っ」
トン、トン、と突かれるたびに勃起したモノが震え、咲の硬い腹筋に擦れて蜜を滲ませた。
咲に抱きついて突き上げられると、俺の中はキュウキュウと自分を貫く怒張を締めつける。
ふっ。俺に耳しゃぶられて、不味かったらもう二度としゃぶってもらえねぇから?
「あっ……ぉっ……お前の、耳ぃ……舌トロケそうなくらい、たまんねぇ……あ…んぅ……」
「ん……ワーオ」
だからこそ、俺はちゃんと咲の言いたいことを理解して、思ったままを答えてやる。
嘘じゃねぇんだ。
これがミソ。忖度なし。
すると咲は感心したように息を吐いて、持ち上げた俺の身体を落とすと同時に突き上げた。
「はぁ…っん……」
パチュ、と濡れた肌がぶつかり、結合部からやらしい水音が弾ける。
「ハルの中も、たまんねぇよ」
「お前が、しつけたんだ、っろ……ぅ、っ……ンっ……ン」
「そう? 躾じゃねーけどにゃー」
そのままトントンと奥をノックするシンプルな律動に抱かれて、俺は咲の裸体にしがみついて揺られた。
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる