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第七話 キョースケと愛し方。
09(side今日助)※
しおりを挟むうまく力が入ってない俺の身体を支えていた腕が、唇を離すと共にスルリと俺の身体を手放す。
「っ」
ペタン、と、マヌケにも濡れた浴室の床に尻もちをついた。
みっともない姿だ。ところどころボディソープや自分の精液に塗れていると、色黒の肌に白いそれが目立って恥ずかしい。
数秒キョトンとしたが、すぐにカァッと体温が上がった。
「キョースケ、ちょっと骨浮いたなぁ」
そんな俺を気にした様子もなく、咲は俺の淫液で濡れた手をフリフリと振ってやおら立ち上がり、シャワーコックをキュッと捻る。
途端、シャッと水圧の強い温水が降り注ぐ。
モワモワと湯気で視界が少しずつふやける中、咲はシャワーを手に取って、そのまま座り悪く黙る俺に容赦なく温水をぶっかけた。
「ッうわっ、あ、つ……っ!」
「んー。シャワーの湯って出したてだとなんか熱いよな。なんでだろーね」
「んぶ、っ、はは、わかっててやってんのな……」
家畜を洗うように(それより雑かもしれない)ただお湯をぶちまけて、咲は俺の身体を清める。
溺れなければいい、程度の認識らしい。
体を流してくれるのは優しさかもしれないが、頭からかけるのはなんでだ。
湯が適温になったら自分の身体の泡を落とし始めた咲に酷いと言うと、じゃあどうぞ? なんて首を傾げ、シャワーヘッドを俺の顔に向けてくる。
予想外のシャワー攻撃から逃れようと床でベタベタと暴れる俺を、鼻で笑った咲だった。酷い。
「キョースケ、勃たせて」
湯気を撒き散らしながら流れるシャワーをフックにかけて、湯船のヘリにもたれかかりながら俺を呼ぶ声。
湯に濡れて少し重たげな色味になったブロンドのすき間から、澄んだ瞳がこちらを見ている。
「ん……」
ぺたり、ぺたり。
頷いてから浴室の床を這って、俺は彼の足元へにじり寄る。
心の感度がすこぶる低い咲のモノは、やはりちっとも反応がない。ソレに手を添えてそっと舌を伸ばし、一舐め。
ちゅ、と先端にキスをして、飲み込むように口内へ招き入れた。
咲は俺のつむじに爪をたてながら指を突き立て、くるくると円を描いて遊んでいる。
自由な人だ。
風や猫というよりは、空を舞う雪や揺らめく煙に近い。掴めず揺蕩う。
俺は咲の身体や声や愛撫で逆上せそうなほど興奮するのに、咲は決してそんなことはない。直接身体を刺激しないと勃起しない。
それもやっぱり、寂しくもある。
俺が浅ましいのか、俺に興味がないのか、どっちにしたって結局独りよがりだ。
「ん……ふ、…ん……」
喉の奥まで使って、深く浅く丁寧にじっくり、舐めたり吸ったり。
上目遣いに咲を伺いながら、ジュポ、ジュポ、とわざと音を立てた。
下品なほど興奮する変な客がいたからだ。そのあとのプレイは秘密。
唾液をまぶして緩やかなストロークを繰り返すとだんだんと硬度を持ち、質量が増していく。
滲み出る淫液の苦味も、男性器の味も、咲のなら嫌じゃない。
むしろ俺の口で感じてくれていると思うとムラムラして熱が上がり、増して必死になった。
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