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第二章
ギアさんの部屋へ訪問2
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しばらくギアさんは何とも言えない顔をしていたけど、何とか落ち着き話しを続けてくれた。
「ま、まぁ俺にはわからなかったが、マイコさんには何か理由があったんだろう。あの人は明るく振る舞っていたが、故郷に帰りたがっていたからな」
いや、何も理由はないと思う。ただ、異世界に来てテンションが上がり、嘘を付いてもバレないと思っただけだ。
「タワーを登り初めてからは、順調に進んでいたと思う。途中で二人が仲間に加わり、さらに安定して登って行った。マイコさんの強さはとんでもなかったからな」
クソが! ヲタクの癖に何、『私TUEEE』やってんだよ。私TUEEEとか聞いたことねーよ。
「60階を過ぎてしばらくしてからだ。マイコさんが俺たちの前から消えた。理由はわからないし、生きているのかもわからない。覚えているのは、『明日も頑張ってやんよ!』とか言って宿屋にキーンと言いながら走っていく姿だった」
情報が多い! わからないことばかりだが、絶対にアニメだ。
「それから俺は、どこかに必ずマイコさんはいるはずだと思い、町を転々としてきた。酒は勿論好きだが、一番の理由はマイコさんだ。この町に長くいるのはお前がきになってしまったからだけどな」
きっと悲しい話なんだろうけど、マイコなる人がイカれてるせいで感情輸入が出来ない。
「そこで俺からも聞きたいことがあってな。お前はマイコさんを知らないか?」
「すみません。わかりません。マイコと言う名前はよくある名前ですし。分かることはただマイコは、イカれてるってことだけです」
ギアさんの恩人に対して言う言葉では無かったんだろうな。ギアさんもユキも驚愕の顔をしているが、間違いないんだよな。イカれてるのは。
部屋の空気が変わるのを感じると共に、ギアさんの表情からも怒りがあらわになっているのがわかる。流石に言い過ぎたかもしれない。
「他の奴がマイコさんを侮辱するような事があれば、俺ら三人とも許しはしないが、お前が言うんだ。理由は聞いてやる。それなりの理由があるんだろうな?」
「え、えーと。言ってしまっていいのかはわかりませんが、マイコって人の発言の殆どは、アニメと言う人が考えた娯楽⋯⋯紙芝居が動くみたいなものですかね。そのセリフを言っているだけで、パクりです。」
怒りをあらわにしていたギアさんの顔色が赤から青に変わる。すみません。同郷の人がバカで⋯⋯
「俺が言うのもなんですが、すみません。やりたい放題やって、多分周りの人に迷惑をかけたんだと思います⋯⋯」
俺としては謝罪するしか出来ない。異世界に、来たからって浮かれすぎだろ。
「い、いや、いい。お前が謝る事ではない。気持ちが整理出来ないだけだ。おかしな点もあったんだ。あの人の事だ。ふざけてるって事を考えなきゃならなかったんだ」
こんなに良い人を、相手になにやってんだか。
「そーいえば、残りの二人はまだ生きてるんですか?」
とりあえず話しを変えよう。
「そいつらはタワーを攻略しているはずだ。タカとアンザだ」
会ったわ。握手させられたし、ほぼほぼ気づいてるな。
「ま、まぁ俺にはわからなかったが、マイコさんには何か理由があったんだろう。あの人は明るく振る舞っていたが、故郷に帰りたがっていたからな」
いや、何も理由はないと思う。ただ、異世界に来てテンションが上がり、嘘を付いてもバレないと思っただけだ。
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情報が多い! わからないことばかりだが、絶対にアニメだ。
「それから俺は、どこかに必ずマイコさんはいるはずだと思い、町を転々としてきた。酒は勿論好きだが、一番の理由はマイコさんだ。この町に長くいるのはお前がきになってしまったからだけどな」
きっと悲しい話なんだろうけど、マイコなる人がイカれてるせいで感情輸入が出来ない。
「そこで俺からも聞きたいことがあってな。お前はマイコさんを知らないか?」
「すみません。わかりません。マイコと言う名前はよくある名前ですし。分かることはただマイコは、イカれてるってことだけです」
ギアさんの恩人に対して言う言葉では無かったんだろうな。ギアさんもユキも驚愕の顔をしているが、間違いないんだよな。イカれてるのは。
部屋の空気が変わるのを感じると共に、ギアさんの表情からも怒りがあらわになっているのがわかる。流石に言い過ぎたかもしれない。
「他の奴がマイコさんを侮辱するような事があれば、俺ら三人とも許しはしないが、お前が言うんだ。理由は聞いてやる。それなりの理由があるんだろうな?」
「え、えーと。言ってしまっていいのかはわかりませんが、マイコって人の発言の殆どは、アニメと言う人が考えた娯楽⋯⋯紙芝居が動くみたいなものですかね。そのセリフを言っているだけで、パクりです。」
怒りをあらわにしていたギアさんの顔色が赤から青に変わる。すみません。同郷の人がバカで⋯⋯
「俺が言うのもなんですが、すみません。やりたい放題やって、多分周りの人に迷惑をかけたんだと思います⋯⋯」
俺としては謝罪するしか出来ない。異世界に、来たからって浮かれすぎだろ。
「い、いや、いい。お前が謝る事ではない。気持ちが整理出来ないだけだ。おかしな点もあったんだ。あの人の事だ。ふざけてるって事を考えなきゃならなかったんだ」
こんなに良い人を、相手になにやってんだか。
「そーいえば、残りの二人はまだ生きてるんですか?」
とりあえず話しを変えよう。
「そいつらはタワーを攻略しているはずだ。タカとアンザだ」
会ったわ。握手させられたし、ほぼほぼ気づいてるな。
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