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第二章:自由と束縛と
第89話:冒険者アリシア 14
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「改めてになりますが、私は冒険者ギルドのラクドウィズ支部ギルドマスター、メリダと申します」
「アリシアです」
アリシアに続いてゼーアとケイナも簡単に自己紹介を終わらせると、メリダは三人に対して頭を下げた。
「この度はラクドウィズ所属の冒険者が問題を起こしてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
「か、顔を上げてください! メリダさんが謝る必要はありませんよ!」
突然ギルドのトップに謝罪されたアリシアは驚き、すぐに顔を上げるよう告げた。
「いえ。本来であれば武器と武器を合わせる前に騒動を収めなければならなかったものを、アリシアさんたちを危険な目に遭わせてしまいました」
「あの、私からも謝罪を! 本当に申し訳ございませんでした!」
メリダに続いてリティまで謝罪を口にしたので、二人の誠意を受け取らないわけにはいかなかった。
「……分かりました、謝罪は受け取ります。ですが、私たちも売り言葉に買い言葉で騒動を大きくしたんです。なので、お互いさまということでどうでしょうか?」
「……アリシアさんはお優しい方なのですね」
顔を上げたメリダが微笑むと、リティは改めて三人の勝利を喜んだ。
「それにしても皆さん! とっても強いんですね! 依頼をあっという間にこなしてくれたので強いとは思っていましたけど、まさかガルアさんたちをコテンパンに倒せるほどだなんて!」
「ガルアって奴はまあ強かったかもしれないが、俺の相手はザコだったぞ?」
「私の相手はどうだったんでしょう?」
「それをケイナちゃんが言っちゃうの?」
ゼーアの疑問は当然だが、ケイナは多少なり傷を負っている。
しかし彼女の中での比較対象がアリシアやゼーア、さらに言えばトロールファイターなので、どうしてもエビが最弱になってしまう。
「ガルアのパーティはラクドウィズでは上位の冒険者パーティになります」
「そうなのか?」
「はい。ですが、彼らのパーティはガルアの実力でランクを上げているようなものなので、エビとガーニの実力は落ちるでしょうが」
「だろうな」
メリダの説明に納得したゼーアが声を漏らし、ケイナは何度も頷いていた。
「それはそうと、皆さんにお話があるのですが、一度私の部屋へ来ていただけませんか?」
「メリダさんの部屋にですか?」
ギルドマスターの部屋にと言われてしまい、アリシアは少しだけ緊張してしまう。
冒険者に登録した初日に問題を起こしてしまったのだから、小言を言われても仕方がないと思っていたからだ。
そんな彼女の緊張感が伝わったのか、メリダは柔和な笑みを浮かべながら肩の力を抜いてほしいと口にした。
「ちょっとした雑談をしたいと思ったのです。それと、確認したいこともありますので」
「確認したいこと、ですか?」
「えぇ。ここではなんですから、いかがですか?」
何か依頼でもと思っていたアリシアは、ゼーアに視線を向けた。
そもそも依頼を受けようと思っていたのもゼーアが不完全燃焼だったからだ。
「いいんじゃないか? 俺が言えた義理じゃねえが、お偉いさんと知り合いになれる機会なんて、そうそうないからな」
「……分かった。ありがとう、ゼーアさん」
「お礼なんていらねぇだろう」
「私も大丈夫ですよ、アリシア様!」
二人からも了承を得られたことで、アリシアはメリダと目を合わせて一つ頷いた。
「ありがとうございます。リティ、私の部屋にお茶を人数分お願いできるかしら?」
「分かりました! すぐにご用意いたします!」
こうしてアリシアたちはメリダの案内で場所を彼女の部屋に移動した。
「アリシアです」
アリシアに続いてゼーアとケイナも簡単に自己紹介を終わらせると、メリダは三人に対して頭を下げた。
「この度はラクドウィズ所属の冒険者が問題を起こしてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
「か、顔を上げてください! メリダさんが謝る必要はありませんよ!」
突然ギルドのトップに謝罪されたアリシアは驚き、すぐに顔を上げるよう告げた。
「いえ。本来であれば武器と武器を合わせる前に騒動を収めなければならなかったものを、アリシアさんたちを危険な目に遭わせてしまいました」
「あの、私からも謝罪を! 本当に申し訳ございませんでした!」
メリダに続いてリティまで謝罪を口にしたので、二人の誠意を受け取らないわけにはいかなかった。
「……分かりました、謝罪は受け取ります。ですが、私たちも売り言葉に買い言葉で騒動を大きくしたんです。なので、お互いさまということでどうでしょうか?」
「……アリシアさんはお優しい方なのですね」
顔を上げたメリダが微笑むと、リティは改めて三人の勝利を喜んだ。
「それにしても皆さん! とっても強いんですね! 依頼をあっという間にこなしてくれたので強いとは思っていましたけど、まさかガルアさんたちをコテンパンに倒せるほどだなんて!」
「ガルアって奴はまあ強かったかもしれないが、俺の相手はザコだったぞ?」
「私の相手はどうだったんでしょう?」
「それをケイナちゃんが言っちゃうの?」
ゼーアの疑問は当然だが、ケイナは多少なり傷を負っている。
しかし彼女の中での比較対象がアリシアやゼーア、さらに言えばトロールファイターなので、どうしてもエビが最弱になってしまう。
「ガルアのパーティはラクドウィズでは上位の冒険者パーティになります」
「そうなのか?」
「はい。ですが、彼らのパーティはガルアの実力でランクを上げているようなものなので、エビとガーニの実力は落ちるでしょうが」
「だろうな」
メリダの説明に納得したゼーアが声を漏らし、ケイナは何度も頷いていた。
「それはそうと、皆さんにお話があるのですが、一度私の部屋へ来ていただけませんか?」
「メリダさんの部屋にですか?」
ギルドマスターの部屋にと言われてしまい、アリシアは少しだけ緊張してしまう。
冒険者に登録した初日に問題を起こしてしまったのだから、小言を言われても仕方がないと思っていたからだ。
そんな彼女の緊張感が伝わったのか、メリダは柔和な笑みを浮かべながら肩の力を抜いてほしいと口にした。
「ちょっとした雑談をしたいと思ったのです。それと、確認したいこともありますので」
「確認したいこと、ですか?」
「えぇ。ここではなんですから、いかがですか?」
何か依頼でもと思っていたアリシアは、ゼーアに視線を向けた。
そもそも依頼を受けようと思っていたのもゼーアが不完全燃焼だったからだ。
「いいんじゃないか? 俺が言えた義理じゃねえが、お偉いさんと知り合いになれる機会なんて、そうそうないからな」
「……分かった。ありがとう、ゼーアさん」
「お礼なんていらねぇだろう」
「私も大丈夫ですよ、アリシア様!」
二人からも了承を得られたことで、アリシアはメリダと目を合わせて一つ頷いた。
「ありがとうございます。リティ、私の部屋にお茶を人数分お願いできるかしら?」
「分かりました! すぐにご用意いたします!」
こうしてアリシアたちはメリダの案内で場所を彼女の部屋に移動した。
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