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「リクリエイツ様~!!今日も来てくれたんすか!?」
「やっほーキース!今日は助っ人も連れてきた~」

今日も今日とて生徒会室にクソ第2王子…もといフランシス様の姿は無い。
昨日は早く終われたからスッキリ眠れたらしい1・2年ズの顔色も良い。
そして俺が連れてきた助っ人と言うのはもちろんエミリだ。

「私生徒会室には初めて入りました!」
「こっちはエミリ俺の友達で優秀な奴だよ、そんでこっちはキース噂でよく聞くキースはこいつの事だ。」
「え!?俺噂になってんすか!?」
「悪い噂じゃ無いよ、頭がいいって噂な」

キースはいわゆるずる賢いのタイプなんだろうな、交渉とか商売の駆け引きが得意なさ。

「ご紹介にあずかりましたエミリと申します!!よろしく!キース!」
「…う…はい!よろしくお願いするっす!」

軽くエミリが挨拶回りしているうちに俺は席について昨日の続きの書類を作って行く、だいぶ進んでいるが金銭絡みの書類なので丁寧にな。

「今日もよろしくなギルバート」
「…あぁリクリエイツか…こちらこそ…って…あ…申し訳ありません…舐めた口を…」

隣に座るギルバートにも挨拶をしたら集中するとそれしか見えなくなるギルバートは俺を呼び捨てにして呼んだ。

「いや!良いんだ寧ろその方がありがたい!な?な?ギルバートもう1回!」
「…リクリエイツ?」
「うわやった!俺呼び捨てで呼んでくれる人居なかったから嬉しい!ありがと」
「ふは…変な奴だな…」

平民のギルバートが丁寧語を使うのは大変なんだろうな、今まで喋んない奴だと思ってたけどこれは案外喋れるタイプだ。

「エミリ!これの5番ないか?」
「5番ですか?4月の物でしたらありますよ!」
「それでいい!ありがと!!」

なんでもできるバランス型のエミリにサポートされつつ昨日の2倍の速さで仕事を進める、1・2年ズの体調も昨日より良いから尚更だ。

「リクリエイツ様!確認お願いしたいっす!」
「あーごめん今手離せないからエミリにお願いして!」
「そうっすか?分かりました!」

結果として昨日より随分と早く終わった仕事に皆で少し感動し、それぞれが家や寮に帰って行った。

「エミリ今日はありがと!助かったよ!」
「いえいえ!!リクリエイツ様含め生徒会役員の方々のお力になれるのならばいくらでも!!」
「本当に良い奴だよね…エミリ…」

じゃあまた明日!と別れて帰りの馬車に乗り込むとゆっくりゆったり進んで行く。
今日はマリーの弟くんが来る予定だから早く帰れて良かったよ。

そう言えば今日は兄様も帰ってくるんだっけ?

「マリー!!!」
「リクリエイツ様!お帰りなさいませ!」
「弟くんは?」
「もうすぐお帰りかと思ってこちらに…」

マリーの後ろでビクビクしていたのは10にしては小さめな茶髪と黄色目のマリーに似た可愛い男の子。

「…マークと言います。」
「マーク!初めまして、俺はマリーの主人でこの屋敷の2番目の子だよ。」
「…は…はじめまして…お姉ちゃんがお世話になってます…」

おぉ…流石マリーの弟…ちゃんとしてる…

「足が悪いのか?」
「はい…右足が動かなくて…」
「…どれ、失礼するよ」

屈んでマークの右足に触れて光を注いでいく、光魔法の使い方は実はめちゃくちゃ簡単だ、治れ~治れ~ってひたすらに祈るだけ、魔力量は多いから俺がやれば死人を生き返させる以外ならなんでも出来る。

「どう?」
「…あ…足…動く…」
「…!あぁ!良かった…!リクリエイツ様…ありがとうございます…!!」
「どういたしまして、良かったよ」

抱き合って涙を流すマリーとマークをなだめながら荷物を部屋に置いて夕食を取りに食堂へ行く、するとそこには兄様と父様が珍しいコンビで鎮座していた。

「リクリエイツ!!お帰り!!」
「父様に兄様!お久しぶりです」

母は俺を産んで亡くなったからこれで家族全員が揃った。
家族が揃うのも久しぶりで…兄様が学園にいる頃は揃って食事もしたから、約1年位ぶりだろうか…

「ほんと…リクリエイツの顔を見ないと死んでしまいそうだったよ…」
「兄様…」
「ネイトに同意だ…城はギスギスが過ぎるのだ…」
「父様…」

廊下に飾ってある絵で母様を見た事があるが俺はほんとに母様似で、父様と兄様は銀の髪に青い目をしている。

「そうだリクリエイツ、学園の調子はどうだい?」
「…フランシス様が仕事しない以外は順調ですかね…」
「…殿下か…」
「俺…早いところ婚約解消したいです…」
「…ホントか!?」

ガタン!と思いっきり立ち上がった父様はそれはそれは歓喜していた。
そうだ、俺が入る前のリクリエイツはバカ第2王子が好きだったんだ。

「今は流石に無理だから学園卒業と同時に婚約解消にしよう。」
「本当ですか!ありがとうございます!」

今さすがに冒険者になりたい~とかは言わないでおこう…。
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