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あの後、結局その日はエルに送って貰って、次の日からは1人で行こうって、決めたはずだったのに。
「ユウマ、お待ちしていましたよ。」
「……エル」
俺的に上手く話せてたと思う。
でもそれでアイツを騙せてるとは思ってない、多分アイツは俺よりもそういうのに敏感なたちだから。
「はぁ…やっぱ、エル相手だと…」
…怖い。
アイツを失う恐怖が、1番…
「…う…うっす…ユウマ…様」
視界の端で黒髪が揺れた、少し長めの…適当に整えられた髪に…クマが酷い紫色の目。
…この人は…
「ゲルト先輩!?様は要らない…って…なんで…ココに…」
「ひぇ、やっぱ…やっぱり俺みたいなクソ平民はこんな神聖なところに居ない方が良いですよねハハハ帰りま……」
ゲルト先輩は…なんて言うか一言で言えばネガティブな人。
昔っから平民という身分を抱えて貴族社会に居たせいで限界まで自分に自信が無くなってしまった可哀想な人だ。
でも俺は知ってる、この長い長い前髪の下には綺麗な顔が埋まってることを…
「待って!帰んないでくださいよ!!なんか…卑屈度合い増してません…?」
「…ユウマぁ…ユウマぁ!んわぁぁぁん!!!」
「せ…せんぱい!?」
「ユウマ先輩!?!?誰すかソレ!!先輩ー!!先輩から離れろーーー!!」
「ベンノ!?やめろやめろ!」
「うわぁん!平民ですみません~!!」
あー…!!!収集がつかねぇ!!!!
……
……
……
「つー事で、この人が俺の先輩、ゲルトさん。」
「うっす…すんません…俺早とちりを…」
「俺の方こそすみません!ユウマはぁ俺なんかが抱きついていい人じゃない……」
「……先輩…そういうの無しって…」
べしょべしょになった先輩を俺とベンノでどうにか宥めてからお茶を出す。
先輩…まじなんかやつれてんだな…前よりだいぶヘロヘロ…
「ごめん…ありがとなユウマ…」
「いえ、こんくらい普通すよ、そんで、今日はどうしたんです?」
「うん…最終的に俺、魔道局に入ったでしょ?そこでちょっと面白いもの見つけて…ユウマに見せてあげようかなって…」
面白いもの……?
「これこれ、『光と闇、オーラと相性』ね、面白そうでしょ?」
「…オーラ?」
「あー…先輩は異世界から来たんすもんね、オーラはガキの頃よくお話として聞かされるんすよ~!」
「そうそう、今オーラを使えるのは王様とか力の強い王族くらいなんだけど……」
オーラ…そう言えば…覚えてる。
来たばっかの時王様がすげぇ怖くて…兄ちゃんにすがったんだわ…城の外にもオーラって漏れるもんなのか。
「より強いオーラをぶつける事でオーラを消すことができたり、闇のオーラと合わさると聖なる光になるんだ。」
「闇のオーラ……?」
「聖なる光には闇も光も…どちらも必要だと言われてるんだけど、これはもうおとぎ話の延長線上みたいな所あるから…へへ」
「でもでも!ユウマ先輩はオーラありましたよ!俺、入学式挨拶する先輩を見てビリビリって痺れました!」
俺がオーラを…?それ…いつの話だ…?
「ちなみにね、おとぎ話だと、その後王族の…闇のオーラを持つ魔王を巡り人である勇者が光で癒して、聖なる光が空に舞って終わり。」
凄い話だな…
「忌み嫌われる闇も、光があれば輝くって意味で伝わってきたんだ。」
「じゃあ光と闇は相性バツグンって事ですか?」
「うん、そうなるね。」
もし…俺に光のオーラがあったとして…それはどうなるんだ?
「あぁ!なんか納得っす!だからエルドレッド殿下はユウマ先輩のこと大好きなんすね!」
「「え…?!」」
な…なんでこの流れでエルドレッドが出てくるんだよ…。
「あれ…先輩方知りませんでした?この国で闇のオーラと言ったらエルドレッド殿下でしょう?」
「……しら…ない。」
エルドレッドが…闇のオーラを持つ…
だから俺…?
お前の闇を消せるから…俺?
あ…なんか納得…じゃなきゃアイツが俺を選ぶなんてしないだろ……。
「ユウマ、お待ちしていましたよ。」
「……エル」
俺的に上手く話せてたと思う。
でもそれでアイツを騙せてるとは思ってない、多分アイツは俺よりもそういうのに敏感なたちだから。
「はぁ…やっぱ、エル相手だと…」
…怖い。
アイツを失う恐怖が、1番…
「…う…うっす…ユウマ…様」
視界の端で黒髪が揺れた、少し長めの…適当に整えられた髪に…クマが酷い紫色の目。
…この人は…
「ゲルト先輩!?様は要らない…って…なんで…ココに…」
「ひぇ、やっぱ…やっぱり俺みたいなクソ平民はこんな神聖なところに居ない方が良いですよねハハハ帰りま……」
ゲルト先輩は…なんて言うか一言で言えばネガティブな人。
昔っから平民という身分を抱えて貴族社会に居たせいで限界まで自分に自信が無くなってしまった可哀想な人だ。
でも俺は知ってる、この長い長い前髪の下には綺麗な顔が埋まってることを…
「待って!帰んないでくださいよ!!なんか…卑屈度合い増してません…?」
「…ユウマぁ…ユウマぁ!んわぁぁぁん!!!」
「せ…せんぱい!?」
「ユウマ先輩!?!?誰すかソレ!!先輩ー!!先輩から離れろーーー!!」
「ベンノ!?やめろやめろ!」
「うわぁん!平民ですみません~!!」
あー…!!!収集がつかねぇ!!!!
……
……
……
「つー事で、この人が俺の先輩、ゲルトさん。」
「うっす…すんません…俺早とちりを…」
「俺の方こそすみません!ユウマはぁ俺なんかが抱きついていい人じゃない……」
「……先輩…そういうの無しって…」
べしょべしょになった先輩を俺とベンノでどうにか宥めてからお茶を出す。
先輩…まじなんかやつれてんだな…前よりだいぶヘロヘロ…
「ごめん…ありがとなユウマ…」
「いえ、こんくらい普通すよ、そんで、今日はどうしたんです?」
「うん…最終的に俺、魔道局に入ったでしょ?そこでちょっと面白いもの見つけて…ユウマに見せてあげようかなって…」
面白いもの……?
「これこれ、『光と闇、オーラと相性』ね、面白そうでしょ?」
「…オーラ?」
「あー…先輩は異世界から来たんすもんね、オーラはガキの頃よくお話として聞かされるんすよ~!」
「そうそう、今オーラを使えるのは王様とか力の強い王族くらいなんだけど……」
オーラ…そう言えば…覚えてる。
来たばっかの時王様がすげぇ怖くて…兄ちゃんにすがったんだわ…城の外にもオーラって漏れるもんなのか。
「より強いオーラをぶつける事でオーラを消すことができたり、闇のオーラと合わさると聖なる光になるんだ。」
「闇のオーラ……?」
「聖なる光には闇も光も…どちらも必要だと言われてるんだけど、これはもうおとぎ話の延長線上みたいな所あるから…へへ」
「でもでも!ユウマ先輩はオーラありましたよ!俺、入学式挨拶する先輩を見てビリビリって痺れました!」
俺がオーラを…?それ…いつの話だ…?
「ちなみにね、おとぎ話だと、その後王族の…闇のオーラを持つ魔王を巡り人である勇者が光で癒して、聖なる光が空に舞って終わり。」
凄い話だな…
「忌み嫌われる闇も、光があれば輝くって意味で伝わってきたんだ。」
「じゃあ光と闇は相性バツグンって事ですか?」
「うん、そうなるね。」
もし…俺に光のオーラがあったとして…それはどうなるんだ?
「あぁ!なんか納得っす!だからエルドレッド殿下はユウマ先輩のこと大好きなんすね!」
「「え…?!」」
な…なんでこの流れでエルドレッドが出てくるんだよ…。
「あれ…先輩方知りませんでした?この国で闇のオーラと言ったらエルドレッド殿下でしょう?」
「……しら…ない。」
エルドレッドが…闇のオーラを持つ…
だから俺…?
お前の闇を消せるから…俺?
あ…なんか納得…じゃなきゃアイツが俺を選ぶなんてしないだろ……。
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