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《おまけ》悪役令息の受難
いち
しおりを挟むお話の最後にちらっと言ったギルバートが攻めになる悪役令息モノが、明らかにこの作品を知ってないと分からないお話になったのでこちらに載せます。
おまけとして読める短編と思ってください。
________________
「リオ!次武術だろう?一緒に行こう。」
「ぎ…ギルバート…分かったよ!分かったから引っ張らないで!」
僕の名前は町田利央、もといリオン・レナード。
なんで名前が二つあるのか?と聞かれても僕にはなんとも言えない。
だってトラックに跳ねられたらリオンだったんだもの。
俗に言う異世界転生…そう…それに僕が巻き込まれたんだけど…
この世界ちょっとおかしいんだ。
どうしたものか《ヒロイン》が居なかったんだよね…
僕がリオンに転生したのがリオンが5歳の頃、あまりにも幼少期だからここまで来ちゃうとリオンの前世が僕利央なんだろうけど…前世思い出した~の方が近い?
んでここからだよ!この世界が僕の大好きな《むらわた!》の世界だと気が付いたのも5歳の頃。
自分の姿を見てゾッとした…緩いカーブのついた銀髪につり上がった水色の目!ひぃ!悪役令息!!って…ここまでは言ってないけど…
そしたらもう…恐怖しかないでしょ?僕この後自分がどうなるか知ってるんだからね…??
やだよう…断罪されて首チョンパだけはやだよう…!
それでビクビクしながら学園入学!!右左前後どーーーーこ見ても《ヒロイン》らしき人影なし!!
その次の日もその次の日も…他の人に名前を聞いても知らないの一点張り!
僕としてはまぁ断罪されないし…ありがたいが勝つけど…いやおかしいよね…?
「リオ…シャンプー変えた?甘い匂いがする…」
「え…うそ…なんで分かったの……」
「え?そりゃあ…ずっと見てるからね。」
いや怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!
何この人!!いやメインヒーロー様だよ!顔は良い!!顔だけはッ!!!
「…んもぉー!なんで僕なんかに執着するんだよ!」
「…なんでって…リオはこんなに可愛いんだ、執着しない方がおかしいだろ?」
「…ぅー!質問の答えになってない!!!出直せこのイケメンストーカー!!」
「それは…喜んで良いのかな…」
くそぉ!頬を赤らめるな!なんか僕まで照れるだろ!?
メインヒーローと関わっても良いことないのは分かってるから避けてるのにっ!!
僕の努力どこいったんだよぉ…
「今日も一緒に帰ろうね。」
「……………今日が最後な。」
あぁ…こいつ本当に顔が強い…僕はこれだからダメなんだ……
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