5 / 16
⑤
しおりを挟む
《sideデューク》
(…屋敷に…可愛いのが来てしまった……)
すぅ…すぅ…と柔らかな寝息を立てて眠る白い子供…とても薄いが俺と血が同じとは思えない可愛さだ…。
健気な強さに優しい儚さがある。
見た目こそ姉上の生き写しだが、性格は真逆だったな。
お前が生きてると知った時…俺がどんな思いだったか…。
2人目の報告は来ていたが、シオン、お前だけ何も聞かされてなかったんだ。
…こんなに綺麗なんだ…孤児院で囲われない訳が無い。
……
………
……
「覗き見とは感心しませんね?デューク」
「…ジェラルド…まだ居たのか。」
金色の髪を緩く結び他人の家で優雅に足を組んでいるのは、学生の頃よく世話になった、ジェラルド・フィンランダー。
美しいと今も評判だが、やはりシオンには敵わないな。
「全く…少しは私やウィルに興味を持ったらどうです?貴方が愛するシオンの教師なのですから。」
「…シオンはどうだ?」
「どう…とは?」
「授業は大丈夫かと聞いている」
相変わらず、この男にはイライラする。
学生の頃から何ら変わりのない、紳士に見えてどす黒い策士だ。コイツが当主になったらフィンランダー家は成長するだろうな。
「シオン様は案外…何か考えているようで何も考えていない…でも聞けば的確な意見が来る…面白い方ですよ。」
「…悪口か?」
「いい意味です。」
愛しのシオンが遠回しに呑気だと言われた気がしたが、コイツに突っかかるだけ無駄だ。諦めよう。
「そうだ、ジェラルド、ウィルフレッドは一緒じゃ無かったのか?明日は体術だろう。間に合うのか?」
ウィルフレッド・パーシヴァル。
北の獅子パーシヴァル家の脳筋バカ、コイツもジェラルドと同様、同学年だったので、実力を信用してシオンの剣と体術の教師選んだのだが…
「ウィルは大丈夫ですよ、少々雑な所もありますが…約束は守る男ですし、それはデュークもご存知でしょう?」
「…お前がそう言うならそうなんだろうな。」
元より俺たちに会話という会話は無い、双方話したい事を話し終えたら黙りお互いの事を始める。
穏やかなシーンとした空気をぶち壊したのは今、噂をしていた人物だった。
「よォ!!!どーだ!デューク!!間に合ったろ!!!」
バタンと空いた窓から堂々不法侵入してきたのは、赤髪の獅子ウィルフレッド。
頼まれたらやるし頼まなくてもやる結構便利なやつ。まぁうるさいが。
「まずお前はその煩いのをどうにかしろ。」
「……ウィル…今は夜ですよ…?」
「わーってるよ!っあ~疲れたわ…オレにも茶~」
「全く…貴方って人は……」
実力はあるが貴族らしくないと当主選びから外された哀れなウィルフレッドは、冒険者と混ざり稀に洞窟やそこら辺の魔物を退治している。
「今回は何処にいってたんだ?お前にしては長かったじゃないか。」
「東東!お~それがよ~?なぁんかきな臭いンだよなぁ~…」
「きな臭い?」
「そー!…ンー…まぁ2匹だな。」
「あぁ…またか。お前の感にハズレは無い信用してやる。」
東のタヌキが暴れだしたか…
面倒な事になりそうだが、シオンが入学する前に排除しておかなくてはな。
「おや、それでは私にお任せ下さい!ドカンと1発かましてきますね」
「ほう…なら任せる、力が欲しいなら頼れ。」
……はぁー…気が重い。また後でシオンを見に行くか。
「…あ…そうでしたそうでした!デュークに朗報ですよ、シオン様はデュークがお好きらしいので、良かったですねぇ」
「……は?」
………なんだそれ…可愛いが過ぎるぞ…?
(…屋敷に…可愛いのが来てしまった……)
すぅ…すぅ…と柔らかな寝息を立てて眠る白い子供…とても薄いが俺と血が同じとは思えない可愛さだ…。
健気な強さに優しい儚さがある。
見た目こそ姉上の生き写しだが、性格は真逆だったな。
お前が生きてると知った時…俺がどんな思いだったか…。
2人目の報告は来ていたが、シオン、お前だけ何も聞かされてなかったんだ。
…こんなに綺麗なんだ…孤児院で囲われない訳が無い。
……
………
……
「覗き見とは感心しませんね?デューク」
「…ジェラルド…まだ居たのか。」
金色の髪を緩く結び他人の家で優雅に足を組んでいるのは、学生の頃よく世話になった、ジェラルド・フィンランダー。
美しいと今も評判だが、やはりシオンには敵わないな。
「全く…少しは私やウィルに興味を持ったらどうです?貴方が愛するシオンの教師なのですから。」
「…シオンはどうだ?」
「どう…とは?」
「授業は大丈夫かと聞いている」
相変わらず、この男にはイライラする。
学生の頃から何ら変わりのない、紳士に見えてどす黒い策士だ。コイツが当主になったらフィンランダー家は成長するだろうな。
「シオン様は案外…何か考えているようで何も考えていない…でも聞けば的確な意見が来る…面白い方ですよ。」
「…悪口か?」
「いい意味です。」
愛しのシオンが遠回しに呑気だと言われた気がしたが、コイツに突っかかるだけ無駄だ。諦めよう。
「そうだ、ジェラルド、ウィルフレッドは一緒じゃ無かったのか?明日は体術だろう。間に合うのか?」
ウィルフレッド・パーシヴァル。
北の獅子パーシヴァル家の脳筋バカ、コイツもジェラルドと同様、同学年だったので、実力を信用してシオンの剣と体術の教師選んだのだが…
「ウィルは大丈夫ですよ、少々雑な所もありますが…約束は守る男ですし、それはデュークもご存知でしょう?」
「…お前がそう言うならそうなんだろうな。」
元より俺たちに会話という会話は無い、双方話したい事を話し終えたら黙りお互いの事を始める。
穏やかなシーンとした空気をぶち壊したのは今、噂をしていた人物だった。
「よォ!!!どーだ!デューク!!間に合ったろ!!!」
バタンと空いた窓から堂々不法侵入してきたのは、赤髪の獅子ウィルフレッド。
頼まれたらやるし頼まなくてもやる結構便利なやつ。まぁうるさいが。
「まずお前はその煩いのをどうにかしろ。」
「……ウィル…今は夜ですよ…?」
「わーってるよ!っあ~疲れたわ…オレにも茶~」
「全く…貴方って人は……」
実力はあるが貴族らしくないと当主選びから外された哀れなウィルフレッドは、冒険者と混ざり稀に洞窟やそこら辺の魔物を退治している。
「今回は何処にいってたんだ?お前にしては長かったじゃないか。」
「東東!お~それがよ~?なぁんかきな臭いンだよなぁ~…」
「きな臭い?」
「そー!…ンー…まぁ2匹だな。」
「あぁ…またか。お前の感にハズレは無い信用してやる。」
東のタヌキが暴れだしたか…
面倒な事になりそうだが、シオンが入学する前に排除しておかなくてはな。
「おや、それでは私にお任せ下さい!ドカンと1発かましてきますね」
「ほう…なら任せる、力が欲しいなら頼れ。」
……はぁー…気が重い。また後でシオンを見に行くか。
「…あ…そうでしたそうでした!デュークに朗報ですよ、シオン様はデュークがお好きらしいので、良かったですねぇ」
「……は?」
………なんだそれ…可愛いが過ぎるぞ…?
717
お気に入りに追加
1,123
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
愛する人
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
「ああ、もう限界だ......なんでこんなことに!!」
応接室の隙間から、頭を抱える夫、ルドルフの姿が見えた。リオンの帰りが遅いことを知っていたから気が緩み、屋敷で愚痴を溢してしまったのだろう。
三年前、ルドルフの家からの申し出により、リオンは彼と政略的な婚姻関係を結んだ。けれどルドルフには愛する男性がいたのだ。
『限界』という言葉に悩んだリオンはやがてひとつの決断をする。
魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。
王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)
かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。
はい?
自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが?
しかも、男なんですが?
BL初挑戦!
ヌルイです。
王子目線追加しました。
沢山の方に読んでいただき、感謝します!!
6月3日、BL部門日間1位になりました。
ありがとうございます!!!
君と秘密の部屋
325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。
「いつから知っていたの?」
今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。
対して僕はただのモブ。
この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。
それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。
筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子
一日だけの魔法
うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。
彼が自分を好きになってくれる魔法。
禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。
彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。
俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。
嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに……
※いきなり始まりいきなり終わる
※エセファンタジー
※エセ魔法
※二重人格もどき
※細かいツッコミはなしで
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる