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第十三章 金曜日の妹はいない
13-4話 アニメでは一番最後に出てくる最強の敵じゃん!
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神様チームはそれぞれ、赤(狐)・青(龍)・三色(猫)の、魔法少女か声優のアイドルユニットみたいな格好をしていた。
「うわあ何それ。トライデント?」
「十年後にはわからなくなりそうなこと言わないで」と、みーちゃん(三絡克真 (みつがねかつま)さん)は言った。
トライデントというのは、人工知能で軍艦の女子3人による声優チームだ。この説明でさえ何言ってるかわからないかもしれないが、百年後には絶対わからなくなるだろう。
アイドルっぽくパンツが見えそうで見えないミニスカートが一番似合ってたのはヒロくん(流奇奈紘季(るきなひろき)くん)で、これは萌え死にするほど可愛い。自分が女子でなかったら友だち以上のつきあいがしたくなるレベルだ。あ、でもヒロくんは男子だからつきあっても問題ないのか。
「すごいよヒロくん! ちょっと一回転してみて!」
自分のおねだりに応えて、ヒロくんはちゃんとやってくれた。はじめてのスカートの感想は、下がスースーする、じゃなくて、左右の太ももの肉が直接当ってなんか嫌な感じ、だそうだ。
神様チームは、そんなわけでスリーチューンズというアイドルユニットの「恋は複素数」という歌を歌った。「ワン、ツー、スリー、ファイブ」ではじまって、「いま、いま、イマジナリー」とかまあそんな感じの歌詞。いきなりとても盛り上がる新メンバー歓迎会である。
生徒会長は黒板に近い席の向かって左、ゲストの白美神高校生徒会長で真紅の女王である松平定子(まつだいらさだこ)さんは向かって右という、関東雛の並びである。コの字の机の廊下側に悪役部で白美神高校に所属している三隅矩子(みすみのりこ)さんとうちの高校の生徒会新1年生、窓側に暇な生徒会2・3年生が座り、コの字の口の開いたところが演芸場になる。
美登里とヒロくんは一応生徒会の新メンバーだからわかるんだけど、藤堂さんと自分と兄上がなぜ宴会芸をしなければいけないのか。それに悪役部って何なのか。松平定子さんはどうして私によく似ているざっくり美人で小さいのか。
他のメンバーがいろいろ、錦の袈裟の裸踊りとかやってる間に、自分は兄上に聞いてみた。
「松平さんは、真那木沙振(まなきさぶれ)さんのお姉さんなのだ」と、兄上は言った。
昨日までの兄上の記憶も持っている自分は、真那木さんが誰かを知っている。ご神木で陰の主役の神様である。
「それは、アニメでは一番最後に出てくる最強の敵じゃん!」
「そうだな、最後から二番目の敵は小さい子で、一番どうでもいい敵は近所の幼なじみで、妹は敵か味方かわからない」
そのような話は今のところどうでもよくって、自分は「ウィル・ミーツ・アゲイン」を適当な日本語をつけて歌った。伴奏はどんな楽器でも演奏できる狐神のくらさんによるギターである。
結婚しよう いくさが終わったら
いつかたぶん きっと終わる
どう考えても死亡フラグの歌なのだが、コーラスのところではエリーが「はい!」って言ってみんなに歌わせて、一部の人は涙を流していた。一番泣いていたのは兄上だったかもしれない。
美登里は「東京流れ者」を歌って、そのうしろでエリーが手話をつけた。ちゃんと手話があるんだな。
ただ、これだけは言いたい。
「いつか忘れた東京の」の「いつか」は「五日」じゃないから。
兄上の芸は…ちょっと待って、明日までに考えておく。
「うわあ何それ。トライデント?」
「十年後にはわからなくなりそうなこと言わないで」と、みーちゃん(三絡克真 (みつがねかつま)さん)は言った。
トライデントというのは、人工知能で軍艦の女子3人による声優チームだ。この説明でさえ何言ってるかわからないかもしれないが、百年後には絶対わからなくなるだろう。
アイドルっぽくパンツが見えそうで見えないミニスカートが一番似合ってたのはヒロくん(流奇奈紘季(るきなひろき)くん)で、これは萌え死にするほど可愛い。自分が女子でなかったら友だち以上のつきあいがしたくなるレベルだ。あ、でもヒロくんは男子だからつきあっても問題ないのか。
「すごいよヒロくん! ちょっと一回転してみて!」
自分のおねだりに応えて、ヒロくんはちゃんとやってくれた。はじめてのスカートの感想は、下がスースーする、じゃなくて、左右の太ももの肉が直接当ってなんか嫌な感じ、だそうだ。
神様チームは、そんなわけでスリーチューンズというアイドルユニットの「恋は複素数」という歌を歌った。「ワン、ツー、スリー、ファイブ」ではじまって、「いま、いま、イマジナリー」とかまあそんな感じの歌詞。いきなりとても盛り上がる新メンバー歓迎会である。
生徒会長は黒板に近い席の向かって左、ゲストの白美神高校生徒会長で真紅の女王である松平定子(まつだいらさだこ)さんは向かって右という、関東雛の並びである。コの字の机の廊下側に悪役部で白美神高校に所属している三隅矩子(みすみのりこ)さんとうちの高校の生徒会新1年生、窓側に暇な生徒会2・3年生が座り、コの字の口の開いたところが演芸場になる。
美登里とヒロくんは一応生徒会の新メンバーだからわかるんだけど、藤堂さんと自分と兄上がなぜ宴会芸をしなければいけないのか。それに悪役部って何なのか。松平定子さんはどうして私によく似ているざっくり美人で小さいのか。
他のメンバーがいろいろ、錦の袈裟の裸踊りとかやってる間に、自分は兄上に聞いてみた。
「松平さんは、真那木沙振(まなきさぶれ)さんのお姉さんなのだ」と、兄上は言った。
昨日までの兄上の記憶も持っている自分は、真那木さんが誰かを知っている。ご神木で陰の主役の神様である。
「それは、アニメでは一番最後に出てくる最強の敵じゃん!」
「そうだな、最後から二番目の敵は小さい子で、一番どうでもいい敵は近所の幼なじみで、妹は敵か味方かわからない」
そのような話は今のところどうでもよくって、自分は「ウィル・ミーツ・アゲイン」を適当な日本語をつけて歌った。伴奏はどんな楽器でも演奏できる狐神のくらさんによるギターである。
結婚しよう いくさが終わったら
いつかたぶん きっと終わる
どう考えても死亡フラグの歌なのだが、コーラスのところではエリーが「はい!」って言ってみんなに歌わせて、一部の人は涙を流していた。一番泣いていたのは兄上だったかもしれない。
美登里は「東京流れ者」を歌って、そのうしろでエリーが手話をつけた。ちゃんと手話があるんだな。
ただ、これだけは言いたい。
「いつか忘れた東京の」の「いつか」は「五日」じゃないから。
兄上の芸は…ちょっと待って、明日までに考えておく。
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