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ヒロインと攻略対象
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難なく特別編入試験をパスした俺は中央学園に編入した。マキシミリアンは気配りの人らしく、編入までなにかと世話を焼いてくれた。
「ようこそ、学園へ。リチャード、久しぶり」
「マキシミリアン様、お久しぶりです。何から何までお世話になりありがとうございます」
リチャードがマキシミリアンに頭を下げていると、遠くから足音が近づいて来る音がした。
「マ~キ~シ~ミ~リ~ア~ン~さ~ま~」
兎のような可愛らしい小柄な女性がこちらへ突撃してきている。
「ごめん、リチャード。僕逃げるわ」
マキシミリアンが眉を顰め不快そうな表情をすると、素早く去っていった。
「あらっ?たしかにマキシミリアン様の気配がしたはずなのに…気のせいかしら。あっ…貴方…初めて見る顔だけどどなた?そこそこイケメンね」
ヒロインだ。
ゲームとは違いかなりガツガツ積極的なヒロインのようだ。
「この度編入しましたザヴォイ男爵家のリチャードと申します。以後お見知り置きを」
「ふぅーん。男爵ね。私はシャロン男爵家のイザベラよ」
ジロジロと俺の顔を見ると、突然なにかに驚いたように口を大きく開けた。
「あなたっ…確か隣の学園に行ってたはずでは?どうしてここにいるの?あなたがここにいたらイベントがっ!」
眉間を指で押さえ、どうしよう、どうしようと呟きながらイザベラは走り去った。
元気な子だな…
それにしてもどうして俺が隣の学園にいたことを知っているんだ?
イベントって?
隣の学園でのイベントってなかったよな…
ああ、触手イベントかっ…
確か隣の学園で、謎の植物の栽培に成功して…
マキシミリアンと植物が反応して、植物が巨大化するんだよな。
それで、イザベラが巨大化した魔木ギヴォンに襲われて…
マキシミリアンがなんとか魔法で巨大化を抑えたところをギルバートが炎の剣で斬り倒すんだよな。
えっ⁉︎
俺はあの植物の栽培に成功した生徒?
よく覚えてないけど確かに俺に容姿が似ていた。
あぁ…俺だ!
あの口元のホクロは俺だ。
乙女ゲームのモブで口元にホクロがあるなんて珍しいなぁと思ってたんだよ。
なんで、今頃思い出すかなぁ…
まずい。
とりあえず謎の植物は栽培しないようにしよう。
「ようこそ、学園へ。リチャード、久しぶり」
「マキシミリアン様、お久しぶりです。何から何までお世話になりありがとうございます」
リチャードがマキシミリアンに頭を下げていると、遠くから足音が近づいて来る音がした。
「マ~キ~シ~ミ~リ~ア~ン~さ~ま~」
兎のような可愛らしい小柄な女性がこちらへ突撃してきている。
「ごめん、リチャード。僕逃げるわ」
マキシミリアンが眉を顰め不快そうな表情をすると、素早く去っていった。
「あらっ?たしかにマキシミリアン様の気配がしたはずなのに…気のせいかしら。あっ…貴方…初めて見る顔だけどどなた?そこそこイケメンね」
ヒロインだ。
ゲームとは違いかなりガツガツ積極的なヒロインのようだ。
「この度編入しましたザヴォイ男爵家のリチャードと申します。以後お見知り置きを」
「ふぅーん。男爵ね。私はシャロン男爵家のイザベラよ」
ジロジロと俺の顔を見ると、突然なにかに驚いたように口を大きく開けた。
「あなたっ…確か隣の学園に行ってたはずでは?どうしてここにいるの?あなたがここにいたらイベントがっ!」
眉間を指で押さえ、どうしよう、どうしようと呟きながらイザベラは走り去った。
元気な子だな…
それにしてもどうして俺が隣の学園にいたことを知っているんだ?
イベントって?
隣の学園でのイベントってなかったよな…
ああ、触手イベントかっ…
確か隣の学園で、謎の植物の栽培に成功して…
マキシミリアンと植物が反応して、植物が巨大化するんだよな。
それで、イザベラが巨大化した魔木ギヴォンに襲われて…
マキシミリアンがなんとか魔法で巨大化を抑えたところをギルバートが炎の剣で斬り倒すんだよな。
えっ⁉︎
俺はあの植物の栽培に成功した生徒?
よく覚えてないけど確かに俺に容姿が似ていた。
あぁ…俺だ!
あの口元のホクロは俺だ。
乙女ゲームのモブで口元にホクロがあるなんて珍しいなぁと思ってたんだよ。
なんで、今頃思い出すかなぁ…
まずい。
とりあえず謎の植物は栽培しないようにしよう。
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