推しに転生した不幸な俺の願望

プロローグ

俺の初恋は屈強な男だった。
彼を知るにつれ、自分とは正反対のその男に襲われたい願望はますます募っていった。



＊


平凡なひょろひょろ男子高校生の俺。
妹に借りた乙女ゲーム『椿プリンセス』で運命の相手に出会った。
椿プリは主人公の平民カサンドラが複数の攻略対象と繰り広げる恋愛ゲームだ。
俺の運命の人…
それは、攻略対象である王子でも側近でもない。

それは悪役令嬢の兄のオスカー＝モルガン。
鍛え抜かれた屈強な身体をもち、頭脳、体力ともに優れ向かうところ敵なしの侯爵。
整った顔立ちではあるが、悪役令嬢と同じく吊り目、常に浮かべているシニカルな笑み、そして巨体…
当然のように女性人気はほぼない。
ゲーム上でも２５歳となるが結婚はしておらず、女の影すらない。


描かれてなかったけど多分童貞。仲間だね。


侯爵家に少しでも反意を示すものは法の範囲なら手段を問わず徹底的に潰す、その極悪非道っぷり、ヒールっぷりは意外にも悪役として人気だった。

女性人気ゼロのオスカー。
しかし、俺はゲームが進むにつれ、オスカーの冷淡で非道なところに傾倒していった。

ゲームの屈強なオスカーの画像で、アナルを弄って自慰をするのが俺の一日のルーティンに組み込まれていた。

オスカー好きだあ。
オスカーに会いたい…
俺の初めてをオスカーに奪われたい…
オスカー…




＊



えぇ、そうですよ。
オスカーに会いたいと思ってましたよ。
でも、まさか…
俺がオスカーになっているなんて…
神様‼︎　なんて悪辣な…

オスカーと濃厚エッチできない…
ゲーム画像のオスカーに会いたい…
画面越しの妄想エッチしたい…

妄想エッチ…そうだっ…画面越しならぬ鏡越し…
鏡でオスカーの顔を見ながらアナル弄ろう…

硬っ…痛っ…狭いな…
まぁ弄ってないならこんなもんだろう…
でも、オスカーのアナル弄ってると思うと興奮してくるもんだなぁ…

俺は現実逃避して、鏡の前でアナニーに集中した。