上 下
51 / 61

王子の思い

しおりを挟む
王子はユランの中を傷つけないように、腸壁を皺を広げるように慎重に解しながら指を奥に進めた。
ユランはずっと求めていた心地よい刺激に、甘い歓声をあげる。

「んっ…あっ…いいっ…きもちい…あにうえ…」

王子はユランの様子を見ながら、感じる箇所を重点的に攻めていった。ユランの嬌声を聞きながら指を2本に増やし奥へ進めると、クルミ大の膨らみを見つけた。
恐る恐る撫でると、ユランがビクビクと小刻みに震えた。

「あぁ、よかった。ここが前立腺なんだね。ここを刺激すると快感を追いかけやすくなるそうなんだよ。これから、ペニスと前立腺を同時に刺激していくけど大丈夫かな?」

瞳がトロンと蕩けたユランに対し、王子は丁寧に説明をする。んっという、声を同意と見做して、王子はペニスを緩く扱きはじめた。
ユランの嬌態の変化から絶頂が近付いたことを察し、孔に挿入した指を反動をつけて前立腺を突いた。

「…あにう…え…もう…イクーっ…ぁああ″あ″あ″ー」

王子が前立腺を強く押すとほぼ同時に、ユランは全身を弓形にしならせて精液を飛び散らした。
ユランはビクビクと痙攣させながら、ベッドに崩れ落ちた。

「よく頑張ったね、ユラン。これで2回射精したから、もう危険な薬の効果は発散できたからね。副作用は起こらないから安心しなさい。
まだ、頭がぼーっとしているだろう。ドウェインが用いた媚薬入りのローションの効果はまだ残っているだろうが、副作用のない軽いものだからこのまま休んでいなさい。直に楽になるからね」

王子はユランの頭を優しく撫で、ニコリと微笑むと、手を頭から離した。

(兄上が離れてしまう…戻ってこない…僕のことが嫌いだから…)

寝不足で疲れ切ったユランの頭の中は混乱していた。

「あにうえ…いかないでくだ…さい…」

ユランは涙を流しながら、王子の首に抱きついて唇に噛み付くようなキスをした。

(ヒースもおかしくなっていたけれど、キスをしたらいつものヒースに戻った…兄上もきっと…)

「ユ…ユラン…やめなさ…」

王子がユランの肩を強く掴んで、唇を引き剥がした。王子の目には動揺の色が浮かんでいて、手は少し震えていた。

「あにう…えは……ぼくがきらい…なの……ぼくのまえ…から…いなくな……」

悲しい顔をして俯き涙をポタポタと流す。

カールをユランから離してしまった罪悪感から悲しむユランの姿を見ていられなくて、王子の胸はチクチクした。
思わず、王子はユランを抱き寄せ、口付けをしていた。

「ユランっ!」

ユランは唇にあたる柔らかな感触に、嬉しそうな声を上げた。王子は力強く抱きしめ、ユランの唇を貪った。
受け身でいたユランの舌が王子の口内に捩じ込まれ、王子の舌がおずおずと応じる。ユランの舌は積極的に絡みつき、唾液を啜る。
ユランは王子の口内を堪能すると、蕩けた表情で唇を離す。ユランの口元に涎が糸を引いて艶かしい。
蕩けた表情でユランは王子に抱きつく。

「すき…だいすき…すき…」

そのまま満足したような表情でユランは意識を失った。
実際にユランに抱きつかれていた時間は数秒であった。しかし、王子には、数秒足らずの時間が何十分も経過したような錯覚に襲われた。

(私は一体なんということを…
ユランを友人として助けようと思っていたはずなのに…いつの間にか私はユランのことを…)

王子はユランの艶かしい姿にさんざん煽られながらも、理性を保っていた。しかし、泣き叫ぶ姿を目にしたときに抑えきれない愛しさが溢れてきて、タガが外れてしまった。
好き…と呟く対象が自分ではないとわかっていながらも、恋慕を止めることが出来なくなってきた。

(カールの大切な弟だからと自制していたのに…)

ユランの寝顔を見ながら小さくため息をつくと、愛おしそうにユランの髪を撫でた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

雌化したぼくらは、雄たちの孕み袋

えい
BL
魔女の呪いにより、女が子供を産めなくなった国で、ある計画が実行される。 男を雌化させ孕み袋とする雌化計画。 魔女狩りを行っていた貴族家は、嫡子以外の適齢期の男を雌化させるように言い渡される。 雌化した男と、雌と交尾することしかできない男たちの物語。 ※淫語、幼児化、男母乳… ※受、攻どちらも不特定多数 ※群像劇 こちらの作品はpixivにも掲載いたします。

【R18】歪んだ家族の幸せ

如月 永
BL
ホモでメスガキの僕は、エッチな事が好きだった。 母さんがいなくなった家で、寂しいお兄ちゃんとお父さんは僕をメスとして愛してくれた。 セックスすると気持ち良いし寂しくなくて幸せなんだ。 <説明&注意点> 父×息子。兄×弟。3P。近親相姦。ショタ。ストーリー性0。エロ中心。 メスガキ感はあんまり出せてないかも。 一話2000文字くらい。続きの更新未定。 <キャラクター覚え書> ●お父さん(※名前未定): 会社員。妻に逃げられ、仕事に熱中して気を紛らわせたが、ある日気持ちがぽっきり折れて息子を犯す。 ●和雅(かずまさ): 兄。高校生。スポーツをしている。両親に愛を与えてもらえなくなり、弟に依存。弟の色気に負けて弟の初めてを奪う。 ●昂紀(こうき): 弟。僕。小学○年生。ホモでメスガキな自覚あり。父と兄とするセックスはスキンシップの延長で、禁忌感は感じていない。セックスは知識より先に身体で覚えてしまった。

悪役令嬢の義弟に転生した俺は虐げられる

西楓
BL
悪役令嬢の義弟になったときに俺はゲームの世界に転生したことを知る。ゲームの中で俺は悪役令嬢に虐待される悪役令嬢の義弟で、攻略対象だった。悪役令嬢が断罪するその日まで俺は… 整いすぎた人形のような美貌の義父は… Rシーンには※をつけてます。 ※完結としていたのですが、その後を数話追加しますので連載中に戻しました。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

推しに転生した不幸な俺の願望

西楓
BL
気がついたら推しの姿になっていた。破滅への道しかない極悪非道な悪役令嬢の兄。 そんな中、妹の悪役令嬢が婚約者の王子に睡眠薬を盛り既成事実を作ろうとする。兄は最悪の事態を回避することができるのか?気持ちコメディのつもりです。 後半睡姦のばっちりRシーンがありますのでご注意ください。ガチムチの襲い受け(中身は平凡男子高校生)です。 Rシーンには※をつけています。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ
BL
『魅惑のプリンセス』というタイトルの乙女ゲームに転生した俺。転生したのはいいけど、悪役令嬢の双子の兄だった。

近親相姦メス堕ちショタ調教 家庭内性教育

オロテンH太郎
BL
これから私は、父親として最低なことをする。 息子の蓮人はもう部屋でまどろんでいるだろう。 思えば私は妻と離婚してからというもの、この時をずっと待っていたのかもしれない。 ひそかに息子へ劣情を向けていた父はとうとう我慢できなくなってしまい…… おそらく地雷原ですので、合わないと思いましたらそっとブラウザバックをよろしくお願いします。

処理中です...