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ヒースの土下座と騎士団
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「昨日はすみませんでした」
朝起きると、床に膝をつき詫びるヒースの姿が目に入った。寝不足なのか目の下にはクマができており顔色もよくない。
「ううん。びっくりしたけど問題ないよ。それよりも顔色悪いけどヒースの体調は大丈夫?医師を呼ぼうか?」
(ヒースとても青ざめている…昨日の腫れの影響なのかな?)
「いえいえ、体調は問題ありませんので、お気になさらないでください」
(こんな純粋なユラン様に、俺が自室で自慰しまくって興奮してあまりよく寝られなかったなんて言えねぇよ)
ヒースは俯いてしょんぼりとしている。
こんなに凹んだヒースに昨日のことを聞いてよいのか悩んで、とりあえずじっとみつめてみた。
「………」
(誤魔化せないか…やっぱ昨日のこと聞かれるのかな…それでカール様にバレたりしないだろうか…
あぁ、ユラン様…そんな可愛い顔で見ないで…)
「……ユラン様?いかがなされましたか?
…はぁ…昨日のことですか?」
ユランはこくんと頷いて聞いた。
「ヒースのおちんちん大きく腫れていたけど、病気なの?あの白いのはなんなの?」
(やべっ…ユラン様の口からおちんちんって…エロすぎる…教えてあげたいが、勝手に教えては冷血カール様に何されるかわからない…)
「それについてはカール様にお伝えしておきますので、後日カール様からご説明していただきます」
(兄上?どうして兄上から説明なんだろう…なんでかな?ま、いっか)
「…うん、わかった。兄上に聞いてみるよ。ヒースの身体に異常がないならそれでいいよ」
*
「ユラン、自己紹介なさい」
「キャボット伯爵家次男のユラン=キャボットと申します。今日は見学を受け入れていただきありがとうございます」
ユランは父に促されて、屈強な強面のお兄さん達の前で挨拶を披露した。
ーーなんだ、あれ、本当に団長の息子か?まったく似ていないんだが…
ーー男?あんな華奢で可愛い男がいるのか?
ーーどうやったら鬼団長からあんな妖精のような…
ーー隔世遺伝…
ーーありえない。女の子なら俺が…
ーーいやいや手なんか出してみろ団長に殺されるぞ
ーーなんだよ、あの顔。団長が蕩けるような顔で息子をみてるぞ。鬼団長あんな顔できるのか…
ーーあんな優しい鬼団長の顔なんて、明日雨が降るんじゃないか
団員がざわざわと騒がしいが何を言ってるのかユランの耳ではよく聞き取れない。
(とりあえず拍手してるってことは歓迎してくれてるのかな?よかった…)
目を細めて微笑んでいるグレイの髪の男性が諫めたら一気に場が引き締まった。これから団員は訓練に入るので、この男性がユランの対応をしてくれるようだ。
「僕は副団長のレイスだよ。何回か会ったことあるけれど覚えているかい?」
「はい。たしか10年くらい前に」
ユランは目を瞑り、以前の記憶を思い起こしながら答える。
「そうそう。あの頃はちょっとヤンチャな雰囲気だったけど、随分と柔らかくなったね。まるで別人みたいだよ」
「お恥ずかしい」
ユランは劣等感でがむしゃらだった自分を思いだし、顔が熱くなるのを感じた。
「綺麗になって、ほんとクリスティナ様に生写しのようだね…」
(とは言っても…似てはいるが…病弱のクリスティナ様は青白くて触ると壊れてしまいそうな雰囲気だったが…ユランくんは薔薇色の頬で血色がよく、印象はかなり違うな…ユランくんはどこか儚い色気のようなものもあるような…これは団長が屋敷に閉じ込めるはずだよ…末恐ろしい…)
「母上にですか?ありがとうございます」
(ゲームの記憶だと、レイス=スペンサーはスペンサー侯爵の3男なんだよな。今は28歳だっけ。
スペンサー侯爵は代々宰相を務める家系で、たしか、長男が父上と同級生で宰相だったはず。
長男よりも先代よりも頭がキレると評判の3男で、常に目を細めて笑っていてのんびりとした穏やかに見えるけど、実は頭の回転が早く口先が上手い人なんだよね。
それを揶揄うようにいい意味で腹黒っていう愛称で呼ばれてたんだよな)
朝起きると、床に膝をつき詫びるヒースの姿が目に入った。寝不足なのか目の下にはクマができており顔色もよくない。
「ううん。びっくりしたけど問題ないよ。それよりも顔色悪いけどヒースの体調は大丈夫?医師を呼ぼうか?」
(ヒースとても青ざめている…昨日の腫れの影響なのかな?)
「いえいえ、体調は問題ありませんので、お気になさらないでください」
(こんな純粋なユラン様に、俺が自室で自慰しまくって興奮してあまりよく寝られなかったなんて言えねぇよ)
ヒースは俯いてしょんぼりとしている。
こんなに凹んだヒースに昨日のことを聞いてよいのか悩んで、とりあえずじっとみつめてみた。
「………」
(誤魔化せないか…やっぱ昨日のこと聞かれるのかな…それでカール様にバレたりしないだろうか…
あぁ、ユラン様…そんな可愛い顔で見ないで…)
「……ユラン様?いかがなされましたか?
…はぁ…昨日のことですか?」
ユランはこくんと頷いて聞いた。
「ヒースのおちんちん大きく腫れていたけど、病気なの?あの白いのはなんなの?」
(やべっ…ユラン様の口からおちんちんって…エロすぎる…教えてあげたいが、勝手に教えては冷血カール様に何されるかわからない…)
「それについてはカール様にお伝えしておきますので、後日カール様からご説明していただきます」
(兄上?どうして兄上から説明なんだろう…なんでかな?ま、いっか)
「…うん、わかった。兄上に聞いてみるよ。ヒースの身体に異常がないならそれでいいよ」
*
「ユラン、自己紹介なさい」
「キャボット伯爵家次男のユラン=キャボットと申します。今日は見学を受け入れていただきありがとうございます」
ユランは父に促されて、屈強な強面のお兄さん達の前で挨拶を披露した。
ーーなんだ、あれ、本当に団長の息子か?まったく似ていないんだが…
ーー男?あんな華奢で可愛い男がいるのか?
ーーどうやったら鬼団長からあんな妖精のような…
ーー隔世遺伝…
ーーありえない。女の子なら俺が…
ーーいやいや手なんか出してみろ団長に殺されるぞ
ーーなんだよ、あの顔。団長が蕩けるような顔で息子をみてるぞ。鬼団長あんな顔できるのか…
ーーあんな優しい鬼団長の顔なんて、明日雨が降るんじゃないか
団員がざわざわと騒がしいが何を言ってるのかユランの耳ではよく聞き取れない。
(とりあえず拍手してるってことは歓迎してくれてるのかな?よかった…)
目を細めて微笑んでいるグレイの髪の男性が諫めたら一気に場が引き締まった。これから団員は訓練に入るので、この男性がユランの対応をしてくれるようだ。
「僕は副団長のレイスだよ。何回か会ったことあるけれど覚えているかい?」
「はい。たしか10年くらい前に」
ユランは目を瞑り、以前の記憶を思い起こしながら答える。
「そうそう。あの頃はちょっとヤンチャな雰囲気だったけど、随分と柔らかくなったね。まるで別人みたいだよ」
「お恥ずかしい」
ユランは劣等感でがむしゃらだった自分を思いだし、顔が熱くなるのを感じた。
「綺麗になって、ほんとクリスティナ様に生写しのようだね…」
(とは言っても…似てはいるが…病弱のクリスティナ様は青白くて触ると壊れてしまいそうな雰囲気だったが…ユランくんは薔薇色の頬で血色がよく、印象はかなり違うな…ユランくんはどこか儚い色気のようなものもあるような…これは団長が屋敷に閉じ込めるはずだよ…末恐ろしい…)
「母上にですか?ありがとうございます」
(ゲームの記憶だと、レイス=スペンサーはスペンサー侯爵の3男なんだよな。今は28歳だっけ。
スペンサー侯爵は代々宰相を務める家系で、たしか、長男が父上と同級生で宰相だったはず。
長男よりも先代よりも頭がキレると評判の3男で、常に目を細めて笑っていてのんびりとした穏やかに見えるけど、実は頭の回転が早く口先が上手い人なんだよね。
それを揶揄うようにいい意味で腹黒っていう愛称で呼ばれてたんだよな)
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