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クリスマスは、イブに予約したチキンと、行きつけのケーキ屋のブッシュドノエル。それと、孝利が作ったピザ。お酒は、お気に入りの白ワイン。自分は、スパークリングでもかまわないが、孝利が苦手だから。
ひとしきり、食べて飲んで、プレゼントを交換することになった。自分が用意したのは、キャメルのマフラー。孝利の貰ったお金の残りで買ったものだから、少し複雑な気持ちだった。孝利からもらったものは、両手のひらに乗るくらいの、キレイにラッピングされた小箱だった。
なんだろう?
「あけて見て?」
孝利が促すのでリボンを解き、包装紙を剥がす。すると、ステンドグラスで作られた箱が出てきた。
「すごい・・・キレイ。」
天井のライトで透かして見る。
「あけてごらん。」
言われて、蓋を持ち上げる。すると、オルゴールになっていた。流れ出すメロディーには聞き覚えがあった。
「あ、この曲知ってる。なんだっけ・・・星の世界!」
小学校の合唱コンクールで歌った曲だった。
「星の世界?」
「か-がやくよぞらーのー、ほーしのひかりよー・・・。」
ワンフレーズ歌って聞かせる。
「へぇ。知らない歌詞だ。これは有名な讃美歌だよ。」
「讃美歌って、キリスト教の?」
孝利は頷いた。
「慈しみ深き、って歌い出しが好きで。・・・俺がいない夜、淋しかったら聞いて。」
「そんなことしたら、泣いちゃいそう。」
ふふ、と笑う孝利に、すでに目が潤んでしまう。
「あ、もしかして、アトリエでこれを作っていたんですか?」
「うん。君のことが好きすぎて、あっと言う間に仕上がった。」
マフラーあったかいね。と、首もとで感触を確かめながら、孝利が言う。お酒が入っているせいか、いつもより素直だ。
「素材、何にしようかすごく悩んだんです。アクリルとかの方がいのかなーとか。でも、アン、抱っこしてもアレルギーが出るわけじゃないですもんね?」
「猫アレルギーはないけど、ハウスダストは苦手かな。アレルギーの薬はそれで飲んでるよ。キャメルは平気。気持ちいいね。」
ありがとう。選ぶの時間かけてくれたってわかるよ。と孝利が言った。照れくさくて、苦笑する。
「それで、あの・・・今夜もえっちなことしますか?」
尋ねると、孝利はきょとんとした顔をした。
「まぁね、イブだけどね。世間的にはそういう日だけど・・・。
君、この間のダメージまだ残っているでしょう?」
ダメージ?
「ダメージって?」
「お尻、痛かったりするんじゃない?トイレ困ってない?」
眉をひそめて言われるが。
「いえ・・・。特には。孝利さんが優しかったからじゃないんですか?気持ちよかったし。ほんとに男初めてなのかなって、思っちゃいました。」
「そこを疑うほどよかったの。」
かぁっと耳が熱くなる。
「君の方こそ、男に組み敷かれて、嫌じゃなかった?」
「嫌だったら、今日またこんなこと言い出したりしませんよ。」
すると、それもそうかと笑われた。
「したいの?でもお酒入っちゃったしなぁ。」
「あ、立たないです?」
そうじゃなくて、と孝利はワインで口を湿らせた。
「こわがるといけないと思って言わなかったけど。お尻の中、直腸って、結構細かい血管とかそこそこ太い血管とかあって、脈に触れるっていうか。お酒入ると血流よくなってるだろうし、万一傷つけたら大惨事かな、なんて思っていているんだよね。血管が、どの程度の強度なのかわからないから、指でするくらいならしてあげるけど、今日はちょっと、最後まではやめておいた方がいいと思う。」
言いように、口が開いてしまう。デリケートな部分だとは思ていたが、血管、そんなに通っているの?そんなところでセックスしたの?思わず血の気が引く。
「してるカップルは多いみたいだし、ゲイビなんかも出血はご法度みたいだから、滅多に怪我したりはしないんじゃないかと思うけど・・・やりようだよね。まだ、きっと中はダメージ残ってると思うから、しばらく様子見よう?」
「・・・あ、はい。」
「不満そうだね。」
そうじゃなくて。そうじゃなくて・・・。
「僕は孝利さんに気持ちよくなってもらいたくて。セックスが駄目なら、はちみつ、試して見ちゃ駄目ですか?」
真剣に訴えているのに、孝利はクスクス笑った。
「お酒入っちゃうと、イクのに時間かかるかも。それでも頑張ってくれる?」
もちろんだ。クリスマスイブに、ちょっとえっちなことをしないなんて、恋人同士として不満だ。
「じゃぁ、ここは君が朝片付けてくれる?」
料理も、ケーキもほぼ完食して、あとは残骸が残っているのみだ。チキンとサラダの残りだけ冷蔵庫にしまうと、あとは捨てるものだけ。とはいえアンが悪戯しないとも限らない。
「片づけは今やっちゃいますよ。捨てちゃっていいんですよね?」
「いいよ。あぁそうか。アンがいるんだものね。」
頷いて、ゴミ袋に手際よくゴミをつめてゆく。物の数分で片付いた。
パーティー気分は終わり。
ここからは、ちょっとアダルトなことをしよう。
孝利が、軽くシャワーを浴びるというので、寝室にタオルを敷いて待っていた。はちみつとティシュを用意して。
お酒が回って、うとうとしていると、孝利がやってきた。
「眠い?」
「少し・・・。しよ?」
誘うと、孝利は嬉しそうに笑った。
「タマは意外と積極的なんだね。それとも、一回セックスしたら何か変わった?」
「変わったのはあるかも。もっともっとしたくなりました。」
快楽には貪欲なんだな、と孝利がまた笑う。
「孝利さんは?」
「まだ少し遠慮があるよ。少なくとも、舐めてもらう前にシャワーを浴びる程度にはね。」
ベッドに乗りあがり、髪を梳いてくれる。それが心地よくて、うっとりと目を閉じた。
「猫みたいだ。」
「孝利さんの猫ですよ。・・・期限まで、いろんなことしましょうね。」
期限を口にすると、孝利は視線をそらした。
「はちみつ、持ってきましたよ。」
「うん。・・・甘かったら、舐めてくれるんだもんね?」
「そうですよ。」
孝利の言いように、笑ってしまう。甘くなくても、して、と言われれば舐めるだろうと思う。これが愛情か、と思った。
以前孝利が、『君に愛情がある』、と断言していたけれど、今ならその気持ち、わかる。
セックスをして、痛みを受け入れてから、何かが変わった。
孝利のすることは受け入れたいし、同じように快楽を返したい。気持ちいいって言ってほしいのだ。
孝利がどんな風に自分を求めるのか、どんな風に自分で快楽を得るのか、知った喜びは大きい。優しいばかりでない繋がりは、孝利への愛情を生んだ。
「ね?はちみつ、俺にも貸して?舐め合おう?」
「って・・・」
シックスナイン?できるかな?身長差が・・・。
「届かないかな。横向きならどう?」
「先に舐めさせてください。」
身長差を思い知るのは、男としてつらかった。
「・・・うん。じゃぁ。」
孝利がベッドボードに置いたクッションに背を預けて座る。
おいで、と足を開かれた。そこに、進み出て、はちみつをボトルから少しだけ出した。キャップを閉めて、孝利の横に置く。指先に取ったはちみつを、期待に膨らんだ孝利にそっと塗り付けた。
「んっ・・・。ん・・・。あ、ちょっと染みるね。」
「え?痛いです?」
「うん。尿道、ピリピリするかも。」
「洗いますか?」
それとも、舐めますか?
目で伺うと、舐めて、と頷かれた。
身をかがめて、孝利のそれを捧げ持ち、舌を這わせた。甘い・・・中に少しの塩味。でも、はちみつの香りの方が強い。
ペロ、と舐めていたが、鈴口に触れると、孝利が息をつめた。
「痛いです?」
「敏感になってる・・・。気持ちいいけど・・・良すぎちゃうね。」
痛くない程度に、はちみつを舐めとって、鈴口から舌先をはなす。その周りに塗ったはちみつも、丹念に舐めとって、あぐ、と先端を口に含んだ。ピクン、と孝利の腿がふるえた。
歯、当たっちゃったかな?八重歯を当てないように、裏側をペロペロと舐めた。筋に舌を這わせると、孝利が息を詰める。それを見計らって、じらすように、茎の部分を舐めに行く。
「けんと・・・。」
名を呼ばれて、嬉しくて、吸いながら先端までを往復した。
「は・・・気持ちいい。」
「ん。」
んふふ、と応えて、先端に戻る。鈴口を抉るようにすると、孝利のつま先がきゅう、と丸くなった。
「そこ、あんまりいじると出ちゃうよ。・・・もう結構我慢してる。わかるでしょう?」
コクコクと頷いて見せると、孝利ははふーっとため息した。
「焦らさないで。もう限界。」
もう?驚いて、首をかしげながら顔を伺うと、目が潤んで、噛んで赤く充血した唇が目に入った。
「これ以上したら、入れたくなる。」
それは困る。慌てて、感じるとこばかりを熱を入れて舐めた。
先端を吸いながら舐めていると、頭に大きな手のひらが乗った。押し付けるように、しかし強引さはなく、いい子いい子と撫でるように髪に指を絡ませた。
「出る?」
口を放して尋ねると、うん、と返された。慌てて、また口に含む。ちゅう、と吸うと、イクね、と呟く声が耳に入り、とぷ、と口の中に、栗の花の匂いが飛び込んできた。イかせてあげられた。途中から、はちみつの甘さは全然なかったけれど、前にした時よりは楽しかった。孝利が、ティッシュを差し出すが・・・飲んであげたい。
ゴクンと飲み込むと、孝利が抱きしめてくれた。
「健斗かわいい。どうして飲んでくれるの?」
「それは・・・孝利さんと同じ理由ですよ。」
ぎゅうと胸に耳を押し当てられる。孝利のドキドキが伝わってくる。
「愛情だね・・・。」
「・・・そうですよ。」
孝利は、しばらくそうして余韻に浸ってた。胸に抱かれていると、気持ちが良くて、少し眠くなってきてしまう。その股間に、孝利が触れた。
「わぁ!」
「あ、ごめん。びっくりした?」
「ちょっと。」
「してあげたいな。はちみつは染みるから、塗らない方がいいみたい。」
そうか、。痛いのは嫌だな。はちみつに視線をやる。すると、孝利がニコニコしながら、パンケーキか紅茶に使おう、と言い出した。こんなことに使ったはちみつを?
「もったいないけど・・・。」
「タマ、デリケートだね。」
「あーなまえー。」
不貞腐れていると、気分が盛り上がってる時じゃないと、出てこない、と平然と言ってのけられた。
その後、はちみつなしで舐めてもらい、気持ちよくしてもらった後は、二人でお風呂に入り直して、寝ることにした。明日の夜から、またしばらく夜は仕事に出てしまう孝利だ。今日は一緒に寝よう、と毛布にからめとられた。
ひとしきり、食べて飲んで、プレゼントを交換することになった。自分が用意したのは、キャメルのマフラー。孝利の貰ったお金の残りで買ったものだから、少し複雑な気持ちだった。孝利からもらったものは、両手のひらに乗るくらいの、キレイにラッピングされた小箱だった。
なんだろう?
「あけて見て?」
孝利が促すのでリボンを解き、包装紙を剥がす。すると、ステンドグラスで作られた箱が出てきた。
「すごい・・・キレイ。」
天井のライトで透かして見る。
「あけてごらん。」
言われて、蓋を持ち上げる。すると、オルゴールになっていた。流れ出すメロディーには聞き覚えがあった。
「あ、この曲知ってる。なんだっけ・・・星の世界!」
小学校の合唱コンクールで歌った曲だった。
「星の世界?」
「か-がやくよぞらーのー、ほーしのひかりよー・・・。」
ワンフレーズ歌って聞かせる。
「へぇ。知らない歌詞だ。これは有名な讃美歌だよ。」
「讃美歌って、キリスト教の?」
孝利は頷いた。
「慈しみ深き、って歌い出しが好きで。・・・俺がいない夜、淋しかったら聞いて。」
「そんなことしたら、泣いちゃいそう。」
ふふ、と笑う孝利に、すでに目が潤んでしまう。
「あ、もしかして、アトリエでこれを作っていたんですか?」
「うん。君のことが好きすぎて、あっと言う間に仕上がった。」
マフラーあったかいね。と、首もとで感触を確かめながら、孝利が言う。お酒が入っているせいか、いつもより素直だ。
「素材、何にしようかすごく悩んだんです。アクリルとかの方がいのかなーとか。でも、アン、抱っこしてもアレルギーが出るわけじゃないですもんね?」
「猫アレルギーはないけど、ハウスダストは苦手かな。アレルギーの薬はそれで飲んでるよ。キャメルは平気。気持ちいいね。」
ありがとう。選ぶの時間かけてくれたってわかるよ。と孝利が言った。照れくさくて、苦笑する。
「それで、あの・・・今夜もえっちなことしますか?」
尋ねると、孝利はきょとんとした顔をした。
「まぁね、イブだけどね。世間的にはそういう日だけど・・・。
君、この間のダメージまだ残っているでしょう?」
ダメージ?
「ダメージって?」
「お尻、痛かったりするんじゃない?トイレ困ってない?」
眉をひそめて言われるが。
「いえ・・・。特には。孝利さんが優しかったからじゃないんですか?気持ちよかったし。ほんとに男初めてなのかなって、思っちゃいました。」
「そこを疑うほどよかったの。」
かぁっと耳が熱くなる。
「君の方こそ、男に組み敷かれて、嫌じゃなかった?」
「嫌だったら、今日またこんなこと言い出したりしませんよ。」
すると、それもそうかと笑われた。
「したいの?でもお酒入っちゃったしなぁ。」
「あ、立たないです?」
そうじゃなくて、と孝利はワインで口を湿らせた。
「こわがるといけないと思って言わなかったけど。お尻の中、直腸って、結構細かい血管とかそこそこ太い血管とかあって、脈に触れるっていうか。お酒入ると血流よくなってるだろうし、万一傷つけたら大惨事かな、なんて思っていているんだよね。血管が、どの程度の強度なのかわからないから、指でするくらいならしてあげるけど、今日はちょっと、最後まではやめておいた方がいいと思う。」
言いように、口が開いてしまう。デリケートな部分だとは思ていたが、血管、そんなに通っているの?そんなところでセックスしたの?思わず血の気が引く。
「してるカップルは多いみたいだし、ゲイビなんかも出血はご法度みたいだから、滅多に怪我したりはしないんじゃないかと思うけど・・・やりようだよね。まだ、きっと中はダメージ残ってると思うから、しばらく様子見よう?」
「・・・あ、はい。」
「不満そうだね。」
そうじゃなくて。そうじゃなくて・・・。
「僕は孝利さんに気持ちよくなってもらいたくて。セックスが駄目なら、はちみつ、試して見ちゃ駄目ですか?」
真剣に訴えているのに、孝利はクスクス笑った。
「お酒入っちゃうと、イクのに時間かかるかも。それでも頑張ってくれる?」
もちろんだ。クリスマスイブに、ちょっとえっちなことをしないなんて、恋人同士として不満だ。
「じゃぁ、ここは君が朝片付けてくれる?」
料理も、ケーキもほぼ完食して、あとは残骸が残っているのみだ。チキンとサラダの残りだけ冷蔵庫にしまうと、あとは捨てるものだけ。とはいえアンが悪戯しないとも限らない。
「片づけは今やっちゃいますよ。捨てちゃっていいんですよね?」
「いいよ。あぁそうか。アンがいるんだものね。」
頷いて、ゴミ袋に手際よくゴミをつめてゆく。物の数分で片付いた。
パーティー気分は終わり。
ここからは、ちょっとアダルトなことをしよう。
孝利が、軽くシャワーを浴びるというので、寝室にタオルを敷いて待っていた。はちみつとティシュを用意して。
お酒が回って、うとうとしていると、孝利がやってきた。
「眠い?」
「少し・・・。しよ?」
誘うと、孝利は嬉しそうに笑った。
「タマは意外と積極的なんだね。それとも、一回セックスしたら何か変わった?」
「変わったのはあるかも。もっともっとしたくなりました。」
快楽には貪欲なんだな、と孝利がまた笑う。
「孝利さんは?」
「まだ少し遠慮があるよ。少なくとも、舐めてもらう前にシャワーを浴びる程度にはね。」
ベッドに乗りあがり、髪を梳いてくれる。それが心地よくて、うっとりと目を閉じた。
「猫みたいだ。」
「孝利さんの猫ですよ。・・・期限まで、いろんなことしましょうね。」
期限を口にすると、孝利は視線をそらした。
「はちみつ、持ってきましたよ。」
「うん。・・・甘かったら、舐めてくれるんだもんね?」
「そうですよ。」
孝利の言いように、笑ってしまう。甘くなくても、して、と言われれば舐めるだろうと思う。これが愛情か、と思った。
以前孝利が、『君に愛情がある』、と断言していたけれど、今ならその気持ち、わかる。
セックスをして、痛みを受け入れてから、何かが変わった。
孝利のすることは受け入れたいし、同じように快楽を返したい。気持ちいいって言ってほしいのだ。
孝利がどんな風に自分を求めるのか、どんな風に自分で快楽を得るのか、知った喜びは大きい。優しいばかりでない繋がりは、孝利への愛情を生んだ。
「ね?はちみつ、俺にも貸して?舐め合おう?」
「って・・・」
シックスナイン?できるかな?身長差が・・・。
「届かないかな。横向きならどう?」
「先に舐めさせてください。」
身長差を思い知るのは、男としてつらかった。
「・・・うん。じゃぁ。」
孝利がベッドボードに置いたクッションに背を預けて座る。
おいで、と足を開かれた。そこに、進み出て、はちみつをボトルから少しだけ出した。キャップを閉めて、孝利の横に置く。指先に取ったはちみつを、期待に膨らんだ孝利にそっと塗り付けた。
「んっ・・・。ん・・・。あ、ちょっと染みるね。」
「え?痛いです?」
「うん。尿道、ピリピリするかも。」
「洗いますか?」
それとも、舐めますか?
目で伺うと、舐めて、と頷かれた。
身をかがめて、孝利のそれを捧げ持ち、舌を這わせた。甘い・・・中に少しの塩味。でも、はちみつの香りの方が強い。
ペロ、と舐めていたが、鈴口に触れると、孝利が息をつめた。
「痛いです?」
「敏感になってる・・・。気持ちいいけど・・・良すぎちゃうね。」
痛くない程度に、はちみつを舐めとって、鈴口から舌先をはなす。その周りに塗ったはちみつも、丹念に舐めとって、あぐ、と先端を口に含んだ。ピクン、と孝利の腿がふるえた。
歯、当たっちゃったかな?八重歯を当てないように、裏側をペロペロと舐めた。筋に舌を這わせると、孝利が息を詰める。それを見計らって、じらすように、茎の部分を舐めに行く。
「けんと・・・。」
名を呼ばれて、嬉しくて、吸いながら先端までを往復した。
「は・・・気持ちいい。」
「ん。」
んふふ、と応えて、先端に戻る。鈴口を抉るようにすると、孝利のつま先がきゅう、と丸くなった。
「そこ、あんまりいじると出ちゃうよ。・・・もう結構我慢してる。わかるでしょう?」
コクコクと頷いて見せると、孝利ははふーっとため息した。
「焦らさないで。もう限界。」
もう?驚いて、首をかしげながら顔を伺うと、目が潤んで、噛んで赤く充血した唇が目に入った。
「これ以上したら、入れたくなる。」
それは困る。慌てて、感じるとこばかりを熱を入れて舐めた。
先端を吸いながら舐めていると、頭に大きな手のひらが乗った。押し付けるように、しかし強引さはなく、いい子いい子と撫でるように髪に指を絡ませた。
「出る?」
口を放して尋ねると、うん、と返された。慌てて、また口に含む。ちゅう、と吸うと、イクね、と呟く声が耳に入り、とぷ、と口の中に、栗の花の匂いが飛び込んできた。イかせてあげられた。途中から、はちみつの甘さは全然なかったけれど、前にした時よりは楽しかった。孝利が、ティッシュを差し出すが・・・飲んであげたい。
ゴクンと飲み込むと、孝利が抱きしめてくれた。
「健斗かわいい。どうして飲んでくれるの?」
「それは・・・孝利さんと同じ理由ですよ。」
ぎゅうと胸に耳を押し当てられる。孝利のドキドキが伝わってくる。
「愛情だね・・・。」
「・・・そうですよ。」
孝利は、しばらくそうして余韻に浸ってた。胸に抱かれていると、気持ちが良くて、少し眠くなってきてしまう。その股間に、孝利が触れた。
「わぁ!」
「あ、ごめん。びっくりした?」
「ちょっと。」
「してあげたいな。はちみつは染みるから、塗らない方がいいみたい。」
そうか、。痛いのは嫌だな。はちみつに視線をやる。すると、孝利がニコニコしながら、パンケーキか紅茶に使おう、と言い出した。こんなことに使ったはちみつを?
「もったいないけど・・・。」
「タマ、デリケートだね。」
「あーなまえー。」
不貞腐れていると、気分が盛り上がってる時じゃないと、出てこない、と平然と言ってのけられた。
その後、はちみつなしで舐めてもらい、気持ちよくしてもらった後は、二人でお風呂に入り直して、寝ることにした。明日の夜から、またしばらく夜は仕事に出てしまう孝利だ。今日は一緒に寝よう、と毛布にからめとられた。
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