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04 七彩とローションくすぐり
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拘束/ローションくすぐり/乳首責/七彩
◇ ◆
『好きな人』が一番の興奮材料になると知った僕は、対象になる人の写真を撮りまくり、どの角度から見ても本人そっくりになるように画力も磨いていった。
そして完成したのは、本日協力してくれるIrisのメンバー、七彩さんの恋人・風見さん人形だ。
「あはは~まじで風見先輩に似てるんじゃんー。篠田さんすごーい」
七彩さんは柚木さんと同じで中間に位置する役職者で、恋人の風見さんという人はそのもう一つ上の幹部クラス。七彩さんからしたら先輩にあたる人。
部屋に来てもらい、拘束する前にその人形を見せるも、千隼くんとは全く違う反応で楽しそうに人形で遊び始めた。
「この前桃瀬さんの人形も作ったんです」
「うわ絶対いらねー。千隼用?」
「はい。千隼くん凄く喜んでました。6体プレゼントしたんですが、今もお部屋に飾ってくれてて。同室の男の子はちょっと嫌がってましたね」
「そりゃこれだけ完成度高かったら嬉しいよねー。千隼、桃瀬さん関連の物はすごい大切にするし。同室の子はちょっと可哀想だけど、千隼のこと喜ばせてくれてありがとー……って、6体もあんの?俺それ見たらトラウマになりそうなんだけど」
七彩さんと桃瀬さんは任務の時色々あったみたいで、嫌いではないはずだが少しだけ避けている部分もあるようだ。まぁそんな人の人形が6体もあったら僕も嫌だし。
「じゃあ始めていきますね。申し訳ないですが、全て脱いでもらっていいですか?」
「はーい」
躊躇いなく服を脱ぎ、綺麗に下着までピシッと畳んだ七彩さんは、ベッドの上にゴロンと寝転がった。みんな最初は嫌そうな態度を取っていたが、そんな雰囲気を一切出さないので純粋に凄いなと思わせてくれる。
手足に拘束具を装着し、いつもと同じように大の字で固定すると、少しだけ緊張しているのか真面目な表情になった。
今回使用するのはもちろん人形──ではなく、上半身を全てすっぽり収めることが出来るドーム状のモノ。馴染みがあるか分からないが、遠赤外線ドームの上半身だけバージョンみたいなものだ。中の様子を確認したいので、めちゃくちゃ頑張ってドーム自体を透明にしてみた。
丁度そのドームに入るのは胸から腰の辺りで、今日一番攻めたい部分を捉えている。
「あれ、人形は使わないの?」
「画力を上げるために作っただけです。あげます」
「え、いらないー…」
「僕も要らないんで、不要だったら処分して下さい」
「いや、捨てにくいんですけどー…」
人形を使わない理由は、千隼くんと違い七彩さんの場合恋人に似た人形の攻めが効果ないのは分かっているから。
その考えは当たっていたと分かり、安堵しながらも『いらない』と言われると少し淋しい。
──いや、僕も好きな人の人形は『観賞用』としては要らないか。すぐ近くに本物が居るわけだし。
組織が違うので毎日会えない分、千隼くんは喜んでくれたんだろう。
それは置いておいて、ドームを動かすべく、専用のリモコンを操作することにした。
形は遠赤外線ドームそっくりだが、内容は全く別物。温かくもならないし、健康要素もない。
「っつめた」
とろとろと肌にローションを垂らしていき、ドームの中に設置したマジックハンドで丁寧に伸ばしていく。
「ぅ……ま、待って、これっ、もしかして……」
ハンドが登場した瞬間、七彩さんは激しく暴れ出した。
「ひっ!? ぁ……!やはははは!!ちょ、くすぐったいっ、……!!」
脇腹が苦手なのは把握済みなので、ヌルヌルとハンドで脇腹だけを集中して撫で回した。
ガチャガチャと手足の拘束具が音を立てる中、リモコンを操作して暫く脇腹だけをくすぐるように設定した。
揉み→こちょこちょ→ソフトタッチ→つつくというランダムの動作にし、隣に椅子を持って来て様子を見ることにした。
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! ぅわはははははは!!やばい!これっ、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!」
「そうですか。ローションくすぐりマシーンです。依頼者さんがくすぐりプレイ好きみたいでね」
「あ"っ、!? ぎゃあああああああああ」
揉みからこちょこちょモードになったのか、最初よりも激しく悶え出した。破壊してしまうんじゃないかと思うほど、力任せに拘束具が鳴り響くが、そんなやわに作ってないので無意味。
「ひははははは!!やばいっ、やばい、だめ、無理だってこれぇぇぇぇっっ」
ギシギシとベッドが激しく軋む音も響き、部屋の中が騒音になった頃、こちょこちょからソフトタッチのモードに移行した。
マジックハンドの指を人差し指だけにし、脇から脇腹を何度も往復するだけのソフトタッチな動きにしてみたのだが。
「ッッッ!? ぎっ……やぁああああ"ぁぁぁああああああああああ!!」
(お? めっちゃ効いてる?)
ローションで滑りを良くしているので揉みかこちょこちょが効果あるかと思っていたが、今が断然反応がいい。
余裕もない今なら、と風見人形を耳元から離れないようにくっつけ、とある言葉を呟かせた。
『こちょこちょこちょ』
「ふぁぁあっ!? ぁ、せんぱっ…や、ぁぁぁははははははは!、無理っ、これ俺無理!!我慢出来なっ、やめて、やめて先輩助けてぇぇぇぇえぇえ!!ぁ"ははははははっ、ぐ、ぐるしッ、苦しぃぃぃっっ」
そして最後のモード『つつく』に変わると、途端に落ち着いたのか、反応はしながらも呼吸を整えているようだった。
(へぇ、分かりやすい~)
つつくのが一番効果ある人も居るし、本当にこういうのは人によって変わるものなんだなと感心しつつ、効かない攻めを続けるつもりはない。
リモコンでソフトタッチモードに変更してやると、またあり得ないくらいに乱れ出した。
(まぁ脇腹だけじゃないけど~)
ポチッとボタンを押し、乳首用の小ぶりなマジックハンドを起動させると、こちょこちょと乳首をくすぐるように設定した。
透明なドームにしているので、少しずれていても目的の箇所へハンドを動かすことも出来る。ローションの滑りを利用して、乳首全体を擦ると、ドームからはみ出ている下半身がむくむくと大きくなり始めた。
「ひゃあっ…!? んんっ……はぁ、あっ、ひはははぁ、くるひぃっ、くるひ……っせんぱっ……」
人形もずっとくすぐったくなる言葉を呟かせているので、次第にとろとろに蕩けてきた七彩さんは、グズグズと鼻水を啜りながら体を痙攣させた。
乳首と脇腹への刺激に突然激しく暴れたかと思えば、力尽きたのかたまに動きが鈍くなることもなり、それを交互に繰り返しながらも声が徐々に泣き声になっていった。
ソフトタッチからこちょこちょに変化させてみると、ビクビクと跳ねてまた元気を取り戻した。
(わぁ楽しい。可愛いな~)
例え一番苦手な触り方もしても、一定期間経てば落ち着いてしまうのが分かったので、体の反応を見ながらわざと刺激を変えることを繰り返した。
乳首もむにゅっと摘んで引っ張ったり、ハンド全体で擽ったり、カリカリと引っ掻いたりすると、完勃ちした七彩さん自身から、ぴゅくんとかなり静かに白濁液が吐き出された。
「七彩さん、今イッたんですか?」
「?…っわか、なっ…ぁははっ…はははははッ、動かし方っ…かぇないれっ…っはぁ、あっ、ぁ、ゃらっ」
今自分の体がどうなっているか分からないのか、真っ赤になりながら泣きじゃくる姿は加虐心を煽ってくれる。
「僕は報告書を記録するので、暫くランダムで動くようにしておきますね。風見さんに恥ずかしいこと囁いてもらいながら、堕ちていって下さい」
ニコッと微笑みかけてリモコンを操作すると、七彩さんは悲鳴を上げて絶叫した。
◇ ◆
「どうでしたか?」
「………」
七彩さんはスマホを取り出し、『鬼畜野郎が!!』と文字を打って僕に見せつけた。ノンストップで数時間喘がせ続けたので声が出なくなってしまったようだ。
「あはは。声枯れちゃうくらい乱れてましたもんね。最高に可愛かったですよ」
『ばーーーーか!!』
「文字で書かれたら何だか可愛いなぁ。今日はいいデータが取れました。では、このままお客様と話し合いするので、七彩さんは出て行ってもらえますか?」
すると頬を膨らませながら、のろのろのろとゆっくり服を着て帰る準備を始めた。
「あの~今から打ち合わせなんで、早くしてもらえます?」
シュタタタと激しくスマホを操作したかと思えば『誰の所為で体が動きにくいと思ってんだクソバカァァァ!!』と書かれていた。
そんな七彩さんを可愛く思いながら、不要な風見人形を手渡して部屋を追い出した。
翌日、ゴミ箱に捨てられた風見人形が発見され、本人はブチギレていたのだった。
end.
おまけ
「おいコラ篠田!せめて見えないようにしてから捨てろや!」
風見さんが真っ先にやってきたのは、僕の部屋。人形を作っているのは知られているので、僕が捨てたと思ったんだろう。
「いや、僕は七彩さんにプレゼントしたんですけど」
「はぁぁ!? 七彩が俺を捨てるわけねーだろ!!」
「いや、本当ですって。本人に聞いてみたらいいじゃないですか」
すると、丁度良く七彩さんがやってきて、風見さんの視線はすぐさまそちらへ移った。
「! おい七彩ぇぇぇ! お前が俺を捨てたのか!?」
「はい?何ですか急にー」
「これだよこれ!!」
ゴミ箱から回収したのか、風見人形を見せつけると、七彩さんは焦ることもなく「あぁ、」と言ってぎゅっと風見さんに抱きついた。
「それ、篠田さんにもらったんですけど。俺には先輩がいるから不要だと思ったんです。俺は本物の先輩が好きなので」
「……な、七彩……」
「先輩、大好きですよ」
「俺も好きだ」
(うわちょっろいなぁ、風見さん…)
そうしてハッピーエンドに幕を下ろしたのだった。
end.
※ゴミ箱が綺麗だったので、風見人形は汚れておらず、今は本人の部屋に飾られている。因みに七彩が人形を捨てたのは本当にいらなかったから。
※普段の七彩は物を粗末にしたりしませんが、オチに使いたかったので。
◇ ◆
『好きな人』が一番の興奮材料になると知った僕は、対象になる人の写真を撮りまくり、どの角度から見ても本人そっくりになるように画力も磨いていった。
そして完成したのは、本日協力してくれるIrisのメンバー、七彩さんの恋人・風見さん人形だ。
「あはは~まじで風見先輩に似てるんじゃんー。篠田さんすごーい」
七彩さんは柚木さんと同じで中間に位置する役職者で、恋人の風見さんという人はそのもう一つ上の幹部クラス。七彩さんからしたら先輩にあたる人。
部屋に来てもらい、拘束する前にその人形を見せるも、千隼くんとは全く違う反応で楽しそうに人形で遊び始めた。
「この前桃瀬さんの人形も作ったんです」
「うわ絶対いらねー。千隼用?」
「はい。千隼くん凄く喜んでました。6体プレゼントしたんですが、今もお部屋に飾ってくれてて。同室の男の子はちょっと嫌がってましたね」
「そりゃこれだけ完成度高かったら嬉しいよねー。千隼、桃瀬さん関連の物はすごい大切にするし。同室の子はちょっと可哀想だけど、千隼のこと喜ばせてくれてありがとー……って、6体もあんの?俺それ見たらトラウマになりそうなんだけど」
七彩さんと桃瀬さんは任務の時色々あったみたいで、嫌いではないはずだが少しだけ避けている部分もあるようだ。まぁそんな人の人形が6体もあったら僕も嫌だし。
「じゃあ始めていきますね。申し訳ないですが、全て脱いでもらっていいですか?」
「はーい」
躊躇いなく服を脱ぎ、綺麗に下着までピシッと畳んだ七彩さんは、ベッドの上にゴロンと寝転がった。みんな最初は嫌そうな態度を取っていたが、そんな雰囲気を一切出さないので純粋に凄いなと思わせてくれる。
手足に拘束具を装着し、いつもと同じように大の字で固定すると、少しだけ緊張しているのか真面目な表情になった。
今回使用するのはもちろん人形──ではなく、上半身を全てすっぽり収めることが出来るドーム状のモノ。馴染みがあるか分からないが、遠赤外線ドームの上半身だけバージョンみたいなものだ。中の様子を確認したいので、めちゃくちゃ頑張ってドーム自体を透明にしてみた。
丁度そのドームに入るのは胸から腰の辺りで、今日一番攻めたい部分を捉えている。
「あれ、人形は使わないの?」
「画力を上げるために作っただけです。あげます」
「え、いらないー…」
「僕も要らないんで、不要だったら処分して下さい」
「いや、捨てにくいんですけどー…」
人形を使わない理由は、千隼くんと違い七彩さんの場合恋人に似た人形の攻めが効果ないのは分かっているから。
その考えは当たっていたと分かり、安堵しながらも『いらない』と言われると少し淋しい。
──いや、僕も好きな人の人形は『観賞用』としては要らないか。すぐ近くに本物が居るわけだし。
組織が違うので毎日会えない分、千隼くんは喜んでくれたんだろう。
それは置いておいて、ドームを動かすべく、専用のリモコンを操作することにした。
形は遠赤外線ドームそっくりだが、内容は全く別物。温かくもならないし、健康要素もない。
「っつめた」
とろとろと肌にローションを垂らしていき、ドームの中に設置したマジックハンドで丁寧に伸ばしていく。
「ぅ……ま、待って、これっ、もしかして……」
ハンドが登場した瞬間、七彩さんは激しく暴れ出した。
「ひっ!? ぁ……!やはははは!!ちょ、くすぐったいっ、……!!」
脇腹が苦手なのは把握済みなので、ヌルヌルとハンドで脇腹だけを集中して撫で回した。
ガチャガチャと手足の拘束具が音を立てる中、リモコンを操作して暫く脇腹だけをくすぐるように設定した。
揉み→こちょこちょ→ソフトタッチ→つつくというランダムの動作にし、隣に椅子を持って来て様子を見ることにした。
「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! ぅわはははははは!!やばい!これっ、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!」
「そうですか。ローションくすぐりマシーンです。依頼者さんがくすぐりプレイ好きみたいでね」
「あ"っ、!? ぎゃあああああああああ」
揉みからこちょこちょモードになったのか、最初よりも激しく悶え出した。破壊してしまうんじゃないかと思うほど、力任せに拘束具が鳴り響くが、そんなやわに作ってないので無意味。
「ひははははは!!やばいっ、やばい、だめ、無理だってこれぇぇぇぇっっ」
ギシギシとベッドが激しく軋む音も響き、部屋の中が騒音になった頃、こちょこちょからソフトタッチのモードに移行した。
マジックハンドの指を人差し指だけにし、脇から脇腹を何度も往復するだけのソフトタッチな動きにしてみたのだが。
「ッッッ!? ぎっ……やぁああああ"ぁぁぁああああああああああ!!」
(お? めっちゃ効いてる?)
ローションで滑りを良くしているので揉みかこちょこちょが効果あるかと思っていたが、今が断然反応がいい。
余裕もない今なら、と風見人形を耳元から離れないようにくっつけ、とある言葉を呟かせた。
『こちょこちょこちょ』
「ふぁぁあっ!? ぁ、せんぱっ…や、ぁぁぁははははははは!、無理っ、これ俺無理!!我慢出来なっ、やめて、やめて先輩助けてぇぇぇぇえぇえ!!ぁ"ははははははっ、ぐ、ぐるしッ、苦しぃぃぃっっ」
そして最後のモード『つつく』に変わると、途端に落ち着いたのか、反応はしながらも呼吸を整えているようだった。
(へぇ、分かりやすい~)
つつくのが一番効果ある人も居るし、本当にこういうのは人によって変わるものなんだなと感心しつつ、効かない攻めを続けるつもりはない。
リモコンでソフトタッチモードに変更してやると、またあり得ないくらいに乱れ出した。
(まぁ脇腹だけじゃないけど~)
ポチッとボタンを押し、乳首用の小ぶりなマジックハンドを起動させると、こちょこちょと乳首をくすぐるように設定した。
透明なドームにしているので、少しずれていても目的の箇所へハンドを動かすことも出来る。ローションの滑りを利用して、乳首全体を擦ると、ドームからはみ出ている下半身がむくむくと大きくなり始めた。
「ひゃあっ…!? んんっ……はぁ、あっ、ひはははぁ、くるひぃっ、くるひ……っせんぱっ……」
人形もずっとくすぐったくなる言葉を呟かせているので、次第にとろとろに蕩けてきた七彩さんは、グズグズと鼻水を啜りながら体を痙攣させた。
乳首と脇腹への刺激に突然激しく暴れたかと思えば、力尽きたのかたまに動きが鈍くなることもなり、それを交互に繰り返しながらも声が徐々に泣き声になっていった。
ソフトタッチからこちょこちょに変化させてみると、ビクビクと跳ねてまた元気を取り戻した。
(わぁ楽しい。可愛いな~)
例え一番苦手な触り方もしても、一定期間経てば落ち着いてしまうのが分かったので、体の反応を見ながらわざと刺激を変えることを繰り返した。
乳首もむにゅっと摘んで引っ張ったり、ハンド全体で擽ったり、カリカリと引っ掻いたりすると、完勃ちした七彩さん自身から、ぴゅくんとかなり静かに白濁液が吐き出された。
「七彩さん、今イッたんですか?」
「?…っわか、なっ…ぁははっ…はははははッ、動かし方っ…かぇないれっ…っはぁ、あっ、ぁ、ゃらっ」
今自分の体がどうなっているか分からないのか、真っ赤になりながら泣きじゃくる姿は加虐心を煽ってくれる。
「僕は報告書を記録するので、暫くランダムで動くようにしておきますね。風見さんに恥ずかしいこと囁いてもらいながら、堕ちていって下さい」
ニコッと微笑みかけてリモコンを操作すると、七彩さんは悲鳴を上げて絶叫した。
◇ ◆
「どうでしたか?」
「………」
七彩さんはスマホを取り出し、『鬼畜野郎が!!』と文字を打って僕に見せつけた。ノンストップで数時間喘がせ続けたので声が出なくなってしまったようだ。
「あはは。声枯れちゃうくらい乱れてましたもんね。最高に可愛かったですよ」
『ばーーーーか!!』
「文字で書かれたら何だか可愛いなぁ。今日はいいデータが取れました。では、このままお客様と話し合いするので、七彩さんは出て行ってもらえますか?」
すると頬を膨らませながら、のろのろのろとゆっくり服を着て帰る準備を始めた。
「あの~今から打ち合わせなんで、早くしてもらえます?」
シュタタタと激しくスマホを操作したかと思えば『誰の所為で体が動きにくいと思ってんだクソバカァァァ!!』と書かれていた。
そんな七彩さんを可愛く思いながら、不要な風見人形を手渡して部屋を追い出した。
翌日、ゴミ箱に捨てられた風見人形が発見され、本人はブチギレていたのだった。
end.
おまけ
「おいコラ篠田!せめて見えないようにしてから捨てろや!」
風見さんが真っ先にやってきたのは、僕の部屋。人形を作っているのは知られているので、僕が捨てたと思ったんだろう。
「いや、僕は七彩さんにプレゼントしたんですけど」
「はぁぁ!? 七彩が俺を捨てるわけねーだろ!!」
「いや、本当ですって。本人に聞いてみたらいいじゃないですか」
すると、丁度良く七彩さんがやってきて、風見さんの視線はすぐさまそちらへ移った。
「! おい七彩ぇぇぇ! お前が俺を捨てたのか!?」
「はい?何ですか急にー」
「これだよこれ!!」
ゴミ箱から回収したのか、風見人形を見せつけると、七彩さんは焦ることもなく「あぁ、」と言ってぎゅっと風見さんに抱きついた。
「それ、篠田さんにもらったんですけど。俺には先輩がいるから不要だと思ったんです。俺は本物の先輩が好きなので」
「……な、七彩……」
「先輩、大好きですよ」
「俺も好きだ」
(うわちょっろいなぁ、風見さん…)
そうしてハッピーエンドに幕を下ろしたのだった。
end.
※ゴミ箱が綺麗だったので、風見人形は汚れておらず、今は本人の部屋に飾られている。因みに七彩が人形を捨てたのは本当にいらなかったから。
※普段の七彩は物を粗末にしたりしませんが、オチに使いたかったので。
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