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訓練シリーズ
宝箱を開けさせろ③ 由麗side (挿絵有)
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拘束/玩具/くすぐり/ベビーパウダー/焦らし/耳責/言葉責/羞恥/乳首責
首を絞めるシーンがあるので、苦手な方はご注意下さい。少し真面目な話もあります。
攻→由麗/視点
受→柚木
◇ ◆
桜花上司に時間について相談したのは本当だ。けどもちろん無制限は許可してくれなかった。
『2時間だけなら延長していいよ。七彩くんには風見くんっていう強い人が居るわけだし。けど延長するなら絶対に柚木くんに勝つように』
そう言われたが、柚木先輩には無制限と伝えた。さっきも明らかに時間を気にしており、耐えれば終わるという意識を消したかったからだ。
まぁこの世に永遠なんてないのだが、敵に捕えられて拷問されたとしても必ず『終わり』はくる。それがその人にとって良いとは限らないけれど。
「じゃあ柚木先輩、さっきは前立腺をたくさんいじめたので中はおしまいです。外からじっくりじっくりといじめるので、楽しんで下さいね」
強制的に射精させられて萎えている先輩自身を緩く扱いてみると、すぐに少しの硬さを取り戻した。色んなもので濡れているため、滑りが良い。指を輪っかにしてしっかりと扱いてやると甘い声を上げながらガタガタと必死に台を揺らしている。
上下すればするほどに先端からは汁が溢れ出し、硬さを完全に取り戻した所でローターを取り付けた。
滑って上手く固定出来ないが、落ちないように亀頭にテープを巻き付けてスイッチを入れると、ブブブと音を立てて先走りを飛ばし始めた。
「ぁあっ……!ぁ……んんっはぁっ…あ、あッ、」
「気持ち良さそうですね」
ブルブルと震える股間を眺めながらそう言ってやると、すぐに口を結んで必死に声を我慢する姿が見えた。
(あぁ、やっぱり先輩はこうでなくちゃ)
俺に落ちた先輩も嬉しいけど、落ちるにはまだ早い。もっともっと、俺だけの刺激で落ちて欲しい。
恥ずかしい程に丸見えになっている股間を見つめたまま、引き締まった二つの玉を指で弾いてみると、口を閉じていたはずなのにひゃあっと可愛い声が聞こえた。
「これって男なら誰でもついてるモノですけど、実際触られるとすげー恥ずかしいですよね」
片方ずつ手の平で包み込んで強めに揉んでみると、ぴゅくんと先端から何かが飛び出した。
「あれ、甘イキでもしました?先っぽから涙出ましたけど」
「…っ、ぅ……るさ、っ」
「うるさいのはそっちでしょ?ガンガンガチャガチャ枷を鳴らすわ、あんあん叫ぶわ。そんなに暴れたって無駄ですよ。拘束が取れるわけないでしょ」
グニグニと玉を揉みしだくと、無駄だと言っているのに相変わらず激しく音を響かせる。
「一応聞きますけど、番号言う気はありますか?」
「…ねーよ、薬とか玩具にしか頼れねーくせにイキがってんなよ」
相変わらずの精神力の強さにゾクリと背筋が震えた。これでこそ俺の大好きな先輩だ。
「あはは。流石先輩は強いですね。そんな強い先輩を追い詰めるのは、やっぱりこれだと思うんです」
「ぁっ」
股間から手を離して足の裏をなぞると、ビクンと大きく体が跳ねた。そんな先輩に微笑みかけ、サワサワとくすぐってみると、辛そうな声を上げながら髪の毛を振り乱して暴れ出した。
「んんッ、ふふ……ぁはぁ、やは…!んん…!!」
土踏まずを爪で引っ掻き、丁寧に指の間もくすぐってやると、ある程度いい反応は返してくれる。それでもやはり足の裏は上半身に比べると耐えれるのか、暴れて悶えはしても切羽詰まった感じは見えない。
なので少し早いが今日必ず使うと決めていたアイテムを試してみることにした。
ローターの振動音が響く中、俺が準備を始めると先輩は不安そうにしながらモゾモゾを体をくねり出した。
「先輩。今日はこれを使おうと思います」
ジャジャンと見せつけたのは、ベビーパウダー。今まで実際に使ったことはないが、『くすぐりプレイをするなら試してみたいアイテム』の中に入っていたので篠田さんに頼んで作ってもらったのだ。
粉が舞ってしまわないように優しく上半身に塗っていくと、汗でベタついていたのが嘘のようにパウダー特有の滑りやすさが生まれた。
乳首も含めて満遍なく塗ったあと、感度を確かめるようになぞると、ビクッと激しく体が返事をくれた。
「ひゃぁぁぁぁ………!」
指を這わせる度にゾクゾクとした表情を見せて感じてくれる柚木先輩に気を良くしながら、執拗にソフトタッチなくすぐりを施した。
「~~っ、あぅ、んん……んー…っ」
ハードなくすぐり責めはいつか慣れると書いてあったので、今から約1時間半はひたすらソフトなくすぐりを試していくつもりだ。
たっぷり焦らして感度を最大限に上げた後、ハードなくすぐりや性感責めにして番号を聞き出す作戦。
乳首も優しく撫でながら、首筋を中心にベビーパウダーでの責めを実行すると、面白いくらいに腰を浮かせて暴れ出した。
「イッ……ぁあ!ローターっ、…んんッ」
「どうしました?焦ったいですか?さっき散々イカせたから、暫くはお預けです」
耳元でそう囁きながらゆっくりゆっくりと肌をなぞると、泣きそうな表情を浮かべながらやだやだと首を振り出した。
「先輩、耳好きですもんね」
耳の縁を舌でなぞり、音が響くように舐めながら脇の下をくすぐると、なんとも言えない情けない声が聞こえてきた。
(可愛い…訓練じゃなかったら食べちゃいたいくらい)
音を含ませて耳の中まで愛撫するように舌を入れると、鳥肌を立てて真っ赤に顔を染める先輩。その可愛い表情を見ながらベビーパウダーを指に馴染ませてただ長い時間をかけてソフトタッチにくすぐった。
「やあぁ……っ!だめ!だめ……っこれ、やだぁっ」
ついに泣き事を訴え始めたのは、二人だけの訓練が始まって約30分が経過した頃。未だに先輩の体はくすぐりに慣れることはなく、場所さえ変えれば激しい反応が返ってくる程に高まっている。
「だめって?さっきすごく激しく責めた時は大丈夫だったのに、俺が優しくくすぐっただけでギブしちゃうんですか?」
「ふぁぁぁ…!やだぁ…!やぁぁ!」
パウダーを何度も足してはゆっくりと肌全体を撫で回し、羞恥を煽るためにたくさんの恥ずかしい言葉も囁いた。股間を見るとイクには物足りない刺激で寸止めを食らって泣き続ける先輩自身が見えた。ダラダラと先走りが垂れて尻までこぼれ落ちていて可愛らしい。
「先輩。イキたい?」
「ん…っ、外して…!外して…っ、」
「これを外すのは先輩が番号を言った時です」
「ひゃぁぁぁ!むりむり…っ!!もうやめてっ、本当に…!ひゃあ!あはぁっ…やだぁ!」
「ほら、先輩。番号言って下さい。そしたらスッキリ出来るし、もうこんな風にこちょこちょされたりしませんよ?」
「ひゃははぁ…!!離してっ…由麗、離し──っんんん!」
パウダーで真っ白になった肌を優しくくすぐりながら、柔らかい口調で伝えても先輩が折れてくれる事はない。ふと時間を見ると残りはもう少し。
随分感度は仕上がってきているので、あとは思いっきりくすぐって追い詰めるか。
「離しません。番号を言ってくれない先輩には──ハードなくすぐり地獄を味わってもらいますね」
「っっ!? ひゃあああああぁぁぁぁあ!!」
サワサワとしたくすぐりから一変、爪を軽く立てて指を動かしてみると絶叫と共に激しく悶え出した。
「ひゃははははは!!うそ…っ!やだぁぁぁあ!!ぁはははははは!!やめっ、やだああぁぁぁぁ!!」
想像以上にソフトタッチでのくすぐりが効果を高めたようで、号泣しながら笑い出した。
体もビクンビクンと大きく揺れ、ついには先端に固定していたローターまでも飛ばしてしまった。
(まぁ元々そんなに固定されてなかったし仕方ないか。あと30分はくすぐりに慣れることはないだろうし、たっぷり泣き叫んでよ、先輩)
都度パウダーを追加しつつ、一番反応の良い首筋を中心に指を這わせた。首をくすぐっていて少し反応が弱くなったら脇の下を激しくくすぐり、それも慣れたら脇腹へ移動したり、腹部をなぞったりと繰り返した。
「ぁぁあはははっっ…!苦しぃ…!やだぁぁあ!!」
本当に枷が壊れてしまうんじゃないかと思うくらい激しく暴れる先輩の手足が心配になりながらも、時間になれば桜花上司がきてしまう。なので絶対にそれまでに先輩に番号を言わせなければ。
可愛い顔を歪ませて笑い転げる先輩を愛しく思いながら、首をくすぐりながらパウダーまみれの乳首に吸い付いた。
パウダーからは甘い味がして、それが美味しくて全て舐めとる勢いで舌を這わせた。
(口内に入れて飲み込んでも問題ないように篠田さんに作ってもらって良かった。普通のパウダーなら体に良くないだろうし)
ぷくんと主張したピンク色の乳首を吸いながら肌をくすぐると、もう限界と言わんばかりの切羽詰まった声が聞こえた。
「ぁはははははは!!許して…!由麗ぁぁぁあ!ぁはははははは!!もぉっ…だめ!!やめてぇぇぇ!!」
ひーひーと息を切らして泣く先輩の顔は涙やなんやらでぐちゃぐちゃで。それでも番号を言わない先輩が可愛くて。
乳首に歯を立てて追い詰めると、頭上からあり得ない言葉が降ってきた。
「ぁーーー!!むり、むりですっ……むり、むり!!1165!!1165ですっ!!」
──え?
胸から唇を離して先輩の顔を見ると、泣きじゃくりながら同じ数字を叫び続けている。
可愛くて努力家で、小柄な体型なのに普通の人より何倍も強くて格好良い先輩が。
正式な訓練で言ってはいけない言葉を叫んだ。
その現実が信じられなくて顔を見つめても、嘘をついている風には見えない。
ずっと俺に落ちて欲しいと思っていたはずなのに。それなのに。
真っ赤な顔で荒い息を吐きながら泣きじゃくる先輩を見て──
一気に冷めた。
(は?嘘?まじで?)
こんな責めで落ちるなら、絶対さっきの三人で責めた時の方がキツかっただろうに。
良くも悪くも相手が俺一人だから気が緩んだのだろうか。これが訓練なんて関係なく、お遊びならきっと嬉しかっただろう。
だけどこれは訓練。俺の一番の憧れだった人がこんな簡単に落ちる現実に絶望した。
矛盾している心に動揺したが、もう俺はこの人を尊敬することは出来ないと思った。
(こんなことなら、七彩の方担当すれば良かった……)
静かに先輩から離れ、宝箱の鍵を開ける為に背を向けると、グズグズと鼻を啜る声が聞こえてきた。
(あー……最低。なんか全部面倒くせぇ)
あまりのことに全ての気力を失った俺は、言われた通りの番号にダイヤルを回した。最後の『5』を設定しようとした瞬間、大きな鎖の音が部屋に響いた。
(え?)
音がした方を向こうとした瞬間、ジャラッと首には鎖が巻き付いた。
「簡単に背を向けるなんてバカだね。塞原上司から俺のこと敵だと思えって言われたよね?」
「え…っ? うそ…!ぅぐ………ッ」
背後から聞こえたのは柚木先輩の声。後ろから首を絞めるような形で抱き締められ、一瞬何が起こったか分からなかった。
宝箱に視線をやると、言われた番号を入れたはずなのに解錠されていなかった。
「な、んで──っ」
「この拘束台、結構古くなってたでしょ。だから何度も暴れて状態を確かめてたの。もう一回くらい本気で暴れたら取れそうだったからさ。由麗が宝箱を取りに行って背を向けた瞬間に外したの。もう分かってると思うけど、さっき伝えた番号は嘘だよ」
ご都合主義すぎるだろと叫びたくても、鎖が首を圧迫して声を出す事が叶わない。
「──っ、ぅ……!ぐぅ……」
「俺が敵なら由麗は死んでただろうね。──油断したこと、反省出来る?」
「…!っ……ん、んっ」
遠くなりかけた意識の中、必死でコクコクと頷くと首に巻き付けられた鎖は離れて行き、俺は膝から床に崩れ落ちそうになった。それを支えてくれたのは先輩の手。
「はい、訓練はおしまいね」
その手首は痛々しい枷の跡が残っていて、全力で暴れた事が想像出来た。
「……っ」
俺がゆっくりと床にへたり込んだのを確認した先輩は、真っ白な体のまま着替えを始めた。
さっきまでこの人に絶望していたのに。一瞬で覆してくるとかあり得ない。悔しいような安堵したような、よく分からない感情が頭を支配した。
「……もし、拘束台が完全な物で、逃げる手段がなければ先輩はどうしていたんですか」
「その時の状況にならないと分からないけど、嘘の番号も伝えてはなかったと思うよ。すぐバレるだろうし」
「…じゃあ無制限で責められてたってことですか。俺の攻めはどうでしたか」
「流石に三人に責められた時はきつかったかな。けどその後は訓練としては最低。あんなソフトタッチなくすぐりごときで落ちるわけないじゃん。──ま、まぁ訓練じゃなくて、由麗と普通に…ああいう遊びをしてたとかなら、別だけど」
「え?」
「ま、まぁとにかく。変態も言ってたでしょ。『状況を判断する能力を磨く』って。実際にこれが敵のアジトとかなら大勢居るだろうしどうなってたか分からないけど。ついさっきの訓練で俺は『あの状況では』一番最善の解決策を見出したつもり。だからこうやって終わったわけだし」
「……まぁ、そうですけど」
「実際拘束台が通常な働きをしていて逃げ出す術がないのなら、俺は精神を崩壊させて『逃げる』が最善だと思ってるよ。組織の情報を売るっていう選択肢だけはないしね」
「…え?」
「そういう最悪の事態にならないように、由麗が任務に失敗して捕えられた時は助けに行くけどね。俺がさっき時間を気にしてモチベーションを上げてたように、由麗は『必ず柚木先輩が助けに来てくれる』っていうのをモチベーションにして頑張ってね」
「──っ、」
さっきまで弱々しい姿を見せていたのも全て──ではないかもしれないけど──演技で、最後の最後にこんな胸を射抜いてくるとは。
「お、俺も…!先輩のモチベーションでいれるように頑張ります…!」
「…うん、ありがとう。何そんな泣きそうな顔になってんの、おいで」
「だ、だって先輩がぁぁ…!本当の数字言ったのかと思ってぇぇ…っ」
「人によって格好良さは違うかもしれないけどさ。俺はどんなに惨めな姿を晒したとしても、絶対に守るものを守ることが出来る人が一番格好良いと思うの。もし由麗の格好良いと思う像が風見先輩みたいな超人なら俺は格好悪いかもしれないけど…そこだけは絶対に守るから安心して」
抱き締めてくれた先輩にしがみつくと、とても温かくて。先輩の言う通り、俺もそれが格好良いと思えるから、今の柚木先輩はめちゃくちゃ格好良くて。込み上げてくる涙と鼻水を啜って顔を擦り付けると、ピピピとストップウォッチが鳴り響いた。
そしてそれと同時に扉が開き、桜花上司が入ってきた。
「? あれ…時間制限ないんじゃ」
「これにて訓練はおしまいです。結果は?」
不思議そうに小さくそう呟いた柚木先輩だったが、桜花上司の言葉を合図に本当に訓練は終了した。
「無事に終わりました。もちろん俺は口を割っていません」
「当たり前だけど、柚木くんも良く頑張ったね。由麗くんもお疲れ様。じゃあ最後に、この宝箱を開けて終了にしようか。柚木くん?」
「……?」
何やら不穏な空気を感じ取った俺たちだが、柚木先輩が俺から離れて宝箱を開けると、中から出てきたのは──。
金色に輝く貞操帯だった。
「何ですかこれ…」
「貞操帯だよ。今回風見くんと同様に俺も柚木くんの訓練に参加するつもりだったのに却下されたからさ。この前のお礼に、宝箱の中身は俺が決めたの」
「へ、変態みたいな事しないで下さいよ!!桜花先輩のこと亜蘭と攻めたのは上からの命令だったわけですし!」
「あれだけ楽しそうにしておいて?」
「うぎゃあああ!由麗助けて!!」
柚木先輩と話している時の桜花上司は何処か子供っぽくて、何だか千隼と渚を思い浮かべてしまうくらいに可愛いらしい。内容はR18ではあるのだが。
「貞操帯の恨み、俺も忘れてませんからね!」
「はぁぁ!?ちょ…っやめなさい由麗!」
真面目な雰囲気は長く続かなくていい。それが俺たちのいいところでもあるし。
そう思いながら、今まで怖いと思っていた桜花上司に加わり、三人で訓練部屋を明るいものに変えた。
end.
下に聖奈さんが描いて下さった挿絵を添付します。貞操帯の入った宝箱のイラストです。今まで小説を読んで下さっている方なら問題ないとは思いますが、もしも苦手な方が居られたらスルーして下さい。(※めちゃくちゃ上手です)
あまりの上手さに笑ってしまいました…。
輝いてて綺麗すぎます!!ありがとうございます!!
(ノ*>∀<)ノ
首を絞めるシーンがあるので、苦手な方はご注意下さい。少し真面目な話もあります。
攻→由麗/視点
受→柚木
◇ ◆
桜花上司に時間について相談したのは本当だ。けどもちろん無制限は許可してくれなかった。
『2時間だけなら延長していいよ。七彩くんには風見くんっていう強い人が居るわけだし。けど延長するなら絶対に柚木くんに勝つように』
そう言われたが、柚木先輩には無制限と伝えた。さっきも明らかに時間を気にしており、耐えれば終わるという意識を消したかったからだ。
まぁこの世に永遠なんてないのだが、敵に捕えられて拷問されたとしても必ず『終わり』はくる。それがその人にとって良いとは限らないけれど。
「じゃあ柚木先輩、さっきは前立腺をたくさんいじめたので中はおしまいです。外からじっくりじっくりといじめるので、楽しんで下さいね」
強制的に射精させられて萎えている先輩自身を緩く扱いてみると、すぐに少しの硬さを取り戻した。色んなもので濡れているため、滑りが良い。指を輪っかにしてしっかりと扱いてやると甘い声を上げながらガタガタと必死に台を揺らしている。
上下すればするほどに先端からは汁が溢れ出し、硬さを完全に取り戻した所でローターを取り付けた。
滑って上手く固定出来ないが、落ちないように亀頭にテープを巻き付けてスイッチを入れると、ブブブと音を立てて先走りを飛ばし始めた。
「ぁあっ……!ぁ……んんっはぁっ…あ、あッ、」
「気持ち良さそうですね」
ブルブルと震える股間を眺めながらそう言ってやると、すぐに口を結んで必死に声を我慢する姿が見えた。
(あぁ、やっぱり先輩はこうでなくちゃ)
俺に落ちた先輩も嬉しいけど、落ちるにはまだ早い。もっともっと、俺だけの刺激で落ちて欲しい。
恥ずかしい程に丸見えになっている股間を見つめたまま、引き締まった二つの玉を指で弾いてみると、口を閉じていたはずなのにひゃあっと可愛い声が聞こえた。
「これって男なら誰でもついてるモノですけど、実際触られるとすげー恥ずかしいですよね」
片方ずつ手の平で包み込んで強めに揉んでみると、ぴゅくんと先端から何かが飛び出した。
「あれ、甘イキでもしました?先っぽから涙出ましたけど」
「…っ、ぅ……るさ、っ」
「うるさいのはそっちでしょ?ガンガンガチャガチャ枷を鳴らすわ、あんあん叫ぶわ。そんなに暴れたって無駄ですよ。拘束が取れるわけないでしょ」
グニグニと玉を揉みしだくと、無駄だと言っているのに相変わらず激しく音を響かせる。
「一応聞きますけど、番号言う気はありますか?」
「…ねーよ、薬とか玩具にしか頼れねーくせにイキがってんなよ」
相変わらずの精神力の強さにゾクリと背筋が震えた。これでこそ俺の大好きな先輩だ。
「あはは。流石先輩は強いですね。そんな強い先輩を追い詰めるのは、やっぱりこれだと思うんです」
「ぁっ」
股間から手を離して足の裏をなぞると、ビクンと大きく体が跳ねた。そんな先輩に微笑みかけ、サワサワとくすぐってみると、辛そうな声を上げながら髪の毛を振り乱して暴れ出した。
「んんッ、ふふ……ぁはぁ、やは…!んん…!!」
土踏まずを爪で引っ掻き、丁寧に指の間もくすぐってやると、ある程度いい反応は返してくれる。それでもやはり足の裏は上半身に比べると耐えれるのか、暴れて悶えはしても切羽詰まった感じは見えない。
なので少し早いが今日必ず使うと決めていたアイテムを試してみることにした。
ローターの振動音が響く中、俺が準備を始めると先輩は不安そうにしながらモゾモゾを体をくねり出した。
「先輩。今日はこれを使おうと思います」
ジャジャンと見せつけたのは、ベビーパウダー。今まで実際に使ったことはないが、『くすぐりプレイをするなら試してみたいアイテム』の中に入っていたので篠田さんに頼んで作ってもらったのだ。
粉が舞ってしまわないように優しく上半身に塗っていくと、汗でベタついていたのが嘘のようにパウダー特有の滑りやすさが生まれた。
乳首も含めて満遍なく塗ったあと、感度を確かめるようになぞると、ビクッと激しく体が返事をくれた。
「ひゃぁぁぁぁ………!」
指を這わせる度にゾクゾクとした表情を見せて感じてくれる柚木先輩に気を良くしながら、執拗にソフトタッチなくすぐりを施した。
「~~っ、あぅ、んん……んー…っ」
ハードなくすぐり責めはいつか慣れると書いてあったので、今から約1時間半はひたすらソフトなくすぐりを試していくつもりだ。
たっぷり焦らして感度を最大限に上げた後、ハードなくすぐりや性感責めにして番号を聞き出す作戦。
乳首も優しく撫でながら、首筋を中心にベビーパウダーでの責めを実行すると、面白いくらいに腰を浮かせて暴れ出した。
「イッ……ぁあ!ローターっ、…んんッ」
「どうしました?焦ったいですか?さっき散々イカせたから、暫くはお預けです」
耳元でそう囁きながらゆっくりゆっくりと肌をなぞると、泣きそうな表情を浮かべながらやだやだと首を振り出した。
「先輩、耳好きですもんね」
耳の縁を舌でなぞり、音が響くように舐めながら脇の下をくすぐると、なんとも言えない情けない声が聞こえてきた。
(可愛い…訓練じゃなかったら食べちゃいたいくらい)
音を含ませて耳の中まで愛撫するように舌を入れると、鳥肌を立てて真っ赤に顔を染める先輩。その可愛い表情を見ながらベビーパウダーを指に馴染ませてただ長い時間をかけてソフトタッチにくすぐった。
「やあぁ……っ!だめ!だめ……っこれ、やだぁっ」
ついに泣き事を訴え始めたのは、二人だけの訓練が始まって約30分が経過した頃。未だに先輩の体はくすぐりに慣れることはなく、場所さえ変えれば激しい反応が返ってくる程に高まっている。
「だめって?さっきすごく激しく責めた時は大丈夫だったのに、俺が優しくくすぐっただけでギブしちゃうんですか?」
「ふぁぁぁ…!やだぁ…!やぁぁ!」
パウダーを何度も足してはゆっくりと肌全体を撫で回し、羞恥を煽るためにたくさんの恥ずかしい言葉も囁いた。股間を見るとイクには物足りない刺激で寸止めを食らって泣き続ける先輩自身が見えた。ダラダラと先走りが垂れて尻までこぼれ落ちていて可愛らしい。
「先輩。イキたい?」
「ん…っ、外して…!外して…っ、」
「これを外すのは先輩が番号を言った時です」
「ひゃぁぁぁ!むりむり…っ!!もうやめてっ、本当に…!ひゃあ!あはぁっ…やだぁ!」
「ほら、先輩。番号言って下さい。そしたらスッキリ出来るし、もうこんな風にこちょこちょされたりしませんよ?」
「ひゃははぁ…!!離してっ…由麗、離し──っんんん!」
パウダーで真っ白になった肌を優しくくすぐりながら、柔らかい口調で伝えても先輩が折れてくれる事はない。ふと時間を見ると残りはもう少し。
随分感度は仕上がってきているので、あとは思いっきりくすぐって追い詰めるか。
「離しません。番号を言ってくれない先輩には──ハードなくすぐり地獄を味わってもらいますね」
「っっ!? ひゃあああああぁぁぁぁあ!!」
サワサワとしたくすぐりから一変、爪を軽く立てて指を動かしてみると絶叫と共に激しく悶え出した。
「ひゃははははは!!うそ…っ!やだぁぁぁあ!!ぁはははははは!!やめっ、やだああぁぁぁぁ!!」
想像以上にソフトタッチでのくすぐりが効果を高めたようで、号泣しながら笑い出した。
体もビクンビクンと大きく揺れ、ついには先端に固定していたローターまでも飛ばしてしまった。
(まぁ元々そんなに固定されてなかったし仕方ないか。あと30分はくすぐりに慣れることはないだろうし、たっぷり泣き叫んでよ、先輩)
都度パウダーを追加しつつ、一番反応の良い首筋を中心に指を這わせた。首をくすぐっていて少し反応が弱くなったら脇の下を激しくくすぐり、それも慣れたら脇腹へ移動したり、腹部をなぞったりと繰り返した。
「ぁぁあはははっっ…!苦しぃ…!やだぁぁあ!!」
本当に枷が壊れてしまうんじゃないかと思うくらい激しく暴れる先輩の手足が心配になりながらも、時間になれば桜花上司がきてしまう。なので絶対にそれまでに先輩に番号を言わせなければ。
可愛い顔を歪ませて笑い転げる先輩を愛しく思いながら、首をくすぐりながらパウダーまみれの乳首に吸い付いた。
パウダーからは甘い味がして、それが美味しくて全て舐めとる勢いで舌を這わせた。
(口内に入れて飲み込んでも問題ないように篠田さんに作ってもらって良かった。普通のパウダーなら体に良くないだろうし)
ぷくんと主張したピンク色の乳首を吸いながら肌をくすぐると、もう限界と言わんばかりの切羽詰まった声が聞こえた。
「ぁはははははは!!許して…!由麗ぁぁぁあ!ぁはははははは!!もぉっ…だめ!!やめてぇぇぇ!!」
ひーひーと息を切らして泣く先輩の顔は涙やなんやらでぐちゃぐちゃで。それでも番号を言わない先輩が可愛くて。
乳首に歯を立てて追い詰めると、頭上からあり得ない言葉が降ってきた。
「ぁーーー!!むり、むりですっ……むり、むり!!1165!!1165ですっ!!」
──え?
胸から唇を離して先輩の顔を見ると、泣きじゃくりながら同じ数字を叫び続けている。
可愛くて努力家で、小柄な体型なのに普通の人より何倍も強くて格好良い先輩が。
正式な訓練で言ってはいけない言葉を叫んだ。
その現実が信じられなくて顔を見つめても、嘘をついている風には見えない。
ずっと俺に落ちて欲しいと思っていたはずなのに。それなのに。
真っ赤な顔で荒い息を吐きながら泣きじゃくる先輩を見て──
一気に冷めた。
(は?嘘?まじで?)
こんな責めで落ちるなら、絶対さっきの三人で責めた時の方がキツかっただろうに。
良くも悪くも相手が俺一人だから気が緩んだのだろうか。これが訓練なんて関係なく、お遊びならきっと嬉しかっただろう。
だけどこれは訓練。俺の一番の憧れだった人がこんな簡単に落ちる現実に絶望した。
矛盾している心に動揺したが、もう俺はこの人を尊敬することは出来ないと思った。
(こんなことなら、七彩の方担当すれば良かった……)
静かに先輩から離れ、宝箱の鍵を開ける為に背を向けると、グズグズと鼻を啜る声が聞こえてきた。
(あー……最低。なんか全部面倒くせぇ)
あまりのことに全ての気力を失った俺は、言われた通りの番号にダイヤルを回した。最後の『5』を設定しようとした瞬間、大きな鎖の音が部屋に響いた。
(え?)
音がした方を向こうとした瞬間、ジャラッと首には鎖が巻き付いた。
「簡単に背を向けるなんてバカだね。塞原上司から俺のこと敵だと思えって言われたよね?」
「え…っ? うそ…!ぅぐ………ッ」
背後から聞こえたのは柚木先輩の声。後ろから首を絞めるような形で抱き締められ、一瞬何が起こったか分からなかった。
宝箱に視線をやると、言われた番号を入れたはずなのに解錠されていなかった。
「な、んで──っ」
「この拘束台、結構古くなってたでしょ。だから何度も暴れて状態を確かめてたの。もう一回くらい本気で暴れたら取れそうだったからさ。由麗が宝箱を取りに行って背を向けた瞬間に外したの。もう分かってると思うけど、さっき伝えた番号は嘘だよ」
ご都合主義すぎるだろと叫びたくても、鎖が首を圧迫して声を出す事が叶わない。
「──っ、ぅ……!ぐぅ……」
「俺が敵なら由麗は死んでただろうね。──油断したこと、反省出来る?」
「…!っ……ん、んっ」
遠くなりかけた意識の中、必死でコクコクと頷くと首に巻き付けられた鎖は離れて行き、俺は膝から床に崩れ落ちそうになった。それを支えてくれたのは先輩の手。
「はい、訓練はおしまいね」
その手首は痛々しい枷の跡が残っていて、全力で暴れた事が想像出来た。
「……っ」
俺がゆっくりと床にへたり込んだのを確認した先輩は、真っ白な体のまま着替えを始めた。
さっきまでこの人に絶望していたのに。一瞬で覆してくるとかあり得ない。悔しいような安堵したような、よく分からない感情が頭を支配した。
「……もし、拘束台が完全な物で、逃げる手段がなければ先輩はどうしていたんですか」
「その時の状況にならないと分からないけど、嘘の番号も伝えてはなかったと思うよ。すぐバレるだろうし」
「…じゃあ無制限で責められてたってことですか。俺の攻めはどうでしたか」
「流石に三人に責められた時はきつかったかな。けどその後は訓練としては最低。あんなソフトタッチなくすぐりごときで落ちるわけないじゃん。──ま、まぁ訓練じゃなくて、由麗と普通に…ああいう遊びをしてたとかなら、別だけど」
「え?」
「ま、まぁとにかく。変態も言ってたでしょ。『状況を判断する能力を磨く』って。実際にこれが敵のアジトとかなら大勢居るだろうしどうなってたか分からないけど。ついさっきの訓練で俺は『あの状況では』一番最善の解決策を見出したつもり。だからこうやって終わったわけだし」
「……まぁ、そうですけど」
「実際拘束台が通常な働きをしていて逃げ出す術がないのなら、俺は精神を崩壊させて『逃げる』が最善だと思ってるよ。組織の情報を売るっていう選択肢だけはないしね」
「…え?」
「そういう最悪の事態にならないように、由麗が任務に失敗して捕えられた時は助けに行くけどね。俺がさっき時間を気にしてモチベーションを上げてたように、由麗は『必ず柚木先輩が助けに来てくれる』っていうのをモチベーションにして頑張ってね」
「──っ、」
さっきまで弱々しい姿を見せていたのも全て──ではないかもしれないけど──演技で、最後の最後にこんな胸を射抜いてくるとは。
「お、俺も…!先輩のモチベーションでいれるように頑張ります…!」
「…うん、ありがとう。何そんな泣きそうな顔になってんの、おいで」
「だ、だって先輩がぁぁ…!本当の数字言ったのかと思ってぇぇ…っ」
「人によって格好良さは違うかもしれないけどさ。俺はどんなに惨めな姿を晒したとしても、絶対に守るものを守ることが出来る人が一番格好良いと思うの。もし由麗の格好良いと思う像が風見先輩みたいな超人なら俺は格好悪いかもしれないけど…そこだけは絶対に守るから安心して」
抱き締めてくれた先輩にしがみつくと、とても温かくて。先輩の言う通り、俺もそれが格好良いと思えるから、今の柚木先輩はめちゃくちゃ格好良くて。込み上げてくる涙と鼻水を啜って顔を擦り付けると、ピピピとストップウォッチが鳴り響いた。
そしてそれと同時に扉が開き、桜花上司が入ってきた。
「? あれ…時間制限ないんじゃ」
「これにて訓練はおしまいです。結果は?」
不思議そうに小さくそう呟いた柚木先輩だったが、桜花上司の言葉を合図に本当に訓練は終了した。
「無事に終わりました。もちろん俺は口を割っていません」
「当たり前だけど、柚木くんも良く頑張ったね。由麗くんもお疲れ様。じゃあ最後に、この宝箱を開けて終了にしようか。柚木くん?」
「……?」
何やら不穏な空気を感じ取った俺たちだが、柚木先輩が俺から離れて宝箱を開けると、中から出てきたのは──。
金色に輝く貞操帯だった。
「何ですかこれ…」
「貞操帯だよ。今回風見くんと同様に俺も柚木くんの訓練に参加するつもりだったのに却下されたからさ。この前のお礼に、宝箱の中身は俺が決めたの」
「へ、変態みたいな事しないで下さいよ!!桜花先輩のこと亜蘭と攻めたのは上からの命令だったわけですし!」
「あれだけ楽しそうにしておいて?」
「うぎゃあああ!由麗助けて!!」
柚木先輩と話している時の桜花上司は何処か子供っぽくて、何だか千隼と渚を思い浮かべてしまうくらいに可愛いらしい。内容はR18ではあるのだが。
「貞操帯の恨み、俺も忘れてませんからね!」
「はぁぁ!?ちょ…っやめなさい由麗!」
真面目な雰囲気は長く続かなくていい。それが俺たちのいいところでもあるし。
そう思いながら、今まで怖いと思っていた桜花上司に加わり、三人で訓練部屋を明るいものに変えた。
end.
下に聖奈さんが描いて下さった挿絵を添付します。貞操帯の入った宝箱のイラストです。今まで小説を読んで下さっている方なら問題ないとは思いますが、もしも苦手な方が居られたらスルーして下さい。(※めちゃくちゃ上手です)
あまりの上手さに笑ってしまいました…。
輝いてて綺麗すぎます!!ありがとうございます!!
(ノ*>∀<)ノ
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