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訓練シリーズ
お薬の効力は?
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薬/拘束/猿轡/人形/くすぐり/筆/焦らし/羞恥/寸止/前立腺責/フェラ
攻→亜蘭
受→桜花/視点
◇ ◆
「だから~あれはたまたま手に入っただけだっつってんだろー」
「あんな重要な効果があるものを個人的に使うなって言ってんだよ」
「はぁ~。てめぇに言ったって碌なことに使わねーだろ?お前、みんなからなんて呼ばれてるか知ってっか?『変態クソ大男』って言われてんだぞ」
「クソ大男は聞いたことないから!」
「変態はあんのかよ」
何やら廊下で騒がしくする声が聞こえて近付いてみると、そこには塞原くんと風見くんが何やら口論をしているようだった。
「あ、桜花~はよっす」
「あぁ!丁度良かった!聞いてくれ!!風見が拷問に使用する際に最適な薬を手に入れているにも関わらず、七彩だけに使ったって言い出したんだ!」
「いや、俺からは言ってねーし。何で知ってるわけ?まじきもいんですけどー流石変態ーきもーい」
「そこはご都合主義ってもんがあんの!ていうかギャルみたいな喋り方やめろ!言葉はナイフになるんだぞ!」
「ナイフ刺さったところでハァハァするくせによ」
「そこまでじゃない!!」
「…あの、喧嘩は聞こえないところでしてもらっていいかな。それより、塞原くんの言葉は本当なの?拷問に有効な薬って?」
「あー…いや、前に俺が長期任務に出てる時にさ『素直になる薬』っていうのを手に入れたんだよ。んで七彩に使って可愛がってあげたわけ。個人的に今後も使おうと思ってたのに~変態ストーカー野郎にバレた」
素直になる薬、といういかにも胡散臭い代物。もし仮にそんな薬が存在するなら、塞原くんの言う通り拷問には最適だ。そもそも拷問なんて非道な真似しなくても、ただ軽く拘束して質問すればいいだけだ。
「その薬は本当なの?入手先は?今後も手に入るものなの?」
「おー。Daisyのチビなクソガキに言えばすぐもらえると思う。未南や篠田にも話せば作ってくれんだろ」
「へぇ。じゃあDaisyの桃瀬くんを訪ねてみるよ。──それと、人をそんな風に呼ぶなんて最低だからやめなよ」
「チビなクソガキで桃瀬って理解したお前に言われたくねーわ」
「とにかく、今後きちんと相手のことは名前で呼ぶこと。変態さんも風見くんとは仲良くするように」
「へいへい」
「いや、桜花こそ──ッ」
塞原くんが何か言おうとしたのですぐに背を向けてその場を離れ、以前連絡先を交換していた桃瀬くんへメッセージを送信した。
◇ ◆
用事があるから俺が行きます、とわざわざ足を運んでくれた桃瀬くんは、早速例の薬を持って来てくれた。
話を聞くと、その薬の効力は約半日。改良を重ねた結果、かなり長時間効くように開発してくれたらしい。──体への影響などは問題ない。らしい。
「まぁscar事件以来、悪質な問題も起こっていませんが、手元に持っておかれてもいいと思うのでたくさん持って来ました。効力が気になると思うんで、一度試してみるのも良いかもしれませんね。不安だと思うんで、俺が実際飲んでみますね」
ニコッと可愛らしく微笑む桃瀬くんは、カプセルになっている薬をパクリと口へ咥えると、持参していた水でコクンと飲み込んだ。
「え? だ、大丈夫なんですか?」
「得体の知れない薬を試すのは怖いでしょ?なので問題ないことを伝えようかと。効力が発揮されるのは飲んでからすぐです」
じっと俺を見つめる桃瀬くんの表情は、来た時から一切変わらない。体が変化している様子もなく、いつも通りの余裕がある表情を浮かべている。
「──ね? 問題なさそうでしょう。俺は基本的に思ったことは全て口にするタイプなので効力としては分かりにくいかもしれませんが、何か質問してくれてもいいですよ」
「…じゃあ、Irisに対してどう思っていますか」
「尊敬する存在です。それは俺がDaisyに加入した時から変わっていませんが、実際に七彩さんたちと任務を共にして、今は同志のような──雲の上の存在だと思っていた神のような存在ではなくなりました。Irisも所詮、人の集まりなんだなと。というより、もっとちゃんと訓練した方がいいんじゃないかと思いました」
うん。確かにこの人の場合、いまいち分かりにくい。薬なんてなくても普通にこれくらいなら言いそうだし。
「では千隼くんをどう思っていますか」
「好きです。可愛くて堪りません。出来ればDaisyに来てほしいくらいです」
「では七彩くんのことは?」
「雑魚です」
「では栗原さんのことは?」
「雑魚ですね。──けど、俺は一生あの人についていくつもりです」
その言葉を呟いた瞬間、少しだけきゅっと唇を結んで頬が赤く染まったのが見えたので、気恥ずかしさはあるんだろう。
「はい、分かりました。では、俺のことは?」
「腹黒そうですね。頭はかなり良くて頼りにはなりそうですが、あなたの性格を知らない俺からしたら心の奥で何を考えているのかが分かりにくく、すぐにでも薬を飲ませて質問責めしたいくらいですね」
「Irisとは今後どうなっていきたいですか?」
「対等な関係を継続し、共に成長していきたいです。俺たちがIrisを裏切るとかそう言ったことは考えていません。──あくまで、今は、ですけど。今後Irisの考え方が変われば俺たちも分かりません。まぁそれはDaisyに限ったことじゃないと思いますが」
「じゃあ最後に。今、何を思っていますか?」
「千隼くんと会いたいので、とっとと解放してくれないかなと思ってます」
正直、最後の発言はサラリと言ってのけそうだが、唯一栗原さんの質問は本当に恥ずかしそうだったので薬の効果は出ているんだろう。どうやってそんな薬が作れるのが分からないが、この人の技術は本当に素晴らしい。
「分かりました。ありがとうございました。薬の効力なんですが、こちらから質問したことに対して嘘はつけないと言った認識でいいですか」
「うーん、そうですねぇ。思ったことは口に出てしまう、と言ったところですかね。詳しくは身をもって体験した方がいいと思うので、飲んでみたらどうです?身体へ及ぼす影響が気になるなら、半日はここに滞在するので俺の様子を確認してからで構いませんし。じゃあ俺は千隼くんと会って来ますね」
桃瀬くんはそう言うと、薬を置いて素早く部屋を後にした。残された薬を手に取り、じっとそれを眺めた。
(塞原くんの話じゃ、風見くんって七彩くんに使ったんだよね。流石の桃瀬くんでも、身体に害のあるものを持ってくるはずないし)
袋に入れられたカプセルを一つ摘み、口内へ入れて流し込むように水を飲んだ。
「……これで少しでも拷問なんて鬼畜なことをしなくて済む世界に出来ればいいんだけど」
体内へ吸収された薬の効果を期待しながら、暫く体調を変化を確認することにした。
◇ ◆
昼になり、少しお腹が空いてきたので食堂へ向かうと朝と同様わいわいと賑やかな声が聞こえてきた。どうやら食堂でみんなが騒いでいるらしい。
中へ入ると、輪の中心に居るのは渚くんだった。
「あーー!お腹すいたぁ!仕事だるい!変態きもい!暫く前みたいに温泉旅行に行ってほしい!」
そう叫びながら、みんなでわいわいと騒いでいた。とは言え、渚くんが騒がしいのはいつものことなので係の子から食事を受け取り、端っこの方で食べている柚木くんの元へと向かった。
「あ、桜花先輩」
「隣いいかな。柚木くんと一緒に食べたいんだ。最近一緒に食べれてないからたくさんお話ししたいな」
俺がそう言うと、柚木くんは驚いたように目を丸くしながらも、ど、どうぞ…と隣の席の椅子を引いてくれた。
いつもなら隣いいかな、くらいしか口にしないのに素直な言葉が出たと言うことは、俺にも薬が効いているんだろうか。
「いつも照れくさくてあまり言葉は多くないけど、本当はみんなと仲良くしたくてね。特に柚木くんは今まで通り親しくしたくて」
普段なら照れくさくて言えないことが言えるのは、メリットかもしれない。この子相手なら恥ずかしいという思う気持ちも少ないのでそう伝えると、柚木くんは渚と俺を見比べるように視線を動かした。
「もしかして、桜花先輩も桃瀬さんからの薬飲んだんですか?」
「あれ、薬の件知ってるの?」
「はい。渚がそれを飲んで今、いろいろと叫びまくってまして。まぁ普段と大して変わらないんですが」
「うん。俺も飲んだの。体に異常は見られないし問題なさそうだよ」
「……いや、本当桃瀬さんってすごいですね。篠田さんが目を輝かせて桃瀬さんを追いかけてて、珍しく露骨に怒ってました」
「確かに桃瀬くんもすごいけど、俺は柚木くんもすごいと思うよ。後輩の子たちからも評価いいし、大人気じゃない。俺も一番の教え子だし、もう教えることなんてないくらいに成長してくれてるよ」
「桜花先輩に言われると…すごい照れるんで、あの…やめて、下さい……っ」
かぁっと耳まで染めて照れる姿が可愛くて、よしよしと頭を撫でてみると、サラサラとした柔らかい髪の毛を感じることが出来た。
「ごめんね。けど普段あんまり褒めてあげれてなかった気がして。柚木くんのこと、これからもずっと頼りにしてるからね」
「……はい。俺、ずっと桜花先輩に憧れているので先輩みたいになれるように今後も努力していきます。あの、俺…これから七彩と出かけるのでお先に失礼しますっ」
柚木くんはずっと頬を染めながらも、俺から視線を逸らさずにそう告げると、空になったトレイを持って席を立った。
「…本当、可愛い後輩だな」
クスッと笑いながら係の子が準備してくれた温かい食事を口にしながら、渚くんの声をBGMにしながら昼食を楽しんだ。
体の調子も変わらないし、きちんと自分の気持ちを伝えることも出来る。この薬は俺にとってはメリットだらけかもしれないな。
──そう呑気に思っていた時、俺を見てニヤッと口角を上げる人がいるのに、まだ気付いていなかった。
◇ ◆
素直になる、というのは言葉だけではないんだろうか。ポカポカと気持ち良い暖かさと、心地良い風を感じると普段することのない昼寝をしてしまっていた俺は、目を覚ますと身動きが取れない状況になっていた。
先程まで自室に居たはずが、肌に感じるのはヒヤリとした台の冷たさ。辺りは薄暗いので、ここは恐らく訓練に使用する部屋だろう。そこにうつ伏せで固定されているのに気付いた俺は、こんなことをした主に対して口を開いた。
「勝手に訓練部屋を使用するなんて困った子だね」
「あ、起きました?桜花センパイ」
やはり、と言うべきか。俺をこんな状況にしたのは亜蘭くんで、楽しそうな声が返ってきた。
「いやー、俺今日訓練部屋の掃除当番だったんす。その前に可愛いセンパイの顔見たいなーと思ったら昼寝してたんで連れてきました」
「そんな理由、通じるはずないよね…」
覚醒してきた頭で己の状況を確認してみると、拘束台の上でうつ伏せに拘束されており、尻が主張するように少しだけ腰の部分が上がるように拘束台が変形していた。今まで身につけていた衣類の感覚はないので、安定の全裸。
「……恥ずかしい」
「へ?まじすか。いつもなら早く解きなさいとか言うのに」
「あっ」
触りやすくなった尻を撫でられると、ピクンと小さく体が反応した。
「くすぐったい…ぞわぞわ、する。気持ち良い……」
「…まじか」
「…!」
自分の呟いた言葉にぶわっと顔が熱くなり、見られないようにすぐに顔を埋めた。痛くならないようにふわふわのクッションを置いてくれていたので、そこへ顔を押し付けた。
「素直になる薬っていつまで効くんすかぁ~?桜花センパイの一番好きなとこ、今のうちに探しちゃいますかね」
クルクルと人差し指で尻をなぞられると、背中や腰にかけてゾクゾクとする刺激が走る。気持ち良いけども恥ずかしい気持ちもあるので逃れるように腰を振るとクスクスと笑う声が聞こえた。
「腰振って誘ってんの?」
「…誘ってはない。気持ち良いけど恥ずかしいから逃げたいの」
「気持ち良いのは認めてくれるんすね。何処が一番好きですか?」
「亜蘭くんに触られたら何処も感じちゃうかな」
爆発しそうな程に恥ずかしい言葉が出てしまい、更に顔が熱くなった。しかし。
「…っ、ば、か。何、それっちょ、やめ…」
普通今が一番からかい時のはずだが、何故か亜蘭くんは俺以上にテンパりだしてくれたので少しだけ羞恥が和らいだ。
「亜蘭くん、可愛いよね。何で俺より照れてるの?俺の方が恥ずかしいんだけど」
「煩いですっ!」
「素直になる薬を飲んでるからって、甘いだけの言葉は言えないと思うよ」
「…ちょ、とりあえずまだ余裕ありそうなんで黙ってて下さい」
クッションから一度顔を剥がされると、猿轡が口元へ近づいてきた。
「折角なのに、口塞いだら意味なくない?」
「…めちゃくちゃにいじめてから素直におねだりさせてやるんで!黙ってて!」
「へぇ。可愛いね。俺が喋ると君が照れちゃうこともあるもんね」
ニヤッと笑ってそう言ってやると、容赦なく猿轡が装着された。
「…とりあえず、その余裕がなくなるまでは暫くこれに可愛がってもらって下さい」
これ、と言って見せられたのは何やら小さなものだった。目を細めてじっくりと見てみると、人の形をしており、柔軟に屈伸をしていた。
「んぐ、んぅ?」
通じるはずもないが、猿轡越しに『何それ?』と問いかけると、通じたのか答えをくれた。
「これは篠田さんが作った人形です。桜花センパイそっくりに作ってくれたんですよ」
小さくて顔は全く見えないが、その人形はどうやら俺だったらしい。
肌の上にいくつか人形を乗せられると、元気よく背中を走り回る人形たち。小さな振動が伝わる程度なので、こんなので余裕なくすはずもないのだが。
不思議に思っていると、亜蘭くんは端末を取り出してカタカタと何かを操作し始めた。すると、ただ走り回っていただけの人形が突然とある場所へ向かって走り出した。
人形①が到着したのは脇の下、②は脇腹で、③は耳だった。到着するとすぐにこちょこちょと擽ったい刺激を与えてきて、ビクンと体が跳ねた。
「っん!?」
人形の手はとても小さく、細かい所をピンポイントで刺激してきてやけに擽ったい。
こちょこちょこちょと三箇所を責められると、モゾモゾと尻が勝手に動いてしまう。
「この人形、ひたすら弱い場所を責めるようになってるんですよ。こちょこちょしたり突いたり、反応によって動きを変えるんで」
「ん、ぅ、んッ」
サワサワと優しくなぞられたり、亜蘭くんの言葉通りツンツンと突いてきたりと慣れない刺激を与えてくる中、亜蘭くんは俺の尻の近くへ椅子を置いて座り、むにっと蕾が見えるように広げてきた。
「んん!!」
「お、ヒクヒクしてる。人形ちゃんに上半身をこちょこちょしてもらってる間、俺はセンパイのだーいすきなこっち、いじめてあげますね。今日は筆でじっくり焦らしてあげるんで」
人形たちがくすぐりを行う中、ふわりと筆が這わされたのは収縮する蕾だった。皺を伸ばすように丁寧になぞられると、ビクンと腰が動く。
がっちりと台に固定されているので大した動きは出来ず、恥ずかしい尻を隠す手段もない。ふわふわと蕾ばかりを狙う筆に体を捩らせると、調子を取り戻した亜蘭くんの楽しそうな声が聞こえてくる。
「腰振りダンス可愛いっすね。大好きな玉ちゃんはあとでいじめるので、暫くはこっちね~」
筆の毛先を上手く利用して刺激を倍増されると、どうしても腰が跳ねてしまう。クッションに顔を埋めて必死に耐えていると、人形が動き出した。
今まで小さな手を使って刺激していたのが、ペロペロと舐めるような責めに変わった。
「あ、因みにその人形、ちゃんと人間みたいに作ってるんで舐め責めも出来ますよ」
(こんなに小さいのにすごい技術だな…)
そう思いながらも、もちろん声に出すことは叶わず、ひたすらクッションの中でくぐもった声を出すことしか出来なかった。
人形が動きを変えてからも、執拗に筆で攻めてくる亜蘭くんの指は止まらず、ひたすら蕾だけを刺激された。
(恥ずかしい、もどかしい…っ)
ビクビクと腰が跳ねる中、何分も同じ箇所を攻められると、どうしても体は楽な方へ向かおうとする。
(早く強い刺激を与えてスッキリさせてほしい)
ぎゅうっと拳を握り締めてそう思っても、猿轡は解放されず、筆で責めるのも終わらない。
時折筆で蕾をなぞりながら、サワサワと尻を擽られるとより一層大きな反応を示してしまう。
「んっ、ぅっ……ぅぅ、」
人形たちの刺激もあり、次第に頭は発散だけを求めるようになった。
(もっと、ちゃんと触って…っ)
きっと口に嵌められてなければ、薬の効果もありすぐに叫んでいただろう。この子が相手だと異様に敏感になる自分を恥ずかしく思いながらも、モゾモゾと体を捩らせた。
「5分経過、っと。まだまだ素直になるには早いと思うんで、まだまだここまで可愛がってあげますね?人形ちゃんもー次は思いっきり擽っちゃって下さーい!」
「っんんんんン」
亜蘭くんの言葉を合図にわしゃわしゃと少し激しめに擽られても、敏感になった体には効果は絶大だった。強い擽ったさに悶えていると、次第に主張し始めた股間。そこでふといいことを思いついた。
バレないようにゆっくりゆっくりと拘束台に自身を擦り付け、とにかく熱を解放しようと試みた。
(とりあえず、この熱が発散出来れば……)
勃ち上がった股間を上手く擦り付けようとしたが、拘束が絶妙で腰を動かしても決定的な刺激にはならない。
(この拘束上手いな…ちゃんと、当たらない…っ)
先端を少しでも台に擦ろうとすると、あれー?と後ろから声が聞こえてきた。
「もしかして床オナすかセンパーイ?あははー。自分で擦り付けれないように絶妙な角度で固定したんで無理っすよ?イキたいんでちゅかー?残念でーした」
この発言に心の奥底からイラッとしたが、一人で発散しようとした罰として筆が傍へ置かれると、爪で優しく二つの玉を擽られた。
「んんんんんんんっっっ」
こしょこしょと優しく爪を使って擽られると、今まで以上に激しく腰が跳ねた。前にも指摘されたが、そこはどうも耐え難い。
「イケない状況でずっとここ擽られたらセンパイどうなっちゃうのかなー?」
「んんんッ!!ん"っ……んぅぅう!!」
玉の付け根付近をカリカリと優しく引っ掻かれるとビクンと激しく体が跳ねた。クッションは涙と涎で湿っていくも、それが気持ち悪いとも感じない。
ググッと猿轡を噛んで必死に耐えていると、存在を忘れていた人形が激しいくすぐりから性感を与えるような動きに変化した。
どの箇所からもぞわぞわとするような、頭が痺れる刺激が生み出されて目の前が白く歪むような感覚。
固定されている手足を必死に動かしても、人形も亜蘭くんの指の位置も変わらない。
5本の指で包み込むように睾丸全体を擽られると、トロトロと先端からは先走りが溢れて台に水溜りが出来た。
「うわぐっしょりっすね。イキたいねーセンパーイ。でも簡単におねだりされてもつまんないから、おかしくなる寸前までいっぱい触ってあげますねぇ?」
包み込むようにして擽っていた右手が離れると、次はくいくいっと会陰を撫でられた。左手は玉を擽ったままなのでくぐもった声が止まることなく、体も終始痙攣するかのように跳ねまくった。
「よーしよしよし」
親指の腹で優しく会陰を撫でられると、目の前がチカチカと光りだし、熱が爆発してしまいそうな程になった。
爆発させたいのに出来ない苦しさに悶えても、亜蘭くんはスタンスを変えずにずっと同じ部位を刺激し続けた。
「ぉっ、ぇ、あ!あっ、ん"ぁぅぅっ」
猿轡越しにお願い、お願いと叫んでも言葉になることはなく、完全に流されてしまう。
「慣れたらダメなんでー、次はお尻擽ってあげまーす」
「んぅぅぅぅっっ!?」
刺激が走ったのは尻ではなく足の裏だった。今まで大して弱くなかった箇所も耐えられないくらいに出来上がってきた体。カリカリと土踏まずを引っ掻かれるとビクビクッと体が跳ねた。
「んじゃ次はー俺が上半身くすぐりますね? 人形ちゃんはーセンパイの大好きな玉ちゃんいじめてあげてねー?」
暫く足の裏を擽られた後、人形が下半身に移動した。滑り落ちないように玉に到着した人形は、ムニムニと揉みしだくように刺激してきた。
「ん"っ、ぅっ、」
一つは玉、もう一つは蕾の周りをこちょこちょと擽るような動きを見せ、亜蘭くんの指よりかは気持ち良さはないが、十分耐え難い刺激を生み出した。
「はーい、センパイ。失礼しまーす」
上から声が聞こえたと同時に、脇の下に指が差し込まれてこちょこちょと擽られた。
「~~---ッッ!!」
途中、窪みを掻き回すように親指でグリグリと触られたり、脇腹を揉まれたりと刺激された。人形も変わらずに弱点にいるのでもう体は限界寸前だった。
「あーセンパイ背中も綺麗」
すぅ、と人差し指が背中をなぞるとぶわっと鳥肌が立ち、ガタガタと拘束台が揺れた。
「お。あんまり触ってない所はやっぱり効くんすかねぇ。ほらほら~」
クスクス笑いながら背中全体を這う10本の指。たまに脇腹を突かれたりすると耐えることが出来ず、激しく体が跳ねる。
「せーんぱい。可愛いです」
背中をなぞりながら耳元でそう囁かれると、ふわふわした頭には心地良く感じてしまう。
(もっと、もっとちゃんと触って…気持ち良くして…)
クッションから顔を上げて見つめると、亜蘭くんの表情はかなり優しいものになっていた。
「うわぁ顔やばぁ。焦ったい?可愛い~…じゃあスッキリさせてあげるから仰向けになりましょうか」
手足の拘束を外れると、考える余裕がなくなってきている俺は素直に仰向けになった。腰の部分が少し高くなっていた台は元に戻り、体全体を預けてだらんとしていると、再び腕が頭上へ持って行かれた。
「はい万歳」
ピンと腕が張るくらいまで伸ばされた後、手首には再び枷が嵌められてた。
「んっ、」
「はいはい、今更気付いても遅いっす」
解放するつもりがないと気付いた時にはもう遅く、両手とも拘束された後、膝裏に台が設置され、足は大きく広げた状態で固定された。
「んんんん!!!」
「残念~まだまだイカせるつもりはないんで。はい、人形ちゃんー次はピンク色の乳首にどうぞ~。お尻責めてた子じゃないんで安心して下さいねー」
走ってきた人形は乳首にダイブすると、小さな手でこしょこしょと擽ってきた。
「~~ッッ!! ん"んんん~~!!」
性感帯の中でも特に敏感な胸に触れられると、今まで以上に反応を示してしまう。ぶんぶんと首を振って意識を逸らそうとしても、両方の乳首に群がった複数の人形の刺激は和らぐことはない。
カリカリと優しく引っ掻かれるとずくんと股間に熱が送られ、腰を暴れさせると反り勃った陰茎が小さく揺れ、先走りが飛び散った。
「わぁ、チンコすっげーぷるぷるしてますよ?揺らしちゃって恥ずかしい~」
羞恥を煽る言葉を言われても、睨み返すことも出来なければ、揺れを止める余裕もない。必死に動ける範囲で暴れてみると、亜蘭くんは俺の顔を覗き込んだ。
「センパイ、限界? ちょー無様ですけど。まぁあなただからそれすらも可愛くて堪んないんですけどね」
ピンと張って晒された脇の下を優しくなぞられ、フルフルと首を振ると、更に感じるように指を動かされた。
「センパイの苦手な触り方くらい分かってますよー?ここ、こうやって触ると耐えれないもんねー我慢出来ないもんねー?」
「んんぅっ、ッ"、ふぅぅッ」
「あはは。ビクビクしちゃって可愛い。乳首も可愛がってもらえて嬉しいっすね。そろそろ余裕0の可愛い声聞けますかねぇ」
唾液まみれになった猿轡が外れると、とにかくたくさんの空気が欲しくて吸い込んだ。
「はぁっ、ぁあ……ぁ、」
「センパイ。どうして欲しいすか?」
「イキたいっ、イカせてっ、亜蘭くんっ、無理、無理もうだめっ、」
「お、いい感じ~。けど俺は恥ずかしそうにしながら悔しそうに強請るセンパイが好きなんですよねーってことでそのおねだりには応えることは出来ませーん」
「はぁ…?ふざけんなッ!!亜蘭くんがっ、こうしたくせにっ…」
「へぇ。珍しい~そんなに声荒げないで下さいよぉー」
「ひゃあッ」
俺の事を見つめながら下半身へ移動すると、とろとろに濡れた先端を優しく擽り出した。
「あっ、…もっと、ちゃんと触って…!」
「何処をー?」
「…っ、」
その質問に口を結ぶと、反応を見た亜蘭くんはニヤニヤ笑いながら汁を溢れさせる鈴口を爪で優しく引っ掻いた。
「センパイ。何処触ってほしいのー?ねー?おっきな声で言ってごらーん?」
亜蘭くんはスマホを取り出すと、俺の恥ずかしい言葉を録画したいのか動画を撮り始めた。
恥ずかしい。撮るな。見るな。早く、言わなきゃ。早く終わって。
言わないと絶対に触ってくれない。素直になる薬を飲んだんだから、勝手に言ってくれるはず。
──なのに、何故か言葉が出てこない。
「…あり?何で言わないんすか?あれ…もうこんな時間だ。もしかして薬の効果切れてます?何時に飲んだんすか?」
俺が頑なに口を開かないからか、撮影を止めて時間を示した画面を俺に見せてきた。時刻を見ると、薬を飲んでから半日以上が経過しており、効果が切れてしまったようだ。
「……ふぅん。効果切れて強情なセンパイに言わせんのも燃えるかも」
「…何言ってんの。早く解きなさい…」
「そんな弱々しい声で言われても怖くないすよ?よし、きーめた!今日は触ってほしい所を言わないと一切触んないので!もちろん解放もしませーん」
「いい加減にしなさい!!」
「やですー。まぁ可哀想だし、人形たちは動かしてあげますけど~センパイを満足させる刺激が出来るのは俺だけってことは忘れないで下さいね?」
「んな…っ、あ! ひゃぁぁ…あ!やめっ……」
乳首に吸い付く人形たちの動きが激しくなると、じりじりと股間への熱が高まってくる。
責められているのは乳首のみだが、もう頭がおかしくなりそうなほどに快感に支配されている。
「はっ、……さわっ、て、もぉ…!限界っ、助けてっ…亜蘭くんっ……ぁあっ」
「だから何処触ってほしいんですかー?触ってって言うたびに人形増やしていきますよ?」
「何個あるの…っ、え?ちょ、そこだめっっ」
新しい人形が追加されると、その人形はお臍の中へと入っていった。
「ぁ、ぁっ…何これ…っ、はぁ、あっ…!!」
「臍も性感帯になりますしねぇ」
「ねぇ…っお願い、ちゃんと、触って…お願いだからっ」
「はいはい。じゃあセンパイが大好きなここ触ってあげるんで」
休憩していた人形が動き出すと、先程も散々いじめられた睾丸と蕾へ刺激を与え始めた。
「やぁぁぁぁっ!!」
「あはは。先っぽ大洪水すね。ちゃんと言わないからですよー?」
直接的な刺激を与えられないまま、人形たちだけの愛撫が施されて早数分。身体中から汗が出て、ボロボロと涙がこぼれ落ちる。
「おねが……っ、あら、く…っもぉ、無理…!耐えれないっ…イカせて、おねが…い、だからッ」
「お願いだからーじゃな・く・て。──早く恥ずかしい言葉叫びながら強請れば?」
「…変態っ、…ばか、…っ悪趣味」
「あはは。センパイからしたら素面で言う方が恥ずかしいですよねぇ。薬が効いてりゃ薬の所為に出来たのにね。まぁ素直になる薬だから結局は恥ずかしいんだろうけど」
安定して茶化すような言葉を吐きながら笑う亜蘭くんは、今にもぶん殴ってやりたいくらいに腹が立つ。しかし、がっちりとした拘束をされた今、俺を楽に出来るのはこの子しか居ないわけで。
「……~~ッッ、──って、」
「うん?」
「……っ、触って……」
「──うん。もっと大きな声で、俺の名前呼びながら目を逸らさずに強請れよ」
「…俺に対してその言葉遣いした事、後悔させるからね」
「楽しみにしてますよ。──ほら、さっさと強請って下さい。桜花センパイ」
頬を撫でられながら優しい口調でそう言われると、我慢の限界もあって今まで口にしたことのない恥ずかしい言葉を発した。
一番触って欲しい箇所を言葉にした後、亜蘭くんの名前とお願いしますと付け加えると、ゾクッとしたような表情を浮かべて「わかりました」と返ってきた。
「じゃあ人形には退散してもらって、俺が責任を持って気持ち良くしてあげますね」
人形たちが体から離れていくと、股間付近にやってきて、おねだりした箇所がそっと握られた。
竿を優しく扱きながら親指でくるくると先端を撫でられると、今まで我慢した分、大きく体が跳ねた。
(イク──っ!)
ぎゅっと目を閉じて体を強張らせると、パッと手が離れてしまった。
「は……?」
「人って、どんだけ寸止めしたら壊れるか知ってます?」
「は…?何、言って──」
「もっともっともっと余裕なくして、卑猥な単語を叫んで乱れる桜花センパイってどんなだろうなって、ふと思ったんです」
「君ね…人にあんな恥ずかしいこと言わせておいてやめるとかは最低だよ」
「そうかもしれませんね。けど、好奇心は悪いことじゃないでしょ?──センパイの激しい乱れ方がどんなのか、教えて下さい」
「ぁ、ぁぁぁっっ!!」
竿を握っていた手が再び尻へ向かうと、優しく指が遊び回る。
「ちょっ、ふざけるのも、大概にっ」
「そうだ。ナカの刺激も加えて追い詰めてあげましょうか。少しでも早く理性飛ばした方がセンパイも楽でしょ?」
トロリと蕾にかけられたローションはひんやりとしていて、熱っている体には冷たく感じる。くちゅ、っと音を立てて蕾が開かれると、異物感が襲う。
「…っん、ぅっ」
クチクチといやらしい音を立てながら進んでくるのは、ゴムを装着した指。異物感はあれど痛みはない。それでも簡単に受け入れるのには抵抗があり、腰を捩らせるとコリッととある部分が引っ掻かれた。
「──っっ」
「発見発見」
早々に見つけられた前立腺を指の腹で撫で回されると、ガクンと背中がのけ反った。
「ぁ"、あっあ、ぁ!やぁっ、はぁ、あ!」
指がトントンとその箇所をノックする度に漏れる声。それに気を良くしている亜蘭くんは容赦なくその場所に触れ続けた。
腰が跳ねる度に先走りが飛び散り、汗も混ざって股間はぐっしょりと濡れてしまっていた。
「ふ…やば、可愛い。ここ触ったら随分目元とろとろなりましたね」
「っ、そりゃ…っ、男の性感帯だし、仕方なっ、ぁ、あッ」
「敏感じゃないと性感帯といえど前立腺でそんな感じませんよ?」
「やっ、ぁ、あ!!両方っ、だめ、やめっ、」
前立腺を刺激しながら硬くなった睾丸を握られると、ぴゅくんと先端から少量の液体が飛び出した。
「あれ、もしかして甘イキしてます?ここ、触られて…俺の許可もなくイッてんすか?悪い子だなぁ」
「ちがっ、ぁ!!──ゃぁぁぁぁッ、だめっ、だめ、はぁっ、ぁ、あ!」
グリグリと強めに前立腺を刺激されると、ビクビクと何度も腰が跳ね続ける。目の前がチカチカと光り輝くも、完全な絶頂を迎えたと思える程の気持ち良さはまだない。
(触って、もっと、強く、もっともっと、スッキリしたい…っ)
一瞬強く刺激された前立腺も、数秒したらまた焦ったい強さに変わり、相変わらず自身には触れてもらえない。ピクピクと震える陰茎が虚しく主張する中、髪を振り乱して泣くことしか出来なくて。
「あーやば。スッキリ出来なくて辛そうっすね」
指が引き抜かれると、装着していたゴムがゴミ箱に捨てられた。浅い呼吸を繰り返してぐったりしている俺の方へやってくると、ちゅっと頬へキスされた。
「センパイ可愛い。けど、もうちょっと泣き叫んで下さいね」
頬に触れた唇が下へ下がると、ゆっくりと首筋に生温い感触が襲う。
「ひゃ…っ」
ちゅ、とリップ音を立てながら首筋に這う亜蘭くんの舌は、そのまま鎖骨へ下がって甘噛みした後、たくさん人形に責められた乳首にやってきた。舌で突起を転がされると、ゾクンとした快感が襲い、モゾモゾと腰が動く。
「んぅ…っ、ん、」
「気持ち良いすか?」
「気持ち、ぃっ」
「そうですか。そりゃ良かった。けど」
──気持ち良い事だけするわけないでしょ?
そんな声が聞こえた後、両脇に走る擽ったい刺激。
「ひゃははははっ!? ぁあっ、ぁはっ、やらっ、やッ…ぁはは」
脇の下を擽る指に悶えると、じゅっと強く乳首が吸い上げられた。
「やぁぁぁ…っ、だめ、待っ…亜蘭くっ、しつこいっ、だめ、ねぇもぉむりっ…ぁははははぁ…っ」
その後、亜蘭くんは言葉を発することなく、脇や脇腹と言った苦手な箇所を擽りながら交互にゆっくりと乳首を愛でられた。
その頃には何度も絶頂を望んでいる俺自身は号泣しており、先走りがローションと混ざって台を濡らしていた。
「ひゃはぁっ、ゆるしっ、てぇっ、らめっ、もぉ……ぁはあっ、やめっ、あら、くっ、あらっ、ぁ、あっ」
どれくらい経ったか分からないが、執拗な胸への愛撫に絶叫していると、漸く離れた指と唇。
「乳首すげービンビン」
ヒリヒリする程に腫れてしまった乳首はぷっくりと膨れており、ピシッと指で弾かれるだけで全身に震えが走る。
「あらん…っ、くん、もぉだめ…お願い…イカせて、お願いっ」
ここまでくるともう理性なんて殆どなく、泣きじゃくりながら自分の痴態を曝け出した。嫌われてしまう程の格好悪い姿を晒しても、亜蘭くんは優しく微笑みながらよしよしと頭を撫でてくれた。
「随分乱れてくれるようになりましたね。全部ぶっ飛ばして俺のことしか考えられないようにしたら終わりますね」
この前使用した細めの筆を手に持つと、無情にも先端へ当てがった。ふわふわとした筆の毛先が濡れたくった亀頭を掠めると、目の前が真っ白になった。
「やぁぁあ"ぁぁぁッッ」
「かなり濡れちゃってるし、綺麗綺麗しましょうね」
竿には一切手を伸ばさず、亀頭部分だけをなぞる筆は大きな快感を生み出し、とにかく必死に体を暴れさせた。
尻が高く浮くくらいに飛び跳ねると、ガタガタと揺れる拘束台。もう耐え切ることが出来ずに泣き叫ぶも、クスクス笑いながら毛先で鈴口を擽ってくる。
「イキたいっすね~本当、余裕なくしたセンパイ最高」
「やめっ、てっ、おねがっ……イキたい!!イキたい苦しっ、もぉっ…やめて!!」
「すげービクビクしてる。先走りが飛び散るくらい恥ずかしく揺れてますけどいいんすか?」
「るさっ、…!!むりむりむり!!お願い…っこれ以上はっ…本当に、おかしくなるッ、──っ、やぁぁあ」
「おかしくなっていいすよ?それが見たいんで」
その後も、ゆっくりと追い詰めるように先端だけを刺激する筆はジリジリと俺を追い詰めていく。気が狂いそうになるもどかしさに髪の毛を振り乱しても、なかなか事を進めてくれない。
どれくらい経ったか分からない程に焦らされた俺は、言葉通り亜蘭くんしか見えなくなり、ただ泣きながら彼の名前だけを叫び続けた。それに満足したのか、筆を置くと、ニヤッと笑いながら俺を見つめてきた。
「はい。よく頑張りました。──そんな姿、柚木さんにも見せないでね」
ツン、と陰茎を突かれると、再び小さな射精が起こった。
「あはは。じゃあ、たっぷりどうぞ?」
「ひぁ…っ!? ぁ、ぅっ、んん、イク、イッ──」
生温かい感触が自身全体を襲うと、俺はものの数秒で一度目の正式な絶頂を迎えた。下へ目をやると、躊躇いもなく俺のモノを咥えている亜蘭くんが見えて、ぶわっと顔が熱くなった。
「ば、かっ、何、舐めっ、あ、待っ、んんっ」
一度射精したくらいでは止まることもなく、じゅるじゅると音を立てながら顔を上下されると、呆気なく二度目の射精をしてしまった。
「…ん、まっず……」
小さくそう呟きながら敏感な先端を舌先で弄られると体が反射的に激しく暴れ出した。
「ひっぁぁぁぁぁあ!!」
「ん…」
先端を吸い上げ、指は二つの玉を擽り、同時進行で刺激を与えられると、もう完全に理性は消え去ってしまい、泣きながら許しを乞うように亜蘭くんの名前を叫び続けた。
◇ ◆
「あ、センパイおはようござ──グハッッ」
目を覚ました瞬間、亜蘭くんが俺を見下ろしながらニヤけてきたので何よりも先に拳を顔面に送り込んだ。
あまりの強いパンチにぶっ飛んだ亜蘭くんは、頬を押さえながら床に蹲っていた。
「部屋まで運んでくれて、綺麗にしてくれてありがとうね」
「……っ、ぐぅ……」
暫く話すことが出来ないらしく、亜蘭くんが復活するまで待つことにした。そして数分後、ほっぺたを押さえた亜蘭くんが恨めしそうな顔で俺を睨んできた。
「何睨んできてんの?誰が悪いの?」
「いや…っ俺かも、しんないけどっ」
「かも、じゃないよね。100%君が悪い」
「でも暴力はだめっすよ」
「人を犯しといてよく言うよ」
「ったく。放送禁止ワード叫びながらアンアン泣いてたくせに。それより、あの薬の効果はどうだったんすか」
「あぁ、メリットもあったよ。あまり俺は自分の気持ちを伝えるのは照れくさいんだけど、ちゃんと言えたしね」
「へぇ。んじゃ俺にも素直な気持ち伝えて下さいよー?」
ニヤニヤとした顔に戻ったので、ぐいっと服を掴んでこちらへ引き寄せると、唇を重ねた。
「っっ!?」
唇が重なった瞬間、亜蘭くんは一気に顔が赤く染まったが、驚きで半開きになった口へ舌と共に隠し持っていたカプセルを送りこんだ。
「んっ」
そのまま無理矢理水を流し込んでやると、ゲホゲホと言いながら必死に吐き出そうとしている姿が見えた。
「素直な気持ちを伝えるのは君だよ。──亜蘭くんは、俺のことをどう思ってるの?」
今まで向けられてきたニヤリとしたいやらしい笑みを浮かべて問いかけると、亜蘭くんは口元を押さえながら必死に何かに抗っているように見えた。
end.
攻→亜蘭
受→桜花/視点
◇ ◆
「だから~あれはたまたま手に入っただけだっつってんだろー」
「あんな重要な効果があるものを個人的に使うなって言ってんだよ」
「はぁ~。てめぇに言ったって碌なことに使わねーだろ?お前、みんなからなんて呼ばれてるか知ってっか?『変態クソ大男』って言われてんだぞ」
「クソ大男は聞いたことないから!」
「変態はあんのかよ」
何やら廊下で騒がしくする声が聞こえて近付いてみると、そこには塞原くんと風見くんが何やら口論をしているようだった。
「あ、桜花~はよっす」
「あぁ!丁度良かった!聞いてくれ!!風見が拷問に使用する際に最適な薬を手に入れているにも関わらず、七彩だけに使ったって言い出したんだ!」
「いや、俺からは言ってねーし。何で知ってるわけ?まじきもいんですけどー流石変態ーきもーい」
「そこはご都合主義ってもんがあんの!ていうかギャルみたいな喋り方やめろ!言葉はナイフになるんだぞ!」
「ナイフ刺さったところでハァハァするくせによ」
「そこまでじゃない!!」
「…あの、喧嘩は聞こえないところでしてもらっていいかな。それより、塞原くんの言葉は本当なの?拷問に有効な薬って?」
「あー…いや、前に俺が長期任務に出てる時にさ『素直になる薬』っていうのを手に入れたんだよ。んで七彩に使って可愛がってあげたわけ。個人的に今後も使おうと思ってたのに~変態ストーカー野郎にバレた」
素直になる薬、といういかにも胡散臭い代物。もし仮にそんな薬が存在するなら、塞原くんの言う通り拷問には最適だ。そもそも拷問なんて非道な真似しなくても、ただ軽く拘束して質問すればいいだけだ。
「その薬は本当なの?入手先は?今後も手に入るものなの?」
「おー。Daisyのチビなクソガキに言えばすぐもらえると思う。未南や篠田にも話せば作ってくれんだろ」
「へぇ。じゃあDaisyの桃瀬くんを訪ねてみるよ。──それと、人をそんな風に呼ぶなんて最低だからやめなよ」
「チビなクソガキで桃瀬って理解したお前に言われたくねーわ」
「とにかく、今後きちんと相手のことは名前で呼ぶこと。変態さんも風見くんとは仲良くするように」
「へいへい」
「いや、桜花こそ──ッ」
塞原くんが何か言おうとしたのですぐに背を向けてその場を離れ、以前連絡先を交換していた桃瀬くんへメッセージを送信した。
◇ ◆
用事があるから俺が行きます、とわざわざ足を運んでくれた桃瀬くんは、早速例の薬を持って来てくれた。
話を聞くと、その薬の効力は約半日。改良を重ねた結果、かなり長時間効くように開発してくれたらしい。──体への影響などは問題ない。らしい。
「まぁscar事件以来、悪質な問題も起こっていませんが、手元に持っておかれてもいいと思うのでたくさん持って来ました。効力が気になると思うんで、一度試してみるのも良いかもしれませんね。不安だと思うんで、俺が実際飲んでみますね」
ニコッと可愛らしく微笑む桃瀬くんは、カプセルになっている薬をパクリと口へ咥えると、持参していた水でコクンと飲み込んだ。
「え? だ、大丈夫なんですか?」
「得体の知れない薬を試すのは怖いでしょ?なので問題ないことを伝えようかと。効力が発揮されるのは飲んでからすぐです」
じっと俺を見つめる桃瀬くんの表情は、来た時から一切変わらない。体が変化している様子もなく、いつも通りの余裕がある表情を浮かべている。
「──ね? 問題なさそうでしょう。俺は基本的に思ったことは全て口にするタイプなので効力としては分かりにくいかもしれませんが、何か質問してくれてもいいですよ」
「…じゃあ、Irisに対してどう思っていますか」
「尊敬する存在です。それは俺がDaisyに加入した時から変わっていませんが、実際に七彩さんたちと任務を共にして、今は同志のような──雲の上の存在だと思っていた神のような存在ではなくなりました。Irisも所詮、人の集まりなんだなと。というより、もっとちゃんと訓練した方がいいんじゃないかと思いました」
うん。確かにこの人の場合、いまいち分かりにくい。薬なんてなくても普通にこれくらいなら言いそうだし。
「では千隼くんをどう思っていますか」
「好きです。可愛くて堪りません。出来ればDaisyに来てほしいくらいです」
「では七彩くんのことは?」
「雑魚です」
「では栗原さんのことは?」
「雑魚ですね。──けど、俺は一生あの人についていくつもりです」
その言葉を呟いた瞬間、少しだけきゅっと唇を結んで頬が赤く染まったのが見えたので、気恥ずかしさはあるんだろう。
「はい、分かりました。では、俺のことは?」
「腹黒そうですね。頭はかなり良くて頼りにはなりそうですが、あなたの性格を知らない俺からしたら心の奥で何を考えているのかが分かりにくく、すぐにでも薬を飲ませて質問責めしたいくらいですね」
「Irisとは今後どうなっていきたいですか?」
「対等な関係を継続し、共に成長していきたいです。俺たちがIrisを裏切るとかそう言ったことは考えていません。──あくまで、今は、ですけど。今後Irisの考え方が変われば俺たちも分かりません。まぁそれはDaisyに限ったことじゃないと思いますが」
「じゃあ最後に。今、何を思っていますか?」
「千隼くんと会いたいので、とっとと解放してくれないかなと思ってます」
正直、最後の発言はサラリと言ってのけそうだが、唯一栗原さんの質問は本当に恥ずかしそうだったので薬の効果は出ているんだろう。どうやってそんな薬が作れるのが分からないが、この人の技術は本当に素晴らしい。
「分かりました。ありがとうございました。薬の効力なんですが、こちらから質問したことに対して嘘はつけないと言った認識でいいですか」
「うーん、そうですねぇ。思ったことは口に出てしまう、と言ったところですかね。詳しくは身をもって体験した方がいいと思うので、飲んでみたらどうです?身体へ及ぼす影響が気になるなら、半日はここに滞在するので俺の様子を確認してからで構いませんし。じゃあ俺は千隼くんと会って来ますね」
桃瀬くんはそう言うと、薬を置いて素早く部屋を後にした。残された薬を手に取り、じっとそれを眺めた。
(塞原くんの話じゃ、風見くんって七彩くんに使ったんだよね。流石の桃瀬くんでも、身体に害のあるものを持ってくるはずないし)
袋に入れられたカプセルを一つ摘み、口内へ入れて流し込むように水を飲んだ。
「……これで少しでも拷問なんて鬼畜なことをしなくて済む世界に出来ればいいんだけど」
体内へ吸収された薬の効果を期待しながら、暫く体調を変化を確認することにした。
◇ ◆
昼になり、少しお腹が空いてきたので食堂へ向かうと朝と同様わいわいと賑やかな声が聞こえてきた。どうやら食堂でみんなが騒いでいるらしい。
中へ入ると、輪の中心に居るのは渚くんだった。
「あーー!お腹すいたぁ!仕事だるい!変態きもい!暫く前みたいに温泉旅行に行ってほしい!」
そう叫びながら、みんなでわいわいと騒いでいた。とは言え、渚くんが騒がしいのはいつものことなので係の子から食事を受け取り、端っこの方で食べている柚木くんの元へと向かった。
「あ、桜花先輩」
「隣いいかな。柚木くんと一緒に食べたいんだ。最近一緒に食べれてないからたくさんお話ししたいな」
俺がそう言うと、柚木くんは驚いたように目を丸くしながらも、ど、どうぞ…と隣の席の椅子を引いてくれた。
いつもなら隣いいかな、くらいしか口にしないのに素直な言葉が出たと言うことは、俺にも薬が効いているんだろうか。
「いつも照れくさくてあまり言葉は多くないけど、本当はみんなと仲良くしたくてね。特に柚木くんは今まで通り親しくしたくて」
普段なら照れくさくて言えないことが言えるのは、メリットかもしれない。この子相手なら恥ずかしいという思う気持ちも少ないのでそう伝えると、柚木くんは渚と俺を見比べるように視線を動かした。
「もしかして、桜花先輩も桃瀬さんからの薬飲んだんですか?」
「あれ、薬の件知ってるの?」
「はい。渚がそれを飲んで今、いろいろと叫びまくってまして。まぁ普段と大して変わらないんですが」
「うん。俺も飲んだの。体に異常は見られないし問題なさそうだよ」
「……いや、本当桃瀬さんってすごいですね。篠田さんが目を輝かせて桃瀬さんを追いかけてて、珍しく露骨に怒ってました」
「確かに桃瀬くんもすごいけど、俺は柚木くんもすごいと思うよ。後輩の子たちからも評価いいし、大人気じゃない。俺も一番の教え子だし、もう教えることなんてないくらいに成長してくれてるよ」
「桜花先輩に言われると…すごい照れるんで、あの…やめて、下さい……っ」
かぁっと耳まで染めて照れる姿が可愛くて、よしよしと頭を撫でてみると、サラサラとした柔らかい髪の毛を感じることが出来た。
「ごめんね。けど普段あんまり褒めてあげれてなかった気がして。柚木くんのこと、これからもずっと頼りにしてるからね」
「……はい。俺、ずっと桜花先輩に憧れているので先輩みたいになれるように今後も努力していきます。あの、俺…これから七彩と出かけるのでお先に失礼しますっ」
柚木くんはずっと頬を染めながらも、俺から視線を逸らさずにそう告げると、空になったトレイを持って席を立った。
「…本当、可愛い後輩だな」
クスッと笑いながら係の子が準備してくれた温かい食事を口にしながら、渚くんの声をBGMにしながら昼食を楽しんだ。
体の調子も変わらないし、きちんと自分の気持ちを伝えることも出来る。この薬は俺にとってはメリットだらけかもしれないな。
──そう呑気に思っていた時、俺を見てニヤッと口角を上げる人がいるのに、まだ気付いていなかった。
◇ ◆
素直になる、というのは言葉だけではないんだろうか。ポカポカと気持ち良い暖かさと、心地良い風を感じると普段することのない昼寝をしてしまっていた俺は、目を覚ますと身動きが取れない状況になっていた。
先程まで自室に居たはずが、肌に感じるのはヒヤリとした台の冷たさ。辺りは薄暗いので、ここは恐らく訓練に使用する部屋だろう。そこにうつ伏せで固定されているのに気付いた俺は、こんなことをした主に対して口を開いた。
「勝手に訓練部屋を使用するなんて困った子だね」
「あ、起きました?桜花センパイ」
やはり、と言うべきか。俺をこんな状況にしたのは亜蘭くんで、楽しそうな声が返ってきた。
「いやー、俺今日訓練部屋の掃除当番だったんす。その前に可愛いセンパイの顔見たいなーと思ったら昼寝してたんで連れてきました」
「そんな理由、通じるはずないよね…」
覚醒してきた頭で己の状況を確認してみると、拘束台の上でうつ伏せに拘束されており、尻が主張するように少しだけ腰の部分が上がるように拘束台が変形していた。今まで身につけていた衣類の感覚はないので、安定の全裸。
「……恥ずかしい」
「へ?まじすか。いつもなら早く解きなさいとか言うのに」
「あっ」
触りやすくなった尻を撫でられると、ピクンと小さく体が反応した。
「くすぐったい…ぞわぞわ、する。気持ち良い……」
「…まじか」
「…!」
自分の呟いた言葉にぶわっと顔が熱くなり、見られないようにすぐに顔を埋めた。痛くならないようにふわふわのクッションを置いてくれていたので、そこへ顔を押し付けた。
「素直になる薬っていつまで効くんすかぁ~?桜花センパイの一番好きなとこ、今のうちに探しちゃいますかね」
クルクルと人差し指で尻をなぞられると、背中や腰にかけてゾクゾクとする刺激が走る。気持ち良いけども恥ずかしい気持ちもあるので逃れるように腰を振るとクスクスと笑う声が聞こえた。
「腰振って誘ってんの?」
「…誘ってはない。気持ち良いけど恥ずかしいから逃げたいの」
「気持ち良いのは認めてくれるんすね。何処が一番好きですか?」
「亜蘭くんに触られたら何処も感じちゃうかな」
爆発しそうな程に恥ずかしい言葉が出てしまい、更に顔が熱くなった。しかし。
「…っ、ば、か。何、それっちょ、やめ…」
普通今が一番からかい時のはずだが、何故か亜蘭くんは俺以上にテンパりだしてくれたので少しだけ羞恥が和らいだ。
「亜蘭くん、可愛いよね。何で俺より照れてるの?俺の方が恥ずかしいんだけど」
「煩いですっ!」
「素直になる薬を飲んでるからって、甘いだけの言葉は言えないと思うよ」
「…ちょ、とりあえずまだ余裕ありそうなんで黙ってて下さい」
クッションから一度顔を剥がされると、猿轡が口元へ近づいてきた。
「折角なのに、口塞いだら意味なくない?」
「…めちゃくちゃにいじめてから素直におねだりさせてやるんで!黙ってて!」
「へぇ。可愛いね。俺が喋ると君が照れちゃうこともあるもんね」
ニヤッと笑ってそう言ってやると、容赦なく猿轡が装着された。
「…とりあえず、その余裕がなくなるまでは暫くこれに可愛がってもらって下さい」
これ、と言って見せられたのは何やら小さなものだった。目を細めてじっくりと見てみると、人の形をしており、柔軟に屈伸をしていた。
「んぐ、んぅ?」
通じるはずもないが、猿轡越しに『何それ?』と問いかけると、通じたのか答えをくれた。
「これは篠田さんが作った人形です。桜花センパイそっくりに作ってくれたんですよ」
小さくて顔は全く見えないが、その人形はどうやら俺だったらしい。
肌の上にいくつか人形を乗せられると、元気よく背中を走り回る人形たち。小さな振動が伝わる程度なので、こんなので余裕なくすはずもないのだが。
不思議に思っていると、亜蘭くんは端末を取り出してカタカタと何かを操作し始めた。すると、ただ走り回っていただけの人形が突然とある場所へ向かって走り出した。
人形①が到着したのは脇の下、②は脇腹で、③は耳だった。到着するとすぐにこちょこちょと擽ったい刺激を与えてきて、ビクンと体が跳ねた。
「っん!?」
人形の手はとても小さく、細かい所をピンポイントで刺激してきてやけに擽ったい。
こちょこちょこちょと三箇所を責められると、モゾモゾと尻が勝手に動いてしまう。
「この人形、ひたすら弱い場所を責めるようになってるんですよ。こちょこちょしたり突いたり、反応によって動きを変えるんで」
「ん、ぅ、んッ」
サワサワと優しくなぞられたり、亜蘭くんの言葉通りツンツンと突いてきたりと慣れない刺激を与えてくる中、亜蘭くんは俺の尻の近くへ椅子を置いて座り、むにっと蕾が見えるように広げてきた。
「んん!!」
「お、ヒクヒクしてる。人形ちゃんに上半身をこちょこちょしてもらってる間、俺はセンパイのだーいすきなこっち、いじめてあげますね。今日は筆でじっくり焦らしてあげるんで」
人形たちがくすぐりを行う中、ふわりと筆が這わされたのは収縮する蕾だった。皺を伸ばすように丁寧になぞられると、ビクンと腰が動く。
がっちりと台に固定されているので大した動きは出来ず、恥ずかしい尻を隠す手段もない。ふわふわと蕾ばかりを狙う筆に体を捩らせると、調子を取り戻した亜蘭くんの楽しそうな声が聞こえてくる。
「腰振りダンス可愛いっすね。大好きな玉ちゃんはあとでいじめるので、暫くはこっちね~」
筆の毛先を上手く利用して刺激を倍増されると、どうしても腰が跳ねてしまう。クッションに顔を埋めて必死に耐えていると、人形が動き出した。
今まで小さな手を使って刺激していたのが、ペロペロと舐めるような責めに変わった。
「あ、因みにその人形、ちゃんと人間みたいに作ってるんで舐め責めも出来ますよ」
(こんなに小さいのにすごい技術だな…)
そう思いながらも、もちろん声に出すことは叶わず、ひたすらクッションの中でくぐもった声を出すことしか出来なかった。
人形が動きを変えてからも、執拗に筆で攻めてくる亜蘭くんの指は止まらず、ひたすら蕾だけを刺激された。
(恥ずかしい、もどかしい…っ)
ビクビクと腰が跳ねる中、何分も同じ箇所を攻められると、どうしても体は楽な方へ向かおうとする。
(早く強い刺激を与えてスッキリさせてほしい)
ぎゅうっと拳を握り締めてそう思っても、猿轡は解放されず、筆で責めるのも終わらない。
時折筆で蕾をなぞりながら、サワサワと尻を擽られるとより一層大きな反応を示してしまう。
「んっ、ぅっ……ぅぅ、」
人形たちの刺激もあり、次第に頭は発散だけを求めるようになった。
(もっと、ちゃんと触って…っ)
きっと口に嵌められてなければ、薬の効果もありすぐに叫んでいただろう。この子が相手だと異様に敏感になる自分を恥ずかしく思いながらも、モゾモゾと体を捩らせた。
「5分経過、っと。まだまだ素直になるには早いと思うんで、まだまだここまで可愛がってあげますね?人形ちゃんもー次は思いっきり擽っちゃって下さーい!」
「っんんんんン」
亜蘭くんの言葉を合図にわしゃわしゃと少し激しめに擽られても、敏感になった体には効果は絶大だった。強い擽ったさに悶えていると、次第に主張し始めた股間。そこでふといいことを思いついた。
バレないようにゆっくりゆっくりと拘束台に自身を擦り付け、とにかく熱を解放しようと試みた。
(とりあえず、この熱が発散出来れば……)
勃ち上がった股間を上手く擦り付けようとしたが、拘束が絶妙で腰を動かしても決定的な刺激にはならない。
(この拘束上手いな…ちゃんと、当たらない…っ)
先端を少しでも台に擦ろうとすると、あれー?と後ろから声が聞こえてきた。
「もしかして床オナすかセンパーイ?あははー。自分で擦り付けれないように絶妙な角度で固定したんで無理っすよ?イキたいんでちゅかー?残念でーした」
この発言に心の奥底からイラッとしたが、一人で発散しようとした罰として筆が傍へ置かれると、爪で優しく二つの玉を擽られた。
「んんんんんんんっっっ」
こしょこしょと優しく爪を使って擽られると、今まで以上に激しく腰が跳ねた。前にも指摘されたが、そこはどうも耐え難い。
「イケない状況でずっとここ擽られたらセンパイどうなっちゃうのかなー?」
「んんんッ!!ん"っ……んぅぅう!!」
玉の付け根付近をカリカリと優しく引っ掻かれるとビクンと激しく体が跳ねた。クッションは涙と涎で湿っていくも、それが気持ち悪いとも感じない。
ググッと猿轡を噛んで必死に耐えていると、存在を忘れていた人形が激しいくすぐりから性感を与えるような動きに変化した。
どの箇所からもぞわぞわとするような、頭が痺れる刺激が生み出されて目の前が白く歪むような感覚。
固定されている手足を必死に動かしても、人形も亜蘭くんの指の位置も変わらない。
5本の指で包み込むように睾丸全体を擽られると、トロトロと先端からは先走りが溢れて台に水溜りが出来た。
「うわぐっしょりっすね。イキたいねーセンパーイ。でも簡単におねだりされてもつまんないから、おかしくなる寸前までいっぱい触ってあげますねぇ?」
包み込むようにして擽っていた右手が離れると、次はくいくいっと会陰を撫でられた。左手は玉を擽ったままなのでくぐもった声が止まることなく、体も終始痙攣するかのように跳ねまくった。
「よーしよしよし」
親指の腹で優しく会陰を撫でられると、目の前がチカチカと光りだし、熱が爆発してしまいそうな程になった。
爆発させたいのに出来ない苦しさに悶えても、亜蘭くんはスタンスを変えずにずっと同じ部位を刺激し続けた。
「ぉっ、ぇ、あ!あっ、ん"ぁぅぅっ」
猿轡越しにお願い、お願いと叫んでも言葉になることはなく、完全に流されてしまう。
「慣れたらダメなんでー、次はお尻擽ってあげまーす」
「んぅぅぅぅっっ!?」
刺激が走ったのは尻ではなく足の裏だった。今まで大して弱くなかった箇所も耐えられないくらいに出来上がってきた体。カリカリと土踏まずを引っ掻かれるとビクビクッと体が跳ねた。
「んじゃ次はー俺が上半身くすぐりますね? 人形ちゃんはーセンパイの大好きな玉ちゃんいじめてあげてねー?」
暫く足の裏を擽られた後、人形が下半身に移動した。滑り落ちないように玉に到着した人形は、ムニムニと揉みしだくように刺激してきた。
「ん"っ、ぅっ、」
一つは玉、もう一つは蕾の周りをこちょこちょと擽るような動きを見せ、亜蘭くんの指よりかは気持ち良さはないが、十分耐え難い刺激を生み出した。
「はーい、センパイ。失礼しまーす」
上から声が聞こえたと同時に、脇の下に指が差し込まれてこちょこちょと擽られた。
「~~---ッッ!!」
途中、窪みを掻き回すように親指でグリグリと触られたり、脇腹を揉まれたりと刺激された。人形も変わらずに弱点にいるのでもう体は限界寸前だった。
「あーセンパイ背中も綺麗」
すぅ、と人差し指が背中をなぞるとぶわっと鳥肌が立ち、ガタガタと拘束台が揺れた。
「お。あんまり触ってない所はやっぱり効くんすかねぇ。ほらほら~」
クスクス笑いながら背中全体を這う10本の指。たまに脇腹を突かれたりすると耐えることが出来ず、激しく体が跳ねる。
「せーんぱい。可愛いです」
背中をなぞりながら耳元でそう囁かれると、ふわふわした頭には心地良く感じてしまう。
(もっと、もっとちゃんと触って…気持ち良くして…)
クッションから顔を上げて見つめると、亜蘭くんの表情はかなり優しいものになっていた。
「うわぁ顔やばぁ。焦ったい?可愛い~…じゃあスッキリさせてあげるから仰向けになりましょうか」
手足の拘束を外れると、考える余裕がなくなってきている俺は素直に仰向けになった。腰の部分が少し高くなっていた台は元に戻り、体全体を預けてだらんとしていると、再び腕が頭上へ持って行かれた。
「はい万歳」
ピンと腕が張るくらいまで伸ばされた後、手首には再び枷が嵌められてた。
「んっ、」
「はいはい、今更気付いても遅いっす」
解放するつもりがないと気付いた時にはもう遅く、両手とも拘束された後、膝裏に台が設置され、足は大きく広げた状態で固定された。
「んんんん!!!」
「残念~まだまだイカせるつもりはないんで。はい、人形ちゃんー次はピンク色の乳首にどうぞ~。お尻責めてた子じゃないんで安心して下さいねー」
走ってきた人形は乳首にダイブすると、小さな手でこしょこしょと擽ってきた。
「~~ッッ!! ん"んんん~~!!」
性感帯の中でも特に敏感な胸に触れられると、今まで以上に反応を示してしまう。ぶんぶんと首を振って意識を逸らそうとしても、両方の乳首に群がった複数の人形の刺激は和らぐことはない。
カリカリと優しく引っ掻かれるとずくんと股間に熱が送られ、腰を暴れさせると反り勃った陰茎が小さく揺れ、先走りが飛び散った。
「わぁ、チンコすっげーぷるぷるしてますよ?揺らしちゃって恥ずかしい~」
羞恥を煽る言葉を言われても、睨み返すことも出来なければ、揺れを止める余裕もない。必死に動ける範囲で暴れてみると、亜蘭くんは俺の顔を覗き込んだ。
「センパイ、限界? ちょー無様ですけど。まぁあなただからそれすらも可愛くて堪んないんですけどね」
ピンと張って晒された脇の下を優しくなぞられ、フルフルと首を振ると、更に感じるように指を動かされた。
「センパイの苦手な触り方くらい分かってますよー?ここ、こうやって触ると耐えれないもんねー我慢出来ないもんねー?」
「んんぅっ、ッ"、ふぅぅッ」
「あはは。ビクビクしちゃって可愛い。乳首も可愛がってもらえて嬉しいっすね。そろそろ余裕0の可愛い声聞けますかねぇ」
唾液まみれになった猿轡が外れると、とにかくたくさんの空気が欲しくて吸い込んだ。
「はぁっ、ぁあ……ぁ、」
「センパイ。どうして欲しいすか?」
「イキたいっ、イカせてっ、亜蘭くんっ、無理、無理もうだめっ、」
「お、いい感じ~。けど俺は恥ずかしそうにしながら悔しそうに強請るセンパイが好きなんですよねーってことでそのおねだりには応えることは出来ませーん」
「はぁ…?ふざけんなッ!!亜蘭くんがっ、こうしたくせにっ…」
「へぇ。珍しい~そんなに声荒げないで下さいよぉー」
「ひゃあッ」
俺の事を見つめながら下半身へ移動すると、とろとろに濡れた先端を優しく擽り出した。
「あっ、…もっと、ちゃんと触って…!」
「何処をー?」
「…っ、」
その質問に口を結ぶと、反応を見た亜蘭くんはニヤニヤ笑いながら汁を溢れさせる鈴口を爪で優しく引っ掻いた。
「センパイ。何処触ってほしいのー?ねー?おっきな声で言ってごらーん?」
亜蘭くんはスマホを取り出すと、俺の恥ずかしい言葉を録画したいのか動画を撮り始めた。
恥ずかしい。撮るな。見るな。早く、言わなきゃ。早く終わって。
言わないと絶対に触ってくれない。素直になる薬を飲んだんだから、勝手に言ってくれるはず。
──なのに、何故か言葉が出てこない。
「…あり?何で言わないんすか?あれ…もうこんな時間だ。もしかして薬の効果切れてます?何時に飲んだんすか?」
俺が頑なに口を開かないからか、撮影を止めて時間を示した画面を俺に見せてきた。時刻を見ると、薬を飲んでから半日以上が経過しており、効果が切れてしまったようだ。
「……ふぅん。効果切れて強情なセンパイに言わせんのも燃えるかも」
「…何言ってんの。早く解きなさい…」
「そんな弱々しい声で言われても怖くないすよ?よし、きーめた!今日は触ってほしい所を言わないと一切触んないので!もちろん解放もしませーん」
「いい加減にしなさい!!」
「やですー。まぁ可哀想だし、人形たちは動かしてあげますけど~センパイを満足させる刺激が出来るのは俺だけってことは忘れないで下さいね?」
「んな…っ、あ! ひゃぁぁ…あ!やめっ……」
乳首に吸い付く人形たちの動きが激しくなると、じりじりと股間への熱が高まってくる。
責められているのは乳首のみだが、もう頭がおかしくなりそうなほどに快感に支配されている。
「はっ、……さわっ、て、もぉ…!限界っ、助けてっ…亜蘭くんっ……ぁあっ」
「だから何処触ってほしいんですかー?触ってって言うたびに人形増やしていきますよ?」
「何個あるの…っ、え?ちょ、そこだめっっ」
新しい人形が追加されると、その人形はお臍の中へと入っていった。
「ぁ、ぁっ…何これ…っ、はぁ、あっ…!!」
「臍も性感帯になりますしねぇ」
「ねぇ…っお願い、ちゃんと、触って…お願いだからっ」
「はいはい。じゃあセンパイが大好きなここ触ってあげるんで」
休憩していた人形が動き出すと、先程も散々いじめられた睾丸と蕾へ刺激を与え始めた。
「やぁぁぁぁっ!!」
「あはは。先っぽ大洪水すね。ちゃんと言わないからですよー?」
直接的な刺激を与えられないまま、人形たちだけの愛撫が施されて早数分。身体中から汗が出て、ボロボロと涙がこぼれ落ちる。
「おねが……っ、あら、く…っもぉ、無理…!耐えれないっ…イカせて、おねが…い、だからッ」
「お願いだからーじゃな・く・て。──早く恥ずかしい言葉叫びながら強請れば?」
「…変態っ、…ばか、…っ悪趣味」
「あはは。センパイからしたら素面で言う方が恥ずかしいですよねぇ。薬が効いてりゃ薬の所為に出来たのにね。まぁ素直になる薬だから結局は恥ずかしいんだろうけど」
安定して茶化すような言葉を吐きながら笑う亜蘭くんは、今にもぶん殴ってやりたいくらいに腹が立つ。しかし、がっちりとした拘束をされた今、俺を楽に出来るのはこの子しか居ないわけで。
「……~~ッッ、──って、」
「うん?」
「……っ、触って……」
「──うん。もっと大きな声で、俺の名前呼びながら目を逸らさずに強請れよ」
「…俺に対してその言葉遣いした事、後悔させるからね」
「楽しみにしてますよ。──ほら、さっさと強請って下さい。桜花センパイ」
頬を撫でられながら優しい口調でそう言われると、我慢の限界もあって今まで口にしたことのない恥ずかしい言葉を発した。
一番触って欲しい箇所を言葉にした後、亜蘭くんの名前とお願いしますと付け加えると、ゾクッとしたような表情を浮かべて「わかりました」と返ってきた。
「じゃあ人形には退散してもらって、俺が責任を持って気持ち良くしてあげますね」
人形たちが体から離れていくと、股間付近にやってきて、おねだりした箇所がそっと握られた。
竿を優しく扱きながら親指でくるくると先端を撫でられると、今まで我慢した分、大きく体が跳ねた。
(イク──っ!)
ぎゅっと目を閉じて体を強張らせると、パッと手が離れてしまった。
「は……?」
「人って、どんだけ寸止めしたら壊れるか知ってます?」
「は…?何、言って──」
「もっともっともっと余裕なくして、卑猥な単語を叫んで乱れる桜花センパイってどんなだろうなって、ふと思ったんです」
「君ね…人にあんな恥ずかしいこと言わせておいてやめるとかは最低だよ」
「そうかもしれませんね。けど、好奇心は悪いことじゃないでしょ?──センパイの激しい乱れ方がどんなのか、教えて下さい」
「ぁ、ぁぁぁっっ!!」
竿を握っていた手が再び尻へ向かうと、優しく指が遊び回る。
「ちょっ、ふざけるのも、大概にっ」
「そうだ。ナカの刺激も加えて追い詰めてあげましょうか。少しでも早く理性飛ばした方がセンパイも楽でしょ?」
トロリと蕾にかけられたローションはひんやりとしていて、熱っている体には冷たく感じる。くちゅ、っと音を立てて蕾が開かれると、異物感が襲う。
「…っん、ぅっ」
クチクチといやらしい音を立てながら進んでくるのは、ゴムを装着した指。異物感はあれど痛みはない。それでも簡単に受け入れるのには抵抗があり、腰を捩らせるとコリッととある部分が引っ掻かれた。
「──っっ」
「発見発見」
早々に見つけられた前立腺を指の腹で撫で回されると、ガクンと背中がのけ反った。
「ぁ"、あっあ、ぁ!やぁっ、はぁ、あ!」
指がトントンとその箇所をノックする度に漏れる声。それに気を良くしている亜蘭くんは容赦なくその場所に触れ続けた。
腰が跳ねる度に先走りが飛び散り、汗も混ざって股間はぐっしょりと濡れてしまっていた。
「ふ…やば、可愛い。ここ触ったら随分目元とろとろなりましたね」
「っ、そりゃ…っ、男の性感帯だし、仕方なっ、ぁ、あッ」
「敏感じゃないと性感帯といえど前立腺でそんな感じませんよ?」
「やっ、ぁ、あ!!両方っ、だめ、やめっ、」
前立腺を刺激しながら硬くなった睾丸を握られると、ぴゅくんと先端から少量の液体が飛び出した。
「あれ、もしかして甘イキしてます?ここ、触られて…俺の許可もなくイッてんすか?悪い子だなぁ」
「ちがっ、ぁ!!──ゃぁぁぁぁッ、だめっ、だめ、はぁっ、ぁ、あ!」
グリグリと強めに前立腺を刺激されると、ビクビクと何度も腰が跳ね続ける。目の前がチカチカと光り輝くも、完全な絶頂を迎えたと思える程の気持ち良さはまだない。
(触って、もっと、強く、もっともっと、スッキリしたい…っ)
一瞬強く刺激された前立腺も、数秒したらまた焦ったい強さに変わり、相変わらず自身には触れてもらえない。ピクピクと震える陰茎が虚しく主張する中、髪を振り乱して泣くことしか出来なくて。
「あーやば。スッキリ出来なくて辛そうっすね」
指が引き抜かれると、装着していたゴムがゴミ箱に捨てられた。浅い呼吸を繰り返してぐったりしている俺の方へやってくると、ちゅっと頬へキスされた。
「センパイ可愛い。けど、もうちょっと泣き叫んで下さいね」
頬に触れた唇が下へ下がると、ゆっくりと首筋に生温い感触が襲う。
「ひゃ…っ」
ちゅ、とリップ音を立てながら首筋に這う亜蘭くんの舌は、そのまま鎖骨へ下がって甘噛みした後、たくさん人形に責められた乳首にやってきた。舌で突起を転がされると、ゾクンとした快感が襲い、モゾモゾと腰が動く。
「んぅ…っ、ん、」
「気持ち良いすか?」
「気持ち、ぃっ」
「そうですか。そりゃ良かった。けど」
──気持ち良い事だけするわけないでしょ?
そんな声が聞こえた後、両脇に走る擽ったい刺激。
「ひゃははははっ!? ぁあっ、ぁはっ、やらっ、やッ…ぁはは」
脇の下を擽る指に悶えると、じゅっと強く乳首が吸い上げられた。
「やぁぁぁ…っ、だめ、待っ…亜蘭くっ、しつこいっ、だめ、ねぇもぉむりっ…ぁははははぁ…っ」
その後、亜蘭くんは言葉を発することなく、脇や脇腹と言った苦手な箇所を擽りながら交互にゆっくりと乳首を愛でられた。
その頃には何度も絶頂を望んでいる俺自身は号泣しており、先走りがローションと混ざって台を濡らしていた。
「ひゃはぁっ、ゆるしっ、てぇっ、らめっ、もぉ……ぁはあっ、やめっ、あら、くっ、あらっ、ぁ、あっ」
どれくらい経ったか分からないが、執拗な胸への愛撫に絶叫していると、漸く離れた指と唇。
「乳首すげービンビン」
ヒリヒリする程に腫れてしまった乳首はぷっくりと膨れており、ピシッと指で弾かれるだけで全身に震えが走る。
「あらん…っ、くん、もぉだめ…お願い…イカせて、お願いっ」
ここまでくるともう理性なんて殆どなく、泣きじゃくりながら自分の痴態を曝け出した。嫌われてしまう程の格好悪い姿を晒しても、亜蘭くんは優しく微笑みながらよしよしと頭を撫でてくれた。
「随分乱れてくれるようになりましたね。全部ぶっ飛ばして俺のことしか考えられないようにしたら終わりますね」
この前使用した細めの筆を手に持つと、無情にも先端へ当てがった。ふわふわとした筆の毛先が濡れたくった亀頭を掠めると、目の前が真っ白になった。
「やぁぁあ"ぁぁぁッッ」
「かなり濡れちゃってるし、綺麗綺麗しましょうね」
竿には一切手を伸ばさず、亀頭部分だけをなぞる筆は大きな快感を生み出し、とにかく必死に体を暴れさせた。
尻が高く浮くくらいに飛び跳ねると、ガタガタと揺れる拘束台。もう耐え切ることが出来ずに泣き叫ぶも、クスクス笑いながら毛先で鈴口を擽ってくる。
「イキたいっすね~本当、余裕なくしたセンパイ最高」
「やめっ、てっ、おねがっ……イキたい!!イキたい苦しっ、もぉっ…やめて!!」
「すげービクビクしてる。先走りが飛び散るくらい恥ずかしく揺れてますけどいいんすか?」
「るさっ、…!!むりむりむり!!お願い…っこれ以上はっ…本当に、おかしくなるッ、──っ、やぁぁあ」
「おかしくなっていいすよ?それが見たいんで」
その後も、ゆっくりと追い詰めるように先端だけを刺激する筆はジリジリと俺を追い詰めていく。気が狂いそうになるもどかしさに髪の毛を振り乱しても、なかなか事を進めてくれない。
どれくらい経ったか分からない程に焦らされた俺は、言葉通り亜蘭くんしか見えなくなり、ただ泣きながら彼の名前だけを叫び続けた。それに満足したのか、筆を置くと、ニヤッと笑いながら俺を見つめてきた。
「はい。よく頑張りました。──そんな姿、柚木さんにも見せないでね」
ツン、と陰茎を突かれると、再び小さな射精が起こった。
「あはは。じゃあ、たっぷりどうぞ?」
「ひぁ…っ!? ぁ、ぅっ、んん、イク、イッ──」
生温かい感触が自身全体を襲うと、俺はものの数秒で一度目の正式な絶頂を迎えた。下へ目をやると、躊躇いもなく俺のモノを咥えている亜蘭くんが見えて、ぶわっと顔が熱くなった。
「ば、かっ、何、舐めっ、あ、待っ、んんっ」
一度射精したくらいでは止まることもなく、じゅるじゅると音を立てながら顔を上下されると、呆気なく二度目の射精をしてしまった。
「…ん、まっず……」
小さくそう呟きながら敏感な先端を舌先で弄られると体が反射的に激しく暴れ出した。
「ひっぁぁぁぁぁあ!!」
「ん…」
先端を吸い上げ、指は二つの玉を擽り、同時進行で刺激を与えられると、もう完全に理性は消え去ってしまい、泣きながら許しを乞うように亜蘭くんの名前を叫び続けた。
◇ ◆
「あ、センパイおはようござ──グハッッ」
目を覚ました瞬間、亜蘭くんが俺を見下ろしながらニヤけてきたので何よりも先に拳を顔面に送り込んだ。
あまりの強いパンチにぶっ飛んだ亜蘭くんは、頬を押さえながら床に蹲っていた。
「部屋まで運んでくれて、綺麗にしてくれてありがとうね」
「……っ、ぐぅ……」
暫く話すことが出来ないらしく、亜蘭くんが復活するまで待つことにした。そして数分後、ほっぺたを押さえた亜蘭くんが恨めしそうな顔で俺を睨んできた。
「何睨んできてんの?誰が悪いの?」
「いや…っ俺かも、しんないけどっ」
「かも、じゃないよね。100%君が悪い」
「でも暴力はだめっすよ」
「人を犯しといてよく言うよ」
「ったく。放送禁止ワード叫びながらアンアン泣いてたくせに。それより、あの薬の効果はどうだったんすか」
「あぁ、メリットもあったよ。あまり俺は自分の気持ちを伝えるのは照れくさいんだけど、ちゃんと言えたしね」
「へぇ。んじゃ俺にも素直な気持ち伝えて下さいよー?」
ニヤニヤとした顔に戻ったので、ぐいっと服を掴んでこちらへ引き寄せると、唇を重ねた。
「っっ!?」
唇が重なった瞬間、亜蘭くんは一気に顔が赤く染まったが、驚きで半開きになった口へ舌と共に隠し持っていたカプセルを送りこんだ。
「んっ」
そのまま無理矢理水を流し込んでやると、ゲホゲホと言いながら必死に吐き出そうとしている姿が見えた。
「素直な気持ちを伝えるのは君だよ。──亜蘭くんは、俺のことをどう思ってるの?」
今まで向けられてきたニヤリとしたいやらしい笑みを浮かべて問いかけると、亜蘭くんは口元を押さえながら必死に何かに抗っているように見えた。
end.
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