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訓練シリーズ
28 みんなで王様ゲーム☆
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①篠田 ②柚木 ③桜花 ⑤亜蘭
※変態上司が思いっきりキックされる描写があります。ギャグ調ですが、ちょっとしたパ◯ハラ感もあるので苦手な方はご注意下さい※
拘束/擽り/少し乳首責/羞恥?/エロ無
攻→柚木+亜蘭 ※柚木視点
受→桜花
◇ ◆
「なぁ柚木。今日の夜みんなで王様ゲームしない?」
笑顔でそう切り出したのは、最近再登場を果たした変態こと塞原だった。俺達Irisのトップである花宮リーダーの側近で実質は組織のNo.2のお方だ。
ついこの間、組織の人が用意した温泉ペアチケットで外出していたのだが、残念ながら帰って来てしまった。
「あーそうですね…みんなに聞いてみないと…でもどうして突然そんなゲームなんて」
「先日行った温泉旅行で仲良くなった人達としたんだよ。それが楽しくてな。是非みんなでやれたらと思って。俺がくじを作っておくから、みんな誘っておいてくれ」
そう言うと、ウキウキしながら変態は去って行った。
「…うわぁ、きっしょー…旅行先の奴ら余計なことしてくれたな」
どうしようかと呆然としていると、話を聞いていた七彩がひょこっと後ろから声をかけてきた。
「…七彩、聞いてたの。どうする?」
「まぁ…俺達が誘わなくても自ら誘って無理矢理実行するだろうし…とりあえずは声かけてみよー。千隼とか渚くらいの年齢の子は標的にされたら可哀想だし、みんな無理ってことにしておいてさー」
「…うん」
そうして嫌々ながらも声をかけ、夜、王様ゲーム会場に集まったのは俺、七彩、由麗。そして変態が直接声をかけたであろう篠田さん、未南さん、そして桜花先輩と亜蘭だった。新しくここへ来た篠田さんや未南さん、そして亜蘭は断りきれなかったんだろうが何故桜花先輩が参加しているんだろうか、と不思議に思った。
「こんなに人多くて成り立つわけ?ぐっちゃぐちゃになんない?絶対空気の人出てくるよ」
「さぁ。それは適当にやるんじゃない。とっとと満足させて終わろうぜ」
それぞれひそひそと話していると、変態がたくさんの割り箸を持ってやってきた。
「あれ、今日は千隼や渚は来れなかったのかな?」
「はい。明日も任務ですので、あまり遅くまで付き合わせるのもどうかと思って……」
「そうかそうか。それは残念だが、こんなにたくさん居るとワクワクしちゃうね。さぁ、早速始めようか」
ニコニコと微笑む顔は、相変わらず気持ち悪い。みんなが引き攣った顔で苦笑いしていると、変態特製のくじが差し出された。
みんなでおそるおそるくじに手を伸ばし、地獄のゲームが始まった。
◇ ◆
「まさかのまさか……俺が王様だよ!」
キラキラとした目で言うのは変態。みんながくじを引き終わった後に引いていたので不正ではないのだろうが…。
「じゃあじゃあ…まずは簡単に。①と③がキッスをするのはどうだろう。唇は大切にしてほしいからそれ以外で」
(キッス……)
全員がうげぇ、とした顔を浮かべた後、皆が自分の番号を確認した。
「あ…③は俺。①は誰かな」
「あ、①は僕です」
③を引いたのは桜花先輩で、①は篠田さん。何とも言えない組み合わせになった。
「じゃあごめんね、篠田さん。失礼します」
桜花先輩が篠田さんの前へ行き、優しく手を取ると、手の甲に唇を落とした。王子様がお姫様にするような美しいキスに、周りは、ほぉ…と声を上げた。まぁ未南さんと亜蘭は何やらむすっとしていたが。
「はぁ…桜花は格好良いねぇ…篠田くんはお姫様みたいだね。はぁ……」
「終わったから早く次くじ引かない?」
実質No.2に位置しているとは言え、桜花先輩と変態の立場はほぼ同じ。嫌そうにしながらも桜花先輩が次を急かすと、変態はニヤニヤしながら次の命令を下した。
「じゃあ次は②と⑤が③をくすぐる」
「は? くじの引き直しは?」
「毎回引き直していたら大変だろ?ほら、③の桜花ちゃん。②と⑤にいじめてもらって?王様の言うことは絶対だし………ね?」
「……」
桜花先輩は鋭い視線を向けたが、変態はニヤニヤしたままで怯むことはない。くじを見ると俺が②で亜蘭が⑤だった。
「…」
何とも言えない空気感に、俺と亜蘭は目を見合わせたが、少しだけ桜花先輩をいじめてみたい気持ちもある。
「まぁ王様のご命令なんで仕方ないでしょ。とっとと終わらせてあの変態満足させましょ」
亜蘭がニヤニヤしながら小声でそう言った後、桜花先輩を床に寝ころばせると、グイッと腕を頭上へ持って行った。
「柚木さんは足お願いします~」
「うん」
あとで仕返しされる可能性もあるが、今はとりあえず変態の圧と、自分の欲に従い、桜花先輩の足元へ移動した。
「はぁ…後輩くん達に押し倒されてる桜花も可愛いなぁ…二人ともいっぱいやっちゃってくれ」
「……気持ち悪」
「まぁまぁ。気持ち悪いのは今に始まったことじゃないでしょ?セーンパイ」
「…っ、……ん」
亜蘭が桜花先輩の二の腕を撫でると、それだけでピクッと体が跳ねて焦った表情を見せた。腕を下げようとしているが、上手い事亜蘭が制御し、二の腕から脇の下へ向かって指を歩かせると、先輩の体が小さくだが暴れ出した。
「…桜花先輩。あんまり暴れちゃダメですよ」
「柚木くん。もちろん手加減してくれるよね?」
俺へそう言った時の表情はいつもと同じ澄ましたような表情。それが何となく自分の中にあるSの心に火をつけた。
「手加減なんてしませんよ。今まで桜花先輩もしてくれた事、ないじゃないですか」
そもそも訓練と今の遊びじゃ種類が全く違う。なので俺の考えは間違っているのは分かっているんだけど。
「そう、分かった。後で絶対に同じことしてあげるからね。二人とも覚悟しなよ」
「「……」」
亜蘭と目を見合わせて桜花先輩の表情に一瞬怯んでしまったが、お互い攻めたい気持ちが無くなることはなかった。
「三人で何コソコソしてるの?早く桜花の可愛い所見せてくれ」
はぁはぁと息を荒くする変態の発言をきっかけに、俺も先輩の足に触れた。閉じれないように体を入れ込ませた後、衣類の上から太腿を撫で回した。
その後に足の付け根を触れてみると、閉じようと動いた先輩の足が俺を挟み込む。
「っ、……」
「もぉセンパイ、力強すぎ…ちょっと緩めて下さいよ」
腕を押さえつけている亜蘭は、暴れないようにすることで精一杯で全くくすぐれていない様子。なので亜蘭の分も俺が足を擽ると、先輩は声を殺しながらパタパタと小さな抵抗を繰り返した。
それを見ていた変態がこちらへやってくると、亜蘭を離させ、直接自分の手で桜花先輩の腕を掴んで万歳の状態を維持させた。
「桜花、暴れないの~。可愛い亜蘭くんが困ってるじゃないか。腕は俺が押さえててあげるから、亜蘭くんはくすぐってあげてくれるかな」
「王様が出てくるとかなしじゃないの?気持ち悪いから触らないで欲しいんだけど」
「俺に対して気持ち悪いっていうのは花宮さんと風見と桜花くらいだよ」
「安心して。みんな言えないだけでそう思ってるよ」
「ほぉ。そんな生意気な桜花ちゃんにはお仕置きしてあげるよ」
あまり二人が会話したことを見たことがなかったので珍しい光景だった。というのも桜花先輩が直接話すのを嫌がっている様子で、いつも代わりに風見先輩が話していたからだ。
「ほら、柚木も亜蘭くんも。早く桜花のこといじめてあげて?手加減したら後で君たちもたっぷり可愛がってあげるから」
相変わらずの気持ち悪さにドン引きしながらも、俺は服の上から足を撫で、亜蘭は桜花先輩の近くにやってくると、優しく脇腹を擽り出した。
他の参加メンバーは何とも言えない空気でそれを眺めているだけという、全く楽しくない時間を過ごすこととなった。
「ん、んっ………!」
体を捩って逃げようとする桜花先輩はしっかりと目を閉じ、頬を赤らめながら体を反応させていた。
(可愛い。先輩のこんな姿初めて)
太腿を撫でていた手を膝に持っていき、サワサワと擽ると、ビクンと足が跳ねた。
「…ふふっ、…~~ッ、んぅぅ…」
反応が良かったので膝を集中して擽ると、バタバタと足をバタつかせて明らかな笑い声を漏らした。亜蘭も脇腹を突いたり、服の中に手を突っ込んで直接肌を撫で回しているので両方の攻撃に反応しているんだろうが、それでも少し嬉しい。
「っ、ぁ……ははっ、やめ……っ、おい、変態…っ、手、離せよ…っ」
「はぁ……可愛い…涙目の桜花も最高だね…頑張って耐えたら約束通り柚木や亜蘭くんには手を出さないからね」
「…?」
意味深な発言の理由が語られることはなく、変態は次の命令を伝えた。
「じゃあ②は③の足の裏を擽って、⑤は可愛い乳首をいじめてあげてくれる?」
「…っ、うざい。…いつまでやんの」
「俺が満足するまで。ほら、大好きな後輩にいじめられる可愛い姿、見せて?」
二人の間に何かあったのは分かったが、とりあえず一秒でも早くこの変態を満足させなければ。俺は亜蘭は見つめ合った後に小さく頷き、指示された命令を遂行した。
靴下の上から足の裏を擽ると、先輩は可愛らしい笑い声を上げた。
「ぁはっ……あ!待って、待って……擽ったい…!ふふっ…んん、──~~ッッ」
バタバタと暴れる足を押さえつけ、丸まらないように足の裏を張らせて爪で優しく土踏まずの辺りを擽った。
「ぁははははっ……、柚木、くんっ…ちょ、っと本当に!本当にそれやめっ、」
「桜花センパイ。くすぐりなんて気にならないくらい満足させてあげるから俺の方見てよ」
「っん………!」
服を捲り上げてインナーの上から胸を触る亜蘭。その刺激のおかげで笑い声に少しの甘さが混ざる。
「センパイー可愛い。服の上からでも気持ち良いでしょ?」
クルクルと周りをなぞる亜蘭の指に、少しずつ反応し始める先輩の突起。俺の位置から見てもぷくっと膨れてきたのが分かった。
「んん…っ、やめ…待って、恥ずかしい……っ」
顔を真っ赤に染めた先輩が泣きそうになりながら暴れても、3対1では結果は分かりきっている。
「はぁ……可愛い乳首、見せてくれるかな」
「ダメですよ~センパイは服の上からの方が気持ちいと思うんで」
変態の希望を退けた亜蘭は、両方の乳首を服の上からの愛撫した。先輩の声も甘いだけのものになったので、俺も笑わせる動きから性感に繋がる優しいものへと変化させ、足の甲や側面等を指でなぞった。
「んん…っ、やめ、…っ」
「はぁっ…可愛い。桜花、次は──」
興奮気味の変態が何か言おうとすると、バンッッと勢い良く扉が開いた。
「おい塞原、テメェ何してんだ」
「!?」
入ってきたのは殆ど姿を見せないIrisのトップ、花宮リーダーだった。
キッチリと制服を着こなし、幹部クラスに与えられたコートを羽織ったリーダーは変態の顔面に激しい蹴りを入れた。
「!?!?」
その光景に桜花先輩も含めて驚いていると、リーダーは入ってきた時から表情一つ変えずに悶絶して倒れ込んだ変態の首根っこを掴んだ。
「お前ぶん殴るぞ。可愛い部下に何してんだ」
「いや、もう殴ってます…というより蹴ってます…」
「この前コンペした拘束台がちゃんと機能するかテメェで試してやるからこっち来い」
「っえ"、ちょ、ちょちょちょ」
「みんな、駆けつけるのが遅くなってすまないね。ついさっき千隼くんと渚くんから報告を受けてね。今までの話も聞かせてもらったよ。この変態はこちらで処理するので今後も変わらず任務に励んで欲しい。──では」
リーダーに服の首元を掴まれてそのまま引き摺られて行った変態。服を掴まれていることで首が絞まり青ざめ、激しいキックで顔が変形したまま部屋を去って行った。
「………」
シンと静まり返った部屋の中で、その沈黙を壊したのは扉から顔を出した千隼と渚。
「だ、大丈夫…ですか?」
「え、千隼…渚、何で」
「今日、王様ゲームするって話を聞いて……俺達に被害がないようにしてくれたから…どうにかして助けたくて……ボイスレコーダーで変態の発言を録音して…そのままリーダーに証拠を突きつけました…なので、遅くなってすみません……」
それを聞いて桜花先輩が体を起こすと、二人を抱き寄せた。
「あー…良かったぁ…二人に面倒をかけさせてごめんね。ありがとう。助かりました」
「よ、良かったですっ」
桜花先輩に抱き締められた千隼と渚は嬉しそうにしながら先輩を抱き締め返した。
「それにしても…何で桜花先輩はこの王様ゲームに参加したんですか?」
「…変態がね、『ゲーム断るなら、拘束台がちゃんと機能するかどうか柚木くんと亜蘭くんで試そうかな』って言ってきたから…暴走したあいつを止めるためにも一応参加した感じだよ。もしさっき攻められるのが俺じゃなかったらすぐに止めてた。みんなに被害がなくて良かったよ。花宮さんのドギツイお灸を据えられるだろうし、暫くは安心していいんじゃないかな」
乱れた服を整えてそう言葉にした先輩は、頬が染まり、未だに目尻に涙が溜まってはいたが、相変わらずめちゃくちゃ格好良い。
「ありがとうございます…」
「まぁ柚木くんと亜蘭くんはあいつの命令以外にもちょっと私情があった気がしたから改めて個人的に話し合おうね」
「「あ…いや……」」
「じゃあ、今日はこれで──」
そう言って立ち上がろうとすると、完全に空気になっていた篠田さんが割り箸を持ってこちらへやってきた。
「ねぇ、桜花さん。個人的に話し合うのもいいですけど、辱めるためには今から王様ゲームをやり直すっていう手もありますよ?それに、あの変態さんが居ない今、このメンバーでなら楽しめそうじゃないですか?」
「え……楽しそう!俺もしたい!」
それに便乗したのは渚で、ぴょんぴょん跳ねながら両手を上げた。俺と亜蘭はやりたくないオーラを出したが、桜花先輩も篠田さんの意見を受け入れたのか「やろうか」と呟いた。
「はーい!じゃあ今度こそ!楽しい楽しい王様ゲームを始めましょっ!」
end.
※変態上司が思いっきりキックされる描写があります。ギャグ調ですが、ちょっとしたパ◯ハラ感もあるので苦手な方はご注意下さい※
拘束/擽り/少し乳首責/羞恥?/エロ無
攻→柚木+亜蘭 ※柚木視点
受→桜花
◇ ◆
「なぁ柚木。今日の夜みんなで王様ゲームしない?」
笑顔でそう切り出したのは、最近再登場を果たした変態こと塞原だった。俺達Irisのトップである花宮リーダーの側近で実質は組織のNo.2のお方だ。
ついこの間、組織の人が用意した温泉ペアチケットで外出していたのだが、残念ながら帰って来てしまった。
「あーそうですね…みんなに聞いてみないと…でもどうして突然そんなゲームなんて」
「先日行った温泉旅行で仲良くなった人達としたんだよ。それが楽しくてな。是非みんなでやれたらと思って。俺がくじを作っておくから、みんな誘っておいてくれ」
そう言うと、ウキウキしながら変態は去って行った。
「…うわぁ、きっしょー…旅行先の奴ら余計なことしてくれたな」
どうしようかと呆然としていると、話を聞いていた七彩がひょこっと後ろから声をかけてきた。
「…七彩、聞いてたの。どうする?」
「まぁ…俺達が誘わなくても自ら誘って無理矢理実行するだろうし…とりあえずは声かけてみよー。千隼とか渚くらいの年齢の子は標的にされたら可哀想だし、みんな無理ってことにしておいてさー」
「…うん」
そうして嫌々ながらも声をかけ、夜、王様ゲーム会場に集まったのは俺、七彩、由麗。そして変態が直接声をかけたであろう篠田さん、未南さん、そして桜花先輩と亜蘭だった。新しくここへ来た篠田さんや未南さん、そして亜蘭は断りきれなかったんだろうが何故桜花先輩が参加しているんだろうか、と不思議に思った。
「こんなに人多くて成り立つわけ?ぐっちゃぐちゃになんない?絶対空気の人出てくるよ」
「さぁ。それは適当にやるんじゃない。とっとと満足させて終わろうぜ」
それぞれひそひそと話していると、変態がたくさんの割り箸を持ってやってきた。
「あれ、今日は千隼や渚は来れなかったのかな?」
「はい。明日も任務ですので、あまり遅くまで付き合わせるのもどうかと思って……」
「そうかそうか。それは残念だが、こんなにたくさん居るとワクワクしちゃうね。さぁ、早速始めようか」
ニコニコと微笑む顔は、相変わらず気持ち悪い。みんなが引き攣った顔で苦笑いしていると、変態特製のくじが差し出された。
みんなでおそるおそるくじに手を伸ばし、地獄のゲームが始まった。
◇ ◆
「まさかのまさか……俺が王様だよ!」
キラキラとした目で言うのは変態。みんながくじを引き終わった後に引いていたので不正ではないのだろうが…。
「じゃあじゃあ…まずは簡単に。①と③がキッスをするのはどうだろう。唇は大切にしてほしいからそれ以外で」
(キッス……)
全員がうげぇ、とした顔を浮かべた後、皆が自分の番号を確認した。
「あ…③は俺。①は誰かな」
「あ、①は僕です」
③を引いたのは桜花先輩で、①は篠田さん。何とも言えない組み合わせになった。
「じゃあごめんね、篠田さん。失礼します」
桜花先輩が篠田さんの前へ行き、優しく手を取ると、手の甲に唇を落とした。王子様がお姫様にするような美しいキスに、周りは、ほぉ…と声を上げた。まぁ未南さんと亜蘭は何やらむすっとしていたが。
「はぁ…桜花は格好良いねぇ…篠田くんはお姫様みたいだね。はぁ……」
「終わったから早く次くじ引かない?」
実質No.2に位置しているとは言え、桜花先輩と変態の立場はほぼ同じ。嫌そうにしながらも桜花先輩が次を急かすと、変態はニヤニヤしながら次の命令を下した。
「じゃあ次は②と⑤が③をくすぐる」
「は? くじの引き直しは?」
「毎回引き直していたら大変だろ?ほら、③の桜花ちゃん。②と⑤にいじめてもらって?王様の言うことは絶対だし………ね?」
「……」
桜花先輩は鋭い視線を向けたが、変態はニヤニヤしたままで怯むことはない。くじを見ると俺が②で亜蘭が⑤だった。
「…」
何とも言えない空気感に、俺と亜蘭は目を見合わせたが、少しだけ桜花先輩をいじめてみたい気持ちもある。
「まぁ王様のご命令なんで仕方ないでしょ。とっとと終わらせてあの変態満足させましょ」
亜蘭がニヤニヤしながら小声でそう言った後、桜花先輩を床に寝ころばせると、グイッと腕を頭上へ持って行った。
「柚木さんは足お願いします~」
「うん」
あとで仕返しされる可能性もあるが、今はとりあえず変態の圧と、自分の欲に従い、桜花先輩の足元へ移動した。
「はぁ…後輩くん達に押し倒されてる桜花も可愛いなぁ…二人ともいっぱいやっちゃってくれ」
「……気持ち悪」
「まぁまぁ。気持ち悪いのは今に始まったことじゃないでしょ?セーンパイ」
「…っ、……ん」
亜蘭が桜花先輩の二の腕を撫でると、それだけでピクッと体が跳ねて焦った表情を見せた。腕を下げようとしているが、上手い事亜蘭が制御し、二の腕から脇の下へ向かって指を歩かせると、先輩の体が小さくだが暴れ出した。
「…桜花先輩。あんまり暴れちゃダメですよ」
「柚木くん。もちろん手加減してくれるよね?」
俺へそう言った時の表情はいつもと同じ澄ましたような表情。それが何となく自分の中にあるSの心に火をつけた。
「手加減なんてしませんよ。今まで桜花先輩もしてくれた事、ないじゃないですか」
そもそも訓練と今の遊びじゃ種類が全く違う。なので俺の考えは間違っているのは分かっているんだけど。
「そう、分かった。後で絶対に同じことしてあげるからね。二人とも覚悟しなよ」
「「……」」
亜蘭と目を見合わせて桜花先輩の表情に一瞬怯んでしまったが、お互い攻めたい気持ちが無くなることはなかった。
「三人で何コソコソしてるの?早く桜花の可愛い所見せてくれ」
はぁはぁと息を荒くする変態の発言をきっかけに、俺も先輩の足に触れた。閉じれないように体を入れ込ませた後、衣類の上から太腿を撫で回した。
その後に足の付け根を触れてみると、閉じようと動いた先輩の足が俺を挟み込む。
「っ、……」
「もぉセンパイ、力強すぎ…ちょっと緩めて下さいよ」
腕を押さえつけている亜蘭は、暴れないようにすることで精一杯で全くくすぐれていない様子。なので亜蘭の分も俺が足を擽ると、先輩は声を殺しながらパタパタと小さな抵抗を繰り返した。
それを見ていた変態がこちらへやってくると、亜蘭を離させ、直接自分の手で桜花先輩の腕を掴んで万歳の状態を維持させた。
「桜花、暴れないの~。可愛い亜蘭くんが困ってるじゃないか。腕は俺が押さえててあげるから、亜蘭くんはくすぐってあげてくれるかな」
「王様が出てくるとかなしじゃないの?気持ち悪いから触らないで欲しいんだけど」
「俺に対して気持ち悪いっていうのは花宮さんと風見と桜花くらいだよ」
「安心して。みんな言えないだけでそう思ってるよ」
「ほぉ。そんな生意気な桜花ちゃんにはお仕置きしてあげるよ」
あまり二人が会話したことを見たことがなかったので珍しい光景だった。というのも桜花先輩が直接話すのを嫌がっている様子で、いつも代わりに風見先輩が話していたからだ。
「ほら、柚木も亜蘭くんも。早く桜花のこといじめてあげて?手加減したら後で君たちもたっぷり可愛がってあげるから」
相変わらずの気持ち悪さにドン引きしながらも、俺は服の上から足を撫で、亜蘭は桜花先輩の近くにやってくると、優しく脇腹を擽り出した。
他の参加メンバーは何とも言えない空気でそれを眺めているだけという、全く楽しくない時間を過ごすこととなった。
「ん、んっ………!」
体を捩って逃げようとする桜花先輩はしっかりと目を閉じ、頬を赤らめながら体を反応させていた。
(可愛い。先輩のこんな姿初めて)
太腿を撫でていた手を膝に持っていき、サワサワと擽ると、ビクンと足が跳ねた。
「…ふふっ、…~~ッ、んぅぅ…」
反応が良かったので膝を集中して擽ると、バタバタと足をバタつかせて明らかな笑い声を漏らした。亜蘭も脇腹を突いたり、服の中に手を突っ込んで直接肌を撫で回しているので両方の攻撃に反応しているんだろうが、それでも少し嬉しい。
「っ、ぁ……ははっ、やめ……っ、おい、変態…っ、手、離せよ…っ」
「はぁ……可愛い…涙目の桜花も最高だね…頑張って耐えたら約束通り柚木や亜蘭くんには手を出さないからね」
「…?」
意味深な発言の理由が語られることはなく、変態は次の命令を伝えた。
「じゃあ②は③の足の裏を擽って、⑤は可愛い乳首をいじめてあげてくれる?」
「…っ、うざい。…いつまでやんの」
「俺が満足するまで。ほら、大好きな後輩にいじめられる可愛い姿、見せて?」
二人の間に何かあったのは分かったが、とりあえず一秒でも早くこの変態を満足させなければ。俺は亜蘭は見つめ合った後に小さく頷き、指示された命令を遂行した。
靴下の上から足の裏を擽ると、先輩は可愛らしい笑い声を上げた。
「ぁはっ……あ!待って、待って……擽ったい…!ふふっ…んん、──~~ッッ」
バタバタと暴れる足を押さえつけ、丸まらないように足の裏を張らせて爪で優しく土踏まずの辺りを擽った。
「ぁははははっ……、柚木、くんっ…ちょ、っと本当に!本当にそれやめっ、」
「桜花センパイ。くすぐりなんて気にならないくらい満足させてあげるから俺の方見てよ」
「っん………!」
服を捲り上げてインナーの上から胸を触る亜蘭。その刺激のおかげで笑い声に少しの甘さが混ざる。
「センパイー可愛い。服の上からでも気持ち良いでしょ?」
クルクルと周りをなぞる亜蘭の指に、少しずつ反応し始める先輩の突起。俺の位置から見てもぷくっと膨れてきたのが分かった。
「んん…っ、やめ…待って、恥ずかしい……っ」
顔を真っ赤に染めた先輩が泣きそうになりながら暴れても、3対1では結果は分かりきっている。
「はぁ……可愛い乳首、見せてくれるかな」
「ダメですよ~センパイは服の上からの方が気持ちいと思うんで」
変態の希望を退けた亜蘭は、両方の乳首を服の上からの愛撫した。先輩の声も甘いだけのものになったので、俺も笑わせる動きから性感に繋がる優しいものへと変化させ、足の甲や側面等を指でなぞった。
「んん…っ、やめ、…っ」
「はぁっ…可愛い。桜花、次は──」
興奮気味の変態が何か言おうとすると、バンッッと勢い良く扉が開いた。
「おい塞原、テメェ何してんだ」
「!?」
入ってきたのは殆ど姿を見せないIrisのトップ、花宮リーダーだった。
キッチリと制服を着こなし、幹部クラスに与えられたコートを羽織ったリーダーは変態の顔面に激しい蹴りを入れた。
「!?!?」
その光景に桜花先輩も含めて驚いていると、リーダーは入ってきた時から表情一つ変えずに悶絶して倒れ込んだ変態の首根っこを掴んだ。
「お前ぶん殴るぞ。可愛い部下に何してんだ」
「いや、もう殴ってます…というより蹴ってます…」
「この前コンペした拘束台がちゃんと機能するかテメェで試してやるからこっち来い」
「っえ"、ちょ、ちょちょちょ」
「みんな、駆けつけるのが遅くなってすまないね。ついさっき千隼くんと渚くんから報告を受けてね。今までの話も聞かせてもらったよ。この変態はこちらで処理するので今後も変わらず任務に励んで欲しい。──では」
リーダーに服の首元を掴まれてそのまま引き摺られて行った変態。服を掴まれていることで首が絞まり青ざめ、激しいキックで顔が変形したまま部屋を去って行った。
「………」
シンと静まり返った部屋の中で、その沈黙を壊したのは扉から顔を出した千隼と渚。
「だ、大丈夫…ですか?」
「え、千隼…渚、何で」
「今日、王様ゲームするって話を聞いて……俺達に被害がないようにしてくれたから…どうにかして助けたくて……ボイスレコーダーで変態の発言を録音して…そのままリーダーに証拠を突きつけました…なので、遅くなってすみません……」
それを聞いて桜花先輩が体を起こすと、二人を抱き寄せた。
「あー…良かったぁ…二人に面倒をかけさせてごめんね。ありがとう。助かりました」
「よ、良かったですっ」
桜花先輩に抱き締められた千隼と渚は嬉しそうにしながら先輩を抱き締め返した。
「それにしても…何で桜花先輩はこの王様ゲームに参加したんですか?」
「…変態がね、『ゲーム断るなら、拘束台がちゃんと機能するかどうか柚木くんと亜蘭くんで試そうかな』って言ってきたから…暴走したあいつを止めるためにも一応参加した感じだよ。もしさっき攻められるのが俺じゃなかったらすぐに止めてた。みんなに被害がなくて良かったよ。花宮さんのドギツイお灸を据えられるだろうし、暫くは安心していいんじゃないかな」
乱れた服を整えてそう言葉にした先輩は、頬が染まり、未だに目尻に涙が溜まってはいたが、相変わらずめちゃくちゃ格好良い。
「ありがとうございます…」
「まぁ柚木くんと亜蘭くんはあいつの命令以外にもちょっと私情があった気がしたから改めて個人的に話し合おうね」
「「あ…いや……」」
「じゃあ、今日はこれで──」
そう言って立ち上がろうとすると、完全に空気になっていた篠田さんが割り箸を持ってこちらへやってきた。
「ねぇ、桜花さん。個人的に話し合うのもいいですけど、辱めるためには今から王様ゲームをやり直すっていう手もありますよ?それに、あの変態さんが居ない今、このメンバーでなら楽しめそうじゃないですか?」
「え……楽しそう!俺もしたい!」
それに便乗したのは渚で、ぴょんぴょん跳ねながら両手を上げた。俺と亜蘭はやりたくないオーラを出したが、桜花先輩も篠田さんの意見を受け入れたのか「やろうか」と呟いた。
「はーい!じゃあ今度こそ!楽しい楽しい王様ゲームを始めましょっ!」
end.
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そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
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