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食事を終えたみー婆とケロベロスは俺の周りを陣取ってゴロゴロと食休みを満喫していた。ぐったりしていたケロベロスもさすがは伝説の魔獣(潤の勝手なイメージ)なのかご飯を食べてすっかり元気になっていてやっぱり生命力が凄いなぁと感心したものだ。

余談だが、みー婆は肉団子スープを気に入ったのかおかわりしてケロベロス達は雑炊だけじゃ足りなかったのか肉団子スープをおねだりしてきたのでお腹いっぱいになるように大盛りで与えてあげた。

結構多めに作った肉団子スープも綺麗になくなって作った側としてはやはり嬉しいね。

『『クゥー!』』
「はいはい、よしよし…順番に撫でてあげるからね?」
『ナァ~』
「みー婆もわかってるよー」

撫でれ撫でれと甘えてくるケロベロスの両サイドの頭とみー婆に苦笑しながら交互に頭や喉を撫で回していく。俺の手は2本しかないからね、どうしても足りないけど大人しく撫でられるのを待ってくれてる。みー婆は元々賢い猫ちゃんなのはわかっていたがケロベロスも賢いわんちゃん?狼ちゃん?だ。

うちじゃ猫ちゃんのみー婆しか飼ってなかったけどやっぱり犬とか狼系の動物もいいね、毛並みも全然違っていてみー婆はふわふわ系のもふもふでケロベロスは手応えのあるもふもふだ。

でも帰ったらみんなでお風呂かな。ダンジョンにこもってるから土汚れみたいなのもあるし綺麗にしてるみー婆も若干汚れてる感じするし。

アーノルドさんの家に大きなお風呂あったけど貸してくれるかなぁ…ダメそうなら草原でお風呂みたいなの魔法で作って洗ってあげなきゃね。

なんて事を考えながらしばらく一休みし、ごろごろに飽きたのかみー婆がむくっと起き上がる。みー婆、そろそろ行く?

『ナァ~』
「ん、じゃあそろそろダンジョン進もうか。多分この先がゴールだと思うからね」
『グル…』
『クゥ!』

ケロベロスの真ん中の頭がコクンと頷いたからやっぱりこの先がゴールかな。なんだかんだで結構ダンジョン攻略に時間かかっちゃったな。でも新しい子も迎えられたし大満足だ。

俺も立ち上がるとみー婆を撫でてる手が空いたのを見たケロベロスの頭が一つ手に擦り付いて来たけどそろそろ出発するよ?後で沢山なでなでしてあげるからね。

そう声をかければケロベロスも起き上がり、先導してくれるのか入ってきた扉とは反対側にある奥へと続く扉の方に歩き出す。

おぉ、みー婆見て見て!尻尾が3本あるよ! 尻尾の形からして狼っぽいよ! ふさふさしてて後で触らせてくれないかなぁ。

なんてみー婆に声をかけるがみー婆ははいはいとばかりに尻尾を絡ませてくる。いや、ケロベロスの尻尾の話してるんだけど…まぁみー婆の尻尾もふさふさしてるからいいんだけどね?なでなで…にぎにぎ…

みー婆の尻尾に戯れつきながら奥に進めばそこには宝箱がポツンと一つあり、その奥には床から光みたいなのが溢れてるワープゾーン的なものがあった。きっとそこに立てばダンジョンクリアで地上まで戻してくれるんだろう、ファンタジックな仕様に思わずにっこりだ。

『グルル…ワフッ!』
「あ、その宝箱開ければ良いんだね? わかったよ」

宝箱の横でお座りしたケロベロスの真ん中の頭が宝箱を開けるのよ、とばかりに声を掛けてくる。一応罠とか警戒して鑑定先輩を使うが罠とかミミックとかないらしい。流石にダンジョンクリア報酬で罠とかは仕掛けないよね。

宝箱を開ければ中には金銀財宝と言わんばかりの金貨や宝石、あとは様々な金属のインゴットが敷き詰められてた。そして注目するのはその財宝の中に安置されているひと振りの宝飾された剣。


【輝剣クラウ・ソラス】
この世界を創造する六神のうちの一柱である光神アーロンが神代に光の勇者に授けた神時代の剣。当時の名工バッカス・ゼ・ドゥワーフが鍛え上げた6本の内の一振り。所有者に光の加護を授け勝利を約束するといわれている。現在では神代の戦争で紛失したと考えられ、ドワーフの名工たちが鍛え上げたレプリカのクラウ・ソラスが聖皇国ルールンにある神聖教総本山に安置されている。


ほぇ~…みー婆、なんかすごそうな剣が入ってたよ? 

とみー婆にみてみてと見せるがみー婆は鼻を近づけてクンクンとして、鉄臭かったのか嫌ような顔して興味を失っていた。みー婆は相変わらず自由な猫ちゃんである。

色々鑑定先輩が張り切って解説してくれてたけど、俺武器使わないんだよね……みー婆が戦わせてくれないから。そんなわけで宝箱の中身をぽいぽいと仕舞っていきワープゾーンへと足を歩みいれていく。

結構積極的かと思われるがそこは安心と信頼の鑑定先輩だ。もちろん安全確認してるし鑑定にもダンジョン入り口に帰還できるワープゾーンと出ている。

中に入れば周りがまぶしくなり一瞬の浮遊感に包まれて、光が収まれば目の前には森が広がっていた。どうやら無事に外に出てこれたみたいだ。

そばにはきょとんとしてるみー婆と外に出れて嬉しいのか尻尾をぶんぶんしているケロべロスがいる。

さてと…街に帰ろうかな、と思うがすっかり日も落ちていて辺りは薄暗い。みー婆達なら余裕かもしれないけど俺はあまり夜の森を歩きたくないからね。今日はこの近くで休んで明日ゆっくり街に帰ろうね?

そんなことをそばに寄り添う二匹に言い聞かせながら野宿の準備をするのだった。



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