迷宮踏破の前に。

サーモン

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第1章 奴隷少女を購入します。

情報収集

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 翌朝、目を覚ますと、リズは涙目になっていた。

 どうしたんだろうか?


「ごめんなさいニャ~、夜伽をせずに寝てしまって……」

 なるほど。昨日なでなでして楽しんでたら、気持ちよさそうに寝てたな……。
 俺としては十分に楽しめたんだが……。1日中なでなでしててもいいぐらいだ……。


「大丈夫だ。気にするな。今日もある」
「はいニャ~」

 今日こそはがんばるニャ~とか気合入れてるな……。

 それにしても頬を赤くして言われると、こちらまで恥ずかしくなるんだが。

 少し頭をなでさせてもらってから、情報収集に向かおう。

 なでなで……。うん、今日も最高。




――――――――――

 今日の方針は……。
 1:宿探し。
 2:リズの装備。
 3:リズの身の回りの雑貨(服、下着等)
 4:リズのテイムモンスターの購入。
 5:パンダ様の武器の発注。
 6:冒険者ギルドの買取依頼のチェック。



 1:〈宿探し〉
 奴隷を買った次の日に野宿はないよな……。
 迷宮から遠いほど、宿代が安くなる傾向がある。
 宿代は節約したいので、迷宮から遠い宿へ。

「いらっしゃいませ」
「今日から泊まりたいが1部屋いくらになる」

「2名ですと、500モールになります。朝食は付きますが、夕食はありません」

 夕食は付かないのか……。

「併設されている酒場で食事されますと、おかずを1品サービスさせていただきます」

 迷宮帰りに食べてくる人が多いのか……? 宿の食事の時間を気にせず探索できていいか……? これはありがたいサービスにも思えるな。

「わかったそれでいい、テイムモンスターがいるが、そちらのエサ代と宿舎代はいくらになる」
「パンダのエサ代が200モール、スライムのエサ代が無料、オーガのエサ代が100モールになります。宿舎代が100モールです」

 パンダのエサ代が安いな……。迷宮都市にはパンダが多くて笹が出回るのか?

「もしかしたらこれからテイムモンスターが1体増えるかもしれないが、構わないか」
「かまいません」

 900モールを払って部屋を確保する。

 部屋を確認すると、ベッドが2つあるが、やはりお風呂はなかった。
 昨日のうちにお風呂を堪能しておいてよかった。


 2:〈リズの装備〉
 武器:短剣、盾:木の盾、服:皮の服→4300モールで購入。
 皮の服はサイズがなくて、サイズ調整をしてもらえることになった。
 調整後は宿屋に届けてくれるということ。
 最初に宿屋を決めておいてよかった……。

 将来後衛だから、サイズ調整しても使わなさそうだが、保険だ。
 基本はテイムモンスターががんばってくれる……。


 3:〈リズの身の回りの雑貨(服、下着等)〉
 奴隷の服は最底辺の品でいいらしいが、かわいい子に安い服を着せるのは、心苦しい……。
 リズはもともと孤児で裕福だったわけではないので、何でも喜んでくれそうだが。どうしたものか。
 色付きの服を中心に見ているが、判断基準がわからん。

「白以外が好きなのか」
「長く着られるように、汚れても目立たない色がいいのニャ~」

 古着なので、多種多様ではあるが、着つぶすまで着るつもりのようだ。
 今はそこまでお金に余裕があるわけじゃないので、当分は便乗させてもらおう。
 いつかリズには「買ってもらえて、良かった」と言ってもらえるような主人にならなくては…。

 ちなみに、下着とスカートにはしっぽの穴をあけた。
 これでスカートがしっぽでめくれる心配がなくなった。
 ラッキースケベは減らしておいた。
 うちの子を見ていいのは俺だけだ!
 服、下着→500モールで購入。


 4:〈リズのテイムモンスターの購入〉
・ゴーレム(♂/普通/2)→3万モールで購入。
・テイムモンスターの印→500モールで購入。
 ゴーレムはパンダより高いな……。

――――ステータス――――
 名前 ゴーレム
 性別 ♂
 素質 普通
 クラス ゴーレム
 レベル 2

 HP 95/95
 MP 0/0
 SP 0/0

 筋力 23
 体力 20
 素早さ 4
 かしこさ 2
――――――――――
 特性
 ・物理攻撃に強いが、魔法攻撃に弱い。
――――――――――
 装備
 ・テイムモンスターの印(腕に装着)
――――――――――

 リズのモンスターの友の数値が壊滅的だから、レベル2までしか選べなかった……。


 5:〈パンダの武器の発注〉
 鍛冶屋で、見た目が竹!、材質が鉄!を作れるか聞くと……。

 昔パンダ用に作ったものがあると言われた。

 っということで、簡単に鉄竹(攻撃力+20)→5000モールで購入。
 さすが迷宮都市、物がすぐに手に入る。


 6:〈冒険者ギルドの買取依頼のチェック〉
 低い階層のものは全くなかった。

 同じ買取依頼でも、1モールずつずれているところに人間の汚さを感じるな……。
 すごい共感できるところが悲しい……。




 あらかた用事も情報収集も終わったところで、かわいい音が鳴る。
 リズのお腹の音だ。

 顔を向けるとすごい早さで目をそらされた。顔中が赤い。若干涙目だ……。聞こえちゃったかニャ~とか言ってる。バッチリ聞こえました!とは言わないでおこう。

 さて、どうやって誤魔化して、取り繕うか……。
「迷宮都市の出店はおいしいのか」
「そう聞いてますニャ~」
「リズには毒見をしてもらわないとダメだな」

 リズの顔が満面の笑顔になった。

「はいニャ~」

 目が輝いている、そのうえヨダレが……。これは将来淑女にはなれないな……。

 かわいいからなでなで……。




 出店で〈肉の串焼き〉(30モール)を3本買って仲良く食べる。

 リズは両手に1本ずつ……。

「ご主人様に買ってもらえて、幸せニャ~。一生ご主人様について行くニャ~」
 服を買った時にした俺の決意は……。もう買ってもらえてよかったとか……。安いなリズ……。将来男にだまされるぞ。いや、俺が一生手放さないが。

 くちの周りにソースを付けて……、幸せそうな顔で食べてるけど……。
 意外とこの子、世話がかかるんだが……。


 お肉を食べ終わって満足したようで、現状に気が付く……。
 くちも手もベトベト……。
 顔を赤くして困っているな……。困ったリズもかわいいけど。

 くちをふいて、手をふいて、キレイにしてやると、恥ずかしかったのか、声が小さくなる。
「ありがとうございますニャ~」

「気にするな」
 頭をなでながら、日向ぼっこしていると、リズは膝の上でスヤスヤ寝息を立て始めた。
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