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第1章
4話
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期待は完全に裏切られた。
こう言うシーンの時は何故か「着いたぞ」と言いながらも割と距離のある崖から眺めていると言うシーンがよくある。
典型的なその場面だった。
「ちょっと待ってくれ、神。着いたと言いながら遠くないか?」
小さな村は見えるがこの崖からの直線距離で約200メートル。ここは崖だから、迂回をせねばならないことを考えると、距離は更に延びる。
はぁ、もう無理だ。
もう歩き疲れたとか言うレベルをとっくに超えていて、限界まで達している。
そんな現実を知ってしまったら、全身の力が抜けていき、俺はその場に両手、両膝を着いてしまっていた。
「何を言う。我の目的地は端からここじゃ。もう少し待てばお客がやって来るであろう、暫し待てよ」
自信がある様な雰囲気、我が物顔と言うのが正しい様な顔をしていた。
俺も、地面に着いていた両手と両膝を上げて、一度だけ立ち上がり、膝についた土と手に付いた泥を落とし、近くの木にもたれながらに座った。その反対側に神も同じ様な姿勢、体育座りと言う座り方をしていた。
それよりも、客というのはどういうことだろうか?
この世界の住人なら客に当たるのはどちらかと言うと俺な気がする。
仮に、俺以外にもう1人地球からの人間が来ていて会わせようとしているのかも知れないが。
俺が頭の中でそんな妄想をしていても神は何も言わない。
俺の頭の中の声が聞こえていると言っていたが、何故何も反応しない。神には本当に聞こえているのか? 怪しい。
「聞こえておるわい。お主の妄想に付き合う程、暇ではないのでな」
外方を向いた状態でそう言われては信じる他ないじゃないか。
これでほぼ確定か。神には本当に心の声が聞こえているんだ。今までもそうだったから疑う方がおかしかった。まだ完全に信用は出来ないけど、こればかりはもう証拠が揃い過ぎているから確定だ。
そんな脳内会話を行なっていると、近くで足音が聞こえた。足音のする方へ顔を向けると、そこには1人の少女がこちらに向かっていた。
「誰かいるのですか?」
身長は150センチ程度、短髪紺色、日本でよく見かける体操着の様な服を着た少女が立っていた。手にはヨーロッパ風アニメによく登場する木で編まれたバスケットを持っていた。
「あぁ、すまない。怪しい者ではない」
この言葉を発する人間は怪しい人間の自覚があるからだから、側から見てもどう見ても怪しい人間なのだがな。
そのせいか、少女は睨む様な視線をこちらに向けて、ファイテングポーズを取っていた。
「か、神も何か言ってくれよ」
小声で言って、神の方に目を向けると、そこには誰も居なかった。
「何ですか? 何か言いましたよね?」
これはもしかしなくても、少女に話しかけた罪で兵士に捕まって地下牢にでも放り込まれるやつなのでは?
俺の人生短かった。
次生まれ変わることが有れば、沢山の友人を作って誰とでも話せるようにするんだぞ。
こんな緊張感の高まっている中でも、素直な部分が1つだけあった。それはお腹だ。こんな状況、状態なのに空腹とあらば腹は鳴ってしまう。
こんな年になって、腹が鳴ってしまうのは些か恥ずかしいが、現状の課題はそんな単純なことで解決したのであった。
「ふふっ、お腹が空いているのですね。よかったらこれどうぞ!」
そう言って、少女は持っていたバスケットの中からフランスパンの様なものを取り出した。
その差し出されたフランスパンに、俺は腹を空かせてゴミを漁る犬みたく、齧り付いていた。
「あまり慌てて食べますと詰まりますよ」
木々の木漏れ日が後光の様に少女に差し掛けていて、その様子はまるで仏様だった。
慌ててパンを貪る俺を優しい瞳で見守ってくれていた。
「その、ありがとう。お陰で助かったよ。本当に歩き過ぎて死んでしまうかと思った。それと、さっきはすまない。怪しい人間ではないと言ったが、どう見ても怪しかったよな。俺は吉野川学。異世界から来た……」
いつまで経っても俺は自己紹介が苦手だ。自分の名前を名乗る以外、何を言えばいいのかいつも迷ってしまう。後々考えれば今の言葉だって余計なことでしかない。それに、“異世界から来た”なんて怪しい他ない。
それなのに少女は俺の言葉全てを信じてくれた。
「やはりそうでしたか。変な恰好をしていると思いました。こちらこそさっきは怪しがってすみません。私の名前はムーです。ムー・コスタです。よろしくお願いします」
その言葉を聞いた途端に、俺の脳内であるものが再生された。
少女は“ムー・コスタ”と名乗った。
ムー・コスタ、ムコスタと言えば元いた世界ではよく見かける薬だ。
説明しよう。ムコスタとは、胃炎、胃潰瘍治療剤であり、一般名またの名をレバミピドとも言う。効果・効能としては、上記している胃潰瘍、急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善がある。
身体の何処かが痛み病院を受診した時によく出される薬、ロキソニンまたはロキソプロフェンと同時に処方されることが多い。
「あの……大丈夫ですか?」
いかんいかん。話が逸れ過ぎてしまっていた。
「あぁ、問題ない」
変な心配をかけてしまったか。大学時代からの悪い癖。薬の名前を聞いてしまうと、俺の脳内辞書が反応してしまう。
何度直そうとしても直らなかった癖、ここでも出てしまった。
「あの……だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、気にしないでくれ。それよりもあそこに見える村まで行きたいのだが、なんせ初めてなもので道が全く分からないのだ。すまないが道案内をお願いできるか?」
まだ少女、いやムーか。の返答も聞いていないのに1人勝手に立ち上がっては両手で尻の泥を払っていた。
こういう自分勝手な行動のせいで何度も辛い思いをしたのに、いつまで経っても治らないものだな。変わろうとするのは実に難しいことだ。簡単に変わろうと思っても人は変われない。
「村の前までなら大丈夫ですよ。それ以降はついて行けないので……そこからはご自分でお願いします」
快諾してくれたのはありがたいことだが、言葉に詰まっていた辺りから妙な顔になった。一般にはこう言う顔を“作り笑い”と言うのだろう。人の事など碌に見てこなかったが、実際に見てみると気持ちが悪いな。
こう言うシーンの時は何故か「着いたぞ」と言いながらも割と距離のある崖から眺めていると言うシーンがよくある。
典型的なその場面だった。
「ちょっと待ってくれ、神。着いたと言いながら遠くないか?」
小さな村は見えるがこの崖からの直線距離で約200メートル。ここは崖だから、迂回をせねばならないことを考えると、距離は更に延びる。
はぁ、もう無理だ。
もう歩き疲れたとか言うレベルをとっくに超えていて、限界まで達している。
そんな現実を知ってしまったら、全身の力が抜けていき、俺はその場に両手、両膝を着いてしまっていた。
「何を言う。我の目的地は端からここじゃ。もう少し待てばお客がやって来るであろう、暫し待てよ」
自信がある様な雰囲気、我が物顔と言うのが正しい様な顔をしていた。
俺も、地面に着いていた両手と両膝を上げて、一度だけ立ち上がり、膝についた土と手に付いた泥を落とし、近くの木にもたれながらに座った。その反対側に神も同じ様な姿勢、体育座りと言う座り方をしていた。
それよりも、客というのはどういうことだろうか?
この世界の住人なら客に当たるのはどちらかと言うと俺な気がする。
仮に、俺以外にもう1人地球からの人間が来ていて会わせようとしているのかも知れないが。
俺が頭の中でそんな妄想をしていても神は何も言わない。
俺の頭の中の声が聞こえていると言っていたが、何故何も反応しない。神には本当に聞こえているのか? 怪しい。
「聞こえておるわい。お主の妄想に付き合う程、暇ではないのでな」
外方を向いた状態でそう言われては信じる他ないじゃないか。
これでほぼ確定か。神には本当に心の声が聞こえているんだ。今までもそうだったから疑う方がおかしかった。まだ完全に信用は出来ないけど、こればかりはもう証拠が揃い過ぎているから確定だ。
そんな脳内会話を行なっていると、近くで足音が聞こえた。足音のする方へ顔を向けると、そこには1人の少女がこちらに向かっていた。
「誰かいるのですか?」
身長は150センチ程度、短髪紺色、日本でよく見かける体操着の様な服を着た少女が立っていた。手にはヨーロッパ風アニメによく登場する木で編まれたバスケットを持っていた。
「あぁ、すまない。怪しい者ではない」
この言葉を発する人間は怪しい人間の自覚があるからだから、側から見てもどう見ても怪しい人間なのだがな。
そのせいか、少女は睨む様な視線をこちらに向けて、ファイテングポーズを取っていた。
「か、神も何か言ってくれよ」
小声で言って、神の方に目を向けると、そこには誰も居なかった。
「何ですか? 何か言いましたよね?」
これはもしかしなくても、少女に話しかけた罪で兵士に捕まって地下牢にでも放り込まれるやつなのでは?
俺の人生短かった。
次生まれ変わることが有れば、沢山の友人を作って誰とでも話せるようにするんだぞ。
こんな緊張感の高まっている中でも、素直な部分が1つだけあった。それはお腹だ。こんな状況、状態なのに空腹とあらば腹は鳴ってしまう。
こんな年になって、腹が鳴ってしまうのは些か恥ずかしいが、現状の課題はそんな単純なことで解決したのであった。
「ふふっ、お腹が空いているのですね。よかったらこれどうぞ!」
そう言って、少女は持っていたバスケットの中からフランスパンの様なものを取り出した。
その差し出されたフランスパンに、俺は腹を空かせてゴミを漁る犬みたく、齧り付いていた。
「あまり慌てて食べますと詰まりますよ」
木々の木漏れ日が後光の様に少女に差し掛けていて、その様子はまるで仏様だった。
慌ててパンを貪る俺を優しい瞳で見守ってくれていた。
「その、ありがとう。お陰で助かったよ。本当に歩き過ぎて死んでしまうかと思った。それと、さっきはすまない。怪しい人間ではないと言ったが、どう見ても怪しかったよな。俺は吉野川学。異世界から来た……」
いつまで経っても俺は自己紹介が苦手だ。自分の名前を名乗る以外、何を言えばいいのかいつも迷ってしまう。後々考えれば今の言葉だって余計なことでしかない。それに、“異世界から来た”なんて怪しい他ない。
それなのに少女は俺の言葉全てを信じてくれた。
「やはりそうでしたか。変な恰好をしていると思いました。こちらこそさっきは怪しがってすみません。私の名前はムーです。ムー・コスタです。よろしくお願いします」
その言葉を聞いた途端に、俺の脳内であるものが再生された。
少女は“ムー・コスタ”と名乗った。
ムー・コスタ、ムコスタと言えば元いた世界ではよく見かける薬だ。
説明しよう。ムコスタとは、胃炎、胃潰瘍治療剤であり、一般名またの名をレバミピドとも言う。効果・効能としては、上記している胃潰瘍、急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善がある。
身体の何処かが痛み病院を受診した時によく出される薬、ロキソニンまたはロキソプロフェンと同時に処方されることが多い。
「あの……大丈夫ですか?」
いかんいかん。話が逸れ過ぎてしまっていた。
「あぁ、問題ない」
変な心配をかけてしまったか。大学時代からの悪い癖。薬の名前を聞いてしまうと、俺の脳内辞書が反応してしまう。
何度直そうとしても直らなかった癖、ここでも出てしまった。
「あの……だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、気にしないでくれ。それよりもあそこに見える村まで行きたいのだが、なんせ初めてなもので道が全く分からないのだ。すまないが道案内をお願いできるか?」
まだ少女、いやムーか。の返答も聞いていないのに1人勝手に立ち上がっては両手で尻の泥を払っていた。
こういう自分勝手な行動のせいで何度も辛い思いをしたのに、いつまで経っても治らないものだな。変わろうとするのは実に難しいことだ。簡単に変わろうと思っても人は変われない。
「村の前までなら大丈夫ですよ。それ以降はついて行けないので……そこからはご自分でお願いします」
快諾してくれたのはありがたいことだが、言葉に詰まっていた辺りから妙な顔になった。一般にはこう言う顔を“作り笑い”と言うのだろう。人の事など碌に見てこなかったが、実際に見てみると気持ちが悪いな。
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