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第90エナジー 「さいご」
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朝。「竜牙」は太陽の日差しが気持ち良いくらい眩しくていつも起きるより30分早く目が覚めた。
「アラームが鳴る前に起きるなんて珍しいな。太陽の日差しが気持ちいいぜ。俺の『エナジー体』どもに太陽の光を吸収させまくるぜ。」
「竜牙」はお腹が空いたので台所に向かった。
「あら。『竜牙』。おはよう。早いじゃない。昨日も塾で帰ってくるの遅かったんでしょ?大丈夫?」
「好きなことやってんだから大丈夫に決まってるだろ。朝飯はまだだよな?手伝うよ。」
「なによ。あんたらしくもない。勉強もできるし、気がきくし、いい男になってきたじゃない。さすがお兄ちゃんね。」
「何言ってんだ。俺がお腹空いたから早くご飯食べてーだけなの。茶化すなよ。」
「はいはい。お兄ちゃん。」
「竜牙」は朝ご飯をいつもより早く食べ終わり、自分の部屋に戻り、夜の塾の予習をし始めた。
「『竜牙』。ちょっといい?」
「なんだよ。母さん。今、勉強してるんだけど。手短にな。」
「ほんっとにあんた変わったわね。そんなに勉強好き?」
「まあ学校のくだらんヤツらといるよりは楽しいな。」
「あんたがそんな風になってしまったのは、『愛』ちゃんたちの事件が原因なの?それともクマの『まこ』ちゃんたちが原因?」
「(ん~。めんどくさい質問だな。)きっかけで言えば、そうかもな。『愛』や『まこ』。あいつらのおかげで俺は目標ができた。後悔もしてねーぜ。もし、母さんが俺のことを心配してるんだったら、本当に大丈夫だぜ。今の俺は、12年間生きてきた中で一番好きな俺なんだから。」
「そう。何か安心したわ。やっぱり子どもは成長するの早いのね。あんたかっこいいわ。たぶん今のあんた見たら『愛』ちゃん惚れ直すわよ。」
「あいつは俺のことそんな目で見てなかっただろ。いつも俺のこと馬鹿にしてきやがったし。」
「あらやだ。あんたが女心をまるでわかっていないことが判明して、母さん悲しいわ。しっかりしてよ。お兄ちゃん。」
「さっきから小馬鹿にするような『お兄ちゃん』って何だよ!!」
「ホントに鈍いわね。やっぱり『愛』ちゃんは幻滅するわね。あんたに妹ができるのよ。てか母さんのお腹みて気がつかないの?」
「マジかよ!!てか何で今頃!!俺が妹欲しかったのは、幼稚園のときとか小学校1、2年のときだったのに遅くねーか!!」
「仕方ないでしょ!!父さん。出張ばっかり行ってたし。離婚しようと思ったときもあったわ。あっ。もうこんなこと言わせないで!!そういうわけでこれからもよろしくね。『竜牙』お兄ちゃん。あっ。母さんゴミ出しがあったんだわ。」
友達のトカゲがいなくなった「竜牙」にとって悪い話ではなかった。「何で今頃」と愚痴を言いながらも嬉しかったのだ。かわいい赤ちゃんだったらいいな。名前は俺が考えていいのかな?と期待を胸に学校に向かった。
「竜牙」にとって母親との最期の会話になった。母親に「エナジー」のことを話せなかったが、本音で話し合うことができて、良い親子関係になれた。
そして舞台は地獄の学校へ。地球での最後の戦いが始まる。
次回。 第91エナジー 「地獄絵図」
「アラームが鳴る前に起きるなんて珍しいな。太陽の日差しが気持ちいいぜ。俺の『エナジー体』どもに太陽の光を吸収させまくるぜ。」
「竜牙」はお腹が空いたので台所に向かった。
「あら。『竜牙』。おはよう。早いじゃない。昨日も塾で帰ってくるの遅かったんでしょ?大丈夫?」
「好きなことやってんだから大丈夫に決まってるだろ。朝飯はまだだよな?手伝うよ。」
「なによ。あんたらしくもない。勉強もできるし、気がきくし、いい男になってきたじゃない。さすがお兄ちゃんね。」
「何言ってんだ。俺がお腹空いたから早くご飯食べてーだけなの。茶化すなよ。」
「はいはい。お兄ちゃん。」
「竜牙」は朝ご飯をいつもより早く食べ終わり、自分の部屋に戻り、夜の塾の予習をし始めた。
「『竜牙』。ちょっといい?」
「なんだよ。母さん。今、勉強してるんだけど。手短にな。」
「ほんっとにあんた変わったわね。そんなに勉強好き?」
「まあ学校のくだらんヤツらといるよりは楽しいな。」
「あんたがそんな風になってしまったのは、『愛』ちゃんたちの事件が原因なの?それともクマの『まこ』ちゃんたちが原因?」
「(ん~。めんどくさい質問だな。)きっかけで言えば、そうかもな。『愛』や『まこ』。あいつらのおかげで俺は目標ができた。後悔もしてねーぜ。もし、母さんが俺のことを心配してるんだったら、本当に大丈夫だぜ。今の俺は、12年間生きてきた中で一番好きな俺なんだから。」
「そう。何か安心したわ。やっぱり子どもは成長するの早いのね。あんたかっこいいわ。たぶん今のあんた見たら『愛』ちゃん惚れ直すわよ。」
「あいつは俺のことそんな目で見てなかっただろ。いつも俺のこと馬鹿にしてきやがったし。」
「あらやだ。あんたが女心をまるでわかっていないことが判明して、母さん悲しいわ。しっかりしてよ。お兄ちゃん。」
「さっきから小馬鹿にするような『お兄ちゃん』って何だよ!!」
「ホントに鈍いわね。やっぱり『愛』ちゃんは幻滅するわね。あんたに妹ができるのよ。てか母さんのお腹みて気がつかないの?」
「マジかよ!!てか何で今頃!!俺が妹欲しかったのは、幼稚園のときとか小学校1、2年のときだったのに遅くねーか!!」
「仕方ないでしょ!!父さん。出張ばっかり行ってたし。離婚しようと思ったときもあったわ。あっ。もうこんなこと言わせないで!!そういうわけでこれからもよろしくね。『竜牙』お兄ちゃん。あっ。母さんゴミ出しがあったんだわ。」
友達のトカゲがいなくなった「竜牙」にとって悪い話ではなかった。「何で今頃」と愚痴を言いながらも嬉しかったのだ。かわいい赤ちゃんだったらいいな。名前は俺が考えていいのかな?と期待を胸に学校に向かった。
「竜牙」にとって母親との最期の会話になった。母親に「エナジー」のことを話せなかったが、本音で話し合うことができて、良い親子関係になれた。
そして舞台は地獄の学校へ。地球での最後の戦いが始まる。
次回。 第91エナジー 「地獄絵図」
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