エナジークエスト

第２０エナジー 「成長」

「串刺しにしてやる！！『ホーンエナジーショット』（ツノの連続攻撃）」


トリケラトプスの「ストーン」のツノの嵐が「良太」に襲いかかる。


「良太」は冷静な表情で顔色一つ変えずに、エナジーで体ごと覆えるほどの大きな盾を具現化した。


「『エナジービッグシールド』（エナジーで創り上げた大きな盾）！！」


「良太」の盾はツノの攻撃を全弾まともに受けた。ツノは弾かれたと思いきや、なんと全て盾の中に吸収されてしまっていた。


「おまえ！！オレのツノたちを全て吸収したのか！？」


「俺はエナジーを物質化するのが得意だから、エナジーで物質攻撃されたらだいたいその成分が理解できてしまい、簡単に吸収できるな。それよりよそ見すんなよ。さっき俺が投げた斧がお前に向かっているぞ。」


小さな斧が「ストーン」に直撃する！！


ガキーン！！


「ストーン」の頭から生えてる立派なツノで弾かれてしまった。


「はっはっはっ。こんな脆弱な攻撃、オレには効かん。エナジーも大して込められていない。」


「おい。二本目も向かっているぞ！！」


「効かんっと言ってるだろ！！あっ。」


ザクッ！！


「ストーン」のツノは綺麗に「良太」の斧に切られてしまった。


「えっ一本目の斧は簡単に弾いたのになぜだ？」


「盾の時と同じことをしただけだぜ。一本目の斧でツノを攻撃したときに、ツノ周辺のエナジーを吸収したんだ。だからエナジーの防御が弱くなって、二本目の斧に少し多めにエナジーを纏わせといたから見事に切れたということだ。ちゃんと観察してたらわかったはずだぜ。恐竜さん。」


「良太」「ストーン」のツノを拾い、「ディノヒューマン」の方へ掲げた。


「勝者『良太』！！二回戦進出です。」


「次は私の番ね。緊張するわ。」


「愛」と対戦相手のプテラノドンの「ウイング」が闘技場の舞台に上がる。


闘技場の上に舞うプテラノドンが試合開始合図をする。


「クエェエ～！！」


「愛」は「ウイング」から少し後ろに退き、距離を取る。


「小娘。俺が恐いのか？空で闘おう。地球人が空を飛ぶイメージがないんでな。」


「いいわよ。お望みであれば。」


「愛」は「ウイング」の要望通り、空に舞った。


「空中戦。楽しみだな～。俺はエナジーで属性を操り、攻撃するのが得意だ。お前は？」


「バカね。敵に自分の技の秘密をしゃべるわけないでしょ。バカの『竜牙』じゃあるまいし。守れ。『スリーエナジーボール』（三つのエナジー状でできた丸い玉）」


三つのエナジーボールは、「愛」の体を守るように「愛」の体にまとわりついている。


「ふん。その玉で防御や攻撃を行うんだな。まあ防いでみろ。『エナジーストロング・ウイング』（エナジーで創り出した強風）」


闘技場の舞台全体に強風を巻き起こし、「愛」を身動き取れないようにする。


「くっ。これじゃあ動けない。」


「俺の風の前では、お前の体にまとわりついている玉たちも意味なかったな。」


その瞬間、「愛」はニヤリと笑った。


「お前の体にあった。玉はどこにやった？」


「あなたの体に付いてるじゃない？気付かなかった？鳥さん。」


「ウイング」の羽に玉が三つ付いていた。


「お前は俺の風を受けていたはず、いつの間に！？」


「私。修行で身につけちゃったの。私の視界に入る限りの部分空間移動を。あなたが風の攻撃を仕掛けた瞬間、空間移動させ、私の『エナジーボール』をあなたにプレゼントしたってわけ。さて、このままどう料理しようかな？」


「このクソ女！！『エナジーウイング・ナイフ』（エナジーで創り出した風の刃）」


「ウイング」は風の刃を放ち、「愛」の頬をかすめる。


「あっ。私の頬に血が。バカ『竜牙』も。あんたも。女の子に手を出すなんてサイテー過ぎ！！後悔なさい。『サンダー・エナジーボール』（電撃攻撃）」


「ウイング」の羽から付いているエナジーボールの一つから強力な電撃攻撃が繰り出される。


「ギャアアア。」


「あら。まだ意識あるの？じゃあ次は『ファイアー・エナジーボール』（炎攻撃）」


もう一つのエナジーボールから炎熱攻撃が繰り出された。


「アチィィィィ！！」


「わかったわ。もう最後よ。『ブリザード・エナジーボール』（氷攻撃）」


最後のエナジーボールで「ウイング」を氷漬けにした。「ウイング」は意識を失ったのか、飛ぶことができなくなり、そのまま地面へと落下した。


「ねぇ。『ディノヒューマン』さん。相手は戦闘不能なんだけど、私の勝ちでいいの？」


「問題ありません。勝者『愛』！！『ウイング』は生きてますか？死んでたらどうしようもありませんが、生きてたら私のところに来なさい。」


こうして、三ヶ月間の「良太」「愛」のエナジーの成長は言うまでもなかった。


だが、恐竜星での闘いは地球人が簡単に勝てる闘いではなかった。


次回。　　第２１エナジー　　「充電」