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第9章
午後1時25分 (関東テレビ)
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放送中の「TOKYOお昼ですよ!」でMCを務める矢代の手元に至急扱いのニュース原稿が届けられた。
「今、政府から国民に向けた緊急の記者会見が午後3時より首相官邸で行われるとのニュースが飛び込んできました。」
番組の進行中であった 矢代には太陽フレアの話題やニュースの詳細情報はまだ届けられておらず、その情報に触れた時の矢代の表情は驚きの表情を浮かべた。
「やはり、今日の都内の交通大渋滞が影響しているニュースでしょうか? 松井ちゃん、なにかこの緊急記者会見の情報が入っていますか。」
矢代は 別の原稿を受け取り読んでいるアシスタントの松井に声をかけた。
「今 報道局からいただいた情報ですと3時からの緊急記者会見は 太陽で今日の昼前に発生した『太陽フレア』という現象に関係があるようです。政府では午後12時40分からこの太陽フレアの発生に対して 緊急閣議と防災会議が招集されたようです。」
「閣議の状況はまだ伝わってきておりませんが、午後3時からの緊急記者会見はこの影響についての事だそうです。」
松井は手元に寄せられた走り書きのニュース原稿を読みながら 矢代の問いかけに応えるように話した。そして 矢代のもとにもう一枚の用紙が届けられ、そこには (「TOKYOお昼ですよ!」は緊急的に延長します。)という文字が書き込まれていた。
「突然、飛び込んで来たニュースですが、この『TOKYOお昼ですよ!』の番組をこのまま特別延長することとなりました。私にもまだ この太陽フレアという事態がどのような物なのか詳しい内容がわからないのですが、ちょっと大きなニュースとなりそうです。一旦ここでCMを入れさせていただきます。」
矢代はインカムで番組デレクターの堀内からの情報指示を耳にしながら、番組の進行をするのがやっとだった。 堀内からは1時35分から特番扱いで番組を進行するため、コメンテーターとして科学部の太田部長に急遽ゲスト席に入ってもらうことが伝えられた。また 報道局の木村も報道特番のコメンテーター席に着くことが伝えられ、MCの矢代とアシスタントの松井には このまま番組の進行係として番組を作っていく様にとの指示が入った。
番組の繋ぎのCMは5分ほどに延長され、矢代は番組プロデューサーの山田から、太陽フレアについての簡単なレクチャーを得ようとしたが、山田の説明も今一つ容量を得ないもので、矢代としては釈然としない中で番組の進行をしていかねばならなかった。
CMの放送中に スタジオのセットが整えられ、ゲストコメンテーターとして太田と木村がスタジオに置かれた半円型テーブルの片隅に位置した。午後1時35分を迎え あらためてキューサインがかかると いつもの和気あいあいとした「TOKYOお昼ですよ!」とは違う雰囲気が漂い始め、その番組の性格が伝わるような状況に変わった。
「時間は午後1時35分になりました。突然ですが、『TOKYOお昼ですよ!』の放送時間を延長して、ここからは特別報道番組の形で放送して行きます。」
いつもは立ってフレンドリーな形で番組を進行する矢代のスタイルを変えて、MCの矢代が半円形の大テーブルの中央に位置して座り、横にアシスタントの松井、そして向かって右側には報道局部長の木村と科学部の太田がコメンテータ解説席に座って番組を進行するという形での特別番組が始まった。
ゲスト出演者の男性芸人が左側の席に座る中で一般人としての疑問や感想を率直に話してもらうスタイルで番組が進行をしていくこととなった。
「この番組は 今日の午前10時20分に太陽で発生した『太陽フレア』と呼ばれる巨大な太陽嵐による地球での災害発生への懸念から 『どのような災害がもたらされる可能性があるのか?』 という観点から その対応の仕方と心構えを国民の皆様にお伝えしながら進めて行きたいと思います。」
「午後3時には、政府から国民に向けての緊急の記者会見が開かれることとなったと聞いておりますので、番組として可能な限りの情報を入手しながらこの事態を考えていきたいと思います。」
「関東テレビとしましては総力を挙げて わかりやすく解説をしていきたいと考えております。」
「今回の『太陽フレア』と言う現象の問題に対しまして 関東テレビ科学部の太田と 報道局の木村にコメンテータに入ってもらい、これから政府発表の行われます午後3時まで 番組を進めていきたいと思います。」
矢代はこれまでの番組進行とは大きく雰囲気を変えて、この特別番組の意味合いを視聴者に説明する中で、3時までの時間をつなぐことを決意した。
「さて 木村さん 私は知識不足で まだこの太陽フレアというものが全く解っていないのですが、これから何が起きるというのでしょうか? 政府では閣議と緊急の防災会議が開かれているとのことですが、太陽フレアによる災害というのはどのような物なのでしょうか? 情報を整理して、できるだけわかりやすく説明していただけませんでしょうか?」
矢代から質問を振られ 木村が太田と共に番組の主導権を取るように太陽フレアについての解説を始めた。
「このテレビをご覧の皆さんにとりましても、『太陽フレア』、『太陽嵐』と聞かれましても、おそらく多くの人は何のことだかピンとこないものと思います。 今日、この太陽で起こった出来事が私たちの生活に何をもたらす災害なのかを教えていただきたいとおもいます。」
「政府では 今日の午後3時から国民に向けた緊急記者会見が開かれるとの情報が入ってきましたが、その前に少しでもテレビの前の皆さんに、この『太陽フレア』の及ぼす現象、あるいはこれから起こりうる災害の可能性につきまして一緒に勉強していきます。」
「今、政府から国民に向けた緊急の記者会見が午後3時より首相官邸で行われるとのニュースが飛び込んできました。」
番組の進行中であった 矢代には太陽フレアの話題やニュースの詳細情報はまだ届けられておらず、その情報に触れた時の矢代の表情は驚きの表情を浮かべた。
「やはり、今日の都内の交通大渋滞が影響しているニュースでしょうか? 松井ちゃん、なにかこの緊急記者会見の情報が入っていますか。」
矢代は 別の原稿を受け取り読んでいるアシスタントの松井に声をかけた。
「今 報道局からいただいた情報ですと3時からの緊急記者会見は 太陽で今日の昼前に発生した『太陽フレア』という現象に関係があるようです。政府では午後12時40分からこの太陽フレアの発生に対して 緊急閣議と防災会議が招集されたようです。」
「閣議の状況はまだ伝わってきておりませんが、午後3時からの緊急記者会見はこの影響についての事だそうです。」
松井は手元に寄せられた走り書きのニュース原稿を読みながら 矢代の問いかけに応えるように話した。そして 矢代のもとにもう一枚の用紙が届けられ、そこには (「TOKYOお昼ですよ!」は緊急的に延長します。)という文字が書き込まれていた。
「突然、飛び込んで来たニュースですが、この『TOKYOお昼ですよ!』の番組をこのまま特別延長することとなりました。私にもまだ この太陽フレアという事態がどのような物なのか詳しい内容がわからないのですが、ちょっと大きなニュースとなりそうです。一旦ここでCMを入れさせていただきます。」
矢代はインカムで番組デレクターの堀内からの情報指示を耳にしながら、番組の進行をするのがやっとだった。 堀内からは1時35分から特番扱いで番組を進行するため、コメンテーターとして科学部の太田部長に急遽ゲスト席に入ってもらうことが伝えられた。また 報道局の木村も報道特番のコメンテーター席に着くことが伝えられ、MCの矢代とアシスタントの松井には このまま番組の進行係として番組を作っていく様にとの指示が入った。
番組の繋ぎのCMは5分ほどに延長され、矢代は番組プロデューサーの山田から、太陽フレアについての簡単なレクチャーを得ようとしたが、山田の説明も今一つ容量を得ないもので、矢代としては釈然としない中で番組の進行をしていかねばならなかった。
CMの放送中に スタジオのセットが整えられ、ゲストコメンテーターとして太田と木村がスタジオに置かれた半円型テーブルの片隅に位置した。午後1時35分を迎え あらためてキューサインがかかると いつもの和気あいあいとした「TOKYOお昼ですよ!」とは違う雰囲気が漂い始め、その番組の性格が伝わるような状況に変わった。
「時間は午後1時35分になりました。突然ですが、『TOKYOお昼ですよ!』の放送時間を延長して、ここからは特別報道番組の形で放送して行きます。」
いつもは立ってフレンドリーな形で番組を進行する矢代のスタイルを変えて、MCの矢代が半円形の大テーブルの中央に位置して座り、横にアシスタントの松井、そして向かって右側には報道局部長の木村と科学部の太田がコメンテータ解説席に座って番組を進行するという形での特別番組が始まった。
ゲスト出演者の男性芸人が左側の席に座る中で一般人としての疑問や感想を率直に話してもらうスタイルで番組が進行をしていくこととなった。
「この番組は 今日の午前10時20分に太陽で発生した『太陽フレア』と呼ばれる巨大な太陽嵐による地球での災害発生への懸念から 『どのような災害がもたらされる可能性があるのか?』 という観点から その対応の仕方と心構えを国民の皆様にお伝えしながら進めて行きたいと思います。」
「午後3時には、政府から国民に向けての緊急の記者会見が開かれることとなったと聞いておりますので、番組として可能な限りの情報を入手しながらこの事態を考えていきたいと思います。」
「関東テレビとしましては総力を挙げて わかりやすく解説をしていきたいと考えております。」
「今回の『太陽フレア』と言う現象の問題に対しまして 関東テレビ科学部の太田と 報道局の木村にコメンテータに入ってもらい、これから政府発表の行われます午後3時まで 番組を進めていきたいと思います。」
矢代はこれまでの番組進行とは大きく雰囲気を変えて、この特別番組の意味合いを視聴者に説明する中で、3時までの時間をつなぐことを決意した。
「さて 木村さん 私は知識不足で まだこの太陽フレアというものが全く解っていないのですが、これから何が起きるというのでしょうか? 政府では閣議と緊急の防災会議が開かれているとのことですが、太陽フレアによる災害というのはどのような物なのでしょうか? 情報を整理して、できるだけわかりやすく説明していただけませんでしょうか?」
矢代から質問を振られ 木村が太田と共に番組の主導権を取るように太陽フレアについての解説を始めた。
「このテレビをご覧の皆さんにとりましても、『太陽フレア』、『太陽嵐』と聞かれましても、おそらく多くの人は何のことだかピンとこないものと思います。 今日、この太陽で起こった出来事が私たちの生活に何をもたらす災害なのかを教えていただきたいとおもいます。」
「政府では 今日の午後3時から国民に向けた緊急記者会見が開かれるとの情報が入ってきましたが、その前に少しでもテレビの前の皆さんに、この『太陽フレア』の及ぼす現象、あるいはこれから起こりうる災害の可能性につきまして一緒に勉強していきます。」
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