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23.決着

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木曜日、さちこは菓子を食べ、
金曜日の夜中からこのモヤモヤを解消するため書き始めた。
マッチングアプリのメッセージやラインのやり取りを振り返りながら、
楽しかった思い出、ときめいていた頃のこと、
ちょっと?と思ったことなど色々振返っていた。

最後のラインを読み返すと、
そこまで意地をはる必要があるのかとも思える。

顔がタイプというだけで、
もうこれ以上タイプの顔とは会えないかもしれない、
とまでは思わないが、
もう少し頑張ってみてもいいのではないか、とも思ったりもする。

しかし、過去引きずった恋の相手と同じパターンになるのではないか、
あんなつらい恋は二度としたくないという怖さもある。

幸い、セックスする相手は他にもいるし、
今は自分カレシと向き合うタイミングではないのか、
と考えたりもする。

書き始めたころは、久々の執筆意欲が湧き上がり、
彼のことを散々ディスってやろうといきまいていたが、
いざ振り返りながら書いていると
結局まだ彼のことが好きなんだなとわかった。

既読スルーされてから6日目、週が明けた。
もちろん音沙汰はなかった。

でもこのまま待つより、はっきりさせたかった。

「生きてる~?笑」
「一応生きてるけど、仕事が忙しくて死んだも同然。笑」
「お土産買ってきたんだけど、今週末会える?」
「ありがとう。今週は厳しいかな。ごめん。」
「そっか、わかった。お仕事頑張ってね。」
「ごめんね。いろいろ上司がうるさいから、今たいへん。
ありがとうね。仕事頑張ります!」
(上司?上司が何に対してうるさいの?
県外移動した人との濃厚接触にうるさいのか?
婚外恋愛にうるさいのか?
仕事が忙しいからに病気にかかるな。なのか?)

いろいろ疑問の余地はあったが、深く追求することは避けた。
とりあえず、理由が何であれ、
彼は今私に会いたくないことがはっきりしたのである。

それ以上でもそれ以下でもない。これ以上考えるのはやめた。

それからどちらからも連絡を取り合うことなく9日が経った。
以前の既読スルーよりはモヤモヤはなくなっていた。

しかし自分カレシと自分カノジョの対話を毎日繰り返し、
どんな恋愛を自分は望んでいるのか、自問自答し続けた。

月が替わっても向こうからの連絡はなく、
こちらから連絡しない限りはもう会うことは絶望的なのではないかと思えてきた。
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