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7話 オイルも技術も足りないマッサージ

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さちこがシャワーから出ると
彼は自前の癒し系の音楽をスマホから流し、
バスタオルをベッドの上に敷いていた。

「じゃあまずはマッサージからね。」
「はい。お願いします。」
「性感じゃなくて普通のマッサージだから。」
「え?そうなの?」

(なんかここに来て騙された感じ。)

「じゃあここにうつ伏せに寝て。」
「はい。」

彼はさちこのバスローブの紐を解いた。

うつ伏せに寝転んださちこのバスローブを取り払った。
彼はオイルを手に取って
太ももから脹脛を揉みほぐしていった。



(素っ裸になっているのに全然緊張しないなあ。
皮膚科でパンツ脱いでお尻のザラザラ相談した時の方が
断然濡れてるんだけど。。。)

「この音楽ってここのホテルの?それとも自前?」
「自前。」
「へえ。本格的だねえ。笑」
「うん。」
「誰に教えてもらったの?」
「ハプバーで出会った元ソープで働いてた人。」
「へえ。女性から教えてもらったんだ。」
「うん。男性に教えてもらうのは嫌でしょ?」
「まあ、そうかなあ。。。じゃあ女性目線で
気持ちいいポイントを教えてもらったんだ?」
「うん。」
「じゃあみんなそれで白目剥くわけだ?笑」
「それはない。笑
それはAVの見過ぎでしょ?笑
そんな人見たことないよ。笑」
「でもさ、
気持ち良すぎて意識なくなる人っているじゃん?
究極に気持ちいいとそうなるのかなと思って
そんなの味わってみたいわ。」
「まあ、これはマッサージだから。
感度を高めるって目的で
これでいかすわけではないから。」
「そうなんだ。」

(AVではそのまま手マンで
みんないっちゃってるけどなあ。
それ期待してたのに。。。)

「じゃあ仰向けになって。」
「はい。」

さちこは恥じらいもドキドキもなく仰向けになった。

彼は無言でマッサージを続ける。

「大きな手だね。」
「そう?」

(感度を高めるんだったら肌とか身体とか
褒めた方が良くねえか?)

彼の手つきも全くやらしさを感じなかった。
むしろ普通の整体マッサージで
おじさんに「そんなつもりじゃなかったのに」
でされる方が何倍も興奮するのかもしれない。

さちこはこの超イケメンに
身体を隅々見られても触られても
一滴も漏れることはなかった。

乳輪を少しソワソワ触られて気持ちよくなりかけたが
彼の指はそれ以上アグレッシブに動くことはなく
意気消沈した。

「じゃあもっかいうつ伏せになって。」
「はい。」

彼は同じようにさちこの身体を撫で回していた。
やがて彼はさちこの脚を広げて
際どいところまでオイルを塗るが
そのオイルの量が少なくてカサカサする感じだった。

(なんだ?オイルケチってるのか?
いちいち公務員だとそう思ってしまうんだよな。笑)

「もっとぬるぬるにされるのかと思ってた。」
「これ以上ぬるぬるにすると大変なことになるから。」
「そうなの?」

(もっとぬるぬるじゃないと興奮できねえよ。
オイルケチってんのかと思っちゃうから。笑)

「お尻を突き出す感じにできる?」
「こう?」
「そう。で膝立てて。」
「こう?」
「うん、で、脚広げて。」

ほぼ四つん這いになったさちこの後ろから
彼が手を滑り込ませた。
股間から腹部を手の甲で行ったり来たり
往復させているが
さちこは濡れていないし、
オイルは塗ってるか塗ってないかの量で
ぬるぬるしていないし、
彼の手の甲は微妙に栗にも触れていないし、
何が気持ちいいんだかよくわからなかった。

「それってさあ、男の人にやる鉄板の技なんでしょ?
さすがソープの人に教わった技だね。」
「そうなの?」
「こないだ友達からちょうど聞いたの。
友達の友達が旦那に内緒でソープで働いてて
その技をうっかり旦那にして
めっちゃ怒られたって話。笑」
「ウケる。」

きっとこんなことをされながら一切喘ぐことなく
淡々とこんな話をしている女は
今までいなかったかもしれない。

彼はどうやら
マッサージでさちこの気分を盛り上げることを
放棄したようだった。
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