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16話 おナニーのおかず

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店を出て駅に向かった。
人通りは疎らであったが、
それゆえにこんなとこで前回のようなキスをされたくなかった。

「じゃあ今日はそっちの方行ってキスしようか。」
「キスするの?」
「こないだ予告したでしょ?」
「うん。じゃああっちの方行こう。」

駅を通り過ぎて駅の脇道に入った。

「この辺だと大丈夫じゃない?」
「そだね。」

彼はにんまり微笑んでさちこに抱きついた。
その後こないだよりもさらに激しいキスを仕掛けてきた。
さちこはその激しい息づかいに少し気分が盛り上がりそうになったものの
やはり歯茎を舌でブラッシングされる気色悪さには慣れなかった。

彼はキスしながらさちこの腰や尻をそれとなく触っていた。
かなり長い時間キスしていたが、さちこは全くムラムラすることはなかった。

駅の改札口に戻り別れた。
今日も相変わらずそそくさと帰って行く彼の姿に
こういう人は無理だなと確信を覚えるようになった。

そんなさちこの気持ちをツユ知らず、彼のさちこへの想いは募るようであった。


そんな中、プロフィールの写真を変えてから3日が経った。

「あれからどう??いいね増えてる??」
「こんばんは!うん絶好調!笑」
「やはり。」
「そっちはどう?」
「食えた??」
「目ぼしいのおらんからスルーしてる。」
「1日、2日で食えるわけないか。」
「そやで。たまにそういう積極的に誘ってくる人おったけど怖くて会わんわ。」
「臆病やね。」
「まさにヤリモク全開には興味ないし。まともだから。」
「自分ヤリモクやん。」
「は?失敬だな。」
「は?失敬か。」
「私がヤリマンなら、えなり君完全に食われとるよ。」
「だって快楽求めるって。ヤリマンは下品。良くない。」
「ヤリマンもヤリモクも一緒やで。笑」
「そーか。」
「快楽は求めるけど、単純な性欲だけを満たすわけじゃないからね。」
「難しいね。」
「私は大人よ。」
「幼児なのに。」
「好奇心は5歳児かもしれんけど、乙女な部分もあるのよ。」
「出た!?乙女!?まだいいますか。先輩。」
「今日はえらい突っ込むねえ。」
「ふふふ。」
「また酔うてるやろ?」
「いやー。眠い。もう寝る。」
「呑み過ぎたらインポになるで。」
「絶対なりません。お元気なので。」
「ちゃんとお水いっぱい飲んで寝ーや。」
「こないだ2日酔いでグロッキーやったわ。」
「いいねがどれだけ増えたかですよ。」
「あー、数数えてない。」
「そもそもこれも上げといて。」

彼は先日隠し撮りした別の写真を送ってきた。

「消して。」
「うまく加工しないと手がでかい。遠近法。」
「ほんまや。手のでかい女に見えるね。笑 
しかも新しいバージョン増えてるし。」
「新しいのちょうだい。」
「嫌だ。隠し撮りする奴にはやらん。」
「つまらん人や~。」
「そういや1回目にアプリで会った人に撮られてたかもしれん。
そんなスマホ持ってたら隠し撮りし放題やね。」
「せんわ!!!!」
「おぬし、悪よのう~。」
「これ見てトイレ行きますわ。」
「どれ見て?」
「わからんヤツには教えぬ。」
「こないだの写真?」
「ふふふ。お代官様も、、、じゃね。寝るわ。」
「うん。おやすみ。」
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