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13話 最後の詰めが甘い男

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「えっちゃん、何線で帰るの?」
「〇〇線。ここどこだろ?」
「あ、〇〇線だったら
ここ真っ直ぐ行ったらすぐそこに地下に降りる階段あるから
そこ降りたらたどり着けるよ。」
「そーなの?どこ?」
「ほらそこ。あの看板のとこ。」
「ふーん。」

(っていうか、すぐそこなら、そこまで送ってくれないの?
まあ仕事があるから仕方ないか。)

交差点の信号で立ち止まると彼は反対側の道路に渡ろうとした。

「俺行きたい店があってもうすぐ閉まるから行くわ。じゃあね。」
「そーなの?う、ん。。。わかった。バイバイ。」

青信号が点滅しかけると彼は手を振りながら小走りに去っていった。

さちこは少しがっかりした。

(行きたい店?仕事じゃないんかいっ!
<すぐそこにある階段>、確かに30mもしなかったわ。
次の信号まで待てないなんて、なんだかな。)

そう思いながら地下の通路を歩いて駅に向かっていると
すぐにラインがきた。

「すごい楽しかった!今日はありがとう!」

なんかモヤっとしたのでスマホカバーをパタっと閉じた。
しばらく放置して、駅のホームに着いてから電車を待つ間に返信した。

「こちらこそありがとう。」
「早くまたデートしようね。」

キスの絵文字と共に送られてきた。

「うん!
今度はちゃんと見送って欲しいな。笑」
「あ、はい。僕のダメなところだな。」
「剥けてるオゴリだね。笑」
「反省。今度はちゃんと見送ります!」
「手も繋ぎたかったな。嫌ならいいけど。」
「嫌じゃない。」
「デニーロがしたくなったらでいいよ。」
「とにかく楽しかったもん!」
「そだね。私も~!」

そこでラインが途切れた。
既読スルーだったので、少々言いすぎたかと反省し、
その晩、寝る前にラインした。

「今日はありがとう。デニーロの笑顔思い出しながら寝るわ。
お勉強頑張ってね!おやすみなさーい。」

そのまま返信はなかった。


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