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9.ご対面

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いよいよ初対面の日、15分前には着くように出かけた。

待ち合わせ場所には着いたが指定された目印の場所の反対側にいたので、
どこかわからなかった。

彼にラインをした。
それらしき人物を発見したが、
想像してたより巨体な体にテンションは一気に下がった。

(まさか、あれじゃないか?やっぱデブじゃん!
あれじゃないと言ってくれ~~~)

一応ほかにめぼしき人物がいないか、
わからないふりをして期待を込めて再度メッセージを送って反応をみるが、
やはりその巨体が反応した。

しかたなく彼に近づいた。
お互いマスクをしているものの顔への期待よりすでにスタイルの幻滅が大きく、
もう立ち直れなかった。

お店まで歩きながら世間話をした。

彼がどうして今まで未婚なのか、ずっと親と同居しているのか、
長男はどうなのか、その辺の話にそれとなくつなげると
正直には答えてくれていたが逆に私が結婚願望の強い女で
そういうことを気にしてるかのようにとらえられたのか、
少し言いたくなさそうだったので、深くは追及しなかった。

彼が手に持っている小さな紙袋が気になった。
(もしや私へのプレゼントか?まさかな。。。)
と思った瞬間、
お店のビルに入りエスカレーターに乗ると
振り向きざまにその紙袋を手渡された。

「はい、これどうぞ。」
「え?私に?」
「うん。」
「え?嬉しい。ありがとう。なんで?」
「今日会ってくれたから。」
「えーそうなの!わざわざ仕事帰りに買ってきてくれたの~?ありがとう。」
「今日死んだおやじの誕生日なんだ。だから店に寄ったんだけど。」
「え、じゃあこれお母さんに渡してあげたら?
しかもそんな大事な日、
今日はお母さんと一緒にいてあげた方が良かったんじゃない?
知らなくてごめんね。せめてこれお母さんに持って帰ってあげたら?」
「いいのいいの。これはあなたへのプレゼントだから。」
「そうなの?じゃあ、いただくね。ありがとう。」

お店につくと、やはり先月飯友と食事したビルと同じビルだった。
店の階数が上がったことで自分もランクアップした気がして少しうれしかった。

お店に入るとクリスマス直前ということもあり客はほぼカップルであった。
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