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最終話 カフェで「じゃあパンツ脱いできて」という男

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「じゃあパンツ脱いできて。」
「は?」
「今からそこでパンツ脱いできて。」

(それ、この前も自称変態男から言われたわ。
決まり文句なのかね。
そんなんではいはいって脱ぐ女いるのかね。)

「生理中だから無理。」


さちこは真顔で答えた。


「あ、そうなの?」

(えらいあっさり納得するんだな。)

「うん。っていうか生理じゃなくても脱がないし。
そういうの好きなの?」
「パンツ脱がして口に突っ込むのが好き。」
「え!相手の口に入れるの?」
「うん。」
「私それは嫌だな。
嫌がる顔見るのとか好きなの?」
「本気で嫌がってるのじゃなくて、
いや~ん、だめ~みたいな顔は好き。」
「ほーなるほど。それは内心喜んでるやつね。
自分の脱いだパンツ
口に入れられて喜ぶ女いるのかな」
「どMじゃないと喜ばないと思う。」
「そうだね。」

彼は先ほどから何度も胸ポケットのスマホを取り出し、
チラチラ見てはメッセージを送ってるようだった。

「あ、さっきから妻がめっちゃラインしてくる。」
「じゃあ早く帰らなきゃ。待ってはるよ。」
「はい。すいません。」
「いえいえ。」

1時間ほど話して店を出た。

「ここまで何分かかりました?」
「40分くらいかな。」
「え!そんなに?すみません、遠いところ。」
「いや、電車だけだと30分くらいかな。」
「じゃあ今度はゆっくり会える時に計画して会いましょう。」
「そうだね。」
「じゃあ。」
「うん、ありがとう。」

彼は最初に会った場所までついて来て見送ってくれた。

さちこは家に着いてからラインした。

「今日はありがとう。ご馳走様でした。
言われた通り最後尾の車両に乗って無事帰りました~
おやすみなさーい。」

既読になったが返信はなかった。
彼のどM女探しの旅は続くのであろう。。。


若き変態君!
年増の女と楽しくお話ししてくれてありがとう!
君に幸あれ!
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