上 下
15 / 22

14話『二度目の転職』

しおりを挟む
「で、弟子ですか!?」

弟子にならないかと聞いたら驚かれた、まぁ会ってまもない奴にいきなり弟子にならないか、って言われたらそりゃあ驚くわ、

「うん!弟子弟子、ほら、レンはこのゲーム始めたばっかだし、何より面白そうだから」

俺は何で弟子にならないか聞いた理由を説明する。

「面白そうですか?」

レンが疑問に思った事を口にした。

「ああ、レンがゴブリンと戦ってたのを見てたからな」

レンは俺がレン達が戦っていたのを見ていた事をカミングアウトすると驚いたようで

「見てたんですか!?」

って言ってきた。

「うん!レンたちがログインした時から、発売から1ヶ月も経ってるのに初期装備だったからな、面白そうだからバレないように見てたんだ」

「そうだったんですか…全然気付かなかった」

「それで、レンの戦闘を見てて目が良いな~って思ったんだよ」

「目が良い、ですか?」

「うん、レンはゴブリンと戦ってる時、ゴブリンの攻撃がどう見えた?」

「えっと、ゴブリンが何処を攻撃しようとしていたかは分かったのでリーチを考えて無駄な動きをしないように意識しましたけど」

話を聞くとやっぱり俺が予想していた位、ゴブリンの攻撃が見えていたみたいだ、やっぱり攻撃を紙一重で避けるならそれぐらいはできるよな

「そう、それだよ、慣れたり、ステータスが上がると別だけど、最初の内はモンスターのリーチがわからないから攻撃を避ける時は大きく避けて、隙ができたりするんだよね」

「だから、ゴブリンの攻撃を紙一重で避けてたからね、それで、絶対に損はさせないけど、弟子にならない?」

目が良いのはアドバンテージだ、敵の攻撃が分かれば対処が出来るし、カウンターも決めやすい。
動体視力の良さはレベルが上がってステータスが高くなると良くなるが、最初から動体視力が良いと強い武器を使って格上モンスターと戦えば経験値効率も良くレベリングができる。

レンに聞くとレンは少し考えて

「1つ質問しても良いですか?」

「良いよ、何でも聞いて」

「じゃあ、俺を弟子にしたい理由を教えて下さい」

(へぇ~その質問をするのか) 

最初に答えた理由じゃない方の理由が聞きたいみたいだな…よし、ちょっと試してみるか

「最初に言った通りにこの時期に初心者だから、て言うのと面白そうだからだけど?」

「いや、確かにそれもあると思うけどそうじゃなくて、俺に言ってない理由がありますよね」

「う~ん、本当の理由ね~、ほっとけないから、かな」

俺がレンを弟子にしたい理由は初心者だからというのが1割、面白そうと言うのが3割、それと知り合いに似ているというのが6割だ。

「ほっとけないから?」

「うん、前に同じ表情をしていたひとと知り合ってね」

「それで、その人は」

「その人はね、周りにいる人を頼らないで自分がなんとかしなきゃって悩んでたんだ、だから、レンも何か悩んでたら周りの人を頼っても良いと思うんだ。
まぁ俺はレンが何を悩んでるかはわからないけど、何か力になりたいから、俺に出来ること、つまりこのゲームで強くなる手伝いをしたいんだ」

「そう、だったんですか…ユウヤさん!1つ話を聞いて貰えますか?」

レンから話を聞いた。
父親が居ないこと、お母さんが今体調を崩しがちなこと、それでユイちゃんとこのゲームでお金を稼ごうとしていることを

「ユウヤさん、俺を貴方の弟子にしてください!」

レンが真っ直ぐ俺の目を見ながら言う。
うん、いい顔になった。

「もちろん!此方の方こそヨロシクな」



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

現代ダンジョンで成り上がり!

カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる! 現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。 舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。 四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...