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恋人編

可愛い

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「アツキ今日は何してたんだ?」
着替え終わり、普段モードになったレンが聞いてくる。
「うん?食材がどんなものなのか見てただけだ。そういうレンは何してたんだ?」
「んー?仕事。」
「まあ、だろうな。レンの仕事って何するんだ?」
「いろいろあるぞ!まあ街の人とかと比べたら別ものになるが」
「ふーん、例えば?」
さっきから仕事内容を聞いているつもりなのに一向に答えが返ってこない。
「接待とか、王になるための準備とかだな。」
たまに忘れかけるが、こいつは王子なんだった。
「急にどうしたんだ?俺の仕事なんか聞いて」
「なんとなく気になっただけだ。」
「なんかアツキが俺に興味持ってくれて嬉しいな!」
「は?どんだけポジティブシンキングなんだよ」
楽しい、と思う。
笑い声こそ出さないものの、自然と笑えているのがわかる。
いままでこんなことはなかった。話せる人がいなかったから当然だが。だからこそこうやってどうでもいいことで笑えることはしあわせなんだと実感できる。
「アツキー?」
かんがえことをしているとレンが俺の名前を呼んでいた。
「ああ悪い、考え事をしていた。」
「んふ、アツキ好き」
意味がわからない。脈絡なさすぎだろ。
「アツキは?」
「あのな、俺はお前と違ってぽんぽん言わないんだよ。」
「そんなことないぞ、全部本気だ」
ふは、と笑いながらいうレンが何故だか可愛く見えた。こんなこと絶対本人には言ってやらないが。
「アツキ、キスしていい?」
「は…?」
「アツキ可愛すぎて我慢できない」
いつもは天真爛漫、が似合いそうな瞳なのに今は色っぽい色がかかっていて、心臓が跳ねる。
そっと目を閉じると、少しして唇に暖かくて甘いものが当たった。
その甘さは街で食べたどんなお菓子よりも甘かった。
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