25 / 26
京ちゃんとお買い物
しおりを挟む今日は日曜、お酒を飲んだせいかすごく眠い。なのに私は出掛ける準備をしている。
朝早くから電話が鳴り、京ちゃんとお買い物に行く事になった。
「ナミ、今日暇よね。お買い物行こう。代官山のカフェに集合ね。地図はLIMEで送るからよろしくー」
と言って私の返事を待たずして電話を切られてしまった。
京ちゃんはいつもこんな感じで強引に誘ってくるのだ。少し迷惑と思うがもう慣れてしまった。準備を終え、代官山に向かった。
代官山駅に着くと京ちゃんに指定されたカフェに向かった。
さすがお洒落な街だけあってお店も歩く人も皆オシャレで、私はトレンチコートにジーンズといたって普通の格好なのですごく浮いてる気がする。
カフェに着くと店内は入るのに躊躇してしまうほどのオシャレな内装と、オシャレ女子で賑わっていた。
キョロキョロと店内を見渡し、テラス席に視線を移すと京ちゃんを見付け、近づいて行く。
「京ちゃんなんでここを待ち合わせにしたの?すごく入りずらいんだけど」
「オシャレでしょ?」
「オシャレだけど私の格好見てよ。場違いだよ」
「どうして?ナミ全然場違いじゃないよ、可愛いから大丈夫」
京ちゃんはそう言ってカップを手に取り口にした。
「ほらナミこっちにきて座りなよ。コーヒーでいいよね」
「もぉ分かったよ……」
嫌々ながらも私は京ちゃんに促され、向かいに座った。
「ナミ、今日は来てくれてありがとうね」
「ありがとうも何も京ちゃんは言うだけ言ってすぐに電話切っちゃうんだもん」
「あれ?そうだっけ?」
「そうだよ、京ちゃんはいつもそうだよ。私は昨日少し飲んじゃったから今日はちょっと眠かったのに……」
「えっ!ナミお酒飲んだの?」
京ちゃんは驚いた顔をしてテーブルから身を乗り出して私に顔を寄せる。
「昨日は颯太くんとバーに行って雰囲気で少しだけ飲んだんだ」
「颯太くん?颯太くんってあのコンビニの?二人で飲みに行ったの?」
京ちゃんは早口で捲し立てる。
「どうしたの京ちゃん?二人でだけど……」
「ナミ何もされてない?大丈夫だった?ちゃんと家に帰れた?」
本当に京ちゃんはどうしたんだろう。
颯太くんとは何もないし、何もされていない。それに颯太くんも私もそんな気持ちや雰囲気にはならない。
「何もないよー。ちゃんと家にも帰ったし」
「そっか……」
京ちゃんは何かを考える素振りをすると、口を開いた。
「私ね、見ちゃったんだ」
「見ちゃった?何を?」
「昨日、颯太くん?が女の人といるところを……」
「そっか…たたぶん私と別れた後だったんじゃないかな」
私は京ちゃんに少し胸がズキッとしたのをバレないように平然と返した。
「何もないならいいけど、二人で抱き合ってたから…もしナミが遊ばれてるなら許さない所だったよ」
抱き合ってた?そんな事私に言われても……
颯太くんは気遣いも出来て顔もいい。
彼女はいないと言ってたけど、颯太くんに言い寄ってくる女性は沢山いると思う。
「だ大丈夫、本当に颯太くんとは何もないから…」
なぜか胸が締め付けられる気持ちを隠すように私はコーヒーを口にした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
バレンタインにやらかしてしまった僕は今、目の前が真っ白です…。
続
青春
昔から女の子が苦手な〈僕〉は、あろうことかクラスで一番圧があって目立つ女子〈須藤さん〉がバレンタインのために手作りしたクッキーを粉々にしてしまった。
謝っても許してもらえない。そう思ったのだが、須藤さんは「それなら、あんたがチョコを作り直して」と言ってきて……。
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる