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卒業式の件
しおりを挟む今日の僕は違う。
髪を上げ、コンタクトにした。
そしてこの日の為に用意したあれをポケットに入れ学校へ向かった。
学校へ着くと沢山の卒業生が中庭の木の下で集まり話をしていた。
「賢く~ん、こっちこっち」
僕を見つけた紗枝が僕を呼んだ。
「賢はやっぱりイケメンだわ」
「染谷君どうして顔を隠していたんだい?」
北澤さんと有坂くんは今日の僕を見て各々感想を言った。
「賢くん、あれ忘れてない?」
「紗枝、ちゃんと持ってきたよ」
僕は卒業式が終わった後、杏にサプライズを考えていた。
北澤さんと紗枝、ついでに有坂くんはそれを知っている。
でも杏には内緒にしている。
だから北澤さんと紗枝に別の場所を杏に伝えここにはいない。
杏には式が終わったら校舎裏に来てと伝えてある。
「そろそろ行かないと杏が怪しむから行くね。賢頑張れ!」
「賢くん後で色々聞かせてね」
「それでは!」
三人はそう言って杏に伝えた場所へ向かった。
「よーし!」
僕は声を出し、気合いを入れると体育館へ向かった。
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