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No.42
しおりを挟むサリーside
ラグーくんの魔法を見て本当に驚いた。
アマリから凄いとは聞いていたけど、ここまでとは思わなかった。
魔法部隊に勤める男爵の父の血を受け継いだ私は魔法に自信があるけど、ラグーくんのような威力は出せないと思う。
例え出せたとしても魔力欠乏になるだろう。
ラグーくんはいったいどれだけの魔力量をしてるのか?
私は自分の実力不足を感じタメ息を吐いた。
「これは文句無しで満点ね……」
私はラグーくんの評価決定書類に満点を付けた。
「後はパメラ様よね…」
ラグーくんの一点集中魔法ではなく、範囲魔法を使ったパメラ様の魔法の威力も凄まじかった。
ガイル先生の張った結界を破壊してテルミン先生が魔法で作り出した強固な壁も破壊したのだから……
ガイル先生もテルミン先生も魔法の実力は相当なもので、既に入学している生徒は愚か卒業生でもあそこまで見事に破壊する事は困難だろう。
それがまだ入学前の生徒が破壊したのだからパメラ様も規格外だ。
「パメラ様も満点ね」
今年は本当にレベルが高い。
例年なら合格できるレベルでも今年は無理か、ギリギリの合格になってしまう。
「今年は忙しくなりそうね」
受験者全ての採点を終え、評価決定書類をまとめた私は職員室へ向かった。
職員室に着くと採点を終えた中肉中背でベテラン教師のダリ先生と眼鏡を掛けた真面目なナムル先生が話をしていた。
「いやはや今年はレベルが高い、ここまで剣術を使いこなせるのかと何度も驚かされましたよ」
「筆記試験もそうでなぁ、例年なら合格でも今年はちと厳しいですからねぇ」
話をするナムル先生とダリ先生も私と同じように今年の受験者のレベルの高さに驚いていたようだ。
「お疲れ様です、ダリ先生もナムル先生も採点を終えたんですね」
私が声を掛けると話をしていた二人は振り向き言葉を返す。
「サリー先生お疲れ様、今年の受験者はレベルが高いようだけど、魔法の方はどうでしたか?」
ナムル先生は私に質問した。
「そうですね、魔法の受験者もかなりハイレベルです。規格外も二人程いますので」
私がナムル先生の質問に答えるとダリ先生も話に入ってくる。
「やはりそうですか、今年は楽しみですなぁ」
「それで規格外とはどうゆう事でしょうか?」
「はい、一人は的と結界、壁を破壊して、もう一人は地面ごと的を消滅させました」
ナムル先生は私の話を聞いて驚いた顔をした。
「あの壁と結界を破壊するとは、本当に規格外ですなぁ」
「ですね、地面ごと的を消滅っていったいどんな魔法を使ったのか……」
ダリ先生とナムル先生は感心と戸惑いの表情を見せていた。
「それでは校長の元へ採点結果を報告に行きましょう」
「ですな」
「行きましょう」
私達は職員室を出て校長室へと向かった。
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