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No.19
しおりを挟むパメラ様は本当に何を言ってるんだろう。
そしてなんでこんな展開になってる。
俺はハリス様にお気に入り登録されてここに連れて来られた。
それなのにハリス様の件も解決してない現状でパメラ様の婚約者になりますと言える筈も無い。
確かにパメラ様は可愛いし、俺好みでこのまま首を縦に振ってしまいたい。
でもそれで助かるならと思ってしまうがそうではないだろう。本当になんだよこれ。
訳分からな過ぎてオシッコ漏れそう。
「なぜ黙っているのかは知らないけど、貴方に拒否権は無いわ。そんな事よりも何か思い出さない?」
そんな事言われても俺はパメラ様と今日初めて会った。
もしかしたら俺がラグーになる前に会ったのかもしれないけど、その時の記憶が俺には無い。
「何とか言いなさいよ!」
怒るパメラ様は俺を急かせてくるけどどうしたらいいのが全く浮かばない。
「えっと、あのっ、僕、つい最近病で倒れてしまい、ここ最近以外の記憶を失ってしまったんです」
事実俺は記憶を失ってると言うかラグーの記憶を知らない。
「ふざけるな……」
パメラ様は呟くとプルプルと体を震わせギリッと俺を睨み声を張り上げた。
「ふざけるなーーー!」
その瞬間パメラ様の握り拳が俺の頬にクリーンヒットして膝から崩れ落ちた。
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな」
パメラ様は狂ったように崩れ落ちた俺に馬乗りになって殴り続ける。
「ちょブヘッ、まっバヘッ、ちガヘッ」
ヤバイ死ぬ。
そう思ったその時パメラ様の拳がやんだ。そして、
「ふざ……ける…な……ぶぇぇぇぇぇぇん」
パメラ様は俺に馬乗りになったまま泣き出した。
「えっちょ、パパパメラ様?」
「煩い!ラグーがラグーが悪いんだからーー、ぶぇぇぇぇぇぇん」
俺は泣き叫ぶパメラ様が落ち着くまで宥めては文句を言われる作業を続けるはめになった。
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