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No.17

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 パメラside


 家族が集まり会食が開かれる事になった。

 理由はお兄様の大切なお客様がデリー公爵家にやってくるから。

 「お兄様、お客さまはどんな方ですの?」

 「そうだなぁ、とても可憐で素敵な人だよ」

 お兄様はお客様の事になると、とても嬉しそうに話してくれる。

 お客様とは一ヶ月ほど前に図書館で出逢った女性で、お兄様の一目惚れだったらしい。

 サプライズ好きなお兄様は「楽しみにしてて」と言って、名前やどの様な人物かは教えてくれなかったけど、お兄様の顔を見ればとても気に入ってる事が分かる。

 お兄様はかっこよくて強くて凄く優しい、それに気遣いも出来る素晴らしい男性。

 でも、お兄様には婚約者は愚かお付き合いされてる方もいない。それには理由がある。

 デリー公爵家はミラベル帝国では由緒正しきお家柄で、厳選して能力の高い婚約者を向かえてきた。

 お父様もデリー公爵家の仕来たりに従い、美しく能力の高いお母様を婚約者に向かえた。

 お兄様も同様に、能力の高い女性を求めているので婚期が遅くなるのは仕方がない事。

 だけど、遂にお兄様が婚約者候補を連れてくる事になり、家族全員で見定めを兼ねた会食が開かれる事になったのだけど……

 「遅いわね」

 「パメラごめんね、お客様は平民だから準備に時間がかかるんだ」

 デリー公爵家の全員はすでに着席しているのに、まだやって来ないお客様に少し苛立ちボソッと言った私の一言でお兄様に理由を説明させ、尚且つ謝らせてしまい悲しい表情をさせてしまった。

 お兄様の祝いの席を台無しにしてはいけないと私は直ぐに謝った。

 「お兄様、申し訳ありません」

 「いいよパメラ、理由を説明しなかった僕が悪いから」

 お兄様は先程とは違い、笑顔になっていた。

 そして、お客様がやってきた。
 お客様は虹色のオーラが体を包み込んでいた。

 デリー公爵家の血を引く者は特別な能力を兼ね備えている。それは、相手の能力が分かる事。

 能力が高ければ相手から発せられるオーラが見える。

 青、黄、赤、虹とオーラの色があり、青から段々と高くなって行き、虹は想像できない程の能力を有している。

 私が赤でお兄様とお父様が黄、そしてお母様が青だ。

 青でもめったに見る事は無いほどなので虹となると想像を絶する。

 私はゴクリと唾を飲んだ。

 お客様が段々と近づいてくると同時に私の中で困惑が広がっていく。

 「う、うそ、うそでしょ……」

 私の真正面に立ったお客様に驚き過ぎて声が漏れてしまう。

 「初めまして、ラグーと申します、本日はお招き頂きありがとうございます」

 だって優雅に挨拶をしたお兄様のお客様は、ラグーだったのだから。
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