21 / 41
21.第二王子ジョナス
しおりを挟む
王妃主催のパーティーは、何事もなく終了した。
何かが仕掛けられているかもしれないと思っていたが、第二王子や令嬢たちとの些細なトラブルがあったくらいだ。
アイリスはほっとしながらも、王妃の言葉や、意味深なブラックバーン公爵の態度といった謎が残ることとなった。
「今日は疲れただろう。ゆっくり休め」
王太子宮に戻ると、レオナルドはアイリスを部屋に送り届ける。そして、アイリスの額に軽く口付けると、去っていった。
レオナルドの妃に関する話題は、二人とも口にしなかった。アイリスは、その件については何も考えないようにする。
部屋で一人になると、アイリスはソファに腰掛けて長い息を吐き出す。
「所詮、私なんてただの駒に過ぎないわ……」
今のところ、アイリスは王妃の目論見どおりに動いているようだ。しかし、それがどういったものかは、わからない。
アイリスは何も知らずに動かされているだけの駒なのだ。
それでも、その道の途中にアイリスの目的がある。それを果たせるのならば、他のことはどうでもよい。
どうせ、最後にはアイリスの道も閉ざされるだけだ。
「ただ、働きには報いるって言っていたわね……」
王妃は見返りのことを口にしていた。駒を使い捨てるのではなく、いちおう報いる気はあるらしい。
もともと一介の男爵令嬢に過ぎなかったのに、今や王妃にまで上り詰めているくらいだ。立ち回り方も上手いのだろう。
王妃が言っていた『あの方』とやらが、もしかしたら彼女の出世を後押ししたのだろうかと、アイリスはふと考える。
しかし、その正体は不明で、考えても答えは出そうにない。
「レオナルドさまは、どういうつもりなのかしら……」
王妃がアイリスに何かを囁いていたのは気付いたはずだが、レオナルドはそのことについて一切触れなかった。
彼は彼で、何かを企んでいるのだろう。
「そもそも、あれ以来何もしてこようとしないし……」
先ほども、レオナルドはアイリスを部屋に送り届けると、紳士的に去っていった。
額や手、髪といった場所に口付けてくることはあるが、それ以上のことはしようとしない。
溺愛している素振りを見せながら、関係を深めようとはしないのだ。やはり、何らかの企みのための演技なのだろう。
「もう少しくらい先に進んでも……私に興味がないのかしら……」
ため息と共に、意図せず言葉がこぼれる。
そして、すぐに何を言ってしまったのだと、アイリスは焦ってしまう。
あたふたとして首を左右に振りながら、周囲に誰もいないことを確かめる。
「そ……そんな……いったい何を……」
口元に手を当てながら、アイリスは一人俯く。
まるでレオナルドからの愛を望んでいるかのようではないか。アイリスが願うのは姉の仇討ちであり、いずれ時が来れば彼の命を奪う。
彼は憎むべき敵であって、愛を願う相手ではないはずだ。
それなのに何を考えているのだと、アイリスは頬が熱くなっていく。
「そうよ、きっと酔ってしまったんだわ……あのお酒が思いのほか、きつかったから……」
酔っているために正常な判断ができないのだと結論づけ、アイリスは深呼吸する。
こういうときは早く寝てしまおうと、アイリスは慌ただしく就寝の準備を始めた。
再び、王太子宮での日常が始まった。
相変わらずゆったりと過ごしているアイリスだが、しばらくヘイズ子爵家には帰っていない。
義父は王妃主催のパーティーにも出席していなかったので、最後に顔を見たのはいつだっただろうか。子爵では王太子宮に気軽にやってこられるような身分でもないので、アイリスから会おうとしない限り、顔を合わせることはないのかもしれない。
「アイリスさま、どうかなさいました?」
声をかけられ、アイリスははっとする。
カトリーナと一緒に庭園でお茶を飲んでいるところだったのだ。今日は抜け道からではなく、正面から訪れている。
「あ……ごめんなさい、ちょっとぼんやりしてしまいましたわ」
「今日は良いお天気ですものね。風が心地よくて、眠気も誘われますわ」
カトリーナは気にした様子もなく、微笑む。
特にこれといった用事もなく、二人でのんびりと過ごしているだけの時間だ。
しかし、よく考えてみれば今の状況も不思議なものだと、アイリスは感じ入る。
少し身分について考えたところだったが、カトリーナは王女なのだ。本来、子爵令嬢に過ぎないアイリスと二人きりで茶を楽しむには、身分が違う。
そもそも、レオナルドがアイリスを側に置いている状況からして、おかしいのだ。
アイリスは胸の痛みを覚え、そっと手で押さえる。
「……アイリスさま、本当に大丈夫でしょうか?」
心配そうに、カトリーナが気遣ってくる。
悪意に敏感だというが、人の感情の機微にも聡いのかもしれない。
「大丈夫ですわ。ええと……そうですわ。カトリーナさまにとって、ブラックバーン公爵はどのようなお方なのか、お伺いしてもよろしいですか?」
ごまかすように、アイリスは話を変える。
ブラックバーン公爵は姪であるカトリーナのことを気遣っていたようだ。
アイリスにとっては何かひっかかるものがあるブラックバーン公爵だが、カトリーナからの人物評はどうなのだろうか。
「伯父さまですか? 私にとっては、とても可愛がってくださる優しい伯父さまですわ。でも、お仕事の面では合理的というか、必要があればどこまでも冷酷になれる方ですわね。ちょっと……怖い方でもありますわ。……伯父さまがどうかなさいました?」
カトリーナは素直に答えてくれた。
大体はアイリスの印象と似通っているようだ。身内には優しいか、それともカトリーナが政治に関わっていないから思いやれるのかもしれない。
「先日、パーティーでブラックバーン公爵とお会いしたときに、カトリーナさまのことを気にかけていらしたのですわ。ふと、それを思い出しただけで、大したことではありませんわ」
「まあ、そうでしたのね。そういえば、現王妃主催のパーティーにお兄さまとお二人で出席なさったと聞きましたわ。あの……ジョナスお兄さまは大丈夫でしたか?」
何かに思い当たったようで、カトリーナはおそるおそる尋ねてくる。
パーティーでのレオナルドの暴力を思い出し、アイリスは苦い笑みが浮かぶ。
「ええと……レオナルドさまに顔面を鷲づかみにされていましたけれど、お怪我はないようでしたわ」
「いえ、そちらはどうでもよいのです。アイリスさまに対して、何か不埒な真似をしませんでしたか? アイリスさまが大丈夫だったかと思いまして」
カトリーナが心配しているのは、アイリスの考えとは違っていたようだ。
暴力に関してはあまりにもあっさり受け流すことに、アイリスの笑みがさらに苦くなってしまう。
「少々じろじろと見られましたけれど、それだけですわ。何事もなかったので、ご安心ください」
「それなら良かったですわ。ジョナスお兄さまはおおらかで前向きな方なのですけれど……女性に対して無節操なところがあるのです」
カトリーナはため息を漏らす。
その言葉に、アイリスは深く納得する。軽薄な女好きというのがジョナスから受けた印象だったが、間違っていなかったようだ。
よく考えてみれば、そういった噂を聞いたことはあった。しかし、アイリスの出席していた夜会で顔を合わせたこともなく、姉の仇であるレオナルドにばかり注意が向いていたので、これまで意識することもなかったのだ。
「ジョナスお兄さまには気を付けて……」
「おや、僕の話かい?」
カトリーナが何かを言いかけたところで、やたらと明るい声が響いた。
ぎょっとしながら、アイリスとカトリーナは声の方向に振り返る。
すると、そこには能天気な笑みを浮かべた第二王子ジョナスが立っていたのだ。
何かが仕掛けられているかもしれないと思っていたが、第二王子や令嬢たちとの些細なトラブルがあったくらいだ。
アイリスはほっとしながらも、王妃の言葉や、意味深なブラックバーン公爵の態度といった謎が残ることとなった。
「今日は疲れただろう。ゆっくり休め」
王太子宮に戻ると、レオナルドはアイリスを部屋に送り届ける。そして、アイリスの額に軽く口付けると、去っていった。
レオナルドの妃に関する話題は、二人とも口にしなかった。アイリスは、その件については何も考えないようにする。
部屋で一人になると、アイリスはソファに腰掛けて長い息を吐き出す。
「所詮、私なんてただの駒に過ぎないわ……」
今のところ、アイリスは王妃の目論見どおりに動いているようだ。しかし、それがどういったものかは、わからない。
アイリスは何も知らずに動かされているだけの駒なのだ。
それでも、その道の途中にアイリスの目的がある。それを果たせるのならば、他のことはどうでもよい。
どうせ、最後にはアイリスの道も閉ざされるだけだ。
「ただ、働きには報いるって言っていたわね……」
王妃は見返りのことを口にしていた。駒を使い捨てるのではなく、いちおう報いる気はあるらしい。
もともと一介の男爵令嬢に過ぎなかったのに、今や王妃にまで上り詰めているくらいだ。立ち回り方も上手いのだろう。
王妃が言っていた『あの方』とやらが、もしかしたら彼女の出世を後押ししたのだろうかと、アイリスはふと考える。
しかし、その正体は不明で、考えても答えは出そうにない。
「レオナルドさまは、どういうつもりなのかしら……」
王妃がアイリスに何かを囁いていたのは気付いたはずだが、レオナルドはそのことについて一切触れなかった。
彼は彼で、何かを企んでいるのだろう。
「そもそも、あれ以来何もしてこようとしないし……」
先ほども、レオナルドはアイリスを部屋に送り届けると、紳士的に去っていった。
額や手、髪といった場所に口付けてくることはあるが、それ以上のことはしようとしない。
溺愛している素振りを見せながら、関係を深めようとはしないのだ。やはり、何らかの企みのための演技なのだろう。
「もう少しくらい先に進んでも……私に興味がないのかしら……」
ため息と共に、意図せず言葉がこぼれる。
そして、すぐに何を言ってしまったのだと、アイリスは焦ってしまう。
あたふたとして首を左右に振りながら、周囲に誰もいないことを確かめる。
「そ……そんな……いったい何を……」
口元に手を当てながら、アイリスは一人俯く。
まるでレオナルドからの愛を望んでいるかのようではないか。アイリスが願うのは姉の仇討ちであり、いずれ時が来れば彼の命を奪う。
彼は憎むべき敵であって、愛を願う相手ではないはずだ。
それなのに何を考えているのだと、アイリスは頬が熱くなっていく。
「そうよ、きっと酔ってしまったんだわ……あのお酒が思いのほか、きつかったから……」
酔っているために正常な判断ができないのだと結論づけ、アイリスは深呼吸する。
こういうときは早く寝てしまおうと、アイリスは慌ただしく就寝の準備を始めた。
再び、王太子宮での日常が始まった。
相変わらずゆったりと過ごしているアイリスだが、しばらくヘイズ子爵家には帰っていない。
義父は王妃主催のパーティーにも出席していなかったので、最後に顔を見たのはいつだっただろうか。子爵では王太子宮に気軽にやってこられるような身分でもないので、アイリスから会おうとしない限り、顔を合わせることはないのかもしれない。
「アイリスさま、どうかなさいました?」
声をかけられ、アイリスははっとする。
カトリーナと一緒に庭園でお茶を飲んでいるところだったのだ。今日は抜け道からではなく、正面から訪れている。
「あ……ごめんなさい、ちょっとぼんやりしてしまいましたわ」
「今日は良いお天気ですものね。風が心地よくて、眠気も誘われますわ」
カトリーナは気にした様子もなく、微笑む。
特にこれといった用事もなく、二人でのんびりと過ごしているだけの時間だ。
しかし、よく考えてみれば今の状況も不思議なものだと、アイリスは感じ入る。
少し身分について考えたところだったが、カトリーナは王女なのだ。本来、子爵令嬢に過ぎないアイリスと二人きりで茶を楽しむには、身分が違う。
そもそも、レオナルドがアイリスを側に置いている状況からして、おかしいのだ。
アイリスは胸の痛みを覚え、そっと手で押さえる。
「……アイリスさま、本当に大丈夫でしょうか?」
心配そうに、カトリーナが気遣ってくる。
悪意に敏感だというが、人の感情の機微にも聡いのかもしれない。
「大丈夫ですわ。ええと……そうですわ。カトリーナさまにとって、ブラックバーン公爵はどのようなお方なのか、お伺いしてもよろしいですか?」
ごまかすように、アイリスは話を変える。
ブラックバーン公爵は姪であるカトリーナのことを気遣っていたようだ。
アイリスにとっては何かひっかかるものがあるブラックバーン公爵だが、カトリーナからの人物評はどうなのだろうか。
「伯父さまですか? 私にとっては、とても可愛がってくださる優しい伯父さまですわ。でも、お仕事の面では合理的というか、必要があればどこまでも冷酷になれる方ですわね。ちょっと……怖い方でもありますわ。……伯父さまがどうかなさいました?」
カトリーナは素直に答えてくれた。
大体はアイリスの印象と似通っているようだ。身内には優しいか、それともカトリーナが政治に関わっていないから思いやれるのかもしれない。
「先日、パーティーでブラックバーン公爵とお会いしたときに、カトリーナさまのことを気にかけていらしたのですわ。ふと、それを思い出しただけで、大したことではありませんわ」
「まあ、そうでしたのね。そういえば、現王妃主催のパーティーにお兄さまとお二人で出席なさったと聞きましたわ。あの……ジョナスお兄さまは大丈夫でしたか?」
何かに思い当たったようで、カトリーナはおそるおそる尋ねてくる。
パーティーでのレオナルドの暴力を思い出し、アイリスは苦い笑みが浮かぶ。
「ええと……レオナルドさまに顔面を鷲づかみにされていましたけれど、お怪我はないようでしたわ」
「いえ、そちらはどうでもよいのです。アイリスさまに対して、何か不埒な真似をしませんでしたか? アイリスさまが大丈夫だったかと思いまして」
カトリーナが心配しているのは、アイリスの考えとは違っていたようだ。
暴力に関してはあまりにもあっさり受け流すことに、アイリスの笑みがさらに苦くなってしまう。
「少々じろじろと見られましたけれど、それだけですわ。何事もなかったので、ご安心ください」
「それなら良かったですわ。ジョナスお兄さまはおおらかで前向きな方なのですけれど……女性に対して無節操なところがあるのです」
カトリーナはため息を漏らす。
その言葉に、アイリスは深く納得する。軽薄な女好きというのがジョナスから受けた印象だったが、間違っていなかったようだ。
よく考えてみれば、そういった噂を聞いたことはあった。しかし、アイリスの出席していた夜会で顔を合わせたこともなく、姉の仇であるレオナルドにばかり注意が向いていたので、これまで意識することもなかったのだ。
「ジョナスお兄さまには気を付けて……」
「おや、僕の話かい?」
カトリーナが何かを言いかけたところで、やたらと明るい声が響いた。
ぎょっとしながら、アイリスとカトリーナは声の方向に振り返る。
すると、そこには能天気な笑みを浮かべた第二王子ジョナスが立っていたのだ。
4
お気に入りに追加
179
あなたにおすすめの小説
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
悪役令嬢は二度も断罪されたくない!~あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?~
イトカワジンカイ
恋愛
(あれって…もしや断罪イベントだった?)
グランディアス王国の貴族令嬢で王子の婚約者だったアドリアーヌは、国外追放になり敵国に送られる馬車の中で不意に前世の記憶を思い出した。
「あー、小説とかでよく似たパターンがあったような」
そう、これは前世でプレイした乙女ゲームの世界。だが、元社畜だった社畜パワーを活かしアドリアーヌは逆にこの世界を満喫することを決意する。
(これで憧れのスローライフが楽しめる。ターシャ・デューダのような自給自足ののんびり生活をするぞ!)
と公爵令嬢という貴族社会から離れた”平穏な暮らし”を夢見ながら敵国での生活をはじめるのだが、そこはアドリアーヌが断罪されたゲームの続編の世界だった。
続編の世界でも断罪されることを思い出したアドリアーヌだったが、悲しいかな攻略対象たちと必然のように関わることになってしまう。
さぁ…アドリアーヌは2度目の断罪イベントを受けることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができるのか!?
「あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?」
※ファンタジーなので細かいご都合設定は多めに見てください(´・ω・`)
※小説家になろう、ノベルバにも掲載
結婚した次の日に同盟国の人質にされました!
だるま
恋愛
公爵令嬢のジル・フォン・シュタウフェンベルクは自国の大公と結婚式を上げ、正妃として迎えられる。
しかしその結婚は罠で、式の次の日に同盟国に人質として差し出される事になってしまった。
ジルを追い払った後、女遊びを楽しむ大公の様子を伝え聞き、屈辱に耐える彼女の身にさらなる災厄が降りかかる。
同盟国ブラウベルクが、大公との離縁と、サイコパス気味のブラウベルク皇子との再婚を求めてきたのだ。
ジルは拒絶しつつも、彼がただの性格地雷ではないと気づき、交流を深めていく。
小説家になろう実績
2019/3/17 異世界恋愛 日間ランキング6位になりました。
2019/3/17 総合 日間ランキング26位になりました。皆様本当にありがとうございます。
本作の無断転載・加工は固く禁じております。
Reproduction is prohibited.
禁止私自轉載、加工
복제 금지.
次期王妃な悪女はひたむかない
三屋城衣智子
恋愛
公爵家の娘であるウルム=シュテールは、幼い時に見初められ王太子の婚約者となる。
王妃による厳しすぎる妃教育、育もうとした王太子との関係性は最初こそ良かったものの、月日と共に狂いだす。
色々なことが積み重なってもなお、彼女はなんとかしようと努力を続けていた。
しかし、学校入学と共に王太子に忍び寄る女の子の影が。
約束だけは違えまいと思っていたけれど、数多の悪意に襲われついにウルムは心が折れてしまう。
そんな時、学校の図書室である男子生徒と出会い――?
想いはねじれながらすれ違い、交錯する。
異世界四角恋愛ストーリー。
なろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる