破壊、略奪、支配、エロ。これが大人のファンタジー

間章 俺もmerryしたい

クリスマス女王は誰？ -ネロの下へ行こう編-

　この話は、
『クリスマス女王へのプレゼントは俺』
の次の話となります。
『クリスマス女王は誰？』
というタイトルで5つの話がありますので、どれか一つを選んでお読みください。

　この話は、
-ネロの下へ行こう編-
となります。

　話の最後に作者の自己満足的な挿絵がついています。
だいぶ下についていますのでスクロールしてご覧ください。
もちろん見ないでいただいても大丈夫です。


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　女神と一緒にネロの館に戻った俺。

　バッシャーン！！

　扉を開けた瞬間、顔面に何かが掛かった。

「うわっぷっぷっ！」

　俺は慌てて顔を拭う。何か酒臭い。
顔を上げて見渡すと、酒場の中で何人か暴れまわっている人がいる。
手には泡立つワインを豪快に振って、中のワインを飛び散らかしている。

「シャンパンファイトか！Ｆ1か！！」

「おお！キチク！来たねえ！！食らえっ！！」

　思わずツッコンだ俺に、シャンパンが浴びせられる。
犯人の主犯格はやはりネロだ。

　あ、ずるい。
女神は自分にだけ魔法障壁を展開してワインを浴びないようにしてる。それで俺を見てケラケラ笑ってる。

「うわっぷ！！」

「どうだい！」

「・・・・うーーー！もっと！！」

「うおぁははは！！さすがだねえ！！」

　いきなりなのに、乗ってしまう俺の馬鹿さ加減がすごい。
ネロに掛けられたシャンパンをほとんど飲み干してやった。さらにはおかわり。

「ネロも食らえ！」

　ロドルフおねえが気を利かせて俺にもボトルを渡してくれる。
当然反撃だ。めっちゃ楽しいなこれ。
きっと明日、酒場が大変なことになるんだろうが・・・。
　でも今日ぐらいいいだろう。

「キチクめ！これでも食らえ！」

　ネロの次の一撃。
俺の口にローストビーフを突っ込んでくる。

「何を！！」

　俺はその鶏を豪快に食べつつ、傍にあったテーブルのポテトフライをネロの口に突っ込む。

「まだまだ！！」

「ふん！これごとき！！！」

「大したことないねえ！！」

「流石クリスマス女王！よくそれで人気獲れたね！おめでとう！」

「何を言っている！トナカイは大人も子供も大好きなのさ！！ありがとう！」

「お祝いのターキーです！！骨付きです！食らえ！」

　シャンパンファイトはいつの間にかフードファイトになってた。
二人とも頬をパンパンにしている。
白熱しちゃった俺とネロを酒の肴に酒場は大いに盛り上がってる。
「ギャハハハ！！」と笑い声が絶えまない。娼婦も客もみんな赤ら顔。
この雰囲気、一体感。
とてもいい感じ。楽しい。
クリスマスの大宴会だ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「しかし、よく飲んだ。そして濡れたねえ。」

　いっぱい飲んで食べた俺とネロは、さらには全身お酒でびちょびちょ。
ということで、二人でお先に湯殿に来させてもらっていた。
　ネロは大きな胸をさらに誇張するような赤い色のニットのキャミソールを着ている。
クリスマスらしく、胸元をあしらうファーが付いていて可愛らしい。
だが、それらはすべてお酒でベタベタ。

「はははは。本当に。誰がお酒かけ始めたの？」

　俺は上半身の服を脱ぎながら話す。

「うおぁははは。決まってるだろう？俺だよねえ。」

「うん。わかってた。」

　そう言って、俺はスカートを脱いでショーツとキャミソールだけになっているネロに向く。
そしてキャミソールに手を掛ける。

「ネロ？ばんざい。」

　俺はネロに手を上げさせてキャミソールを脱がせる。
俺の目の前に大きな大きなネロの胸が露わになる。

「なんだか久しぶりだねえ。キチクに見られるの・・・。」

　ネロはにこやかに微笑むがどことなく恥じらいがある。
それを見て俺はベタベタな髪を撫でる。

「恥じらうネロ、かわいい。」
　
「そうやって楽しんでんじゃないよ。今度はキチクを恥ずかしい目に合わせてやるからねえ！」

　ネロは威勢よく言って俺のズボンを脱がした。パンツも一緒にだ。
さらにすぐに自分のショーツも脱ぐ。
そして、あろうことか俺を横抱きにヒョイッと抱えた。
なんと俺が姫様抱っこされたのだ。

「え？・・・ネロ？」

　ネロはそのままお風呂場の扉を蹴り開ける。
ブワッと広がる湯気の中を、ネロは俺を抱えたまま進む。

「ちょ・・・ちょっと下ろしてよ！恥ずかしいよ！」

「いいねえ。恥ずかしくなってきたかい？」

　ネロはしたり顔で俺を見る。俺を抱えるネロの腕は力が入って筋肉が締まっている。
胸筋も収縮しているのが見える。もちろん抱えられている俺の胸あたりにネロの大きな乳房が乗っかっている。
とても女性らしくもあるのだが、同時にたくましさも感じる。

「じゃあ、下ろすよ。」

「？」

　俺はなんだか柔らかい所に下ろされた。
床より少し高台になっていて、ぐにぐにと柔らかいものの上に俺は乗っている。

「キチクが出払ってる時に取り付けたんだけどねえ。
これは水入りの寝台さ。風呂に入りながらのマッサージなんて気持ちいいだろう？」

　いわゆるウォーターベッドらしい。水場だからまさにうってつけだ。

「本来なら、ちゃんとしたマッサージをするためのものなんだけどねえ。」

　ネロは覆いかぶさって、仰向けになっている俺の胸元あたりにネロは顔を近づけてくる。
そして、長い舌で俺乳首をペロリ。
そのまま胸を舐め続ける。

「ああ、身体についているワインがまたいい感じだよ。」

　舐めながら、ネロは恍惚とした顔で言う。でも俺はそれどころではなかった。

「あいたっ。痛っ。痛いって・・・」

「ん？どうしたキチク？」

　ネロは全く忘れているようだった。

「ネロ・・・角、角！」

　ネロが俺の胸を舐めている間、ネロの頭に付ているトナカイの角が俺を攻撃し続けていた。
しいて言うなら、鼻にもまだ赤い玉がついている。

「うおぁははは！すまないねえ！忘れてた！
そうだったねえ。今日は俺は熊じゃないよ、トナカイなんだよねえ。」

　トナカイに扮したネロの顔が今度は俺の顔に近づいてくる。
今度は俺の唇をペロペロと舐め始める。
唇だけでは飽き足らず、顔も耳も首筋も舐めとられる。

「はぁぁ・・・・。」

　ただ舐められているだけなのに、トナカイの吐息も合わさって俺の感覚をくすぐっていく。
だんだん気持ちよくなってきた。
当然、舐めるのが好きなトナカイは次第に俺の下半身の方に下がっていく。

「あ、脚を持たれた・・・・。」

　寝台に腰を下ろしたネロは俺の脚を持って俺の腰を浮かせた。
ネロの目の前に俺の陰茎とお尻の穴を盛大に丸見えで披露する形になっている。
女の子にしてみたい体勢のナンバーワンのヤツだ。
それを俺が今、やられている。男の子なのに・・・。

「ククク。キチクが女の子みたいだねえ。かわいいよっ。」

　ネロが淫靡な笑顔を浮かべて俺を見下ろす。
そして、その舌で恥ずかしい部分をまたペロペロ。
ネロの手は既に全力になっていた俺の陰茎をしごく。

「◇☆※〇×！」

　また出てしまった。俺の言語にならない言葉。
羞恥も合わさって、俺の顔は相当に上気しているだろう。

「ネ・・・ネロ・・・どこで覚えたの、こんなの・・・」

　悪いが俺は息絶え絶えだ。

「ペロッ。ああ、この前リンゼロッテとキチクの事でケンカになってね。キチクを一番満足させてるのはどっちだ！みたいなね。」

「そうなのか・・・。」

　俺の睾丸や裏筋を舐めながら、笑って話すネロ。
もう全て言わなくても想像がつく。

「リンゼロッテが自慢しやがったのさ。キチクの◇☆※〇×！な声を聞いたことあるのかってね。
私のテクニックで陥落よ！って言いながら技を自慢してきたのさ。
だから、その技を盗んでやったのさ。ここが気持ちいいんだろう？」

「――――」

　恥ずかしい、恥ずかしい。女二人でなんて会話してんの・・・。
　ネロはさらに舌を進める。自分自身でも知らなかった一番弱い部分、裏筋から肛門へと続く道ロード・トゥ・エクスタシーへ。

「◇☆※〇×！◇☆※〇×！」

　俺の全身がゾクゾクと快楽を覚える。絶頂ではないのだが、全身が高揚して熱い。
全身が性感帯みたいになってる。

「キチク。今ほんっとにかわいい顔しているよ。女の子みたいだね。そろそろ、いいだろ？」

　ネロが完全に男になり切っている。
準備完了で前戯は終わりとばかりの俺の腰を下ろす。だが、俺の脚は持ち上げられたままだ。
そしてネロは俺に覆い被さり、自分の秘部を指で広げ、俺の陰茎に触れさせる。
そのまま、俺とネロはゆっくりと結合していく。

「んんっ！んああ！・・・いいっ！」

　ごめんなさい。これ、俺の声です。俺の嬌声が漏れてます。
体勢は正常位なのだが、男女が逆だ。
俺が下になっていて、足を持ち上げられ、ネロが上で腰を動かす。
完全に俺は女の子の気分だ。
恥ずかしい感じだが、これはこれでとてもいい。女の子になったつもりでキャンキャン言おう。

「どうだい、ここがいいのかい？」

　いやらしく聞いてくるネロ。
ネロも男役に完全にハマってるよ・・・。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇



　透明なお湯から次々に湧き上がる湯気。
あっという間に天井に届き、行き場を失ったそれは周りに広がってさらに密度を濃くしていく。
何人もの人が同時に入れる大きな湯船だから、入り口を締め切ったままの今は本当に１ｍも先が見えない。

「ふうぅぅ。やっと、キチクと風呂に入れたねえ。」

　自身の持つ二つの凶器をプカァと湯に浮かべながら、ネロが息を漏らす。
男女逆転な情事の後、俺とネロは二人で仲良く湯船に浸かっている。

「そうだね。一緒に入るのは初めて。というか、湯に浮かぶんだね胸って。」

　不思議な光景を見た俺は、そっちにツッコンでしまう。

「うおぁははは。そうだねえ、俺のは無駄にでかいし、中身入ってないのか、浮くんだよねえ。
だから、風呂に入っているときは肩が楽でいいよ。」

「なるほど、胸の大きい人は肩が凝ると聞いたことがある。」

「その通り。でもこれだけ大きいと面白いことができるよ。キチク、顔乗せてごらん。」

「顔？」

「そう、顔。」

　俺は言われるがままに、浮いているネロの胸に顔を乗せる。
沈むんじゃないの？と思っていたが、そのまま浮いている。

「おお！スゲエ！」

「だろう？それで足伸ばして湯に浮いてごらん。」

　俺はワクワクしながら、足を伸ばす。
すると、身体が浮力で浮き上がる。
海でビーチボールを抱えて浮いている。そんなような浮遊感。
全身が重力から解放されたかのようだ。これは気持ちいい。
しかもビーチボールより、ふにふにしてて柔らかい。

「気持ちいいだろう？」

　ネロは自分の胸に乗る俺の首に手を回す。それでも沈まない。

「しかし、今年はいろいろ変化がある年になったねえ。
処女も捨てちまったし、日常がこんなに楽しいと思う日が来るとは思ってなかったよ。」

　クリスマスの今日が12月25日。一年が終わる暦は俺の前世の世界ときっと一緒なんだろう。
もうすぐ、年が変わる。

「・・・・キチクがいてくれたから楽しいんだね。ありがとうね。」

　らしからぬ殊勝な声が聞こえた。
そして、ネロの胸に乗る俺の額にチュッと音が響き、柔らかい何かが触れる。

「こちらこそありがとう。ネロに出会えてよかった。」

　俺は無重力の浮遊感の中で、そっと目を閉じる。
照れ隠しではない。なんだか満たされているからだ。

「くすぐったいねえ。うおぁははは。」

　はにかみながらも、心が躍っている笑い声。　
俺の耳元でずっと、心地よく響いていた。