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第十二章 買い物
40話
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道に沿って歩きながら、そっと隣に視線をやる。日焼けを知らない腕には茶色の包み。
それが何だか似合わなく思えて、ほんの少しだけ笑ってしまった。すると途端に紫の瞳が向くものだから、誤魔化すようにして声をあげる。
『いいものが見つけられて良かったね』
『うん。サシェのおかげだよ、ありがとう』
嬉しそうな様子をみるに、かなり気に入っているのだろう。それに比例しているのかは知らないが、歩く速度だって、さっきより速くなっている気がするのだ。……気がする? いや、これ多分気のせいじゃない。
『ご、ごめんニンファ。ちょっと……は、休んでも、……っ、いいかな?』
『ん? ああ確かに歩き通しだったもんね。勿論いいよ』
乱れる息のままに要求すれば、ニンファは快く頷いた。
案内された先は小さな広場。人通りの少ない路地に面しているためか、錆びたベンチが一つ二つあるだけで、利用者がいるとは思えない。草木はこれ幸いと葉を伸ばし、人のいない自由を満喫しているようだった。
『これは………穴場だね』
口をついて出たのはその言葉。もっと他にあったんじゃないかとは思うけど、これが一番今の心情を表していた。
別に気を遣ったわけじゃない。人目がなく、植物が生い茂ったこの空間は、僕にとって正しく穴場だったのだ。
『でしょう? サシェなら気にいると思ってた』
ニンファは得意げに笑って、一足先にベンチに座った。手招きされるままに近づけば、僕も腕を取られてその横に座る。
じりじりと照りつける太陽も、木陰に避難した人間を追っては来ない。ようやく一息つけたような気がして、背中に回した腕をうんと伸ばした。
『ん~! やっぱり外はいいね、風も気持ちいいし』
『そうだね。今日は特に風が強い』
濃い赤色が風に舞っては揺れている。時折押さえつけてはいるけれど、それだけでは到底追いついていないようだ。
──目の前の光景に、ふと、ありもしない銀色がちらいた。何故か、なんて聞くまでもなく、自分が一番よくわかっているのに。
ヴィラも心配してるだろうし、そろそろ帰った方がいいのかも。
そう口にすればいいだけなのに、上手く言葉にできなくて、口の端をもごもごと動かす。だって、逃げるように出てきてしまった手前、顔を合わせづらいのだ。怒ってるとも言い切れないけど、少なくとも心配はかけているのだろう。
……特にレオとか。栗鼠のような少年を思い出して、また眉間に皺が寄る。しでかしたことの重大さに、今さら押し潰されそうだ。
『何? 百面相して』
『あ、ごめん。そろそろ……帰らなきゃなあって』
迷いながら吐き出した声に、ニンファはただ一言『そう』とだけ返した。返事というにはあまりに端的。けれど、心の内を見透かされているようで、何だか落ち着かない気持ちになる。
紫の瞳はただじぃっとこちらを見ていた。まるで、続きを促すかのように。
『…………その、もちろん今すぐにってわけじゃないよ。帰りも沢山歩くんだから、しっかり休んでおかないとね!』
沈黙に耐えきれず、空気をほぐそうと試みる。焦っているのが伝わったのだろうか、ニンファは小さく笑って、ようやく視線を前に戻した。
『ふふっ、ごめんね、つい楽しくなっちゃって』
『え、何が?』
『サシェをいじめるのが』
さらりと吐かれる毒の粉。そのあまりの自然さに、思わず二度見してしまった。こっちは心の内がバレているのかと、あんなに動揺していたのに。
何だか納得いかなくて、眉根を寄せ、あからさまに不機嫌な顔をつくりあげる。ニンファがこれに弱いのは、もういい加減気づいていた。
『…………』
『あれ、怒った?』
『自分の胸に聞いてみれば』
わざとつっけんどんな声を出せば、ニンファは慌てて弁明を始める。意地が悪いのか気が弱いのか、本当によく分からない。
つい耐えきれずに笑ってしまって、そんな僕を見てニンファも笑う。結局はいつも通りだ。
『ああそういえば、帰りのことは気にしなくていいよ。最初から転送魔法を使うつもりだったし』
『てんそうまほう』
耳に入った言葉をそのまま流す。聞いたことがあるような気もするけど、何度記憶を辿っても、やっぱり上手く思い出せない。……諦めよう。
そう思って見上げれば、案外すんなり意図は伝わった。
『かなり高難易度の無元素魔法でね。大量の魔力を送り込むことで、空間に歪みを生じさせるんだ。それを利用して人とか物を運ぶってわけ』
分かった? 最後に付け加えられたその言葉。首を傾けながら頷けば、それどっちなの、と呆れた声が返ってくる。
だいぶ簡略化してくれてはいるんだろうけど、こちらは魔法も使えない素人だ。多少のことは大目に見てほしい。それに、人や物を運ぶ魔法だなんて、そんな都合のいい───
『………………あ!!』
『え、何?』
いきなり叫んだ僕を見て、紫の瞳が瞬いた。
『ニンファ。その転送魔法ってやつ、大型の魔獣も運べたりする?』
『大型……?』
『えーと、人間で言えば二十人くらいかな。とんっでもなく大きいやつ』
『………まあ、理屈上は可能だよ。国家予算レベルの魔力があればの話だけど』
その返答に、ようやく確信をもって思い出す。そうだよ、あの時ヴィラが言ってたじゃないか。転送魔法で森に送りつけたって。
ぶつぶつ呟いている様子を見て不思議に思ったのだろう。ニンファは体ごと傾けて、僕の顔を覗き込む。
『それで、疑問は解決したの?』
『……うん、ありがとう。やっぱりニンファはすごいね』
正直、国家予算なんて言葉が出てくるとは思わなかった。あの短い沈黙の間に、一瞬で計算したのだろうか。そんな心の内を読み取るように、彼は笑って口を開く。
『転送魔法は馬鹿みたいに魔力を消費するから、事前の計算は必須だよ。半端なところで止まったり、逆に進みすぎたりとか。でも一番怖いのは、魔力不足による空間の分断だね。これを防ぐにも色々方法があるんだけど──』
薄い唇から吐き出されるのは、難しい言葉のオンパレード。まったく止まる様子がないのを見るに、研究心が刺激されてしまったのだろう。
こうなれば黙って話を聞くしかない。分野は違えど、研究者という枠組の中で、僕たちはよく似ていた。
『で、これがその石だよ』
何の脈略も無しに差し出されたのは、いつもつけている細身の腕輪。精緻な銀細工の中心には、小指の爪ほどもないような小さな石が埋まっている。しまった。半ば聞き流している間に、話が進んでいたらしい。
『蓄魔石っていうんだけど、普段は透明で、魔力が貯まると薄いオレンジ色に光るんだよね。だから夕陽の石っても呼ばれてる』
『な、なるほど……?』
『……君、話聞いてなかったでしょ』
裏返った声で否定すれば、額を指で弾かれる。それも結構強めに。確かに聞いてなかったけど、そこまですることないじゃないか。じんじんと痛む場所を擦りながら、恨めしい目つきで相手を見やる。
『……いたい』
『大事なことだから話してるの。それで、この石に見覚えはある?』
この石というのは、腕輪に嵌っている小さなオレンジのことだろう。
少し考えはしたけれど、特に見覚えもなかったから首を振って否定する。そもそも魔力自体ない人間に、魔力を貯める石だなんて、不要な事この上ない。
『そう……──まあいいや、何か飲み物でも買ってくるよ。喉も渇いてきたでしょう』
『え、いいよ。気にしないで』
『大丈夫、すぐ戻るから動かないで』
いや、僕が大丈夫じゃないんだけど。
去っていく背を眺めながら、一人残された広場でぽつりと呟く。立ち上がって追いかけようとも思ったけど、気遣ってもらった手前、そう安易なこともできない。
途中で体力が尽きて、迷惑をかけるよりはマシだろう。
そう自分に言い聞かせながら、肺から重たい空気を吐く。帰らなければと思うほど、何て謝ろうか、許してくれるだろうか、そんな不安が頭を過って、どうにも堪らなくなってしまう。
一度覚悟は決めたはずなのに、このままじゃ同じことの繰り返しだ。
「……ちゃんと、話さなきゃなぁ」
怖いけど、なんて余計な言葉を付け加える頭を叩いてみる。ぺしり、ぺしりと何度も軽い音を響かせていれば、背後から伸びてきた何かに、いきなり顔の下半分を覆われた。
「ん"っ、ぅ"!?」
『静かにしろ』
「ん"ー!!!」
ふわりと漂うのは、嗅いだことのある甘い香り。瞬時に息を止めて、あらん限りの力で首を振る。大体、静かにしろと言われて、言葉通りに頷く馬鹿がどこにいるのだ。抵抗するに決まってる。
けれど、どれだけ必死に引き剥がそうとも、体力の落ちた体では到底太刀打ちできやしない。何とか爪を突き立てるだけで精一杯だ。その上、抵抗を繰り返していれば、次第に息がもたなくなって苦しさに涙が滲む。
(駄目だ、耐えきれない……!)
思わず息を吸った瞬間、甘い香りが肺を満たす。
揺れているのは頭だろうか、地面だろうか、ぼやけた視界が狭まっていく。………瞼が重い。鉛のように重たいそれが閉じた時、押し出された涙は頰を伝い、布へと吸い込まれていった。
それが何だか似合わなく思えて、ほんの少しだけ笑ってしまった。すると途端に紫の瞳が向くものだから、誤魔化すようにして声をあげる。
『いいものが見つけられて良かったね』
『うん。サシェのおかげだよ、ありがとう』
嬉しそうな様子をみるに、かなり気に入っているのだろう。それに比例しているのかは知らないが、歩く速度だって、さっきより速くなっている気がするのだ。……気がする? いや、これ多分気のせいじゃない。
『ご、ごめんニンファ。ちょっと……は、休んでも、……っ、いいかな?』
『ん? ああ確かに歩き通しだったもんね。勿論いいよ』
乱れる息のままに要求すれば、ニンファは快く頷いた。
案内された先は小さな広場。人通りの少ない路地に面しているためか、錆びたベンチが一つ二つあるだけで、利用者がいるとは思えない。草木はこれ幸いと葉を伸ばし、人のいない自由を満喫しているようだった。
『これは………穴場だね』
口をついて出たのはその言葉。もっと他にあったんじゃないかとは思うけど、これが一番今の心情を表していた。
別に気を遣ったわけじゃない。人目がなく、植物が生い茂ったこの空間は、僕にとって正しく穴場だったのだ。
『でしょう? サシェなら気にいると思ってた』
ニンファは得意げに笑って、一足先にベンチに座った。手招きされるままに近づけば、僕も腕を取られてその横に座る。
じりじりと照りつける太陽も、木陰に避難した人間を追っては来ない。ようやく一息つけたような気がして、背中に回した腕をうんと伸ばした。
『ん~! やっぱり外はいいね、風も気持ちいいし』
『そうだね。今日は特に風が強い』
濃い赤色が風に舞っては揺れている。時折押さえつけてはいるけれど、それだけでは到底追いついていないようだ。
──目の前の光景に、ふと、ありもしない銀色がちらいた。何故か、なんて聞くまでもなく、自分が一番よくわかっているのに。
ヴィラも心配してるだろうし、そろそろ帰った方がいいのかも。
そう口にすればいいだけなのに、上手く言葉にできなくて、口の端をもごもごと動かす。だって、逃げるように出てきてしまった手前、顔を合わせづらいのだ。怒ってるとも言い切れないけど、少なくとも心配はかけているのだろう。
……特にレオとか。栗鼠のような少年を思い出して、また眉間に皺が寄る。しでかしたことの重大さに、今さら押し潰されそうだ。
『何? 百面相して』
『あ、ごめん。そろそろ……帰らなきゃなあって』
迷いながら吐き出した声に、ニンファはただ一言『そう』とだけ返した。返事というにはあまりに端的。けれど、心の内を見透かされているようで、何だか落ち着かない気持ちになる。
紫の瞳はただじぃっとこちらを見ていた。まるで、続きを促すかのように。
『…………その、もちろん今すぐにってわけじゃないよ。帰りも沢山歩くんだから、しっかり休んでおかないとね!』
沈黙に耐えきれず、空気をほぐそうと試みる。焦っているのが伝わったのだろうか、ニンファは小さく笑って、ようやく視線を前に戻した。
『ふふっ、ごめんね、つい楽しくなっちゃって』
『え、何が?』
『サシェをいじめるのが』
さらりと吐かれる毒の粉。そのあまりの自然さに、思わず二度見してしまった。こっちは心の内がバレているのかと、あんなに動揺していたのに。
何だか納得いかなくて、眉根を寄せ、あからさまに不機嫌な顔をつくりあげる。ニンファがこれに弱いのは、もういい加減気づいていた。
『…………』
『あれ、怒った?』
『自分の胸に聞いてみれば』
わざとつっけんどんな声を出せば、ニンファは慌てて弁明を始める。意地が悪いのか気が弱いのか、本当によく分からない。
つい耐えきれずに笑ってしまって、そんな僕を見てニンファも笑う。結局はいつも通りだ。
『ああそういえば、帰りのことは気にしなくていいよ。最初から転送魔法を使うつもりだったし』
『てんそうまほう』
耳に入った言葉をそのまま流す。聞いたことがあるような気もするけど、何度記憶を辿っても、やっぱり上手く思い出せない。……諦めよう。
そう思って見上げれば、案外すんなり意図は伝わった。
『かなり高難易度の無元素魔法でね。大量の魔力を送り込むことで、空間に歪みを生じさせるんだ。それを利用して人とか物を運ぶってわけ』
分かった? 最後に付け加えられたその言葉。首を傾けながら頷けば、それどっちなの、と呆れた声が返ってくる。
だいぶ簡略化してくれてはいるんだろうけど、こちらは魔法も使えない素人だ。多少のことは大目に見てほしい。それに、人や物を運ぶ魔法だなんて、そんな都合のいい───
『………………あ!!』
『え、何?』
いきなり叫んだ僕を見て、紫の瞳が瞬いた。
『ニンファ。その転送魔法ってやつ、大型の魔獣も運べたりする?』
『大型……?』
『えーと、人間で言えば二十人くらいかな。とんっでもなく大きいやつ』
『………まあ、理屈上は可能だよ。国家予算レベルの魔力があればの話だけど』
その返答に、ようやく確信をもって思い出す。そうだよ、あの時ヴィラが言ってたじゃないか。転送魔法で森に送りつけたって。
ぶつぶつ呟いている様子を見て不思議に思ったのだろう。ニンファは体ごと傾けて、僕の顔を覗き込む。
『それで、疑問は解決したの?』
『……うん、ありがとう。やっぱりニンファはすごいね』
正直、国家予算なんて言葉が出てくるとは思わなかった。あの短い沈黙の間に、一瞬で計算したのだろうか。そんな心の内を読み取るように、彼は笑って口を開く。
『転送魔法は馬鹿みたいに魔力を消費するから、事前の計算は必須だよ。半端なところで止まったり、逆に進みすぎたりとか。でも一番怖いのは、魔力不足による空間の分断だね。これを防ぐにも色々方法があるんだけど──』
薄い唇から吐き出されるのは、難しい言葉のオンパレード。まったく止まる様子がないのを見るに、研究心が刺激されてしまったのだろう。
こうなれば黙って話を聞くしかない。分野は違えど、研究者という枠組の中で、僕たちはよく似ていた。
『で、これがその石だよ』
何の脈略も無しに差し出されたのは、いつもつけている細身の腕輪。精緻な銀細工の中心には、小指の爪ほどもないような小さな石が埋まっている。しまった。半ば聞き流している間に、話が進んでいたらしい。
『蓄魔石っていうんだけど、普段は透明で、魔力が貯まると薄いオレンジ色に光るんだよね。だから夕陽の石っても呼ばれてる』
『な、なるほど……?』
『……君、話聞いてなかったでしょ』
裏返った声で否定すれば、額を指で弾かれる。それも結構強めに。確かに聞いてなかったけど、そこまですることないじゃないか。じんじんと痛む場所を擦りながら、恨めしい目つきで相手を見やる。
『……いたい』
『大事なことだから話してるの。それで、この石に見覚えはある?』
この石というのは、腕輪に嵌っている小さなオレンジのことだろう。
少し考えはしたけれど、特に見覚えもなかったから首を振って否定する。そもそも魔力自体ない人間に、魔力を貯める石だなんて、不要な事この上ない。
『そう……──まあいいや、何か飲み物でも買ってくるよ。喉も渇いてきたでしょう』
『え、いいよ。気にしないで』
『大丈夫、すぐ戻るから動かないで』
いや、僕が大丈夫じゃないんだけど。
去っていく背を眺めながら、一人残された広場でぽつりと呟く。立ち上がって追いかけようとも思ったけど、気遣ってもらった手前、そう安易なこともできない。
途中で体力が尽きて、迷惑をかけるよりはマシだろう。
そう自分に言い聞かせながら、肺から重たい空気を吐く。帰らなければと思うほど、何て謝ろうか、許してくれるだろうか、そんな不安が頭を過って、どうにも堪らなくなってしまう。
一度覚悟は決めたはずなのに、このままじゃ同じことの繰り返しだ。
「……ちゃんと、話さなきゃなぁ」
怖いけど、なんて余計な言葉を付け加える頭を叩いてみる。ぺしり、ぺしりと何度も軽い音を響かせていれば、背後から伸びてきた何かに、いきなり顔の下半分を覆われた。
「ん"っ、ぅ"!?」
『静かにしろ』
「ん"ー!!!」
ふわりと漂うのは、嗅いだことのある甘い香り。瞬時に息を止めて、あらん限りの力で首を振る。大体、静かにしろと言われて、言葉通りに頷く馬鹿がどこにいるのだ。抵抗するに決まってる。
けれど、どれだけ必死に引き剥がそうとも、体力の落ちた体では到底太刀打ちできやしない。何とか爪を突き立てるだけで精一杯だ。その上、抵抗を繰り返していれば、次第に息がもたなくなって苦しさに涙が滲む。
(駄目だ、耐えきれない……!)
思わず息を吸った瞬間、甘い香りが肺を満たす。
揺れているのは頭だろうか、地面だろうか、ぼやけた視界が狭まっていく。………瞼が重い。鉛のように重たいそれが閉じた時、押し出された涙は頰を伝い、布へと吸い込まれていった。
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