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3.訓練所にて推しに出会う
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私は動きやすい服装に着替えて騎士の訓練所へ向かった。途中、城内の風景が目に入るが、心の中は本当に動けるのかどうか不安でいっぱいだった。
訓練所に到着すると、そこでは数人の騎士たちが剣術の練習をしていた。彼らは私の姿を見て驚き、軽く敬礼をする。
「王女殿下、何かご用でしょうか?」訓練の指導官が近づいてきた。
「訓練に参加させていただきたいの。私の実力を確かめるために、少し剣術の訓練がしたいわ。」
指導官は少し驚いた表情を見せたが、すぐに頷いた。
「承知しました。では、お供いたします。」
私は指導官と共に訓練用の剣を取り、訓練場の中央に立った。周囲の騎士たちも訓練を中断し、興味津々に見守っている。
「では、始めましょう。」指導官が構えを取った。
私は深呼吸をし、ルナティアナの体の記憶を頼りに構えを取った。指導官が攻撃を仕掛けてくると、驚くほど自然に体が動き、彼の攻撃を防ぎ、反撃を加えることができた。
――すごい…。
私は心の中で驚きと喜びを感じた。ルナティアナの体の能力がしっかりと発揮できている。
訓練が進むにつれて、私の動きはますます冴え、指導官との激しいやり取りが続いた。剣が交わる音が響き渡り、汗が流れる。私の動きは滑らかで、的確に指導官の攻撃を受け流し、反撃の機会を逃さなかった。
最終的に、私は指導官を圧倒し、彼の剣をはじき飛ばした。訓練場にいる騎士たちも驚嘆の声を上げた。
「王女殿下、素晴らしい腕前です。」指導官が息を切らしながら言った。「このような剣技をお持ちとは、全く予想外でした。」
「ありがとうございます。」私は軽く微笑みながら答えた。「訓練は役に立ちました。皆さんも、日々の鍛錬を怠らずに続けてください。」
――ふっふっふっ。それっぽいこと言えてるわね。
周囲の騎士たちはまだ驚きを隠せない様子で私を見つめていた。彼らの中には、以前のルナティアナの傲慢で我儘な態度を知っている者もいた。そのため、私の礼儀正しい態度と剣技に対する真剣な姿勢に戸惑っているようだった。
「殿下、もし差し支えなければ、もう一度お手合わせ願えますか?」一人の若い騎士が勇気を出して声をかけてきた。
「もちろん、喜んで。」私は頷き、再び剣を構えた。
若い騎士は緊張しながらも真剣な表情で立ち向かってきた。彼の攻撃を受け流し、適切なタイミングで反撃を加えることで、私は彼の技術を高める手助けをした。
訓練が終わった後、若い騎士は息を切らしながらも満足げに微笑んだ。
「ありがとうございます、殿下。おかげで自分の弱点がよく分かりました。」
「よ、良かったわ。く、訓練を続ければ、もっと強くなれるはずよ。」私は励ましの言葉をかけた。
――本当はよくわかってないけれど…イメージアップの為よ!!
訓練場の騎士たちは私の態度に感動し、以前のルナティアナとの違いに戸惑いながらも、その変化を歓迎するかのように感じられた。彼らの視線からは、私に対する信頼と尊敬が少しずつ芽生えているのが分かった。
その日は夜になるまで騎士たちと訓練に励んだ。剣を交えるたびに体が馴染み、動きが滑らかになっていくのを感じた。騎士たちも次第に私に打ち解け、訓練は和やかな雰囲気で進んだ。
完全に夜になり、月明かりが訓練場を照らす頃、訓練場の扉が開き、銀髪の長い髪を美しく束ね、チェーンのついた眼鏡をかけた高身長の美しい男性が現れた。彼の存在感が場の空気を一変させた。そう、この人こそ最推しの悪役宰相バルサザール・クロウリーだ。
だが、彼の顔には怒りの色が浮かんでいた。
――本物のバルサザールだぁ!!!って、なんか怒ってない?怒ってる…よね?
彼は冷たい視線を私に向け、鋭い声で言った。
「ルナティアナ王女殿下。会議にも来ない、昼食の時間になっても現れない、晩餐の時間になっても現れない。いったいどこで何をしているのかと思えば…」
彼の言葉に訓練場の騎士たちも緊張の色を見せた。
――やっぱり怒ってるーーー!!そっか、私会議とか出てるんだ…。スケジュールとか思い出しておくべきだった…。
私も一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻し、バルサザールに向き直った。
「バルサザール、訓練に参加していたのです。王女としての責務を果たすために、自分自身の力を確かめることが必要でした。」
彼は目を細め、私を見下ろした。
「あなたのその急な行動が、どれほど多くの者を困惑させたか理解していますか?」
私は深呼吸をし、彼の視線を真っ直ぐに受け止めた。
「確かに、私の行動は突然だったかもしれません。しかし、これからの私にはこのような訓練が必要なのです。あなたも私が成長し、王国のために強くなることを望んでいるのでは?」
バルサザールはしばらく沈黙した後、冷静な声で言った。
「その意図は理解しました。しかし、次からは事前に知らせてください。王女の身の安全は最優先事項です。」
私は軽く頷いた。
「えぇ、わかったわ。心配かけて申し訳なかったわ。」
彼は少し表情を和らげたが、その眼光はまだ鋭い。
「いいでしょう。それでは、今後の予定について話し合うために、一緒に戻りましょう。」
「わかりました。」
私は彼の言葉に従い、訓練場を後にした。
バルサザールの背中を見つめながら、私の頭の中は彼に抱きつきたくて仕方がなかった。あぁ…日夜書類と格闘している彼だが、しっかりと鍛えられていそうな体つきが服の上から見てもわかった。ぬ、脱がしたい。なんてこと考えてるの私!!破廉恥だわ!
そんなアホなことを考えていると、突然バルサザールが足を止めたので、ぶつかってしまった。
「わぶっ!!」
「…。」
「あ、ごめんなさい。」
バルサザールは私を冷静に見下ろし、少しの間沈黙が流れた後、静かに口を開いた。
「王女殿下。全くお食事をとられていないようでしたが、何か用意させましょうか?」
私は彼の言葉に驚き、そしてすぐに頷いた。「そうね、確かに少しお腹が空いたわ。」
「では、執務室に用意させましょう。」彼は言って、再び歩き始めた。
バルサザールの後を追いながら、私は彼の気遣いに感謝しつつ、内心の動揺を抑えた。執務室に着くと、彼はすぐに召使いに指示を出し、食事の準備をさせた。
執務室の広い机には書類が山積みになっており、バルサザールの忙しさが一目で分かる。彼はその机の一角を片付け、私に座るよう促した。
「お待ちください。すぐに食事が届きます。」
「ありがとう、バルサザール。本当に助かるわ。」
彼は静かに頷き、再び書類に目を通し始めた。その姿を見つめながら、私は彼の背中に再び目を奪われた。頼もしく、強い意志を感じさせる彼の姿に、心がときめくのを感じた。
しかし、今は彼の信頼を得るための重要な時期だ。感情に流されず、冷静に行動しなければならない。
「バルサザール、私の明日のスケジュールはどうなってるかわかる?」
彼は一瞬驚いたような表情を見せ、「は?」と問い返した。
私は少し焦りながらも、言い訳を考えた。「あ、あの。寝てたらベッドから落ちてて、記憶が少し曖昧なの・・・。」
バルサザールは私をじっと見つめ、少しの間沈黙が流れた後、再び冷静な声で言った。
「なるほど。では、スケジュールを確認いたしましょう。」
彼は机の引き出しからスケジュール帳を取り出し、ページをめくり始めた。
「明日は午前中に王宮内の会議があり、午後は外部の視察が予定されています。また、夕方には晩餐会が予定されています。」
「ありがとう。確認してくれて助かるわ。」私は感謝の意を込めて微笑んだ。
その後、少し困った表情を浮かべながら続けた。
「実は、頭の調子があまり良くなくて…スケジュールを一旦白紙に戻してもらえないかしら?」
バルサザールは私の言葉を聞いて少し考え込んだが、すぐに頷いた。
「分かりました、殿下。今日の訓練やお食事を全くとられないといった数々の奇行を考えると、そのほうが良いかもしれません。明日の予定を全てキャンセルして、殿下の体調を整えることを優先しましょう。」
「助かるわ、バルサザール。本当にありがとう。」
「どういたしまして。ご自身の健康が最優先ですから。何か他にご要望があれば、いつでもお知らせください。」
バルサザールは手際よくスケジュールを整理し直し、全ての予定をキャンセルする手続きを進めた。その間、私は彼の冷静で効率的な対応に感謝しながら、彼の信頼を得るためにどのように接すれば良いかを考えていた。
「それでは、王女殿下。少しお休みになって、体調を整えてください。必要であれば、私が医師を手配します。」
「ありがとう。でも、今は少し休めば大丈夫だと思うわ。」
彼は頷き、私に優しい笑みを浮かべた。
「わかりました。どうぞごゆっくりお休みください。」
訓練所に到着すると、そこでは数人の騎士たちが剣術の練習をしていた。彼らは私の姿を見て驚き、軽く敬礼をする。
「王女殿下、何かご用でしょうか?」訓練の指導官が近づいてきた。
「訓練に参加させていただきたいの。私の実力を確かめるために、少し剣術の訓練がしたいわ。」
指導官は少し驚いた表情を見せたが、すぐに頷いた。
「承知しました。では、お供いたします。」
私は指導官と共に訓練用の剣を取り、訓練場の中央に立った。周囲の騎士たちも訓練を中断し、興味津々に見守っている。
「では、始めましょう。」指導官が構えを取った。
私は深呼吸をし、ルナティアナの体の記憶を頼りに構えを取った。指導官が攻撃を仕掛けてくると、驚くほど自然に体が動き、彼の攻撃を防ぎ、反撃を加えることができた。
――すごい…。
私は心の中で驚きと喜びを感じた。ルナティアナの体の能力がしっかりと発揮できている。
訓練が進むにつれて、私の動きはますます冴え、指導官との激しいやり取りが続いた。剣が交わる音が響き渡り、汗が流れる。私の動きは滑らかで、的確に指導官の攻撃を受け流し、反撃の機会を逃さなかった。
最終的に、私は指導官を圧倒し、彼の剣をはじき飛ばした。訓練場にいる騎士たちも驚嘆の声を上げた。
「王女殿下、素晴らしい腕前です。」指導官が息を切らしながら言った。「このような剣技をお持ちとは、全く予想外でした。」
「ありがとうございます。」私は軽く微笑みながら答えた。「訓練は役に立ちました。皆さんも、日々の鍛錬を怠らずに続けてください。」
――ふっふっふっ。それっぽいこと言えてるわね。
周囲の騎士たちはまだ驚きを隠せない様子で私を見つめていた。彼らの中には、以前のルナティアナの傲慢で我儘な態度を知っている者もいた。そのため、私の礼儀正しい態度と剣技に対する真剣な姿勢に戸惑っているようだった。
「殿下、もし差し支えなければ、もう一度お手合わせ願えますか?」一人の若い騎士が勇気を出して声をかけてきた。
「もちろん、喜んで。」私は頷き、再び剣を構えた。
若い騎士は緊張しながらも真剣な表情で立ち向かってきた。彼の攻撃を受け流し、適切なタイミングで反撃を加えることで、私は彼の技術を高める手助けをした。
訓練が終わった後、若い騎士は息を切らしながらも満足げに微笑んだ。
「ありがとうございます、殿下。おかげで自分の弱点がよく分かりました。」
「よ、良かったわ。く、訓練を続ければ、もっと強くなれるはずよ。」私は励ましの言葉をかけた。
――本当はよくわかってないけれど…イメージアップの為よ!!
訓練場の騎士たちは私の態度に感動し、以前のルナティアナとの違いに戸惑いながらも、その変化を歓迎するかのように感じられた。彼らの視線からは、私に対する信頼と尊敬が少しずつ芽生えているのが分かった。
その日は夜になるまで騎士たちと訓練に励んだ。剣を交えるたびに体が馴染み、動きが滑らかになっていくのを感じた。騎士たちも次第に私に打ち解け、訓練は和やかな雰囲気で進んだ。
完全に夜になり、月明かりが訓練場を照らす頃、訓練場の扉が開き、銀髪の長い髪を美しく束ね、チェーンのついた眼鏡をかけた高身長の美しい男性が現れた。彼の存在感が場の空気を一変させた。そう、この人こそ最推しの悪役宰相バルサザール・クロウリーだ。
だが、彼の顔には怒りの色が浮かんでいた。
――本物のバルサザールだぁ!!!って、なんか怒ってない?怒ってる…よね?
彼は冷たい視線を私に向け、鋭い声で言った。
「ルナティアナ王女殿下。会議にも来ない、昼食の時間になっても現れない、晩餐の時間になっても現れない。いったいどこで何をしているのかと思えば…」
彼の言葉に訓練場の騎士たちも緊張の色を見せた。
――やっぱり怒ってるーーー!!そっか、私会議とか出てるんだ…。スケジュールとか思い出しておくべきだった…。
私も一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻し、バルサザールに向き直った。
「バルサザール、訓練に参加していたのです。王女としての責務を果たすために、自分自身の力を確かめることが必要でした。」
彼は目を細め、私を見下ろした。
「あなたのその急な行動が、どれほど多くの者を困惑させたか理解していますか?」
私は深呼吸をし、彼の視線を真っ直ぐに受け止めた。
「確かに、私の行動は突然だったかもしれません。しかし、これからの私にはこのような訓練が必要なのです。あなたも私が成長し、王国のために強くなることを望んでいるのでは?」
バルサザールはしばらく沈黙した後、冷静な声で言った。
「その意図は理解しました。しかし、次からは事前に知らせてください。王女の身の安全は最優先事項です。」
私は軽く頷いた。
「えぇ、わかったわ。心配かけて申し訳なかったわ。」
彼は少し表情を和らげたが、その眼光はまだ鋭い。
「いいでしょう。それでは、今後の予定について話し合うために、一緒に戻りましょう。」
「わかりました。」
私は彼の言葉に従い、訓練場を後にした。
バルサザールの背中を見つめながら、私の頭の中は彼に抱きつきたくて仕方がなかった。あぁ…日夜書類と格闘している彼だが、しっかりと鍛えられていそうな体つきが服の上から見てもわかった。ぬ、脱がしたい。なんてこと考えてるの私!!破廉恥だわ!
そんなアホなことを考えていると、突然バルサザールが足を止めたので、ぶつかってしまった。
「わぶっ!!」
「…。」
「あ、ごめんなさい。」
バルサザールは私を冷静に見下ろし、少しの間沈黙が流れた後、静かに口を開いた。
「王女殿下。全くお食事をとられていないようでしたが、何か用意させましょうか?」
私は彼の言葉に驚き、そしてすぐに頷いた。「そうね、確かに少しお腹が空いたわ。」
「では、執務室に用意させましょう。」彼は言って、再び歩き始めた。
バルサザールの後を追いながら、私は彼の気遣いに感謝しつつ、内心の動揺を抑えた。執務室に着くと、彼はすぐに召使いに指示を出し、食事の準備をさせた。
執務室の広い机には書類が山積みになっており、バルサザールの忙しさが一目で分かる。彼はその机の一角を片付け、私に座るよう促した。
「お待ちください。すぐに食事が届きます。」
「ありがとう、バルサザール。本当に助かるわ。」
彼は静かに頷き、再び書類に目を通し始めた。その姿を見つめながら、私は彼の背中に再び目を奪われた。頼もしく、強い意志を感じさせる彼の姿に、心がときめくのを感じた。
しかし、今は彼の信頼を得るための重要な時期だ。感情に流されず、冷静に行動しなければならない。
「バルサザール、私の明日のスケジュールはどうなってるかわかる?」
彼は一瞬驚いたような表情を見せ、「は?」と問い返した。
私は少し焦りながらも、言い訳を考えた。「あ、あの。寝てたらベッドから落ちてて、記憶が少し曖昧なの・・・。」
バルサザールは私をじっと見つめ、少しの間沈黙が流れた後、再び冷静な声で言った。
「なるほど。では、スケジュールを確認いたしましょう。」
彼は机の引き出しからスケジュール帳を取り出し、ページをめくり始めた。
「明日は午前中に王宮内の会議があり、午後は外部の視察が予定されています。また、夕方には晩餐会が予定されています。」
「ありがとう。確認してくれて助かるわ。」私は感謝の意を込めて微笑んだ。
その後、少し困った表情を浮かべながら続けた。
「実は、頭の調子があまり良くなくて…スケジュールを一旦白紙に戻してもらえないかしら?」
バルサザールは私の言葉を聞いて少し考え込んだが、すぐに頷いた。
「分かりました、殿下。今日の訓練やお食事を全くとられないといった数々の奇行を考えると、そのほうが良いかもしれません。明日の予定を全てキャンセルして、殿下の体調を整えることを優先しましょう。」
「助かるわ、バルサザール。本当にありがとう。」
「どういたしまして。ご自身の健康が最優先ですから。何か他にご要望があれば、いつでもお知らせください。」
バルサザールは手際よくスケジュールを整理し直し、全ての予定をキャンセルする手続きを進めた。その間、私は彼の冷静で効率的な対応に感謝しながら、彼の信頼を得るためにどのように接すれば良いかを考えていた。
「それでは、王女殿下。少しお休みになって、体調を整えてください。必要であれば、私が医師を手配します。」
「ありがとう。でも、今は少し休めば大丈夫だと思うわ。」
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