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11.公爵家を導く新たな力
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サクレティアが庭で穏やかな時間を過ごしていると、突然、執事のバルドが慌てた様子で走り込んできた。その姿を見て、サクレティアの心は一気に緊張に包まれた。
「奥様!大変です!」バルドは息を切らしながら、必死に言葉を紡いだ。
「どうしたのですか、バルド?」サクレティアは驚いて問いかけた。
「ク、クレノース様が……大奥様の手によって監禁されてしまいました!」バルドの顔には焦りがあり、彼がこの事態を深刻に受け止めているのが伝わってきた。
「監禁……?」サクレティアは信じられないという表情で繰り返した。
「そうです……クレノース様は、今、足枷をはめられ、部屋から出ることができない状況にあります。このままでは、公爵としての業務も滞り、領民にも多大な影響が出てしまいます。」
サクレティアはその言葉に愕然とした。クレノースが監禁されているという事実も衝撃的だったが、それ以上に、彼のいない間に領民が困難な状況に陥るかもしれないという現実が彼女の心に重くのしかかった。
「どうして……母親がそこまで……」サクレティアは思わず呟いた。
バルドは神妙な顔つきで続けた。「大奥様は、クレノース様が自分のもとを離れるのを許せないのです。彼を支配し続けるために、極端な手段に出られたようです。クレノース様がこのままでは、公爵家の存続そのものが危ぶまれます……」
サクレティアは静かに目を閉じ、深く考え込んだ。これまで彼女が過ごしてきた日々の平穏が、今や壊れようとしている。そしてクレノースが閉じ込められたことで、彼女はある決意を固めた。
「私が……代わりに執務を引き受けます。」サクレティアは決意を込めた声で言い放った。
バルドは驚きながらも、彼女の力強い決意に目を見張った。「奥様……ですが、それは……」
「公爵家がこのまま混乱に陥るわけにはいきません。クレノース様を助けるためにも、まずは領民や公爵家を守ることが最優先です。」彼女の声には、これまで見せなかった強い意志が感じられた。
バルドは一瞬の迷いの後、何かを思い出したようにポケットから小さな箱を取り出した。そして、その箱をサクレティアに差し出した。
「実は……クレノース様は、何かあった時のためにこれをサクレティア様に渡すようにと私に託しておられました。」バルドは静かにその言葉を伝えた。
サクレティアは驚きながらも、その箱を受け取った。「これは……?」
「これは、公爵家の全ての権限を象徴する玉璽です。これを持つ者が、公爵家の決定権を持ちます。クレノース様は、万が一の事態に備え、サクレティア様が公爵家を守るべき時が来ると考えておられたのでしょう。」
サクレティアは箱を開き、中に収められた玉璽を見つめた。手の中にその重みを感じながら、彼女は自分に課された大きな責任を実感した。
「……私が、全てを引き受けるということですね。」サクレティアは小さく呟きながら、目を閉じた。
「どうか、クレノース様をお救いするために……公爵家と領民をお守りください。」バルドは深く頭を下げた。
サクレティアは力強く頷き、決意を新たにした。
「分かりました。私が、公爵家と領民を守ります。クレノース様が戻られるまでの間、私が公爵の役割を果たします。」
サクレティアは、公爵家の執務室に入るとすぐに机に山積みされた書類に目を通し始めた。玉璽を手にしながら、公爵としての責任の重さが押し寄せてくるのを感じた。領民の生活、税の管理、国との外交――全てが彼女の手に委ねられていた。
だが、その責務を前にして、彼女の心の中には別の感情が渦巻いていた。
《本当に、なんであんなに母親に従うんだろう……》
ペンを握りしめながら、サクレティアは無意識に「クレノース様」と呼ぶことをやめ、ただ「クレノース」と、心の中で名前を吐き捨てるように呼んだ。
《あの馬鹿!だから言ったじゃない!母親に報告するなって!……避妊すればよかったのに、何を考えていたの!?母親が大好きなくせに!!》
心の中で思わず叫び、その怒りがつい声に出てしまった。「母親のことばっかり考えてる馬鹿……!」
隣に立っていたバルドが、再び咳払いをして彼女をたしなめる。「コホン……奥様、少しお声が……」
「……声に出てた?」サクレティアは苛立ちを抑えきれずに答えたが、すぐに少し反省の表情を浮かべた。
「はい、少しばかり……」バルドは丁寧に答えたが、その視線には優しさと心配が込められていた。
「……ごめんなさい、気をつけるわ。」彼女は深呼吸をし、冷静を取り戻そうとしたが、内心ではまだ怒りが消えていなかった。
しかし、悪阻が彼女の身体をさらに苛む。吐き気が強まり、ふとした瞬間に体が重く感じる。サクレティアは机に肘をついて、少し頭を休める。
《でも、今倒れてる場合じゃない……》
彼女は再び自分に言い聞かせた。クレノースの失敗にもかかわらず、今は彼を救い、公爵家を守るために動かなければならない。怒りと疲労が押し寄せる中、サクレティアは一つ一つの書類にペンを走らせ続けた。
サクレティアが公爵としての執務を代わりに行い始めてから、数日が経過した。最初は、彼女がクレノースの代理として任務を果たすことに、周囲の者たちは少しばかりの不安を抱いていた。しかし、その不安は次第に期待へと変わっていった。
バルドはいつものように執務室のドアを軽くノックし、書類を抱えたままサクレティアの指示を待っていた。彼はこれまでに何度もクレノースの執務を補佐してきたが、サクレティアの指示がこれほどまでに的確で迅速であるとは思ってもみなかった。彼女の判断力は鋭く、彼女が進めた改革は驚くべき成果を上げ始めていた。
サクレティアは目の前の書類に目を通しながら、落ち着いた声で指示を出す。「この提案、実行に移して。農業に関してはすぐに支援策を広げる必要があります。収穫時期が近づいているからこそ、今が大事な時期です。無駄な支出を抑え、適切な場所に投資を行いましょう。」
バルドはその言葉に驚きを隠せなかった。彼女の細かな指示は、これまでの公爵のやり方とは全く異なり、しかも的を射ていた。彼が持ち込んだ書類に瞬時に目を通し、即座に的確な判断を下す彼女の姿に、彼は感嘆の念を抱かずにはいられなかった。
「奥様……これほどまでに短期間で、ここまでの改善があるとは……驚くべきことです。」
バルドは言葉を選びながら、心の中で自分の驚きを押し殺そうとしたが、どうしても抑えきれなかった。彼は、クレノースの統治下で長年公爵家に仕えてきたが、サクレティアの手腕はそれ以上のものを見せ始めていた。
「驚くべきことではありませんよ、バルド。ただ、必要なことをしているだけです。公爵家を守り、領地を発展させるために。」サクレティアは穏やかに答えたが、その声には強い決意が込められていた。
バルドはその言葉を聞き、内心で自分の忠誠心が揺れ動くのを感じた。彼はこれまでクレノースに対して絶対的な忠誠を誓ってきた。しかし、今、彼の目の前にいる女性――サクレティアは、その知性と冷静な判断力で公爵家を導くにふさわしい存在であると感じた。
「奥様、私は……」
彼は言葉を詰まらせた。だが、その瞬間、彼はサクレティアに心からの敬意と忠誠を誓う決意を固めていた。
「私は、これからも全力であなたを支えていきます。どうかご安心ください。」バルドは深々と頭を下げ、心の底から彼女への忠誠を表した。
サクレティアはその言葉に静かに微笑みながら、彼の決意を受け止めた。「ありがとう、バルド。これからも力を貸してくれると助かります。」
その瞬間、バルドは公爵家を守るために必要な人物が、サクレティアであることを確信した。
「奥様!大変です!」バルドは息を切らしながら、必死に言葉を紡いだ。
「どうしたのですか、バルド?」サクレティアは驚いて問いかけた。
「ク、クレノース様が……大奥様の手によって監禁されてしまいました!」バルドの顔には焦りがあり、彼がこの事態を深刻に受け止めているのが伝わってきた。
「監禁……?」サクレティアは信じられないという表情で繰り返した。
「そうです……クレノース様は、今、足枷をはめられ、部屋から出ることができない状況にあります。このままでは、公爵としての業務も滞り、領民にも多大な影響が出てしまいます。」
サクレティアはその言葉に愕然とした。クレノースが監禁されているという事実も衝撃的だったが、それ以上に、彼のいない間に領民が困難な状況に陥るかもしれないという現実が彼女の心に重くのしかかった。
「どうして……母親がそこまで……」サクレティアは思わず呟いた。
バルドは神妙な顔つきで続けた。「大奥様は、クレノース様が自分のもとを離れるのを許せないのです。彼を支配し続けるために、極端な手段に出られたようです。クレノース様がこのままでは、公爵家の存続そのものが危ぶまれます……」
サクレティアは静かに目を閉じ、深く考え込んだ。これまで彼女が過ごしてきた日々の平穏が、今や壊れようとしている。そしてクレノースが閉じ込められたことで、彼女はある決意を固めた。
「私が……代わりに執務を引き受けます。」サクレティアは決意を込めた声で言い放った。
バルドは驚きながらも、彼女の力強い決意に目を見張った。「奥様……ですが、それは……」
「公爵家がこのまま混乱に陥るわけにはいきません。クレノース様を助けるためにも、まずは領民や公爵家を守ることが最優先です。」彼女の声には、これまで見せなかった強い意志が感じられた。
バルドは一瞬の迷いの後、何かを思い出したようにポケットから小さな箱を取り出した。そして、その箱をサクレティアに差し出した。
「実は……クレノース様は、何かあった時のためにこれをサクレティア様に渡すようにと私に託しておられました。」バルドは静かにその言葉を伝えた。
サクレティアは驚きながらも、その箱を受け取った。「これは……?」
「これは、公爵家の全ての権限を象徴する玉璽です。これを持つ者が、公爵家の決定権を持ちます。クレノース様は、万が一の事態に備え、サクレティア様が公爵家を守るべき時が来ると考えておられたのでしょう。」
サクレティアは箱を開き、中に収められた玉璽を見つめた。手の中にその重みを感じながら、彼女は自分に課された大きな責任を実感した。
「……私が、全てを引き受けるということですね。」サクレティアは小さく呟きながら、目を閉じた。
「どうか、クレノース様をお救いするために……公爵家と領民をお守りください。」バルドは深く頭を下げた。
サクレティアは力強く頷き、決意を新たにした。
「分かりました。私が、公爵家と領民を守ります。クレノース様が戻られるまでの間、私が公爵の役割を果たします。」
サクレティアは、公爵家の執務室に入るとすぐに机に山積みされた書類に目を通し始めた。玉璽を手にしながら、公爵としての責任の重さが押し寄せてくるのを感じた。領民の生活、税の管理、国との外交――全てが彼女の手に委ねられていた。
だが、その責務を前にして、彼女の心の中には別の感情が渦巻いていた。
《本当に、なんであんなに母親に従うんだろう……》
ペンを握りしめながら、サクレティアは無意識に「クレノース様」と呼ぶことをやめ、ただ「クレノース」と、心の中で名前を吐き捨てるように呼んだ。
《あの馬鹿!だから言ったじゃない!母親に報告するなって!……避妊すればよかったのに、何を考えていたの!?母親が大好きなくせに!!》
心の中で思わず叫び、その怒りがつい声に出てしまった。「母親のことばっかり考えてる馬鹿……!」
隣に立っていたバルドが、再び咳払いをして彼女をたしなめる。「コホン……奥様、少しお声が……」
「……声に出てた?」サクレティアは苛立ちを抑えきれずに答えたが、すぐに少し反省の表情を浮かべた。
「はい、少しばかり……」バルドは丁寧に答えたが、その視線には優しさと心配が込められていた。
「……ごめんなさい、気をつけるわ。」彼女は深呼吸をし、冷静を取り戻そうとしたが、内心ではまだ怒りが消えていなかった。
しかし、悪阻が彼女の身体をさらに苛む。吐き気が強まり、ふとした瞬間に体が重く感じる。サクレティアは机に肘をついて、少し頭を休める。
《でも、今倒れてる場合じゃない……》
彼女は再び自分に言い聞かせた。クレノースの失敗にもかかわらず、今は彼を救い、公爵家を守るために動かなければならない。怒りと疲労が押し寄せる中、サクレティアは一つ一つの書類にペンを走らせ続けた。
サクレティアが公爵としての執務を代わりに行い始めてから、数日が経過した。最初は、彼女がクレノースの代理として任務を果たすことに、周囲の者たちは少しばかりの不安を抱いていた。しかし、その不安は次第に期待へと変わっていった。
バルドはいつものように執務室のドアを軽くノックし、書類を抱えたままサクレティアの指示を待っていた。彼はこれまでに何度もクレノースの執務を補佐してきたが、サクレティアの指示がこれほどまでに的確で迅速であるとは思ってもみなかった。彼女の判断力は鋭く、彼女が進めた改革は驚くべき成果を上げ始めていた。
サクレティアは目の前の書類に目を通しながら、落ち着いた声で指示を出す。「この提案、実行に移して。農業に関してはすぐに支援策を広げる必要があります。収穫時期が近づいているからこそ、今が大事な時期です。無駄な支出を抑え、適切な場所に投資を行いましょう。」
バルドはその言葉に驚きを隠せなかった。彼女の細かな指示は、これまでの公爵のやり方とは全く異なり、しかも的を射ていた。彼が持ち込んだ書類に瞬時に目を通し、即座に的確な判断を下す彼女の姿に、彼は感嘆の念を抱かずにはいられなかった。
「奥様……これほどまでに短期間で、ここまでの改善があるとは……驚くべきことです。」
バルドは言葉を選びながら、心の中で自分の驚きを押し殺そうとしたが、どうしても抑えきれなかった。彼は、クレノースの統治下で長年公爵家に仕えてきたが、サクレティアの手腕はそれ以上のものを見せ始めていた。
「驚くべきことではありませんよ、バルド。ただ、必要なことをしているだけです。公爵家を守り、領地を発展させるために。」サクレティアは穏やかに答えたが、その声には強い決意が込められていた。
バルドはその言葉を聞き、内心で自分の忠誠心が揺れ動くのを感じた。彼はこれまでクレノースに対して絶対的な忠誠を誓ってきた。しかし、今、彼の目の前にいる女性――サクレティアは、その知性と冷静な判断力で公爵家を導くにふさわしい存在であると感じた。
「奥様、私は……」
彼は言葉を詰まらせた。だが、その瞬間、彼はサクレティアに心からの敬意と忠誠を誓う決意を固めていた。
「私は、これからも全力であなたを支えていきます。どうかご安心ください。」バルドは深々と頭を下げ、心の底から彼女への忠誠を表した。
サクレティアはその言葉に静かに微笑みながら、彼の決意を受け止めた。「ありがとう、バルド。これからも力を貸してくれると助かります。」
その瞬間、バルドは公爵家を守るために必要な人物が、サクレティアであることを確信した。
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