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【オマケ/空の上の話】

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僕には4人の兄がいる。

長男の兄は僕が生まれる数千年前に生まれて、祖父母に育てられ、今は自由に愛する人と共に永遠を生きているらしい。たまに顔をだしてくれる。顔は気持ち悪いほど僕に似ていて、兄弟なんだなと嫌でも思ってしまう。

次男の兄は僕と一緒に祖父母の仕事の手伝いをして過ごしている。次男の兄も顔が気持ち悪いほど僕と似ていて、この顔しか生まれてこない血筋なんだろうなと思ってしまう。

三男の兄は亡くなっていた。祖父から聞いた話によると、旅に出ていた兄さんは、とある王国の英雄の大量殺人に巻き込まれたそうだ。

四男の兄は僕とは、ある意味で異父兄弟。金髪碧眼の綺麗でかっこいい兄だった。沢山遊んでくれた。僕は兄が大好きだった。

なかなか歳をとらない僕は、結局父さんにつられて、不老不死の祖父母がいる神殿に送られてしまった。


父さんは、魂がループをするという奇妙な世界で母と永遠の時を生きている。たまに会いにいけば記憶はあれど、全くの別人な気がして、会いにいくことをやめた。

次男の兄も、そんな感じだった。それよりも神殿で、沢山の本を読んで過ごすほうが有意義だと感じているようだった。

「ねぇ兄様。」

「なんだい?」

「愛って、永遠にしてしまうほど面白いのかな?」

「人によるな。」

「母上は、鳥籠に閉じ込められているようで可哀想に見えない?」

「それも人による。少なくとも俺の時は母上も嬉しそうだったよ。俺達黒髪の子が生まれる時は初代の母上の記憶が継承されるんだ。継承されても幸せそうだから、きっと幸せなんだろ。俺達の…いや、ヒトの考えや思想を他人に押し付けてはいないよ。世の中には色んな幸せなカタチがあるからね。」

「そっか。難しいね。兄様は本ばっかり読んでて楽しいの?」

「楽しいさ。人の人生は素晴らしい。」

「でも、たまに面白くない話だと下界へ降りて無理矢理話を変えるよね。押し付けてるじゃん。」

「うっ…。え、選ぶのは彼らさ。俺は一応選ばせている。」

「ふーん。僕も一度下界へ降りて、愛とやらを探してみようかな。でも人間の寿命ってあっという間だよね。」

「終わったら、ここへ帰ればいい。神殿はいつでも人手不足だ。」

「じゃあ、孫を連れて帰ってくるよ。」

「あぁ、そうするといい。もし、寿命を終える気になった時は一度顔をだしてくれないか。」

「わかったよ。」

「俺達は完璧な不老不死ではないからね。気を付けろよ。」

「うん。ついでに母上と父上の様子を見てくるよ。」

「あぁ、くれぐれも邪魔をしないようにな。」

「うん。」
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